コンプライアンス違反
「コンプライアンス」とは、企業を統治していく上での基本原理となるものの一つで、企業が法律や条例、各種規制や内規などの基本的ルールに従って活動することを指します。自動車メーカーがリコールを隠していた事例などがコンプライアンス違反の例として挙げられますが、社員のスピード違反などを指してコンプライアンス違反と言うケースもあります。重大なコンプライアンス違反を犯した企業は、損害賠償訴訟などの法的責任、信用失墜による社会的責任を負うことになります。
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コンプライアンス違反はなぜ起きるのか
コンプライアンス違反を引き起こす要因は何なのでしょうか。
不祥事が発生する背景とメカニズムをみていきます。
企業理念や使命感を見失った組織
コンプライアンスが社会問題として浮上してから、そもそも「会社は何のために存在するのか」、「誰のものなのか」という議論が活発に行われるようになりました。これまで起きた数々の違反から、企業の倫理観そのものが欠落していることがたびたび指摘されています。
社会とのかかわりや企業の存在意義を忘れてしまえば、消費者や取引先を無視した企業運営につながっていきます。このような組織では、自社の利益や立場を守ることを最優先する判断がなされ、結果としてコンプライアンス違反が起きやすくなるのです。
違反に無関心な「なれあい」の風土
日頃からなれあいで仕事をする風土がある企業は、不注意な行動が多いと指摘されています。なれあいが横行するとしだいに不適切な行動をしているという意識が低くなっていきます。不正行為が起きやすい職場環境がつくられると考えられています。
これは環境犯罪学でいう「割れ窓理論」に通じる考え方といえるでしょう。割れたガラスをそのままにしておくと、建物が管理されていないと認識され、はじめは軽犯罪が起こり、徐々に凶悪犯罪の温床になっていきます。違反に無関心な風土は、重大なコンプライアンス違反につながる危険が潜んでいるといえます。
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