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戦略人事

2019年5月14日(火)更新

「戦略人事」とは、オペレーションを中心とした従来の人事のあり方に対し、変化の早いこれからの時代に必要な人事の新しい役割として1990年代からデイビッド・ウルリッチ氏などによって提唱されてきた考え方です。「戦略人事」における人事は、経営戦略を深く理解し、経営者のパートナーとして人と組織の面から、事業計画を達成するために必要な打ち手を立案し、その実行に責任を持つ存在とされています。「戦略人事」における代表的なポジションとして、経営者・事業責任者のパートナーを務める「HRビジネスパートナー」にも注目が集まっています。

「戦略人事」とは

戦略人事とは、人事部は従来の管理業務を中心とした人事から、事業戦略の実現をサポートする、より戦略的な人事に転換すべきであるという考え方です。1997年「MBAの人事戦略」の中でデイビッド・ウルリッチ氏が提唱しました。

現代の社会では、ビジネスを取り巻く状況の変化に合わせ、各部門が臨機応変に、ダイナミックに戦略を仕掛けていかなければ、勝ち抜くことはできません。

これは人事面でも同じことです。組織やそこで働く人材に求められる要件は、周辺の競争環境によって大きく変わります。

人事部門においても、マニュアルや制度に固執した保守的な前例主義ではなく、人と組織の側面から変革をリードしていく、戦略人事の存在が必要とされているのです。

戦略人事の位置づけ

戦略人事では、経営目的を達成させるため、人事に経営的な視点を導入しマネジメントを行います。ビジネスのスピードが上がり、企業のグローバル化が進んだ2000年代以降に注目され始めました。

そのため、戦略人事では経営者のビジョンを理解し、経営目標の達成のために必要な人材を外部から招き入れ、組織を作り上げることが求められます。単に「オペレーションがしやすいかどうか」「ルールに沿っているかどうか?」という観点だけではなく、外部のビジネス環境に即した柔軟な対応が求められるのです。

日本の人事部はオペレーション的な業務を中心とした労務部門・法務部門では非常に有能です。こうした強みは評価されるべきですし、今後も引き続き必要なファンクションだと言えます。オペレーション中心の人事におけるこれまでの強みを土台としつつ、経営戦略の理解に基づいた臨機応変な対応ができる戦略人事ファンクションを積み重ねていくことが必要です。

日本企業で戦略人事が浸透しない理由

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