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2019年1月18日(金)更新

経営計画

国内外の経営環境の急激な変化に伴い、経営計画の重要性は益々高まっています。経営計画は、将来実現する経営ビジョンや経営目標を設定し、それを実現するための行動計画です。経営計画の構成や策定手順を理解した上で経営計画を策定し、実現するためのPDCAサイクルを確立することで、企業は、環境変化に対応して、成長し存続し続けることができます。

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経営計画とは

経営計画とは、 企業が将来に向けての経営ビジョンや数値目標を設定し、それを実現するために、将来と現在のギャップを埋めるための行動計画 のことをいいます。

少子高齢化による日本市場の縮小が予想される中、IT技術などの急激な進展により人・モノ・金・情報のグローバル化は益々加速しています。不確定な要素が多い経営環境下で企業が存続していくためには、新たな視点での「経営計画」の重要性が益々高まっています。

経営計画の目的

企業が経営計画を策定する目的としては主に、次の3つがあります。

企業を存続させる

企業の大きな社会的責任の一つとして、企業の存続があります。

不確定な将来に向け、企業が安定的に成長し存続していくためには、将来自社の進むべき目標を明らかにして、その実現のためにどのような行動をとるかを「経営計画を立てる」ことで明らかにする必要があります。

自社の経営理念や経営目標などを明確にし、全社で共有する

経営計画の確実な実行には、経営層だけでなく現場を含む全社での経営計画の理解と共有が不可欠です。

将来に対する夢を経営理念や経営目標として明確にし、全社で共有することにより、目標を達成するための経営計画(行動指針)が実効性のあるものとなります。

お客様など利害関係者との関係性強化

経営計画を策定し、対外的に公開することは、お客様など自社を取り巻く利害関係者との関係性強化に繋がっていきます。

特に、中小企業では、金融機関からの融資や補助金の申請などで経営計画が活用されるシーンが多くなっています。

経営計画の構成

経営計画は、経営ビジョンや経営方針といった経営戦略、市場や商品サービスなどの事業戦略(機能別戦略を含む)、及び、財務三表など数値計画で構成されているのが一般的です。

経営戦略

経営計画とは、全社的、長期的、戦略的視点をもつものとして、「経営ビジョン=自社のあるべき姿」を策定する計画です。そのため、経営理念や経営ビジョンによって、将来(5~10年後)の社会的使命や市場・顧客に対する価値を明らかにすることが、経営計画の最も重要な狙いとなります。

経営戦略とは、経営ビジョンを実現するために全社的な方針や課題・打ち手を取りまとめたものです。

事業戦略(機能戦略を含む)

経営計画と同じような意味で使われる用語として事業計画があります。事業計画は、経営戦略に沿って策定された事業戦略を取りまとめたものです。

事業戦略とは、経営戦略を遂行するため、 構成する事業をベースに、顧客や自社のリソースの視点から策定される具体的な実行計画を意味します。販売、製造、管理その他機能別の戦略と併せて具体化されるのが一般的です。

特に、新規事業や抜本的な構造改革を行う事業については、重点的に取り組むビジネスとして、方向性をより明らかにしていくことが求められます。

数値計画

経営計画では、経営期間に達成すべき数値目標を経営目標として設定する必要があります。経営目標が数値化されないと進捗確認を行うことができず、結果的に計画が達成されないリスクが大きくなります。

数値計画では、損益計算書貸借対照表及びキャッシュフロー計算書の財務諸表三表を基礎として、売上高など絶対額や経常利益率など経営指標の目標を設定します。

また、市場におけるシェアや顧客数など管理会計上の経営目標を設定することも重要なポイントとなります。

種類

経営計画は、その計画期間によって、長期、中期及び短期経営計画に分類されます。

一般的には、長期経営計画が10年程度、中期経営計画が3〜5年程度、短期経営計画1年とされています。

中・長期経営計画

長期経営計画は、経営方針や経営ビジョンや、今後成長強化させていく事業領域などをまとめたものです。

中期経営計画は、より短い時間軸で、長期経営計画を実現するために、現状の課題と将来の方向性をよりブレークダウンしたものになります。達成すべき売上や利益、ROEなどの定量的な数値目標を設定し、内外に公表する企業が多くなっています。

