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連載:第21回 プロ・リクルーター、河合聡一郎さんが聞く【事業承継のカギ】

会社のコアは変えずリストラもしない、経営再建のプロが語る再成長への道筋【くじらキャピタル・竹内真二社長】

BizHint 編集部 2019年9月17日(火)掲載
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金融業界、IMJの再建を経て、2018年にファンド「くじらキャピタル株式会社」を設立した竹内真二代表取締役社長。経営のプロとして中小企業の経営者から会社を預かり、時代のニーズに沿った組織と事業の再成長をサポートしています。事業承継において、経営者はさまざまな悩みを抱えていると言う竹内社長。企業が持続可能な成長を実現し、働く人が幸せであり続けるために大切なことをお聞きしました。

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くじらキャピタル株式会社

代表取締役社長 竹内真二さん

1976年横浜⽣まれ。幼少期の⼤半を海外で過ごす。⽶国の⼤学卒業後、リーマン・ブラザーズ、モルガン・スタンレーなどを経て、2012年に実質1号となるファンドを設立。当時JASDAQ上場企業であった株式会社アイ・エム・ジェイ(IMJ)を非上場化し、4期連続最終赤字に陥っていた同社の再建に成功。2016年、アクセンチュアにIMJ持分を売却。2018年4月、くじらキャピタルを創業、代表取締役に就任。


個人保証があるから後継者問題を解決できない中小企業

河合聡一郎さん(以下、河合): 中小企業はまだまだデジタルが浸透しておらず、機会損失や競争力の低下が生じていると感じます。そのほかに感じる課題はありますか?

竹内真二さん(以下、竹内):中小企業には銀行借入に伴う経営者の個人保証問題があります。 会社を回すために個人保証をし、家屋敷を担保に入れるなど、経営者に金銭的な責任がのしかかる。もちろん借りたお金は返さなくてはいけませんが、個人保証の苦しさが円滑な事業承継を損なっている側面もあるではないでしょうか。経営者個人が過度なリスクを背負う今の仕組みを変えたいし、サポートしていきたい。これは長期的なスパンで取り組みたい課題ですね。

河合: 経営者にとって、単純に事業や組織を渡していくだけでなく、「資本政策や、金融機関との交渉も含めた、いわゆるお金周りの苦しみまでも引き継ぎさせたくない」と悩む方が多いのではないでしょうか。

竹内: 多いと思います。借りたお金は当然返さなくてはいけませんが、成長に向けたある程度「攻めた」投資については、銀行借入がいいのか、エクイティ性資金がいいのか、議論があるところでしょう。日本の中小企業は、アメリカの中小企業と比べても自己資本が極端に薄く、外部借入への依存度が高い、という実態があります。かつ、 外部借入には個人保証が伴うので、事業承継を難しくするだけでなく、成長分野への思い切った投資、ひいては日本経済のダイナミズムを阻んでいるのではと思います*。

*:CRDデータベースからみた日本の中小企業金融の姿

河合: 現在、くじらキャピタルが携わっていらっしゃる業種はどんなカテゴリーがあるのでしょうか?

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