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連載:第1回 慣習に囚われない 改革の舞台裏

【キンコーズ、ドミノ・ピザを改革したプロ経営者】須原清貴さんが日本サッカー協会に起こす変革とは

BizHint 編集部 2018年9月20日(木)掲載
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2018年3月、新たに公益財団法人日本サッカー協会(JFA)の新専務理事に就任した須原清貴さん。GABAやキンコーズ・ジャパン、ベネッセ、ドミノ・ピザ ジャパンなど、数々の企業で経営トップとして改革を行ってきた人物でもあります。今回、日本サッカー界の変革を担うため、2018年9月から大々的な組織改革をスタートさせ、人事部長の公募も始めました。そこで須原さんに、経営者としてのマインドや今後の日本サッカー界における人事戦略について伺いました。

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経営者の仕事は、メンバーが100%実力を出せる環境を作ること

――組織改革の一歩として、人事部長の公募など、様々な取り組みを実施していらっしゃいますが、まずは組織改革で人事に着目した理由を教えてください。

須原清貴さん(以下、須原):経営者の一番の仕事は、「組織内のチームメンバーが気持ちよく働けて、100%の実力を出せる環境を提供すること」 だと思っています。メンバーを採用して、評価して、褒める。そのプロセスが大切です。このサイクルは本来人事が率先して作るものですが、日本サッカー協会ではこれまで人事部門が部として設置されていませんでした。だからこそ、人事部の創設を目指して2018年9月にビズリーチでの人事部長公募に踏み切りました。

――スタッフが100%実力を出せる環境を作るために、経営者がするべきことはどんなことだとお考えですか?

須原: ひとつには、 「矛盾から逃げないこと」 です。組織経営は矛盾の連続ですから。例えば、「長期の結果を出す投資のため、短期の結果には目をつぶる」とよく言われますが、これは間違っていますよね。そもそも短期で結果を出さないと、長期の結果はついてきません。

あとは、 「組織としての形を決めること」。なかでも、「やらないことを決める」のは経営者にしかできないこと です。経営資源には「ヒト、モノ、カネ」があると言われますが、それ以上に重要なのが「時間」です。誰に対しても時間“だけ”は平等で、1日は24時間、×365日が1年間だと決まっています。現場の人たちは「これをやったらいいんじゃないか」といろんな提案をくれますが、限られた時間のなかで効果を最大限に生むために、「何をやって、何をやらないか」を決めるのが、トップの仕事だと思います。

――過去に、これらを具体的に取り入れたことはありますか?

須原: 例えば、キンコーズの経営に携わっていたときに、他社にない特色であった「小ロットの超短期納品」へ業態を特化するという判断をしました。キンコーズは、ほかの印刷業者なら納品に1週間かかるところを2時間で納品するスピード感と、1部や2部の小ロットでも受注できる点が特長です。当時は、10万部以上の大量印刷も受けていましたが、そこから外注に出していたので利益率が低かったんです。そこで、判断に1年くらい悩みましたが、アウトソーシングが必要な大量受注の事業は全部カットしました。結果、キンコーズほど小ロットの短期納期に振り切る同業他社はおらず差別化に成功し、売上は右肩上がりになりました。キンコーズは今でも伸び続けています。

ネガティブフィードバックが、組織を強くする

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