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2018年11月11日(日)更新

VUCA

VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という4つのキーワードの頭文字から取った言葉で、現代の経営環境や個人のキャリアを取り巻く状況を表現するキーワードとして使われています。

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VUCAとは

VUCA(ブーカ)とは4つの単語

Volatility(変動性)

Uncertainty(不確実性)

Complexity(複雑性)

Ambiguity(曖昧性)

から頭文字をとって作られた単語であり、現代のカオス化した経済環境を指す言葉です。

VUCAはもともと1990年代にアメリカの軍事領域において用いられてきた言葉で、一言でいうと「予測不能な状態」を意味します。

昨今、経済、企業組織、個人のキャリアにいたるまで、ありとあらゆるものを取り巻く環境が複雑さを増し、将来の予測が困難な状況にあります。

そんな中、2010年代に入って以降、世界の経済界各所で「VUCAの時代」が到来したといわれるようになりました。

VUCA時代

2014年、ASTD国際大会にてVUCAは注目を浴びました。「チェンジ(変化)」にフォーカスが当たったこの年、VUCAは多くのセッションで登場しています。

2016年に入って以降もWEF世界経済フォーラム(ダボス会議)やIMD国際経営開発研究所主催の講演でVUCAは数多くのビジネス界の著名人に取り上げられ、「VUCAワールド」という言葉が頻出しています。現代ビジネスは本格的にVUCA時代に突入したといえます。

※ASTDとは・・・米国人材開発機構、1944年に設立された非営利団体。100か国以上の国々に約40000人の会員をもつ、訓練・人材開発・パフォーマンスに関する世界最大の会員制組織。現ATD

出典 http://www.astdjapan.com/%E7%B1%B3%E5%9B%BDastd%E3%81%A8%E3%81%AF/

現代におけるビジネス環境の変化「VUCAワールド」

2000年代以降、世界経済は急速にグローバル化が進み、市場は急激な変化を遂げています。変化は日本においても進んでいて、たとえば個人のレベルでは、もはや終身雇用制度は崩壊に向かっており、それまで安泰といわれていた大企業の倒産も目立つようになっています。

 また、IT技術の進歩に伴うイノベーションの加速によってあらゆる市場で既存ビジネスモデルの崩壊・再構築が始まり、ビジネス界の新陳代謝はどんどん激しくなる一方です。世界の家電市場を席巻していたにも関わらず、現在衰退傾向にある日本の電機メーカーはそのいい例であり、一度市場の覇者となっても数年以内に流行が廃れてしまうサービスもまた珍しくありません。

ビジネスモデル一つとっても、これまでの10年間を今後の10年間と比較すると、その変化の速さは比べものにもならないでしょう。VUCAワールドはそんな、めまぐるしく変化し、先が予測できないビジネス環境を的確に示しているといえます。

 より具体的なVUCA時代到来を示す事例を4つの単語Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)に絡めながら説明していきましょう。

Volatility-変動性-

テクノロジーの進歩とともに、現代のビジネスは急激な変化を遂げております。個人の趣味 趣向は多様化する一方で、市場はどんどん細分化されつつあります。

SNS市場を取り巻く変動性

 日本でのSNSの先駆けといえば「mixi」などが思い浮かぶでしょうが今現在利用している方はどれくらいいるでしょうか。「Facebook」や「Twitter」といったサービスも根強い人気がありますが、コミュニケーションを革新させたといってもいいサービスが「LINE」です。 「LINE」の世界累計ダウンロード数は10億件を超えています。しかも驚くべきことに「LINE」が誕生してからまだ6年しか経っていません。また「snapchat」や「Shots of Me」など新たなサービスが続々と登場し、市場は現在も恐ろしいスピードで変化を遂げています。

変動性はこのように急速で大きな変化を表す言葉です。

出典URL https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2014/766

Uncertainty-不確実性-

政治、経済、市場を取り巻く環境はグローバル化が進み、一方では世界中で大規模な自然災害や気候の変化が発生しています。現代を取り巻く状況はますますカオスが深まっています。

2016年不確実性を世界の政治が体現

2016年、まさに不確実性を体現するといっても過言ではないことが何度も起きています。まず一つは2016年6月に起きたイギリスのEU離脱です。当初多くの経済評論家が残留を予想し、大手ブックメーカーでも「離脱」の倍率が「残留」の倍率を大きく上回りました。しかしながら国民投票の結果は「離脱」勝利であり、世界中の株価市場は乱高下する事態になりました。

もう一つ世界に大きなショックを与えたのが11月のアメリカ大統領選挙です。結果はまさかのトランプ氏当選で、これは多くの専門家たちですら予想しない結果でした。当日の為替市場は大幅な値動きが観測されています。

不確実性はこのように未来がどうなるか予測することが困難な様を意味しています。

Complexity-複雑性-

既存の枠組みを超えた事業が増えつつある中、個人や組織の扱う業務は広く深く複雑になります。オープンイノベーションといった新たな概念も注目を集めだしています。

イノベーションとグローバル化が示す複雑性

2006年に日本に上陸したセグウェイやタクシーの代わりとしてアメリカで広まったUberは移動手段の概念を変えるイノベーションです。しかしながら一方で、日本での普及はごく一部に限定されています。なぜでしょうか。

それは日本の法整備がこれらのイノベーションに追いついてないからです。セグウェイはつくばや二子玉川といった特区でしか走行を認められていません。またUberは2015年3月時点で国土交通省からの指導が入り、乗車は一部地域に制限されています。もちろん安全上の問題等もあるでしょうが、国の違いによる法の違いが新たなビジネスモデルを阻害している事実は変わりません。  

