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サステナビリティ

2020年10月27日(火)更新

サステナビリティ(Sustainability)とは「物事を長期的な視野で捉え、持続可能な状態を作る」ための考え方です。近年では「環境・社会・経済に対する価値提供と企業利益の両立による、長期的に持続可能な企業」の実現に向けた取り組みを指すビジネス用語としても用いられています。当記事では、サステナビリティの意味やCSR(企業の社会的責任)との関係性、企業がサステナビリティに取り組むメリット、サステナビリティ先進企業の取り組み事例などの項目に整理して分かりやすく解説します。

サステナビリティの意味とは

サステナビリティ(Sustainability:持続可能性)とは、「物事を長期的な視野で捉え、持続可能な状態を作る」ための考え方です。

元々は環境保護のキーワードでしたが、近年では「環境・社会・経済に対する価値提供と企業利益の両立による、長期的に持続可能な企業」の実現に向けた取り組みを指すビジネス用語として用いられています。

サステナビリティは、2015年の国連サミットで採択された「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」の根底にもなっている考え方です。

企業におけるサステナビリティ

サステナビリティに関する部門を新設する企業や、サステナビリティという概念を経営の枠組みに取り込んだサステナブル経営を実践する企業は年々増加しています。

サステナビリティは、日々の変化が激しく先行きの不透明なVUCA時代を生き抜くために必要不可欠な要素です。将来性や安定性を重視する投資家は、企業を評価する際の資料としてサステナビリティレポートを活用し、環境問題や社会問題に強い関心を持っている消費者はサステナブルな商品やサービスを意識的に選択しています。

企業の持続的な成長や発展を実現させるため、サステナビリティに対する知識を深め、その重要性を正しく理解しましょう。

企業がサステナビリティに取り組むメリット

企業はサステナビリティに取り組むことで次のようなメリットを得ることができます。

ブランド価値の向上

「事業活動を通じて社会問題の解決に取り組み、自然環境にも配慮している企業」というイメージを定着させることは、ブランド力の向上や市場における優位性の維持向上を図る上でとても重要なことです。自社の利益だけを追求するのではなく世の中と共に成長していく姿勢を明確に示すことで、既存顧客のファン化を促進し、これまで以上に多くの人々の支持を得ることができるでしょう。

ビジネスチャンスの拡大

サステナビリティへの取り組みが新たなビジネスチャンスへと繋がることは決して少なくありません。課題解決のために生み出した技術を応用し、新サービスの展開や新規事業の創出を行っている企業も数多く存在します。

コスト削減

サステナビリティのメリットの中でも特に手応えを感じやすいのがコスト削減効果です。原材料、エネルギー、天然資源の使用量や廃棄物の排出量を削減し、生産性向上や業務効率化に取り組むことにより、大幅なコスト削減を実現することができます。

ステークホルダーとの信頼関係の構築

従業員や取引先企業、株主、投資家、金融機関など、ステークホルダーは企業の将来性や安定性を常に意識しています。そのため、サステナビリティを通じて持続可能な企業を実現させることで、ステークホルダーに強い安心感を与え、強固な信頼関係を築くことができます。

CSRとの関係性

サステナビリティと一緒に聞くことの多いワードが「CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)」。この2つは切っても切れない深い関係にあるのです。

経済産業省は、CSRを下記のように定義しています。

「企業の社会的責任」とは、企業が社会や環境と共存し、持続可能な成長を図るため、その活動の影響について責任をとる企業行動であり、企業を取り巻く様々なステークホルダーからの信頼を得るための企業のあり方を指します。

【引用】企業会計、開示、CSR(企業の社会的責任)政策(METI/経済産業省)

CSR活動と企業利益が相反してしまっては健全な企業経営を続けることが難しくなるため、企業は単なる社会貢献ではなくサステナビリティを意識したCSR活動を行うことが重要となります。

また、サステナビリティへの取り組みを通じて価値提供と企業利益の両立長期的に持続可能な企業を実現できれば、社会的責任をしっかりと果たし、数多くのステークホルダーから強い信頼を得ることができます。

このように、サステナビリティとCSRはとても深い関係にあるため、切り離して扱うのではなく、それぞれの目的を意識しながら同時に推し進めることが大切です。

【関連】CSRとは?意味(定義)や事項、メリット、作り方から企業事例までご紹介/BizHint

サステナビリティ報告書の国際規準「GRIスタンダード」

【出典】The GRI Sustainability Reporting Standards:The Future of Reporting/YouTube

GRIスタンダードとは、2016年にグローバル・レポーティング・イニシアチブ(GRI)が発表したサステナビリティ報告書の国際規準です。GRIスタンダードは、全組織を対象とした3つの共通スタンダードマテリアリティ(重要課題)に基づいて、33の項目別スタンダードに分かれています。

「実際にどこから手を付けたらいいのかわからない」「自社が取り組むべき課題は何なのか」などお悩みの企業は、このGRIスタンダードを参考にしてみるのもひとつの手です。経済・環境・社会の3つのカテゴリーに分類されているため、実際の施策をイメージしやすくなります。

カテゴリー 項目
共通
(3項目)
・基礎
・一般開示事項
・マネジメント手法
経済
(6項目)
・経済的パフォーマンス
・市場での存在感
・間接的な経済影響
・調達慣行
・腐敗防止
・反競争的行為
環境
(8項目)
・原材料
・エネルギー
・水
・生物多様性
・大気への排出
・排水および廃棄物
・環境コンプライアンス
・サプライヤーの環境評価
社会
(19項目)
・雇用
・労使関係
・労働安全衛生
・研修および教育
・多様性と機会均等
・非差別
・結社の自由と団体交渉
・児童労働
・強制労働
・保安慣行
・先住民の権利
・人権評価
・地域コミュニティ
・サプライヤーの社会評価
・公共政策
・顧客の安全衛生
・マーケティングとラベリング
・顧客プライバシー
・社会経済コンプライアンス

