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2018年12月19日(水)更新

リーダーシップ

リーダーシップ(leadership)とは、明確なビジョンと目標を示し、フォロワーのパフォーマンスを最大化させることによって目標達成を実現させる能力です。リーダーシップは才能や素質といった類のものではないため、誰もが努力によって身に付けることができます。当記事ではリーダーシップを身に付け、磨き上げるために必要となる情報やノウハウを、意味や定義、必要なスキル、種類、効果的に高める方法、リーダーシップ理論などの項目に整理して、分かりやすく解説致します。

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目次[表示]

リーダーシップの意味とは

リーダーシップ(leadership)とは、 明確なビジョンと目標を示し、フォロワーのパフォーマンスを最大化させることによって目標達成を実現させる能力 です。

指導者や先導者などの意味を持つ「leader」という英単語が含まれていることから、カリスマ性によって多くの部下やチームメンバーを力強く引っ張っていくイメージの強いリーダーシップですが、実際には組織環境の整備やエンパワーメントの支援、模範的な振る舞いなど 戦略的かつ繊細な対応が求められます。

なお、リーダーに求められる役割や資質については以下の記事で詳しく解説しています。
【関連】リーダーとは?その役割とリーダーシップを発揮するための4つの資質/ BizHint

リーダーシップの定義

現代経営学の父という異名を持ち、今もなお多くの経営者の道標となっているピーター・ファーディナンド・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker)氏は、リーダーやリーダーシップについて著書の中で次のように語っています。

リーダーシップは資質ではなく仕事である
(P.F.ドラッカー「現代の経営」)

リーダーたることの第二の要件は、リーダーシップを地位や特権ではなく責任と見ることである
(P.F.ドラッカー「プロフェッショナルの条件 — いかに成果をあげ、成長するか」)

リーダーに関する唯一の定義は、つき従う者がいるということである
(P.F.ドラッカー『未来企業 — 生き残る組織の条件』)

仕事 」、「 責任 」、「 信頼 」という3つの要素こそが、リーダーとリーダーシップの本質を掴むためのカギとなります。
ドラッカー氏の言葉からリーダーシップを「 生まれ持った資質ではなく、地位や特権でもない、責任を持って遂行するべき仕事の一種 」と定義し、この定義を意識しながらリーダーシップを発揮することによって、多くの人間の信頼を獲得し、相手が自ら「つき従いたい」と思うような魅力的なリーダーになることができるでしょう。

リーダーシップの必要性と社会的背景

定義にもあるように、リーダーシップとは資質や才能といった類のものではありません。
それは、裏を返せば誰もが意識的に身につけることができる能力だということです。

では、なぜ多くの企業が、数あるビジネススキルの中でもリーダーシップに対して強い必要性を感じ、積極的に身につけさせたいと望んでいるのでしょうか。
そこには、次のような次のような社会的背景が関わっています。

  • グローバル化による企業間競争の激化
  • 組織内人材の多様化
  • 急速に変化し続ける消費者ニーズとトレンド
  • 商品やサービスの飽和により、以前に比べて厳しくなっている消費者の目
  • CSR(企業の社会的責任)への取り組みに対する期待

変化と正確性を同時に求められる現代社会を生き残るためには、組織が一丸となって大きなミッションに挑戦することが必要不可欠となります。
しかし、国籍や年齢、性別、ライフスタイル、価値観などが異なる多様な人材が、目標達成に向けて気持ちを一つにすることは容易ではありません。

このような状況を改善し、最高のパフォーマンスへと変えるのがリーダーであり、リーダーシップです。
だからこそ、多くの経営者たちが争うようにリーダーシップを高める方法を探り、自社内の人材に適用しようと試みているのです。

リーダーシップとマネジメントの違い

ビジネスシーンにおいて混合されることが多いリーダーシップとマネジメントですが、これらは決して同一のものではありません。
リーダーシップとマネジメントには以下のような違いがあります。

  リーダーシップ マネジメント
視野 未来的かつ長期的 現実的かつ短期的
役割 ビジョンの提示、模範、整備、権限委譲、補佐 目標の達成、維持、調整
必要なタイミング 変化を求められている時 何かを確実にやり遂げたい時
核となるスキル 人間的な魅力、先見性 管理調整能力