このように多数の当事者、企業、国家がかかわることによって現代の複雑性はますます高まっています。

Ambiguity‐曖昧性-

世界中で生産サイクルの飛躍的な短縮が起きています。過去の成功が、現在の案件に通用しなくなってきているなか、長期的な予測はおろか短期的な予測ですら難しくなりつつあります。

曖昧性を包括しながら進むベンチャーキャピタル

 ベンチャーキャピタルが進んでいるのはアメリカですが、日本においても大企業がベンチャー企業に投資する取り組みが始まっています。 トヨタは人工知能、ロボティクス、燃料電池技術を開発するスタートアップに135億円のファンドを設立しました。意外なところでは東急電鉄がスタートアップ企業に投資する東急アクセラレータプログラムを開始しています。

ベンチャーキャピタルの難しいところは、投資対象が必ずしも利益に直結する場合に限らないというところです。また技術的には高いレベルだとしても最終的に表舞台に立てる技術になるかどうかも曖昧です。

現代における意思決定はこのような曖昧性の高い案件を非常に短時間で行っていく必要に迫られています。

VUCA時代に飲まれゆく企業・人

ここからはVUCA時代にあって急変を遂げている事例を紹介します。

シャープの栄光と衰退

 1998年にシャープの社長町田勝彦(当時)は「ブラウン管テレビをすべて液晶テレビに置き換える」と宣言しました。その宣言通り2000年代シャープは過去最高の売り上げである3兆4177億円を計上するなど世界有数の電機メーカーとなります。しかしこの状況は2010年代に入ると一変し、2011年頃から巨額の経営不振に見舞われ、ついには鴻海に買収されるという結果に至りました。

ここで予測のできなかった大きな「変化」は次の二つが挙げられます。

・液晶テレビ用パネル価格の大幅な下落

・強烈な円高による為替差額損益

為替価格や市場価格の大幅な変動はまさにVUCA(予測不能な状態)なものの代表といえるでしょう。

石油企業を混乱させる投機とシェールガス

 2014年7月、石油価格の急激な下落が始まりました。これによって石油メジャーはもちろん、石油資源開発会社、石油小売り大手まで数多くの石油関連企業が経営状態を悪化させています。

ここで予測できなかった大きな「変化」は次の二つが挙げられます。

・技術革新によるシェールガスの台頭

・アラブ諸国の原油価格抑制(投機的な要素)

これらはまさに様々な利権者が絡み合い複雑性をましたVUCAワールドだからこそ起きた事例といえます。

人にとって代わる!?AIの台頭

 2015年12月、野村総合研究所は「日本の労働人口の49%が人工知能やロボットで代替可能になる」との試算を発表しました。代替可能性が高い職業としては生産オペレーターや一般事務員からタクシー運転手まで100種の職業が挙げられています。実際にどこまで現実になるかはわかりませんが、この予測のままいけば多くの労働者が職を失ってしまう可能性があります。

ここで今まで労働者が予測できなかった大きな「変化」は次の要素が挙げられます。

・機械学習に代表される人口知能関連技術の飛躍的な発展

AIの台頭によって仕事が「減る」のではなく「失くなる」可能性が生じていることからも分かるように、現代社会は今後より不確実な世界になっていくでしょう。

出典URL: https://www.nri.com/jp/news/2015/151202_1.aspx

VUCA時代に求められるリーダーシップ

これまで何度も強調してきましたが、世界はVUCAワールドに突入し、環境の変化は予測できなくなっています。したがって、VUCAワールドを生き残る組織であるためには、強いリーダーシップを持った人材を育成することが非常に重要となっています。

VUCA時代のリーダーシップに求められる3つのポイント

スタンリーマクリスタル将軍(General Stan McCrystal)は2014年ASTDの基調講演にて、チームや組織が変化の激しいVUCAの世界で生き残るために求められるポイントとして次の三つを挙げています。

・予測できるという傲慢さ (predictive hubris) を捨てる

・組織的な適合性 (organic adaptability) を高める

・共有化された意識と権限委譲による実行(shared consciousness & empowered execution)

未来は予測できず、適応することしかできない、そのために現実に適応する力を高める必要性があります。

またリーダー人材に強く求められる役割としてチームにかかわる人々に「権限を委譲する」ことだと述べています。

NASAのゴダード宇宙飛行士センター リーダーシップ開発の統合的アプローチ

VUCA時代に適応できるリーダーシップを持った人材を開発するためにNASAで行われている事例を一つ紹介します。

従来リーダー育成には、組織の戦略、ビジョンを達成するために求められるコンピテンシーを明らかにしそれに必要なスキルセットを教育する方法がとられる場合が多いです。

そんな中、NASAのゴダード宇宙飛行士センターでは、変革を起こす領域をいくつかのステージに分け、実際に組織変化を生み出す力を養っていくアプローチがとられています。

具体的なフレームワークとしては、領域を5つのステージ、

1 自分自身、2 自分と相手、3 グループ、4 組織、5 環境

に分けます。まず自分自身の変革からスタートし、次に相手をリードしていく、そのうえで更に上のステージをリードしていくことで、最終的に組織に変革を生み出すリーダーを生み出します。

リーダー自身が学ぶ力を高め、自分が対峙している目前の環境に適応し、変化を生み出す力を養うこと、つまりラーニングカルチャーを構築することが大切です。

出典URL: http://www.humanvalue.co.jp/hv2/conference/astd/post_69.html#05

まとめ

  • VUCAはVolatility(変動性)Uncertainty(不確実性)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった単語
  • 現代の社会経済環境は複雑性を増し、予測不能なVUCA時代に突入している
  • VUCA時代を生き残る組織には強いリーダーシップが必要
  • リーダーに求められる能力は自分自身を変化させながら組織の変革を推進する力

 

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