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連載:第9回 プロ・リクルーター、河合聡一郎さんが聞く【事業承継のカギ】

大阪・生野の下町企業が「82年目のスタートアップ」として、上場を目指す理由

Logo markBizHint 編集部 2019年5月9日(木)掲載
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プロ・リクルーターの河合聡一郎さんによる事業承継の成功のヒントを探る連載。今回お話をうかがうのは株式会社大都の代表取締役、山田岳人さんです。跡継ぎとして問屋業を営む義父の会社に入ったものの赤字続きで社員を解雇。その後、業績を急激に回復し、資金調達をして上場を目指しています。ゼロベースで組織づくりをもう一度始めた山田さんに、上場に向けてあるべき組織の形と目指している世界観を聞きました。

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株式会社大都 

代表取締役 山田岳人さん

学生時代からリクルートで働き、人材採用の営業を担当。結婚を機に1937年創業の金物工具の総合商社である株式会社大都に入社。2011年、代表取締役に就任。EC事業を立ち上げ楽天のDIY部門で販売日本一を達成。DIY体験ができるリアル店舗「DIY FACTORY OSAKA」をオープンするなど、DIYブームの牽引役となり、2015年、グロービス・キャピタル・パートナーズからの第三者割当増資を実現。


EC事業で右肩上がりに業績は伸びたが……

河合聡一郎さん(以下、河合): それまでいた社員を全員解雇し、業界の反発を受けながらも、EC事業にシフトしていくのは大変だったと思います。代表を交代された時には何をどう変えようと思っていたのでしょうか?

山田岳人さん(以下、山田): ECを始めた 2002年から2009年まではすごく順調に事業が伸び、昨年対比増率を割ったことが一度もありませんでした。 2009年2月に初めて、昨対増率を下回ったとき、「おかしいな?」と思って調べてみると周りが競合だらけになっていた。「ちゃんと戦略を立てないとマズい」と、2009年から中国でのECを広げていきました。「DIY業界で日本一になろう!」と頑張って、代表交代した2011年頃には昨対がもう倍々に伸びていく感じでした。

その反面、すごく忙しくなって、退社時間も遅くなり、社員も疲弊してきました。ある朝、パソコンを開いた受注担当の女の子が、「あ〜あ……」って言うんですよ。どうしたのかと尋ねると、「注文が多過ぎて今日は帰れない」って。そこで、「これはおかしなことになっている」と気づいたんです。日本一を目指してやってきて、初めて楽天で売り上げ日本一を達成して表彰してもらったのが2012年。でも、 いくら日本一になっても、社員がこんなにしんどい思いをしているなら、一体何のためにやっているのかわからない。 それで会社のビジョンを決めようということになったのが、ちょうど代表を交代したタイミングでした。

河合: なるほど。それをきっかけに改めて今の事業や社内の環境に合わせた組織づくりについて考えるようになったわけですね。

山田: そうです。先代が社長だった頃は部長、課長、係長といたんです。そもそも、課も係も何もないのに役職だけある。僕は跡継ぎだと分かりやすくするために専務だったんですけど、すごく違和感があった。だから役職をなくしました。今は70人の社員がいますが、会社法上の役員以外の役職はありません。

ただ、それだけでは組織はまとまらないので、ビジョン・ミッション・コアバリューを決め、それを軸に社員の共有価値観を決めるという組織づくりを行いました。目指したい未来があって、それを実現するために戦略がある。そしてその戦略を実現するための組織がある。前に失敗しているから、ここでしっかりやらなければいけないと思って。

みんなにイングリッシュネームをつけたのもこの頃からです。当時はホラクラシー(社内に役職や階級のないフラットな組織形態)という概念もありませんでしたが、ヒエラルキー型ではないサークル型の組織にしたかったので。

社長の仕事は未来を描くこと

バックナンバー (27)

プロ・リクルーター、河合聡一郎さんが聞く【事業承継のカギ】

  1. 第27回 町工場の女性社長による、社員のモチベーションを上げる方法とは
  2. 第26回 32歳の専業主婦が町工場を継ぎながら、リーマンショックを乗り越えた話
  3. 第25回 20年で売上138億まで成長した獺祭。先を見据えた組織造りのカギとは?
  4. 第24回 自分をクビにした父を見返したい、三代目の不屈の精神から生まれた「獺祭」誕生秘話
  5. 第23回 安定を求む社員が多いからこそ、社長が一番大きな失敗を【富士そば・丹社長】
  6. 第22回 富士そばは「仕事に困っている人」の受け皿企業でありたい【富士そば・丹有樹社長】
  7. 第21回 会社のコアは変えずリストラもしない、経営再建のプロが語る再成長への道筋【くじらキャピタル・竹内真二社長】
  8. 第20回 全財産を投じながらIMJを再建した経営者がたどり着いた境地【くじらキャピタル・竹内真二社長】
  9. 第19回 “感性品質”を高めて売上約50億円から100億円企業に【サンワカンパニー山根太郎社長】
  10. 第18回 上場時の役員が全員入れ替わってでも「会社は理想を実現する箱」と言い切るわけ【サンワカンパニー山根太郎社長】
  11. 第17回 順番を間違うな。社員の幸せを前提とした見える化とグループ力の追求【三重県の印刷会社アサプリのスゴい経営】
  12. 第16回 破産した会社も「日本式M&A」で引き受け再び成長へ【三重県の印刷会社アサプリのスゴい経営】
  13. 第15回 バーミキュラが売れる仕組み、透明度の高い組織を作る【愛知ドビー株式会社・土方邦裕さん/智晴さん】
  14. 第14回 2億円の債務超過の状態から「世界最高の鍋・バーミキュラ」で会社を立て直した兄弟
  15. 第13回 経営の「攻めと守り」のバランスを上手く取る【三星グループ・岩田真吾さん】
  16. 第12回 創業130年の繊維メーカーを率いる30代社長、「時代に合わせてしなやかな変化を」
  17. 第11回 人材は入社してから育てればいい、社員の悩みに答えてこそ中小企業【年商90億を支える人材育成】
  18. 第10回 日替わり弁当のみで年商70億、玉子屋のスゴい事業承継
  19. 第9回 大阪・生野の下町企業が「82年目のスタートアップ」として、上場を目指す理由
  20. 第7回 たった3か月で寿司職人を育成する玉寿司の人材育成【玉寿司・中野里社長】
  21. 第8回 恨まれながらも社員を全員解雇、事業承継した3代目の改革への想い
  22. 第6回 火の車状態から年商50億まで成長、さらに100億稼ぐ飲食チェーンになるために社長が考えていること【玉寿司・中野里社長】
  23. 第5回 創業150週年の老舗ブランドを守りつつ、次を画策する木村屋のこれから
  24. 第4回 元祖あんぱん・木村屋總本店7代目、木村光伯さんの経営哲学は「ボトムアップを大切に」
  25. 第3回 3代目経営者が事業を承継するなかで「変えた」こと「変えない」こと【銀座英國屋小林英毅さん×河合聡一郎さん】
  26. 第2回 「自分が成果を出してこそ信頼される」は勘違い 【銀座英國屋小林英毅さん×河合聡一郎さん】
  27. 第1回 事業承継の成功のカギと後継者に必要な資質とは【株式会社ReBoost河合聡一郎さん】

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