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2018年11月27日(火)更新

合弁会社

現在設立される法人の形態では株式会社が圧倒的に多いですが、その他にも「合同会社」「合名会社」「合資会社」「合弁会社」と、様々な形態で設立されています。この記事では、特定の事業を遂行するために複数企業の共同出資によって設立される「合弁会社」について解説します。

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合弁会社とは

合弁会社とは、合弁会社とは特定の事業を行うことを目的として複数の会社が出資を行うことにより設立される会社のことです。

複数の会社が共に出資して事業を行うことから、単独で事業を行うよりも失敗したときのリスクを少なくすることができます。また、出資した会社相互間での支配関係に縛られることなく、各々の企業が有している既存の技術等を活用することにより開発のスピードを速めることが可能です。

合弁会社で得られた利益は通常、合弁契約に基づき出資比率に応じて各出資者に配分されます。

昨今よく聞かれる「ジョイントベンチャー」は合弁会社と同じ意味として使われ、「合弁事業」は合弁会社が行う特定の事業を指しています。

会社設立の4つの法人形態について

「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4つの法人形態は、会社法という法律で定められた法人形態です。

4つの法人形態を説明する上でキーワードとなる言葉が、“直接無限責任”、“直接有限責任”、”間接有限責任“という言葉です。何を表すかと言うと出資者(社員・株主)の責任の範囲を表しています。それぞれの意味合いは簡単に説明すると下記のとおりとなります。

直接無限責任…会社に損害が生じた場合は債権者に直接的に無制限で弁償する。

直接有限責任…会社に損害が生じた場合は債権者に直接的に一定の限度(出資額)で弁償する。

間接有限責任…会社に損害が生じた場合は債権者に間接的に一定の限度(出資額)で弁償する。

細かいニュアンスに違いはありますが、4つの法人形態は出資者(社員・株主)が負う責任の範囲によって下記のように区別されています。

法人
形態
出資者(社員・株主)の責任の範囲
株式
会社
間接有限責任を負う出資者(株主)のみで構成される。
※会社の意思決定は株主総会で行われ、出資者(株主)は出資額に応じて意見する力が強くなる
⇒お金を出せば出すほど会社の意思決定を自分の自由に出来るイメージ。
合同
会社
間接有限責任を負う出資者(社員)のみで構成される。
※会社の意思決定は社員の協議で行われ、出資者(社員)はそれぞれ同等の意見力を有する
⇒1人1票のイメージ。
合名
会社
直接無限責任を負う出資者(社員)のみで構成される。
合資
会社
直接無限責任を負う出資者(社員)と直接有限責任を負う出資者(社員)で構成される。

合弁会社の法人形態

合弁会社は、先に挙げた4つの法人形態とは別になります。

先の説明の通り、「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」は会社法の規定基づいて設立されるのに対し、合弁会社は会社法の規定に基づくものではありません。

簡単に言うと「共に出資されて設立される会社を合弁会社と呼んでいるだけ」になります。

ただし、会社の形態自体は先に述べた4つの形態のうちどれかになるので、法律上、合弁会社は「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」のうちいずれかの形態で設立されることになります。

実務上、合弁会社で利用される法人形態は、出資者が有限責任のみを負う「株式会社」か「合同会社」で設立されるケースがほとんどです。また、合弁会社はその性質上、海外の現地会社と共同出資して設立されるケースが多い傾向にあります。

さらに、国によっては外資規制(外国資本が入ることを禁止する規制)がある業種では、100%日本の企業の出資で設立出来ないケースなどに利用されます。

合弁会社の出資比率とは

合弁会社は支配関係に縛られることなく出資を行う企業同士が協力して事業を行うことから、株式会社の場合は合弁会社の株式の持分比率(出資比率)は半分半分が基本です。

上記の通り、お金を出せば出すほど会社の意思決定を自分の自由に出来るイメージです。つまり、出資比率が多い会社の発言権が強くなり、実質的に自由に意思決定をします。

もし、本当に半分半分の持分比率(出資比率)にしてしまうと、実務的に意思決定ができない場合が生じるため、どちらかの会社が1%程持分比率(出資比率)が多くなるようにして51%と49%のような持分比率(出資比率)となるケースがほとんどです。

ただし、合弁会社で出資比率が問題となるのは、株式会社の形態での法人設立をした場合となります。

合同会社で会社を設立した場合には、上記の通り1人1票のイメージになるため、どの会社がいくら出資したかで会社の意思決定は左右されません。また、利益の配分は出資比率によって決められるケースが多いです。