短期経営計画(予算)

短期経営計画とは、中長期経営計画をベースとして、年度ごとにブレークダウンして策定される計画です。方向性としては、当然、中長期事業計画と同じですが、事業別や組織別などより細分化した階層で具体的・詳細に策定されます。

同じ意味で使われる用語として「予算」がありますが、経営計画と予算は厳密な意味では異なります。経営計画は、方針、事業計画、数値計画で構成されていますので、予算の位置づけとしては、経営計画を構成する要素と理解する必要があります。

しかし、短期経営計画における数値計画(予算)は、月別、組織別などより細分化して数値設定されていますので、計画の進捗状況を測るには有効なものとなっています。

経営計画策定の手順

上場企業など大企業では、経営計画の策定は当たり前になっていますが、中小企業では、経営計画策定に取り組んでいない企業も数多くみられます。

企業が成長していくためには、経営計画の策定により、経営目標や実現に向けた施策を明らかにする必要があります。ここでは、経営計画策定の基本的な手順についてご紹介します。

経営環境分析

経営計画を策定するためには、まず、自社(内部環境)と市場など(外部環境)をきちんと把握する必要があります。内部環境では、自社の強みや弱みなどを分析・把握し、外部環境では、市場や競合の状況などを分析・把握します。

代表的な分析手法として、SWOT分析があります。SWOT分析によって、現状の把握と将来への方向性を分析します。「強み」「弱み」により現状を把握し、「機会」「脅威」により、現在から将来への方向性を読み取ることができます。

【出典】創業手帳/SWOT分析/クロスSWOT分析とは。具体例や事例で簡単に学ぼう!

経営戦略の策定

内外の経営環境分析を終えた後は、分析結果に基づき、経営戦略を策定します。経営戦略を策定する前提として、経営理念や経営ビジョンの再確認も必要となります。

経営理念とは、その企業が事業遂行するにあたって必要となる、根本の考え方を表したものであり、経営ビジョンは、経営理念の実現にあたって、どのような具体像を描くかを定めたものです。大きな経営環境の変化が予見される場合には、経営理念や経営ビジョンの見直しは必要となりますが、計画期間の間は見直しを行わないことが一般的です。

経営戦略とは、経営ビジョンを実現するために、将来的にどの事業に人・モノ・金の経営資源を重点的に投資するかを判断・決定することです。

企業が有する経営資源には限界があり、あらゆる事業に投入することは実質的に困難であるため、経営ビジョン実現に向け選択的資源配分を行う必要があります。

【関連】経営戦略とは?定義や立案方法、成功ポイントから事例・書籍をご紹介 / BizHint

事業戦略の策定

経営戦略で事業ごとの方向性の判断がされた後は、事業ごとの戦略を策定します。各事業の責任者は、経営層から配分された経営資源の大きさによって、事業方針や行動計画など事業戦略の策定を行います。

事業戦略を策定する基本的なアプローチとしては、市場と扱う製品・サービスを軸とする考え方があります。代表的な手法は、イゴール・アンゾフ(経営学者)が提唱した成長マトリックスです。

市場と商品サービスを軸に、事業領域の位置づけを明確にして、各々の事業のポジションに最適な戦略を策定します。

また、事業戦略は、最終的に数値計画に落とし込む前提となるため、具体性と明確性が必要となります。そのため、戦略から一段落とした戦術レベルで営業・製造・管理その他機能別に行動計画を具体化・詳細化する必要があります。

