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顧問

2020年2月14日(金)更新

顧問とは、それぞれの分野の専門的な知識や経験を活かした助言を行う役職のことです。顧問は意思決定を行う権限は持ちません。近年では、元役員など内部の人材が就任するよりも、士業やコンサルタントなど、高度な専門性を持つ人材と契約を交わし、その知識や経験を活かした実務的な助言や支援などを受ける企業が増えています。

顧問とは

顧問とは、各分野の専門的な知識や経験を活かして助言を行う役職のことです。求められる役割や性質から、 アドバイザーブレーン と呼ばれることもあります。

企業にとって重要な存在である顧問ですが、元役員などの内部の人材が就任したとしても 経営に関する意思決定を行う権限は持っていません

近年では、元役員などではなく、士業やコンサルタントなど高度な専門性を持つ外部の人材と顧問契約を交わし、知識や経験を活かした実務的な助言や支援などを受ける企業が増えています。

なお、企業は顧問を設置することで以下のようなメリットを得ることができます。

  • いつでも気軽に相談できる
  • 専門的な助言が得られる
  • トラブル発生や問題悪化などのリスクを最小化できる
  • 経営者や役員が事業経営に専念できる
  • 社会や取引先に対する信用が高まる

相談役との違い

相談役とは、 経営上で大きな問題が発生した場合など、相談を受けて意見を求められたときに助言を行う役職 のことです。相談役も顧問と同様、経営に関する意思決定を行う権限はありません。

会長や社長など会社経営の第一線を退いた元経営者が就任することが多く、取締役などの役員と兼任するケースと、相談役だけを就任するケースの2パターンがあります。

顧問との違いは、相談を受ける頻度です。顧問は日常的に実務に関わる相談を受けますが、相談役は、臨時に起きた経営問題に対して相談を受けます。

参与との違い

参与とは、一般的に 会社において部長職などの上級管理職と同等の能力を持つ人に与えられる役職 です。多くの場合、参与は部下を持たずに単独で経営業務の補佐を行います。

例えば、部長職だった人が役職定年後に参与となる場合があります。なお、各会社の職能資格制度によって参与に求められる能力や待遇は異なります。

顧問との最大の違いは、意思決定を行う権限の有無です。顧問には経営に関する意思決定の権限がありませんが、参与にはその権限があります。

「内部顧問」と「外部顧問」

顧問には内部顧問と外部顧問があります。それぞれどのような特徴があるのでしょうか?

内部顧問とは

内部顧問とは、 退任した役員などから選任した顧問 のことを言います。

内部顧問の会社での位置付けを会社法の観点で整理すると、次のようになります。

  • 会社法で選任が義務付けられている役職ではない
  • 会社の経営に関して法的な責任と権限はない
  • 第三者的に意見を述べる立場であり、説明責任を問われることはない

内部顧問には、会長や社長などが退任により取締役を外れたあとに就任することが一般的ですが、取締役としては残りつつ顧問として就任することもあります。この場合には、取締役としての法的な責任と権限はあります。

勤務形態や報酬について

内部顧問の勤務形態や報酬は、社内規程により取締役会で決定されることが多く、会社によって異なります。

一般的には非常勤として就任することが多く、必要なときに経営上の助言をしたり、取締役会や役員会などに出席、出張に行くなどが主な役割です。

報酬については、役員に満たない程度であるか、元経営トップであれば無報酬とする場合もあります。委嘱契約の期間は1年や2年などとして、その後は必要に応じて更新していくことが多いと言えます。

内部顧問を選任するメリット

内部顧問の主なメリットとして、以下のものがあげられます。

  • 社内業務で培ってきた知識や経験、人脈を活用することができる
  • 経営事情に精通しているため、現実に即したアドバイスが期待できる
  • 争議や紛議など、会社にとって大きな問題が起きた場合に調停役としての働きを期待できる

外部顧問とは

外部顧問とは、 経営上必要となる専門的知識を外部に求め、顧問契約を締結した各分野の専門家 のことを言います。

例えば、大手企業で数多くの成果をあげた経験のある役員クラスの人材や、高度な専門知識と経験を保有する弁護士などの士業、コンサルタント業を行っている者を顧問として就任してもらうことなどが考えられます。

契約内容や報酬について

外部顧問の報酬は、どのような専門家と契約するのかによって、その契約内容や報酬は大きく異なります。

例えば、弁護士と顧問契約を締結すれば、月に数回程度は法律相談に乗ってくれ、簡単なものであれば、契約書の作成やチェックなども行ってくれることがあります。

この場合の顧問料として月額5万円程度は必要になり、高度な業務を依頼すると別途報酬を請求されます。契約期間は1年として、特に解約の申し出をしなければ、自動更新していくことが一般的です。

税理士やその他の専門家の報酬体系もこれに近いと言えますので、少なくともこれくらいは必要になると考えておくべきです。

【関連】顧問契約とは?弁護士・税理士との契約メリット、解除時の対応まで徹底解説 / BizHint

外部顧問と契約するメリット

外部顧問の主なメリットとして、以下のものがあげられます。

  • 各分野の専門家から的確なアドバイスや支援、指導を受けられる
  • 経営状態を客観的かつ俯瞰的に見ることができるため、内部の人材からは出ない新しいアドバイスが期待できる
  • 会社内に存在しない知見やノウハウ、人脈を活用することができる

