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2018年12月20日(木)更新

営業利益

ニュースや新聞でも頻繁に取り上げられ、経営指標として重要視される「営業利益」。営業利益とは企業が本業によって稼いだ利益を表しています。この記事では、営業利益から読み取れる内容や計算方法を解説した上で、経常利益との違いや営業利益の活用方法、改善のためのアプローチまで詳しく解説します。

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営業利益とは

「営業利益(英:Operating income)」とは、企業・会社が本来の営業活動、つまり本業で稼いだ利益です。

本業とは、その企業が中心的に行なっている事業(主力事業)を指しています。自動車メーカーであれば自動車の製造・販売、コンサルティング会社であればコンサルティング業が本業にあたります。

営業利益は決算書である「損益計算書」で表される5つの利益のうちの1つで、現代では最も重要な利益指標と言えるでしょう。

【損益計算書の5つの利益】

科目 内容 計算方法
売上総利益 製品や商品・サービスそのものの儲け 売上高-売上原価
営業利益 本業の営業活動から創出された利益 売上総利益-営業利益
経常利益 通常の営業・財務活動から創出された利益 営業利益+営業外損益
税引前当期純利益 企業の全ての活動から創出された利益 経常利益+特別利益・特別損失
税引後当期純利益 税金の差し引き後の最終的な利益 税引前当期純利益-法人税等

【関連】損益計算書とは?見方や書き方のポイントまでを分かりやすく徹底解説/BizHint

営業利益・営業利益率の計算方法

企業の本業の儲けを示す「営業利益」は、売上高から本業に掛かった総費用を差し引いた利益です。

計算式で表すと次のようになります。

営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費

また、売上に占める営業利益の割合(売上高比率)を示す「営業利益率」は、次のように計算されます。

営業利益率=営業利益÷売上高

それでは、営業利益の計算である「売上総利益」と「販売費及び一般管理費」について説明をしていきます。

売上総利益とは

売上総利益とは、製品や商品・サービスそのものから、それらを生み出すのに要したコストを差し引くことによって計算されます。粗利、粗利益とも呼ばれる利益指標です。

売上総利益は以下の計算式で求めることができます。

売上総利益=売上高-売上原価

  • 売上高:
    製品や商品・サービスの販売額。自動車メーカーであれば、車の単価×販売台数で計算できる
  • 売上原価:
    製品の製造コストや商品の仕入原価。メーカーであれば、製造部門の労務費も売上原価に含まれる

販売費・一般管理費とは

「販売費および一般管理費」とは、本業に掛かるコストのうち売上原価に含まれない費用を指します。略して「販管費(販売管理費)」と呼ばれることが多いです。

それぞれの費用は以下のようになっています。

  • 販売費:
    製品や商品・サービスを販売するのに必要な営業活動に掛かる費用。具体的には、販売部門の人件費や旅費交通費、広告宣伝費、販売手数料などが含まれる
  • 一般管理費:
    製造や営業以外の会社の運営・管理に掛かるコスト。経理や総務などの管理部門の人件費や光熱費、地代家賃などが含まれる

管理会計上の営業利益

企業会計は「財務会計」と「管理会計」の2種類が存在します。

  • 財務会計:
    外部(株主、金融機関、税務署等)への報告のために行う会計。法律で定められた会計基準に基づく
  • 管理会計:
    企業の経営管理や経営者の意思決定に役立てるための会計。企業独自の会計基準に基づく

「営業利益・営業利益率の計算方法」で記載したのは、財務会計上の営業利益の計算方法です。

管理会計の場合は通常、次のように計算されます。

営業利益(管理会計)=限界利益-固定費
(限界利益=売上高-変動費)

費用を変動費・固定費に分類し、売上高から変動費を引くと限界利益が算出されます。さらに限界利益から固定費を引くことで、営業利益が求められます。

【関連】限界利益とは?利益率の計算法や損益分岐点との関係性まで徹底解説/BizHint

営業利益と経常利益の違い

営業利益と似た利益指標に、「経常利益」というものがあります。具体的な事例を交えつつ、それぞれの利益の違いを解説します。

経常利益の意味

経常利益とは、企業活動によって経常的に発生する利益、つまり、通常の営業活動や財務活動によって創出される利益を指します。通称は「経常(ケイツネ)」です。

経常利益の計算方法

経常利益は、営業利益に営業外損益、つまり本業の営業活動以外の経常的に発生する収益や費用を、プラスマイナスして算出されます。

経常利益=営業利益+営業外損益
(営業外損益=営業外収益-営業外損失)

営業外収益には受取利息や受取配当金などがあり、一方、営業外損失には支払利息や社債利息、手形売却損、有価証券評価損などがあります。

営業利益との違い

営業利益は企業が本業で儲ける力を示し、経常利益は企業の経常的な活動から生み出される利益を示しています。本業のみから創出される利益なのか、本業以外の通常の財務活動も含んだ利益なのかが大きな違いです。

次の表は、2つの企業A・Bの利益構造を事例として表しています。

企業Aは営業利益が「20」で経常利益が「15」と共に黒字となっています。本業の営業活動で儲けも出ており、通常の企業活動全体でもプラスとなっていて良い経営状態と判断できます。