数値計画策定

経営ビジョンが実現した時の数値目標が経営目標です。数値計画は、経営計画の進捗状況を測定する上で重要な要素となっています。

数値計画は、財務会計上の財務計画と管理会計上の計数計画で構成されています。

財務計画とは、企業会計原則に基づいて作成された損益計算書貸借対照表キャッシュフロー計算書の財務諸表三表と資金調達・返済計画、設備投資計画などから構成される数値計画です。財務会計の目的である外部利害関係者への情報開示の観点からも、財務計画は、利害関係者にとって共通言語であり、理解や判断がしやすいものとして有用となっています。

また、計数計画は、管理会計上の数値計画であり、企業独自の重要な指標(例えば、シェアや顧客数など)が設定され、事業や組織の具体的な数値目標となっています。

経営計画を立てる際のポイント

不透明な経営環境下の中で企業が夢のある経営計画を策定し、確実に実行するためのポイントは、次の通りです。

トップダウンアプローチでの経営計画作成も有効

公表されている長期経営計画を読むと、とても面白く興味深いものも多くあります。しかし、経営計画というよりも事業計画を束ねたものとの印象が拭えない従来型の経営計画も散見されます。現在の市場や顧客ニーズを前提として現在の延長線で描いたものであるため、お客様や従業員の立場からするとワクワク感に欠けています。

従来行われてきた積み上げ型の「現在の延長線上の未来を考える」アプローチでは、競合他社と同じような未来しか描けないなどの課題に直面します。

従来の積み上げ型中期経営計画から脱却するためには、過去の延長線である線形・定量だけではなく、非線形・定性の情報を収集・分析する必要があります。

最近では、トップダウン(経営主導)の未来洞察フレームワークによる経営計画作成に取り組む企業も増えています。未来洞察フレームワークとは、 ① 複数の未来を発想し、現在を見る②変化の予兆を捉え不確定要素に着目する③ 市場創造のシナリオを重視する などの特徴を持った、未来を考える方法論です。

【出典】富士通株式会社/未来を描き、問題を設定する「未来開発型」組織へ

組織強化・人材育成を行う

経営計画を絵画の餅に陥らせないためには、現場を含む各層への経営計画の理解と共有が重要なポイントとなります。

会社の目標が組織の目標に展開され、各社員の目標設定につながり、社員の目標の総和が会社の経営目標の達成になるような仕組みづくりが求められます。

また、トップダウン(経営主導)の未来洞察フレームワークによる経営計画策定には、情報収集や分析で新たな手法の習得が必要となります。そのため、経営企画部門など経営計画策定を担う人材の高度化・専門化を図る人材育成施策が必要となります。

PDCAサイクルの確立

時間や労力を要して策定した経営計画は、策定したこと自体で、ある種の達成感を感じてしまうことがよくあります。しかし、経営計画の策定はゴールではありません。経営計画の完成は、計画を進めていくスタート時点に立ったとの認識が必要となります。

経営計画を確実に実行しその進捗を確認するためには、年度経営計画(予算)を軸としたPDCAのサイクルを確立することが重要です。

単年度の経営計画(予算)は、中長期経営計画の一部を構成しており、活動計画や数値計画は、具体的なものとなっています。四半期ごとに行われる財務会計の決算数値をもとに、各事業や組織の実績を予算対比することにより、四半期後の進捗状況の評価や評価に基づく課題解決策の立案などが可能となります。

また、内外の経営環境を四半期ごとに評価し、中長期経営計画に影響するかどうかの検討を行うことも重要となります。

まとめ

  • 経営計画は、将来実現する経営ビジョンや経営目標を設定し、それを実現するための行動計画です。
  • 経営計画の目的は、企業を存続させること、経営目標などを全社で共有すること及び利害関係者との関係性強化にあります。
  • 経営計画は、経営戦略、事業戦略及び数値計画によって構成されます。
  • 有効な経営計画とするためには、経営環境分析や戦略立案の手法など策定手順を理解する必要があります。
  • 積み上げ型よりも経営主導の未来洞察アプローチによる経営計画が求められています。

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