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タスクフォース

2020年3月19日(木)更新

技術革新により、企業が抱えるビジネス課題はより高度化・複雑化しており、企業には迅速かつ適切な対応が求められています。その結果、緊急性の高い課題・問題への対応だけでなく、事業推進の分野でも「タスクフォース」と呼ばれる組織を立ち上げる企業が増えています。今回はタスクフォースの意味やメリット、チームの構成方法から事例までご紹介いたします。

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タスクフォースとは?

各部署の適任者や専門家を招集し、緊急性の高い経営課題を解決するタスクフォースが注目を集めています。

タスクフォースの意味やワーキンググループとの違い、ビジネス上のタスクとの関連性を知ることで、理解を深めることができます。

タスクフォースの意味とは?

タスクフォースとは、従来、アメリカ海軍をはじめとする軍隊の機動部隊、もしくは合同任務部隊を指す軍事用語として使用されていました。

近年では、緊急性の高い特定の課題(不祥事などの対応や新商品開発など)を解決するために、各部門から召集されたメンバーで構成される一時的な組織を指すビジネス用語として使われています。

タスクフォースの代わりに「プロジェクトチーム」と呼ぶこともあり、役割や目的は各企業によって異なりますが、比較的長期的な課題やテーマを扱う組織を「プロジェクトチーム」と呼ぶ傾向がみられます。

タスクフォースは、情報システム部門やインターネット関連においてよく使用されますが、全社的なインターネットの運用・管理、発展などを目的に召集されます。また、中長期戦略の達成を目的に構成される主な組織形態(機能別、事業部制、マトリクス型など)とは別に、企業の不祥事による問題解決を目的に、タスクフォースが構成されるケースもみられます。

イノベーションによる技術革新やプロダクトライフサイクルの短期化によって、迅速な意思決定と行動が求めらるようになり、グローバル経済に対応した組織改革が迫られる機会も増えています。

一方で、大きなピラミッド型組織の中でも、現場の判断でスピーディに業務を推進できるように権限移譲を行い、小さなピラミッド型組織を構築したタスクフォース型経営に乗り出す企業も登場しています。従来のトップダウンによる強力なリーダーシップを発揮しつつ、現場の社員が「自ら考え、行動する」自律型組織として活用できるとして、注目されています。

ワーキンググループとの違いは?

タスクフォースとワーキンググループはともに緊急性の高い問題解決のために組織される組織形態であり、広義的には同じ意味として認識されています。また、企業によって、呼称が異なるだけで「役割や目的などは変わらない」と考えられます。

一方で、対象となる問題や課題の規模に応じて、タスクフォースとワーキンググループを使い分けるケースもみられます。

ある一つの課題を解決する主体的な組織を「ワーキンググループ」と位置付け、ワーキンググループ内で作業別に細分化された組織を「タスクフォース」と位置付け、任務を遂行します。主に政府系機関による国家単位での政策、企業の存続・経営不振に陥る問題に対応する際に活用されると考えられます。

ビジネス上のタスクとの関連性とは?

タスクとは、ビジネス上の業務管理において、必要とされる作業や課題を指すビジネス用語です。そのほか組織内で発生した問題や課題、特定の任務をタスクとして呼んだり、タスクフォースが取り組む作業をタスクと呼ぶこともあります。また、企業や業界によってもタスクが意味する内容や対象が異なります。

なお、タスクフォース内で処理されるタスクは専門的な知識や技術が必要とされており、タスクフォースのメンバーを選定する際の重要な判断軸とされています。

タスクフォースのメリットとは?