一方、企業Bは営業利益が「赤字」で経常利益は「黒字」となっているケースです。この場合、経常利益が黒字であっても企業本来の営業活動による儲けは赤字であるため、「力のある」企業とは言いづらいでしょう。本業の課題をなんとか財務運用等でカバーしている形と読み取ることができます。

経常利益が重視された時代

かつてのバブル景気においては、営業利益よりも経常利益が重要視されていました。

高度経済成長期の日本企業は、余剰資金の運用(株式投資や不動産投資などの「財テク」)による利息や配当金といった営業外収益が大きな割合を占めていたためです。結果として、営業利益と経常利益とが逆転している企業が多く見られました。

しかしバブル崩壊後、本業の稼ぎを示す営業利益を元に企業の収益力を判断するようになっていったのです。

営業利益からわかること

営業利益や営業利益率を見れば、企業の業績として多くのことが読み取れます。ここでは3つを取り上げます。

本業(主力事業)の稼ぐ力

営業利益を見ることで、その企業が本業で稼ぐ力を測ることができます。営業利益が大きければ大きいほど、企業が本業から生み出せている利益が大きいと読み取れます。

日本の大企業であるトヨタ自動車株式会社の場合、2018年3月期の営業利益は約2兆4000億円と膨大な額であり、営業利益率も20.3%と高い水準です。

【参考】トヨタ自動車株式会社 2018年3月期 決算要旨

商品(製品)・サービスの付加価値

企業の付加価値を分析する上では、営業利益が一要素となります。

企業が生産過程において製品や商品・サービスに独自に付け加えた価値を「付加価値」と呼びます。この付加価値が大きいほど、企業は新たな価値を生み出せており、その製品や商品・サービスは市場に高く評価されていると言えます。

付加価値の内訳は、人件費・利子・利潤で構成されています。この利潤に当たるのが営業利益です。

付加価値=営業利益+人件費+賃借料+租税公課+知財特許料(+減価償却費)

営業利益を見ることで、企業が生み出した付加価値のうちどれだけが利潤に分配されたかがわかります。

経営効率の高低

売上高が同じでも、経営効率の良し悪しによって最終的な利益は変わってきます。本業による稼ぎが効率良く生み出せているかは、営業利益率に注目します。

営業利益率が高ければ高いほど、その企業は効率的に本業による利益創出サイクルを回せていることになります。株主としてある業種・領域の企業への投資を検討する際には、企業間の営業利益率の比較は重要なチェック項目のひとつでしょう。

営業利益を上げる方法

営業利益は売上から本業に掛かる総コストを差し引いた利益です。そのため、営業利益を改善し大きくするためには売上を拡大する、あるいは原価や人件費といったコストを抑えるという2方向のアプローチがあります。

売上の拡大|値上げの検討

売上を拡大するためには、プロモーション活動や販売網の整備によって販売数量を大きくすることはもちろん、場合によっては値上げを行うことで達成できます。

ただし価格を上げた結果、販売量が落ちてしまうリスクもあります。その値上げがターゲットである消費者・市場に受け入れられるのか、競合企業との価格競争に破れてしまわないかなど注意深く判断する必要があります。

原価・人件費・過剰投資の見直し

コストを抑制するには、原価や人件費の見直しや、投資の再検討が必要になってきます。

原価削減の方法として、より安価でかつ、品質を保つことのできる原材料の調達先や外注先を海外を含めて探し出すことが挙げられます。他にも流通マージンを取られないよう、商社等の卸を通さずに直接取引で仕入れるなどのアプローチが考えられます。

人件費の削減としては給与体系の見直しや人員解雇が挙げられます。ただし、金銭やクビに関わる内容はデリケートであり、社員からの不信感の醸成や優秀な人材の流出につながりかねないため、慎重に検討する必要があります。

投資の見直しにおいては果たしてその投資は本当に行うべきなのか、過剰投資をしていないかといった視点が重要です。研究開発費が適正かどうかもチェックすべきでしょう。

販管費(固定費)の抑制

固定的にかかる販管費を削減することもコスト抑制につながります。上記の述べた人件費の他にも光熱費やセミナー参加のための研修費用など、対象は多岐に渡ります。

特に、本社や海外現地法人の事務所・オフィスは大きな固定費となってくるため、無駄な出費となっていないか注意すべきです。

まとめ

  • 「営業利益」とは、企業が本業で稼いだ利益を指します。企業の収益性を判断する上で、最も重要な経営指標のひとつで、売上から本業に必要な総費用を差し引いて算出されます(売上高-(売上原価+販管費)
  • 「経常利益」は企業の経常的な活動によって創出される利益で、営業活動以外の通常の活動(財務活動など)が含まれる点が営業利益と異なります
  • 企業の営業利益を見ることで、本業で稼ぐ力があるか、製品や商品・サービスに付加価値を付けられているか、経営効率は良いかといった点を読み取ることができます
  • 営業利益を改善するためには、値上げ等による売上の拡大や、原価・人件費等のコスト削減や投資の見直しが必要です

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