合弁会社の一例

 合弁会社の一例として直近で有名なのが、2018年10月4日にプレスリリースされたソフトバンクとトヨタ自動車の合弁会社です。事業の内容は、ソフトバンクの情報通信技術を生かして車や人の移動の価値創造を行うことを目指しています。

具体的には、移動中に料理を作って宅配するサービスや、移動中に診察を行う病院送迎サービス、移動型オフィスなどのモビリティサービスを提供すると発表されています。

 その他、2019年秋からベトナムにおけるユニクロ事業展開の展開を目的とした、三菱商事とファーストリテイリングとの合弁会社や、ミャンマーにおいて分譲マンション開発を目的としたタマホームとKakehashi Real Estate Groupとの合弁会社など、様々な会社が積極的に合弁会社による事業展開を行っていることがわかります。

【参考】ソフトバンク・トヨタ自動車:プレスリリース
【参考】三菱商事株式会社・株式会社ファーストリテイリング:プレスリリース
【参考】タマホーム株式会社・Kakehashi Real Estate Group Co.,Ltd.:ニュースリリース

合弁会社のメリット・デメリット

 ここでは、合弁会社のメリットとデメリットについてご紹介します。

合弁会社設立によるメリット

リスク軽減が可能
 単独出資ではなく共同で出資を行うことから、リスクの分散が可能となります。

すでに存在する技術面等のインフラを利用することが可能
 共同出資する会社が独自に有する技術、販売力や設備を利用することが可能となり、開発のスピードが飛躍的に高まります。

外国進出が容易になる
 海外進出で一番失敗するのがいきなり日本企業が海外に出ていくケースです。当然ながら海外現地法人の中でそれぞれ役割と関係性が構築されているので、新参者には厳しくなります。海外の現地の法人と合弁会社を設立すれば、現地法人のインフラ(現地法人の人脈や販売力、その他のコネ等)を利用できるため、海外進出も比較的容易となります。また、外資規制がある場合は現地法人の資本も入れる必要があることから、合弁会社にすることで外資規制の対象とならないようにすることが可能です。

合弁会社設立によるデメリット

経営方針を巡ってのトラブルの可能性
合弁会社は複数の出資者が存在する可能性があることから、経営方針を巡って各々の会社の方針が定まらずトラブルになるケースや利益配分を巡ってトラブルになる可能性があります。

技術やノウハウの流出
共同で出資する会社の有する技術やノウハウを利用することから、各々が有している技術・ノウハウが流出する可能性があります。

海外進出の場合の共同出資者の発見が困難性
海外進出をする場合は、合弁会社を共に設立してくれる現地法人の発見が困難です。特に発展途上国の場合には資金面で信頼できる相手と巡り合うのが難しくなります。

合弁会社の設立方法

合弁会社の設立については、法人形態が「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」のいずれかとなるため、基本的に通常の会社設立と同様の方法になります。

手順としては下記のとおりです。

会社の基本事項(定款記載事項、役員構成、出資割合等)の決定

定款内容について公証人と打ち合わせ、定款内容の確定

資本金を発起人口座へ払込み

公証役場で定款認証

法務局へ設立登記申請

 合弁会社の設立の際に論点に上がるのが、法人形態や出資割合(株式会社の場合)、役員構成といった内容になります。役員構成の割合も半々になることが多いですが、ケースバイケースで決められています。

「法人を役員にしたい」「出資割合は違うけど、意思決定については同等にしたい」といったようなケースでは、合同会社にすることが多いです。法人を役員にする場合には、職務執行者の選任を役員である会社単独で決定できる点にメリットがあります。

例えば、役員(A株式会社)、職務執行者(A株式会社の商品開発部長a)のような場合、aが異動になったら職務執行者の交代のみの迅速な対応が可能で、実務的にも共同出資先に事前に通知して根回ししているケースがほとんどです。

また、合弁会社を海外で設立するような場合は、日本貿易振興機構(JETRO)のサイトにそれぞれの国に対する会社設立手続きが参考になります。この場合、会社を設立しようとする国の外資規制に十分な注意が必要です。

事前に日本貿易振興機構(JETRO)などで外資規制を確認しておくとよいでしょう。

【参考】日本貿易振興機構(JETRO):会社設立手続き例
【参考】日本貿易振興機構(JETRO):外資規制例

まとめ

  • 合弁会社は、新規事業の開始策として、リスクを低減する際に利用されます。
  • 複数の企業が有する技術を活用できるため、開発のスピードが速まります。
  • 国内では技術力を有する会社同士が新たな可能性の創出のために合弁会社を利用するケースが多いです。
  • 海外進出をする場合に活用すると、外資規制の回避や海外現地法人のインフラ利用など比較的に短期間で進出することが可能です。

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