MOT(技術経営)
経済のグローバル化が拡大する中で、イノベーションを中心とした高い技術力を重視する企業が増えています。そのため、高い技術知識と経営能力を兼ね備えた経営人材を中心としたMOT(技術経営)の品質が、企業の存続に大きく関わるといわれています。今回はMOT(技術経営)の意味やメリット、MOT人材の育成方法を中心にご紹介いたします。
MOT(技術経営)とは
以前は経営スペシャリストである海外MBA(経営学修士)を取得している経営者が重宝されていた風潮がみられましたが、近年では高い技術知識と経営能力を合わせた経営手法であるMOT(技術経営)が注目されています。MOTの意味や求められる背景、MBAとの違いを知ることで、MOTへの理解を深めることができます。
MOTの意味
MOT(技術経営)とは、Management of Technologyの略称であり、企業が持つ独自技術を経営の立場から管理・推進するための能力を指す経営用語です。
日本の名目GDPにおける産業別構成比では、製造業が18.5%を占めており、独自の高度な技術力(テクノロジー)をコアコンピタンスとして位置付けている企業が多い傾向がみられます。それに伴い、MOTを重視する企業も増えています。
どんなに優れた技術力(テクノロジー)を持っていたとしても、製品化(商品化)・事業化し、経済的価値を創出していかなければ、意味がありません。そのため、自社が持つ独自の技術を経営資源と捉え、戦略的かつ効率的に活用できる経営人材の需要が高まっています。
経済産業省が発表している「特許庁ステータスレポート2017」では、2016年に日本国特許庁が受理したPCT国際出願件数が44,495件と過去最高の件数を記録しているものの、みずほ総合研究所が発表している「国際競争力後退の要因は何か」では、日本の国際競争力は8位と結論付けています。このレポートから、PCT国際出願件数の結果と比べて、高い技術力を事業に活かせていない傾向がみてとれます。また、同レポートでは国際競争力後退の主因は「企業経営者の自信欠如」とも結論付けています。
今後、日本企業が厳しい国際競争に勝ち残る上でも、コンセプト創造型リーダーシップマネジメント(新しいモノの創造力)への転換が必要不可欠といわれています。このコンセプト創造型リーダーシップマネジメントはMOTが目指すべきマネジメントであり、今の日本企業に必要とされる経営能力と考えられています。
【参考】経済産業省 第2節 我が国の産業構造を支える製造業
【参考】経済産業省 特許庁ステータスレポート2017
【参考】みずほ総合研究所 国際競争力後退の要因は何か
MOTが求められる背景
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