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2019年7月17日(水)更新

ゆでガエル理論

「ゆでガエル理論」とは、同じ場所に滞在しつづけると、環境の変化に気づかないままで気づいたときには大変なことになっているという状態を表す寓話です。企業の経営に一つの教訓として語られています。本記事では「ゆでガエル理論」の具体的な内容と、組織内部にいながら環境変化に気づけるようになるための方法についてご紹介していきます。

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ゆでガエル理論とは

「ゆでガエル理論」とは、ゆっくりとした環境の変化に気づかず、気づいた時には手遅れになってしまっているという寓話で、「ゆでガエル症候群」、「ゆでガエル現象」などとも呼びます。

カエルを熱いお湯に入れると驚いて飛び上がります。しかし、常温の水に入れて徐々に水を熱すると、その温度変化に気づかず茹で上がって死んでしまうという例え話です。自然科学上の実験結果であるかのように語られていますが、実際には、ある程度温度が上がれば、カエルは驚いて飛び出してしまうので、現実にはありえない話です。

マンネリ化への警告を与える理論として、企業経営やビジネスシーンなどで用いられています。

欧米では20世紀後半から言われてきた理論ですが、日本では1998年、経営学者の桑田耕太郎と、社会心理学者の田尾雅夫による共著『組織論』が、「ベイトソンのゆでガエル寓話」として紹介しています。また、2003年には、大前研一・田原総一朗が共著『「茹で蛙」国家日本の末路』を発表して、話題になりました。

近年では、地球温暖化問題にも比喩されることが多く、オゾン層の破壊など、ゆっくりとした地球の環境破壊が、取り返しのつかない事態を招くことに、専門家は警鐘を鳴らしています。

ビジネスにおけるゆでガエル理論

グローバル化・IT化・技術革新など、変化が激しい現在のビジネス界でも「ゆでガエル理論」は、喚起を促すための比喩として用いられています。

組織にみるゆでガエル理論

現状の組織や仕事のやり方に満足して、変化を求めず、上昇志向をもたないことは、社会の変化に気づかず、取り残される可能性があり、気づいた時には取り返しのつかないほどの業績悪化に陥っているケースが見られます。

例えば、過去の実績に捉われて組織改革や収益構造の転換に踏み切れないケースや、時代のニーズを図ることなく、これまでの業績にこだわり時代遅れの商材に固執する企業などが、これにあてはまると想定されます。

急激な業績悪化は、迅速に対応することができますが、ゆっくりとした変化や時代の流れなどは、なかなか気がつかずに問題を放置しがちです。

ほとんどの企業は、自社組織の業態や事業分野を社会環境に合わせて変化させていかねばならないのはわかっています。しかし、創業からの経営方針やこれまでの営業実績に頼り、現状維持のまま組織を運営する方が、安心ですし容易なことです。この安心が「ぬるま湯」となり、気づかずうちに熱湯になってしまうことは、珍しいことではありません。

ゆでガエル世代とは

「ゆでガエル理論」は、組織レベルだけでなく、個人レベルにも当てはまります。

2016年、「日経ビジネス」誌で、50代男性を「ゆでガエル世代」と命名し、波紋を呼びました。1957~1966年に生まれた彼らは、右肩上がりに成長しつづける日本経済の中で、バブル景気を経験しました。その後のバブル崩壊やITバブルの崩壊、リーマンショックなど、様々な危機を体験したにもかかわらず、終身雇用などの日本型雇用の神話を信じ続け、気づいた時には会社に居場所がなく、リストラや早期退職などの過酷な現実に直面します。

まさに「ゆでガエル理論」の典型的なケースであり、社会の変化に気づかず、気づいた時には取り返しのつかない事態に陥ってしまいます。

現在は、インターネットの普及から、人工知能やロボット工学、クラウドコンピューティングなどの技術革新によって、顧客の価値観やライフスタイルの多様化など、大きな外部環境の変化が起きている時代です。組織だけではなく個人においても、「ゆでガエル」にならないよう敏感に情報を察知する必要があります。

ゆでガエルにならないために

ゆでガエルのように取り返しのつかないことになる前に、些細な環境の変化にも気づく土壌作りが必要です。

客観的に現状を把握する

そもそもぬるま湯につかり、変化に対応できずに陥るのが「ゆでガエル」状態ですので、現在の状況を客観的に見つめ直すことが重要です。

例えば、第三者の意見を聞くことも、客観的に見ることができる方法です。「このくらいの減益なら…」「今までもこうして乗り越えてきたのだから…」などといった、過去の実績や経験からのみ判断を下そうとすると、社会環境の変化などを読み違う可能性があります。外部から客観的に物事の良し悪しを見てもらう方が、より冷静にリスクを分析することができます。

新たなことに挑戦する勇気を持つ

何か新しいことにチャレンジすることや日々のルーティンが変わることは、ストレスを感じることにはなります。しかし、「ゆでガエル」にならないためにも、常に「これでいいのか」という疑問を持つことが大事なことです。

個人も組織も、長く続けているベテランこそ「ゆでガエル」に陥りやすい傾向にあります。これは、それまで培った知識・経験・技術を重視しがちだからです。もちろん判断を下すうえで、それらも考慮しなければならない材料ではありますが、未来を生き抜くためには、新しいものや自分と考えが異なるものを取り入れる勇気も必要です。

すべての人・組織は、過去に生きるのではなく、未来に向けて、激動の時代を生き延びていかなくてはならないからです。

まとめ

  • 現在は、市場の動向や、働く人々の環境も大きく変わろうとしている時代です。
  • 急速な時代の変化に取り残されないように、「ゆでガエル理論」を教訓として、自己の分析と将来への明確な目的を持つことが、今のビジネス社会を生き抜き、未来へと続く道なのではないかと考えます。
  • 組織・役職・立場など、それぞれの境遇において、「ゆでガエル」にならないように、常に注意深く環境の変化に注意を向けましょう。

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