事業運営や課題解決にタスクフォースを導入することで、企業側にはさまざまなメリットが生まれ、事業の活性化につながります。

緊急性が高い問題の解決

グローバル経済の浸透でサプライチェーンを海外企業に委託するケースでは、カントリーリスクやガバナンスの不徹底による企業の不祥事に繋がる場合があり、即効性の高い対応策を実施する必要性が増しています。

タスクフォースは各部門から専門性能力の高い人材が召集され、既存の役職や仕事を一時中断して緊急性の高い問題や課題に注力するため、迅速な対応が可能です。

組織横断型プロジェクトの推進

タスクフォースは緊急課題だけでなく、事業開発や新商品開発など組織横断型プロジェクトの推進にも召集されます。その場合、各部門の技術者や専門家の考えや意見を統合し、イノベーションの創出に役立てることができます。

また、日本企業の多くが組織の全体最適を進めるなかで、タスクフォースは部門間の利害関係を超えて組織全体の問題把握や解決手段としても有効です。さらに各部門が抱える課題や問題を、仲間意識が芽生えた他部門の召集メンバーに共有することで、解決の糸口を見つけ出すきっかけにもつながります。

経営幹部の育成やチーム力の向上

昨今、グローバル規模のサプライチェーンの構築や生産拠点の統廃合によってシナジー効果を発揮させるために、多くの企業がCEOを中心とした海外展開支援のタスクフォースを設立させています。

執行役員に権限委譲した上で複数のタスクフォース・チームに所属させ、共同で検討責任を負わすことで、経営幹部の育成に活かすことも可能です。また、タスクフォースを活用し、複数人で経営・事業戦略を練ることで、経営幹部たちのリーダーシップの強化と、経営陣としてのチーム力の向上にもつながります。

タスクフォース・チームの構築方法とは?

タスクフォース・チームを形骸化させないためには、構築する際に適切なプロセスを踏む必要があります。

解決したい課題の明確化

緊急性の高い経営課題や問題を解決するために一時的に召集されるため、解決したい課題を明確にしたうえで任務を遂行する必要があります。それにはまず、外部と内部の環境を分析し、タスクフォースの存在意義と必要性を認識することから始めます。

次に対象事業や推進方針の大枠を定め、タスクフォースが担うべき業務の内容をリスト化して、具体的な推進体制の構築を始めます。この作業は不祥事への対応だけでなく、新商品の開発・事業開発を目的にしたタスクフォース・チームも同様のプロセスを踏みます。

全体スケジュールや全体戦略を作成するためにも、経営陣を中心に解決したい課題を明確化することが大切です。

タスクフォースメンバーの選定

チームを構成する上で、企画・調査に優れたスタッフや各部門の専門家はもちろん、強力なリーダーシップと権限を持ったタスクフォースリーダーの存在が必要不可欠です。このタスクフォースリーダーには、執行役員もしくはシニア・マネージャークラスが最適です。特に対象事業や推進方針の策定、具体的な推進体制の構築の場面で力を発揮するでしょう。

また、各部門からスタッフを招集する場合は、既存の部門の業務を中断させ、タスクフォースの業務に集中させなければいけません。そのため、人事部門と連携して、各部門の協力を得ることが大切です。

調査結果報告と実践を行なえる体制の構築

タスクフォースは作業進捗や調査結果を可視化した資料(配付資料)に落とし込んで、内外に報告しなければいけません。そのため、適切なタイミングで調査結果を報告し、具体策を企業全体に浸透させる体制の構築が不可欠です。

また、課題が解決した時点でタスクフォースは解散となるため、タスクフォースが必要な課題が出れば、新たにチームを構築する必要があります。

タスクフォースが必要な緊急性の高い問題の発生を減らし、全管理への意識改革やコンプライアンス遵守を浸透させるためには、定期的な人材教育や研修を実施できる体制の構築も重要です。

タスクフォースで押さえるべきポイントとは?

企業がタスクフォースを活用するためには、企業とチームメンバーが押さえておくべきポイントがいくつかあります。

戦略タスクフォースリーダーの育成

イノベーションを前提とした経営戦略を重視する日本企業においても、戦略性の高い知的資産経営を重視した経営戦略策定を助言するタスクフォースの需要が高まりつつあります。中でもタスクフォース・チームを指揮する戦略タスクフォースリーダーの存在が欠かせません。

リーダーには運営に必要な基本知識やスキルだけでなく、組織マネジメント力や知財マネジメント力が求められます。育成していくには、教育環境の整備や研修会の開催、あるいは育成プログラムサービスの活用など、全社的な取り組みが必要です。

