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2018年11月9日(金)更新

顧客満足

顧客満足(Customer Satisfaction:CS)とは、自社の商品やサービスに対して消費者やユーザーの期待を超える機能性や魅力を提供した時に生まれるポジティブな感情のことです。一般的に顧客満足を高めるほど売上や利益、リピート率が向上するといわれています。ここでは、顧客満足の意味や定義、顧客満足向上の必用性とビジネスに与える影響、顧客満足度調査の効果を高める5つのポイントについて分かりやすく解説します。

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顧客満足(CS)とは

顧客満足(Customer Satisfaction:CS)とは、消費者やユーザーが製品やサービスを保有、利用した際に感じる満足感や達成感のことです。

目に見えるものではなく感情変化の度合いを示す概念であることから、顧客満足度とも呼ばれています。

一般には、顧客満足度に比例して売上や利益、リピート率も向上するといわれています。 そのため、業種を問わず多くの経営者が顧客満足度調査(CS調査)などを行い、顧客満足度向上(CS向上)に向けて意欲的に取り組んでいます。

顧客満足の定義

顧客満足は概念で明確な定義は存在しないため、「顧客満足度向上」というキーワードを掲げているだけでは効果的な戦略を構築することはできません。

顧客満足の向上に取り組む上で最も重要なのは、消費者やユーザーが事前に抱いていた期待値(事前期待値)と、実際に商品を使用することで感じた満足感や達成感(実績評価)の差異に目を向けることが重要です。

そのためには、顧客満足を「自社製品や自社サービスを通じて、消費者やユーザーが事前に抱いていた期待値を超える機能性や魅力を提供した時に生まれるポジティブな感情」と定義することからはじまります。

「買ってよかった」や「使ってよかった」などの感想を絶対評価ではなく、顧客自身の中で設定していた事前期待値を上回る機能性や魅力を提供できたか否かという相対評価で図ることがポイントです。それにより、自社が向き合うべき課題の全容と本質が見えてくるでしょう。

顧客満足向上の必用性とビジネスに与える影響

昨今、業種を問わず多くの経営者が顧客満足度調査を実施し、顧客満足の向上に向けて意欲的に取り組んでいます。こうした従来の生産者主導から消費者主導へ大きくシフトしている背景には、年々加速し続ける経済のサービス化やソフト化の影響があるといわれています。

マーケティングやモノづくりの基本は消費者ニーズの把握と反映です。以前は企業内で素晴らしい評価を受けた商品やサービスを製造、提供するだけで多くの消費者に購入、利用してもらうことができました。しかし、モノやサービスが溢れかえった現代において、消費者の購買意欲を刺激して購買行動へと結びつけるには、消費者ニーズについてよく知る必要があります。

現代の消費者はいずれも非常に厳しい選択眼と強いこだわりをもって企業や商品、サービスを選別、評価しています。また、心から満足することのできた商品やサービスは継続的に購入、利用するだけでなく、ソーシャルメディアやSNSなどのサービスを通じて自発的に情報を発信してくれるという特性を持っています。

知人や友人の好意的なレビューを見て商品やサービスを購入、利用することを決断した新規顧客は、推奨者と同等かそれ以上に高い事前期待値を持っています。

顧客満足度調査の調査結果から読み取ることのできる様々なヒントを商品の品質向上やサービス向上に最大限活用することで、自社の社会的意義の見直しや磨き上げを継続的に行うことができます。これによって厳しい時代を生き抜ける価値ある企業と、商品やサービスを作り上げることができるでしょう。

顧客満足度調査の効果を高める5つのポイント

満足度調査を実施すること自体は決して難しいことではありませんが、押さえるべきポイントを理解して行うことで効果を高めることができます。

事前期待値と実績評価との差異を測定する

定義で述べたように、顧客満足とは「自社製品や自社サービスを通じて消費者やユーザーが事前に抱いていた期待値を超える機能性や魅力を提供した時に生まれるポジティブな感情」です。そのため、更なる顧客満足の向上を目指すには、現時点における顧客満足の量を測定する必要があります。

一番手軽な顧客満足度調査の方法に企業が独自に実施するアンケート調査がありますが、設問として「当社の商品(サービス)に満足されましたか」という段階評価だけを用意するだけでは不十分です。

さらに、「当社の商品(サービス)にどのような機能性や魅力を期待して購入されましたか」という自由回答の設問や「当社の商品(サービス)にどの程度の期待を持って購入されましたか」という段階評価の設問を加えると効果的です。

こうして具体的な顧客ニーズを明確にする設問を用意することで、事前期待値と実績評価の差異を正しく測定することが可能となるでしょう。

顧客ニーズを網羅的に把握し、優先順位と対応レベルを設定する

一見、安さだけを判断基準として商品を選んでいるように見える顧客であっても、実際にはデザイン面や機能面に最低限のこだわりを持っており、その条件を満たした中で最も安い商品を選んでいるということがあります。

同じように、顧客アンケートにおいて「最も安いから購入を決断した」と安さだけを記載されていたとしても、多くの場合はそこに記載されていない異なる複数の購買動機が存在しています。

