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2019年1月25日(金)更新

財務会計

「財務会計」とは、企業外部の利害関係者(株主・債権者・投資家など)に対して、経営状態を開示するための会計です。この記事では、財務会計が果たす2つの機能の解説だけでなく、土台となる企業会計の考え方、管理会計との違いにも言及します。また、財務会計システムのメリット・注意点、財務会計を学ぶためのおすすめ書籍も紹介しています。

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財務会計とは

「財務会計」とは、企業外部の利害関係者(株主・債権者・投資家など)に対して、経営状態を開示するための会計です。

経営状態は、会計情報として決算書(財務諸表)で示されます。これら決算書は、統一の基準・ルールに則り作成されます。

財務会計の目的

財務会計の目的は大きく2つあり、「情報提供」と「利害調整」となります。

  • 情報提供:株主・債権者・投資家等の企業外部の利害関係者に対して、経営成績(企業活動の成果)を開示する。
  • 利害調整:企業内外の利害間関係者間における、利益の分配に関する利害調整行う。

詳細は「財務会計の2つの機能」の項目でご紹介します。

財務会計と管理会計

企業が扱う会計には「財務会計」ともうひとつ、「管理会計」というものがあります。

ここでは、これら2つの会計の土台となる「企業会計」の考え方と、財務会計と管理会計の違いについて解説します。

企業会計とは

「企業会計」とは、営利を目的とする企業の経済活動を記録・計算・報告する会計を指しています。そして、企業会計はその性質によって「財務会計」と「管理会計」の2つに大別されます。

企業会計原則

財務会計と管理会計の具体的な違いに移る前に、全ての企業が会計を行う上で守るべき指針である「企業会計原則」を紹介します。

1949年に企業会計制度対策調査会が公表した会計基準であり、7つの原則が設けられています。

【企業会計原則:一般原則】** 1. 真実性の原則 **2. 正規の簿記の原則** 3. 資本取引・損益取引区分の原則 **4. 明瞭性の原則** 5. 継続性の原則 **6. 保守主義の原則** 7. 単一性の原則**

例えば、最上位概念である「1.真実性の原則」では、企業は真実の会計報告をしなければならず、粉飾決算などの虚偽の報告をしていはいけないとされています。

管理会計について

管理会計は、財務会計が企業外部の利害関係者に対する会計である一方、管理会計は企業内部での活用を前提とする会計です。

具体的には、経営における意思決定のために、管理会計データに基づく業績管理・分析や将来予測が行われます。管理会計は会社内での活用に留まるため、企業独自の基準・ルールによって運用されます。

【関連】BizHint/管理会計とは?財務会計との違いや具体例を解説

財務会計と管理会計の違い

以上を踏まえ、財務会計と管理会計の違いをまとめると、下記の通りとなります。

【2つの企業会計:財務会計と管理会計の違い】

項目 財務会計 管理会計
目的 利害関係者への情報開示 経営者の意思決定など企業の成長
開示先 株主、債権者など外部 企業内(現場から経営層)
視点 過去の実績 実績に基づく将来の予測
根拠法 会社法、有価証券取引法など なし(企業の任意)
作成方法 企業会計原則などを遵守 なし(企業の任意)
重点 法令順守性 迅速性
情報 金額換算 数量、時間など任意の数値
期間 四半期、年 任意(月、週、プロジェクト期間など)
書式 法令に定める財務帳票 なし(企業の任意)

財務会計は外部向け・統一ルール、管理会計は内部向け・独自ルール、というのが大きな相違点です。

財務会計の2つの機能

ここでは財務会計が持っている2つの重要な機能・目的について、詳しく解説していきます。

情報提供機能

1つ目の機能は、情報提供機能です。

財務会計による決算書(財務諸表)で経営状況を開示することで、企業外部の利害関係者(ステークホルダー)に対して情報提供を行なっています。

外部のステークホルダーには株主や投資家、債権者、取引先などが挙げられます。これら外部ステークホルダーは開示された決算書の情報を参考に、投資や取引の判断を行います。

決算書で開示する財務諸表

開示される決算書(財務諸表)には、「損益計算書(Profit and Loss Statement、P/L)」、「貸借対照表(Balance Sheet、B/S)」、「キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement、C/S)」などがあります。

これら3つの財務諸表は「財務三表」と呼ばれており、それぞれの役割は以下の通りです。

  • 損益計算書(P/L):期末日の財政状態(どこから資金を調達し、何に使ったか)を示す。
  • 貸借対照表(B/S):期中の利益(収益-費用)を示す。
  • キャッシュフロー計算書(C/S):期中のキャッシュの増減を示す。