また、人事部門が主導して、戦略タスクフォースリーダーのキャリアパスを明確にし、人事制度を整備することも大切です。

スピードと柔軟性の重視

経済のグローバル化と消費者価値観の変化(モノの消費からコトの体験への移行)を背景に、企業が抱えるビジネス課題は高度化・複雑化しており、柔軟かつ迅速な対応が求められます。

特にタスクフォースは緊急性の高い課題に取り組むため、スピードと柔軟性が重要です。もし、不祥事が起きてその後の対応が遅れれば、企業価値を大きく損なうリスクがあります。これを防ぐには、事前にタスク編成を行なっておくなどタスクフォース設立の手順を明確にすることでスピードと柔軟性の確保につなげることができます。

有用な知識・情報の蓄積

タスクフォースは一時的な組織のため、活動によって得られた有用な知識や情報が分散し、今後の経営に活かされない可能性があります。

タスクフォースが対応する問題は、組織ガバナンスの低下や社員モラルの低下が原因となるケースが多いと考えられます。タスクフォースが収集した知識や情報を活用し、再発防止に努める組織体制の構築はとても重要です。

タスクフォースを導入している企業事例とは?

緊急性の高い課題解決に召集されがちなタスクフォースですが、経営体制や事業運営の骨組みとしても導入されています。

今回はタスクフォースを導入し、適切に実践している企業をご紹介いたします。

トヨタ自動車株式会社のタスクフォース型組織

日本を代表するグローバル企業でもあるトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ自動車)では、2013年より世界各地で起こる紛争鉱物問題がもたらすサプライチェーンへの影響を問題視し、タスクフォースを設置。

「紛争鉱物対応方針」を定めた上で、サプライヤーへのCSR活動を推奨し、「責任ある資源・原材料の調達」活動を要請しています。また、業界連携、官民連携アライアンスへの積極的な姿勢を示し、取り組みに向けた社内体制を構築しています。

トヨタ自動車のような資本規模の大きいグローバル企業においては、タスクフォースを中心とした国際協力事業の活性化を重視する傾向がみられます。

【参考】Sustainability Data Book 2019(25ページ)/トヨタ自動車

総務省による携帯電話市場に関するタスクフォース

近年、国内の携帯電話事業の寡占化が進行している中で、総務省では携帯電話事業者の料金や提供条件を検証するタスクフォースを設立し、各企業のサービスの適性を精査する取り組みを実施しています。

設置されたタスクフォースは、利用者の実態や消費者ニーズを把握し、「端末の販売価格を前提にした料金体系からサービス・利用者を前提にした料金体系への移行」などを提言しています。

【参考】携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース取りまとめ/総務省

日本マクドナルドホールディングス株式会社による「お客様対応プロセス・タスクフォース」

外食大手の日本マクドナルドホールディングス株式会社は、2014年に発生した「上海福喜食品有限公司」による使用期限切れの鶏肉混入事件をきっかけに、品質・食品安全マネジメントシステムを高める体制を構築しました。

また、CEO直轄の「お客様対応プロセス・タスクフォース」を設立し、消費者からの問い合わせへの対応プロセスを再検証・改善を行い、顧客へのサービス品質の向上を目指しています。

【参考】品質改善の道のり/McDonald’s Japan

内閣府による2030年の展望と改革

内閣府では「2030年の日本経済の動向」を探る目的で、タスクフォースを設置し、調査結果の報告を行っています。

2030年に起こり得る内外環境の変化や2030年までに目指すべき日本経済の姿、日本経済が取り組むべき課題と構造改革に言及し、日本企業に期待する事項を具体化しています。

【参考】2030年展望と改革 タスクフォース報告書/内閣府

まとめ

  • ビジネス課題が高度化・複雑化する中で、迅速かつ最適な対応が可能なタスクフォースの需要が高まっていると考えられます。
  • タスクフォースを経営体制に取り入れる企業も増えています。各部門から召集されるタスクフォースは、経営戦略のうえでも重要な存在といえます。
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