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連載:第31回 経営危機からの復活

年商を7倍以上に伸ばした経営者が語る、黒字倒産を回避できた2つの要因

BizHint 編集部 2022年11月7日(月)掲載
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「『売れすぎて困る』なんて都市伝説、困ってみたいとすら思っていました」と語るのは、株式会社リゲッタの代表取締役、高本泰朗さん。靴の下請け業を営む家業に戻って2年後、突然の「下請け切り」。そこからメーカーに転向を果たすものの、「売れ過ぎた」ことで黒字なのに会社は倒産の危機に…。その状況下、高本さんは事業承継を決意。その後、見事危機を乗り越え、現在年商は7倍以上に成長しています。3年間の「黒字倒産危機」から学んだ教訓。そして、社長のプライベートや決算報告書・役員報酬など多くの情報を社員に開示する「ガラス張り経営」と、自律型組織への変貌について、詳しくお聞きしました。

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株式会社 リゲッタ
代表取締役 高本 泰朗(たかもと やすお)さん

1975年大阪市生野区生まれ。高校を卒業後、東京の専門学校で靴作りを学ぶ。その後、神戸市長田区の靴デザイン事務所などで3年間修行。1998年、23歳で家業に戻る。2005年オリジナルブランド「Re:getA(リゲッタ)」を発表。翌年には会社を法人化し、2011年に事業承継。2019年、社名を株式会社リゲッタに変更。


翌月から仕事がない…突然の下請け切り。憔悴する父に「一緒にメーカーをやろう」

高本泰朗さん(以下、高本): 当社は、1968年に父が「タカモトゴム工業所」として設立。大手靴メーカーの下請けとして、履き物製造業を営んでいました。といっても、家族3~4人・年商2億円前後で経営している下町の町工場でした。現在は、株式会社リゲッタと社名を変更し、「Re:getA(リゲッタ)」「RegettaCanoe(リゲッタカヌー)」などオリジナルシューズの企画・製造・卸売・販売などを行っています。社員数は100名。おかげさまでリゲッタシリーズは累計販売数約900万足を突破し、2021年度の売り上げは14.9億円となっています。

僕は、靴の名産地と言われる神戸市長田区での3年間の修行を経て、1998年・23歳で当時下請け業を営んでいた家業に入社しました。しかし2000年の年末、取引先のメーカーから呼び出され、突然発注を打ち切ると通告されてしまったんです。猶予期間はゼロ。翌1月からは仕事が無くなってしまいました。

この一件から、 当社は脱下請けをして「靴メーカー」になることを決意。 大きな決断ではありましたが、「このままではいけない」「下請けではなく自立したい」という強い想いが、僕を突き動かしました。

Re:getA…「下駄(Geta) をもう一度(Re:)」。履き心地を追求しながらも、ドイツ靴の機能性やイタリア靴の洗練されたデザインのエッセンスを取り入れ、オシャレで歩きやすい靴作りを目指している(引用:https://www.regeta.co.jp/brand/regeta/

――そこから、社名にもなっている「Re:getA(リゲッタ)」の開発がはじまったのですね。

高本: はい。リゲッタを最初に展示会に出したのは2005年1月。発表した瞬間から注文が殺到し、大手量販店さんからも、大量の発注をいただきました。しかし大きな手応えを感じていたのも束の間、翌年にはなんと完全コピー商品がリゲッタより安価な値段で販売されてしまったんです。

これは、仕事が手につかないほどのショックでしたね…。良いものを作ったところで、安いコピー商品を作られてしまう。しかし、どうすれば良いかも分かりませんでした。

そんな八方塞がりの状態の中、転機が訪れました。展示会で、とある会社の社長が「とてもいい靴を作っているね!」と声をかけてくれて、そして「出る展示会、間違えてない?」と言ってくださったんです。コピー商品が作られてしまいがちな靴業界での販路に拘らず、もっと広い視野で販路を拡大すべきだと。もう、目から鱗でしたね。 見せる場所を変えるという発想がなかったので、これから可能性が大きく広がるのを感じました。

そして2007年、日本最大の生活雑貨などの見本市である「ギフト・ショー」に出展。そこで、通販会社のバイヤーさんと出会いました。話を聞くと、通販業界はコピー商品が出にくいそう。通販雑誌は掲載前に、他社の知的財産を侵害していないか一筆書かないといけないルールがあり、安易にコピーできないらしいのです。そこで思い切って、通販業界に飛び込むことを決めました。

結果、リゲッタは大ヒット!当社が今のように成長できたのは、この通販業界でのヒットが大きく起因していると言っても過言ではありません。

その後も順調に売り上げを伸ばし、2009年には「RegettaCanoe(リゲッタカヌー)」という新たなブランドを立ち上げました。アスファルトの街並みを快適に歩くことをコンセプトにした、独特な丸みのあるフォルムの靴で、こちらも発売当初から好評を博したのですが……。これは、新たな危機の訪れでもあったんです。

売上は伸びているのにお金がない!?そして会社倒産の危機に

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