このような見えない購買動機を無視したまま商品やサービスの改善を行うと、これまで満足感を感じていた顧客からも不満の声があがるようになってしまいます。

企業は顧客の声に含まれる複数の購買動機とそれぞれに対する事前期待値を読み取り、顧客ニーズに優先順位と対応レベルを設定した上で商品やサービスの品質改善を行うことが必要です。

サイレントマジョリティーの声に耳を傾ける

顧客満足度調査で最も多く指摘された問題点や改善点であっても、それが必ずしも顧客満足度向上のカギを握る最重要課題であるとは限りません。なぜなら、企業の対応や商品、サービスの質に不満を感じた顧客がクレームを発する割合はわずか数%といわれているからです。

問題点や改善点を十分に把握し、現状における最重要課題を正しく見極めるためには、アンケートに自分の意見や想いを積極的に書くことのないサイレントマジョリティー(静かな大衆)たちの声なき声に耳を傾ける必要があります。

常日頃から商品やサービスを通じて顧客とコミュニケーションを取っている現場の従業員に顧客満足度向上の必用性を正しく伝えておきましょう。それによって、自然な会話の中で見え隠れするサイレントマジョリティーの本音や表情を読み取ってもらうことで、最も注力すべき課題を特定するために必用な情報を手に入れることができます。

理性的満足と感情的満足の両方を高める

顧客満足はその性質から理性的満足と感情的満足の2つに大別することができます。

理性的満足とは、商品やサービスの機能性や品質など商品やサービスに基本的に含まれている価値に対する満足感のことです。これを高めることによって、顧客は「この商品(サービス)を選んで良かった」という満足感や達成感を感じることができますが、それだけでは大きな成果をことはできません。

一方、感情的満足とは、商品やサービスに込められた企業やブランドの想いや世界観に沿った店内レイアウト、店頭スタッフやテレフォンオペレーターとのコミュニケーションを通じて得られる満足感です。感情的満足はリピーター率や顧客単価の向上に大きく関係しているといわれています。

理性的満足という土台の上に居心地の良さや愛着心へと繋がる数多くの感情的満足を積み重ねることで、カスタマーバリュー(顧客価値)や顧客エンゲージメントを高め、リピーター率や顧客単価の向上という継続的利益を生み出すことができるのです。

顧客満足度調査の調査結果や現場従業員の声を顧客満足度向上に活用する際には、理性的満足だけでなく感情的満足にもしっかりとアプローチできる施策を構築するように心掛けましょう。

JCSI(日本版顧客満足度指数)の指標や共通質問からヒントを得る

JCSIは、サービス産業生産性協議会(SPRING)が2009年に公開した日本独自のCSI(顧客満足度指数)です。経済産業省をはじめ、数多くの学識研究者や企業が協力支援を行う国家的プロジェクトとして開発が進められたJCSIは次のような特徴を持っています。

  • 各業界共通の質問を使用して指数化しているため、業種や業態を超えた満足度の比較が可能
  • 6つの要素を指標化することで、多面的な分析評価を実現
  • 満足度を指数化するだけではなく、原因や経営への影響についても明確にしてくれる

JCSIで指標化されている6つの要素はいずれも、顧客の満足度をより正確に把握し、自社が抱えている課題を見極めるために重要なものばかりです。

6つの指標と21の共通質問の意図を正しく理解することで、企業が独自に実施するアンケート調査の質と精度をより高めることができるでしょう。

【参考】顧客満足度調査【JCSI】公益財団法人日本生産性本部

顧客の声に耳を傾け、自社の強みや特性を最大限に活用する

現在掲げている社会的意義やコンセプト、商品やサービスの付加価値は顧客のニーズと合致しているものでしょうか。もし、この段階で差異が生じているのであれば、そこを見直す必要があります。

だからといって、企業の持つ魅力や個性を全て捨ててまで顧客ニーズに合わせる必要はありません。なぜなら、消費者が自社に対して抱いているイメージと現状との不一致は企業や商品、サービスに対する従業員の認識不足や消費者への情報発信不足を解消することで大幅に改善する可能性も十分に考えられるからです。

顧客満足を高めるには、企業が良いと思うものを一方的に提供する姿勢を改め、顧客の自社に対する感情や期待を深く理解することが大切です。その上で顧客のためにどのような施策を行うかをよく考えて実施し、改善を続けていくことが、自社の強みや特性を十分に活かしながらも顧客満足向上へと繋がる道筋になります。

まとめ

  • 顧客満足(Customer Satisfaction:CS)とは、自社製品や自社サービスを通じて消費者やユーザーが事前に抱いていた期待値を超える機能性や魅力を提供した時に生まれるポジティブな感情である。
  • 現代の消費者はいずれも非常に厳しい選択眼と強いこだわりを持っているため、顧客ニーズや事前期。待値を正しく把握した上で適切な対策を講じなければ顧客満足を高めることはできない
  • 企業ブランディングや新商品、新サービスの事前広告などを通じて消費者が自社に対して抱いているイメージと現状との不一致を解消することも顧客満足の向上を目指す上で重要だといえる。
  • サイレントマジョリティーの声に耳を傾け、顧客ニーズを網羅的に把握することで取り組むべき課題を正しく認識することができる。
  • 理性的満足と感情的満足の両方を高めることで購入した商品やサービスだけでなく、企業やブランド全体の売上を向上させることができる。

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