外部顧問の役割

外部顧問に求める専門的知識は会社によって異なりますが、おおまかには経営や税務、会計、労務、法務などの分野に分けられます。

ここでは主だった分野の外部顧問とその役割についてご紹介します。

  • 経営顧問
    経営課題に関するアドバイスや事業計画の策定・推進支援などを行う
    ※弁護士、中小企業診断士、経営コンサルタントなどが該当
  • 税務顧問
    税務に関するアドバイスや税務書類の作成、納税代理などを行う
    ※公認会計士、税理士が該当
    ※公認会計士は税理士登録することで税理士としての業務も行えます
  • 会計顧問
    会計に関わるアバイスや決算書のチェック、財務書類の作成などを行う
    ※公認会計士が該当
  • 労務顧問
    人事労務全般に関わるアドバイスや社会保険・労働保険の手続き代行などを行う
    ※社会保険労務士が該当
  • 法務顧問
    トラブルを未然に防ぐ予防法務に関するアドバイスや株主総会等の議事録作成、各種契約書類のリーガルチェックなどを行う
    ※弁護士や司法書士、行政書士などが該当
  • 顧問弁護士
    法律全般に関するアドバイスや各契約書類などのリーガルチェック、顧客や従業員との訴訟対応などを行う
    ※弁護士も法務顧問と言えますが、求められる役割はどちらかというとトラブルが起こったあとの訴訟対応などであるため、別枠としています

外部顧問を選ぶポイント

外部顧問を選ぶ際には、顧問料だけでなく、実績や社会的信用、評判などをよく確認し、複数の候補者と面談した上で選任するとよいでしょう。選ぶ際のポイントは以下に挙げられます。

  1. 会社の業種やその分野に明るく、専門知識や経験のある人材かどうか
  2. トラブルが起きた場合など、緊急対応の際に迅速な対応が可能かどうか
  3. 守秘義務に関するモラルが高く、企業情報の漏洩リスクはないかどうか
  4. 相談や質問に対して、適切で分かりやすい説明をしてくれるかどうか
  5. 業務内容に対する顧問料が明確で、自社の企業規模に対して適正かどうか

顧問の必要性を考える

ここまで顧問の概要や契約するメリットなどについて説明してきましたが、活用を誤ればデメリットにつながってしまうこともあります。

最後に内部顧問と外部顧問の必要性について説明します。

内部顧問の必要性

内部顧問のメリットは先に説明したとおり、これまで培った知識と経験を活かしてもらえることなどですが、デメリットにつながることもあります。

例えば、発言力のある会長や社長経験者などが内部顧問になることで、現経営陣はことあるごとに伺いを立てなければなりませんし、場合によってはニュースで取り上げられているような不正対応に誘導される可能性もあります。

これらの状況を考慮し、東京証券取引所は2018年から上場企業に対して顧問・相談役の氏名や業務内容、報酬の有無などの開示を求めていますし、これ以降、顧問や相談役を廃止している企業も増えています。

内部顧問が必要であるかどうかは、株主に対して説明責任を持たない顧問や相談役が不透明な存在となりつつあることも考慮して判断しなければなりません。

【参考】院政に「NO」…上場企業の18%、相談役・顧問を廃止 透明性とスピード高める/産経ニュース
【参考】日産、顧問・相談役を廃止へ/産経ニュース

外部顧問の必要性

外部顧問は顧問という名称は付いていますが、内部顧問と違って業者であり、忖度することなく、必要な専門性を外部に求めることができます。

ただし、必要な外部顧問の選択を誤ると、何の効果もなくコストがかさむだけということにもなりかねません。

例えば、弁護士と顧問契約をしたものの、業務上の法律相談もなく、訴訟に発展するようなトラブルがないといったケースです。法的トラブルの事前対策や契約書類のリーガルチェックだけでよいのであれば、行政書士と契約した方がコスト的にも抑えられる可能性があります。

外部顧問が必要であるかどうかは、自社が求める専門性と費用対効果を十分に検証して判断しなければなりません。

まとめ

  • 顧問とは、それぞれの分野における専門的な知識や経験を活かし、相談に応じて実務的な意見や助言を行う役職のことである。
  • 外部顧問にはいくつか種類があり、企業が必要とする分野に応じて経営顧問、税務顧問、会計顧問、法務顧問、労務顧問などがある。
  • 外部顧問の主なメリットは、客観的な視点から専門の知識や経験に基づく的確なアドバイスや支援を得ることで、トラブルなどのリスクを事前に防げることである。
  • 内部顧問の選任や外部顧問との契約は、自社にとっての必要性を十分に検討しなければならない。

<監修>
本田 勝志 社会保険労務士

関西大学 経済学部 経済学科 卒業。1996年10月 文部省(現文部科学省)入省。退職後、2010年に社会保険労務士試験に合格。社会保険労務士事務所などでの勤務経験を経て、現在は特定企業における労務管理等を担当。


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