連載:第1回 中竹竜二さんが聞く【新しい組織・リーダー論】
強い組織をつくるために今求められる、新しいリーダーシップとは【日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター/株式会社チームボックス中竹竜二さん】
BizHintではさまざまな常勝のスポーツ理論を知る中竹竜二さんが聞き手となり、多くの経営者やリーダーたちとの対談を通じて、ビジネスの世界により適した今求められている新しいリーダー論を探る連載をスタートします。連載初回、中竹さんに新しいリーダーシップがなぜ求められているのか、なぜ組織に着目しているのか、意気込みを伺いました。
中竹竜二さん プロフィール
日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター。株式会社チームボックス代表取締役。一般社団法人日本ウィルチェアーラグビー連盟 副理事長 1973年福岡県生まれ。早稲田大学人間科学部に入学し、ラグビー蹴球部に所属。同部主将を務め全国大学選手権で準優勝。卒業後、英国に留学。レスタ―大学大学院社会学修士課程修了。三菱総合研究所等を経て、早稲田大学ラグビー蹴球部監督を務め、自律支援型の指導法で大学選手権二連覇など多くの実績を残す。2010年退任後、日本ラグビー協会初代コーチングディレクターに就任。U20日本代表ヘッドコーチも務め、2015年にはワールドラグビーチャンピオンシップにて初のトップ10入りを果たした。著書に『新版リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』( CCCメディアハウス)など多数。
2017年、厚生労働省は政府の方針として「働き方改革」を推進することを大きく発表しました。日本は先進国内でも 個人の生産性が低いことに加え、働いている人たちの「仕事への満足度」が低い状況が続いています。この危機的な状況を打破すべく、個人一人ひとりの「働き方」を見直しが必要 になってきています。
いま改めて「組織マネジメント」が注目されるわけ
「ワークライフバランス」の問題を国が政策課題として取り上げたことはとてもいいことです。社会全体での議論は進めるべきでしょう。ただし、日本組織の生産性が低いことを「個人」の問題と捉えているのであれば、この問題は絶対解決しません。「個人」の生産性、意欲の数字が低いは「組織」の問題だと考えたほうがいいでしょう。言い換えると、 組織を率いるリーダーたちが、現実社会と合致してないマネジメントをし続けている ことに原因があるとみるべきです。
ビジネスマンたちが勝手に抱いてる「リーダー像」を忘れ、「組織マネジメントとはなにか」「リーダーとはなにか」。改めて、過去の幻想にとらわれず先端的な取り組みについて学び直す時期が来ているのだと思っています。
優秀なコーチはチームの力を引き出している
私は、長年スポーツとビジネス分野と両方の世界で「組織」「リーダー」について学び、数々の現場で新しい方法を実践してきました。学生時代は早稲田大学のラグビー部のキャプテンを務め、社会人になってからは日本ラグビーのU20 の監督として選手を指導してきました。私ならではのアプローチの手法を一言でいうならば「コーチのコーチ」。つまり、指導者を育成することに注力してきたことです。ビジネスの分野ではチームボックスという会社を設立し、主にグローバル人材の育成を行なっています。
「スポーツ」と「ビジネス」でのリーダーシップ論はとても似ていますが、こと「勝つ」ことに関する研究はスポーツ分野の方が進んでいます。そもそも勝つチームと負けるチームの違いはどこにあるのでしょう。とても才能に恵まれた選手がいるからでしょうか? 現代のスポーツマネジメントの世界では、コーチの「選手の力を引き出す、サポート力」の違いで勝敗が決まる と考えられています。
スポーツの分野では最近、面白い傾向があります。リーグ戦が多いプロスポーツ世界ではまぐれの勝利が減り、「勝つチームは勝ち続け、負けるチームは負け続ける」傾向が顕著になっているのです。仮に、有力選手1人が欠けたとしても、 「サポート力の強いリーダーがいるチーム」が勝つ確率が高い というわけです。
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