【参考】GRI Standards Japanese Translations

サステナビリティ先進企業の取り組み事例4選

サステナブルな社会と企業の実現に向け、各社さまざまな取り組みが行われています。ここでは、業種や業態の異なる4社の事例を紹介します。

株式会社ユニクロ

【出典】服のチカラを、社会のチカラに。UNIQLO Sustainability

「服のチカラを、社会のチカラに。」というサステナビリティ・ステートメントを掲げ、全社一丸となってサステナビリティに取り組んでいる株式会社ユニクロ。同社では「ピープル(People)」、「プラネット(Planet)」、「コミュニティ(Community)」の3つのテーマに対し、以下のような取り組みを行っています。

テーマ 活動内容一例
ピープル
(People)
・縫製工場で働く女性のキャリアアップトレーニング
・「1店舗1名以上」を目標とする積極的な障がい者雇用
・「パートナーシップ登録制度」の導入
プラネット
(Planet)
・動物に配慮した育成や採取によって作り出されたダウンやフェザーを使用
・生地の30%にペットボトルを再利用したリサイクルポリエステルを使用した衣服の開発
・商品のプラスチックパッケージを削減
コミュニティ
(Community)
・店舗で回収した服をリユースし、難民キャンプや被災地など支援を必要としている方へ提供
・リユースできない衣服は固形燃料や自動車用防音材として活用
・難民の方々を対象とした自立支援の実施

【参考】服のチカラを、社会のチカラに。UNIQLO Sustainability

日産自動車株式会社

【出典】サステナビリティ戦略|日産のサステナビリティ|日産

「日産:人々の生活を豊かに」を企業ビジョンに掲げる日産自動車株式会社。同社では、日産車が関わる交通事故の死亡者および重傷者数をゼロにする「ゼロ・フェイタリティ」と走行中のCO2排出量をゼロにする「ゼロ・エミッション」の実現を目指し、以下のような取り組みを行っています。

テーマ 活動内容一例
環境 ・エネルギー使用量の診断に関する専門チーム(NESCO)の活動推進
・資源リサイクルやリユースで資源再利用を進める「サーキュラー・エコノミー」の推進
・電気自動車の使用済みリチウムイオンバッテリーの再利用及び再製品化の促進
・クルマの生産工程で排出される揮発性有機化合物(VOC)の低減
社会性 ・2022年度末までに自動運転機能「プロパイロット」技術を20市場20車種に搭載
・全従業員対象のダイバーシティとインクルージョンのトレーニングを実施
・テレワーク(在宅勤務)やスーパーフレックス制度などの積極的な導入
ガバナンス ・職場における日常的な法令順守の徹底
・社内の専門部署による仕組みの整備とモニタリング
・内部統制全般の状況を監査する機能の構築

【参考】サステナビリティ戦略|日産のサステナビリティ|日産

株式会社リクルートホールディングス

【出典】サステナビリティ|リクルートホールディングス

株式会社リクルートホールディングスでは、3つの行動指針を掲げ、事業領域から影響力の高い5つの重点テーマを設定してサステナビリティに取り組んでいます。

【リクルートグループサステナビリティ方針】
・事業で社会に貢献する
・社会の期待に応える
・企業市民としての責任を果たす
【引用】リクルートのサステナビリティ|リクルートホールディングス)

テーマ 活動内容一例
働き方の進化 ・働き方改革の推進
・はたらく育児を応援するプロジェクト「iction!」
・新しい働き方 「ZIP WORK」の提案
機会格差の解消 ・若者向け就労支援プログラム(WORKFIT)の展開
・社会への貢献を目的とした「公益財団法人江副記念財団」の設立
・訪問美容の普及・啓発活動
多様性の尊重 ・ダイバーシティ活動への取り組み
・パラリング・アスリート支援
・さまざまな障がい者の方の就業機会を創出
人権の尊重 ・ステークホルダーダイアログの実施
・各グループ会社ごとの商品・サービスに関連する人権配慮の研修実施
・人権に関する相談窓口の設置
環境の保全 ・環境ビジョン「more eco more smile」の策定
・Co2排出量の削減への取り組み
・「緑のカーテンをみんなで広げよう!キャンペーン」の実施

【参考】5つの重点テーマに関する活動 / Recruit - リクルートグループ

まとめ

  • サステナビリティ(Sustainability:持続可能性)とは、「物事を長期的な視野で捉え、持続可能な状態を作る」ための考え方である
  • ビジネス分野では「環境・社会・経済に対する価値提供と企業利益の両立による、長期的に持続可能な企業」の実現に向けた取り組みを指す言葉として用いられている
  • サステナビリティとCSRはとても深い関係にあるため、切り離して扱うのではなく、それぞれの目的を意識しながら同時に推し進めなければならない
  • サステナビリティへの取り組みを通じて価値提供と企業利益の両立や長期的に持続可能な企業を実現することで、社会的責任をしっかりと果たし、ステークホルダーから強い信頼を得ることができる
  • 企業はサステナビリティに取り組むことで「ブランド価値の向上」、「コスト削減」、「ビジネスチャンスの拡大」、「ステークホルダーとの信頼関係の構築」という4つのメリットを得ることができる

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