全体最適
長時間労働や過労死などが話題になる中、同時に議論されるのが生産性向上や働き方改革です。しかし、これらは一方的に現場の従業員に求めても解決には至りません。組織・システム全体が効率的に機能することで達成されるものです。今回は組織やシステムの理想像でもある「全体最適」の意味や効果、実行方法から事例までご紹介いたします。
全体最適とは
経営課題やマネジメントに取り組む経営者や管理職であれば、一度は耳にしたことがある全体最適という用語。しかし、この用語は経営者と現場に溝を作りやすい傾向にもあります。
全体最適の意味や部分最適との違い、また全体最適が求められる背景を知ることで、理解を深めることができます。
全体最適の意味
全体最適とは、企業や組織、またはシステム全体が最適化された状態を示す経営用語のひとつです。経営課題となりやすい生産性向上やコスト削減などの問題解決や経営改革に導入されるケースが多く、経営層から現場まで幅広く取り入れられている解決策でもあります。
全体最適は、一部分の生産性・効率性の向上ではなく、組織・システム全体として、生産性・効率性が向上するかを重視する思考プロセスです。そのため、一部の部門では生産性・効率性を従来よりも低下させてしまうこともあり、現場や一部の部署から反発が生まれやすい側面も持っています。これらの反発を乗り越え、企業・組織・システムとして全体最適するには、全体最適に対する社員の意識改革や組織風土改革、強いリーダーシップを持ったトップの登用が欠かせません。
また、労働人口減少による人材不足が叫ばれる日本経済においては、全体最適による効率化やコスト削減は、経営者側にとって、避けられない経営改革のひとつとして位置付けられています。
全体最適と部分最適との違い
全体最適の反対の意味として、部分最適(局所最適)という経営用語があります。
部分最適とは、企業や組織、システムにおいて、部署や要素それぞれを最適化させる問題解決手法を指します。全体最適の議論が行なわれる際は、必ずと言っていいほど議題に上がる用語でもあります。
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