利害調整機能

2つ目の機能は、利害調整機能です。

企業(株式会社)には、従業員や株主、投資家、銀行などの債権者、取引先など、内外に多様な利害関係者が存在しています。

こうした利害関係者に対して、企業利益をどのように分配するかを決定・調整するのが、利害調整機能です。利害調整は、経営者と株主間、株主と債権者(金融機関など)間などで行われます。

経営者と株主の利害調整

株主は企業に対して出資している立場(委託者)であり、経営者は株主から経営を任され、利益を最大化する義務がある立場(受託者)です。

ただし、経営者がその責任を全うせず、株主の利益よりも自己の利益を優先してしまう可能性があります。そのため、経営者が株主に対する責任を果たしているかを見る上で、財務会計による報告が必要とされているのです。

株主と債権者の利害調整

株主と金融機関などの債権者は、両者とも出資している企業の利益から恩恵を受ける立場です。株主は株価上昇・配当、債権者は貸付金の回収がキーとなります。

配当が増えれば株主にとっては喜ばしいことですが、企業内部の利益を外部に出すことは債権者にとっては回収のリスクを高めることになります。こうした対立を調整するため、財務会計では、利益の分配方法や割合に決まり(分配可能額)を設けています。

財務会計を効率化する「財務会計システム」

財務会計は各取引の記録や計算を扱うため、文書ベースでは管理が大変です。業務効率化のために財務会計システムを導入するのも一手です。

システム導入のメリット

財務会計システムを導入することで、経理業務を効率化や人為的ミスの削減といったメリットがあります。

業務の効率化

日々の仕訳の入力から決算書の作成までの会計業務をIT化できるため、大きな効率化が見込まれます。また、仕訳伝票からのトレースも可能であるため、会計監査や税務調査に必要な資料の提供も効率化することができます。

人為的なミスの削減

人を介した手作業や手入力の場合、注意していても人為的なミスは避けられません。システムを導入すれば、処理が自動化されるため、こうした人為的なミスを削減することができます。

制度改正への対応が容易

税制の改正があった場合にも、通常システムのアップデートを行えば、新たな制度に対応した作業を行うことができます。

導入時の注意点

システムを導入するメリットは大きいですが、いくつか注意点もあります。導入する前に、これらの注意点を知っておくと良いでしょう。

データの改ざんリスク

業務をIT化して効率化できる反面、データの改ざんが容易になるというリスクもあります。パスワードや権限の設定を行うなどの対策が必要になります。

データの消失リスク

会計情報が電子データとして保存されるため、何らかの原因で消失するリスクも考えられます。自動バックアップの設定や、ウイルスに対するセキュリティ対策が重要となります。

財務会計を学べる書籍の紹介

財務会計を学びたい初学者の方向けに、おすすめの書籍を2冊ピックアップしました。参考にしてみてください。

【増補改訂】財務3表一体理解法:國貞克則

『財務3表一体理解法』は、重要な決算書資料となる財務三表について、それぞれのつながりや全体像がわかりやすくまとめられています。

簿記を知らなくても理解できるような内容になっており、図表も多く使われています。第1章と第2章を読むだけでも、財務三表の全体感を掴むことができます。まずは全体像を理解したいという方にはおすすめの書籍です。

【参考】Amazon.co.jp:財務3表一体理解法 國貞克則

いちばんやさしい会計の教本 人気講師が教える財務3表の読み解き方が全部わかる本/川口宏之

財務三表の全体像を掴んだ上で、経営指標の分析や企業・取引先の経営実態の把握ができるようになるまでを一通り学べる書籍です。

ビジネスパーソンが知っておくべき会計の知識を身に付けたい方、実際の企業の数字を見ながら学習したい方にはおすすめです。

【参考】Amazon.co.jp:いちばんやさしい会計の教本 人気講師が教える財務3表の読み解き方が全部わかる本 川口宏之

まとめ

  • 「財務会計」とは、企業外部の利害関係者に対して、経営状態を開示するための会計です。情報開示は決算書(財務諸表)で行われ、決算書は統一された基準・ルールに基づいて作成されます。
  • 財務会計の目的・機能は「情報提供機能」と「利害調整機能」の2つがあります。前者は、外部の利害関係者に対して決算書を開示し、投資や取引の判断材料として活用されることで、後者は、内外の利害関係者への企業利益の分配に関する調整機能です。
  • 企業会計には「財務会計」と「管理会計」に大別されます。財務会計は企業外部向けで統一基準があるのに対し、管理会計は企業内部向けで独自の基準に基づきます。
  • 財務会計システムは業務効率化に大きな効果をもたらしますが、データ改ざんなどのリスクに備えることが重要です。

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