このように、リーダーシップとマネジメントは似て非なるものです。
それぞれの特徴を正しく認識し、適切に使い分けることで、アグレッシブさと堅実さを兼ね備えた強い組織を構築することができるでしょう。

【関連】リーダーシップとマネジメントは似て非なるもの?定義や違い、習得方法、書籍をご紹介 / BizHint

リーダーシップとオーナーシップの違い

オーナーシップとは、自らに与えられた役割や乗り越えるべき課題を正しく認識し、当事者意識を持って自発的に取り組むために必要となる能力です。
周囲の人間を巻き込むリーダーシップとは違い、 オーナーシップは自分に対して効果を発揮します。

リーダーがオーナーシップを持つことによって、「 仕事 」、「 責任 」、「 信頼 」という3つの要素を常に意識しながら、リーダーシップを扱うことができるようになります。
また、自らが掲げるビジョンや目標の中にオーナーシップを組み込むことで、日々の業務を通じて部下やメンバーのオーナーシップを効果的に育むことができます。

このようにリーダーシップとオーナーシップの相性は非常に良いため、どちらか一方だけを選択するのではなく、両方を身につけられるように努めることで、戦略の幅を更に広げることが可能となるでしょう。

【関連】オーナーシップとは?意味やリーダーシップとの違いをご紹介 / BizHint

今注目されている「フォロワーシップ」との関係

フォロワーシップとは、 リーダーとの信頼関係をより強固なものにし、貢献力と批判力をもってリーダーを補佐する能力 です。
フォロワーシップを持ったメンバーは、上からの指示にただ従うだけではなく、自主的に行動を起こし、組織やリーダーを健全に導くために臆することなく提言を行うことができるようになります。

フォロワーシップの提唱者であるカーネギーメロン大学のロバート・ケリー(Robert Kelley)教授は、「 成果に対するリーダーの影響力は1~2割で、フォロワーの影響力は8~9割 」という驚くべき研究結果を発表しています。
前述したオーナーシップとフォロワーシップを同時に育むことによって、部下やチームメンバーは自身に与えられた役割や課題だけでなく、組織やチーム、リーダーのあり方に対しても興味関心を向けることができるようになるでしょう。

【関連】フォロワーシップとは?重要性やリーダーシップとの関係、研修例などご紹介 / BizHint

リーダーシップを発揮するために必要なスキル

リーダーとして4つの大きな役割を担うためには、数多くのスキルが必要となります。
それぞれのスキルがリーダーシップに及ぼす影響を理解し、現時点で不足しているスキルを洗い出すことによって、効果的かつ効率的にリーダーシップの強化を図ることができるでしょう。

集団全体に対して効果を発揮するスキル

主に集団全体に対して効果を発揮するスキルには以下のようなものがあります。

スキル名 リーダーシップに及ぼす影響
統率力 目標達成のために組織やチームを一つにまとめる
決断力 強い意志を持って道を示すことでフォロワーに安心感を与える
判断力 これまでの経験やデータを元に人員配置や役割分担の最適化を実現する
変革力 組織やチームに対して意図的な変化を起こし、新たな価値を創造する
責任感 自身に与えられた役割と言動による結果に責任を持つ
先見性 ビジネスチャンスをいち早く掴み、リスクを最大限回避する
目標設定力 適切かつ明確な目標を設定することで成功イメージを描きやすくさせる
多面的視野 新たな可能性やビジョン、戦略を発見できる
プレゼンテーションスキル ビジョンの共有や戦略に対する理解を容易にする

【関連】統率力の意味とは?リーダーシップとの違いや統率力のある人の特徴、習得法を紹介 / BizHint

個人に対して効果を発揮するスキル

主に個人に対して効果を発揮するスキルには以下のようなものがあります。

スキル名 リーダーシップに及ぼす影響
コミュニケーションスキル 悩みや不安、理想の将来像など、本音を打ち解けやすい雰囲気を構築する
コーチングスキル 動機付けを行い、フォロワーの自立性と成長を促進する
ダイバーシティ(多様性)への理解 個人特性を最大限に活かした戦略の構築やパフォーマンスの最大化
誠実さ フォロワー一人ひとりと真正面から向き合い、自分の想いを素直に伝える
柔軟性 固定概念に縛られることなく、状況や条件に応じて臨機応変に対応する
ラーナビリティ(学習意欲) 自発的に学ぶ姿勢を持ち、限られた情報や経験からより多くのものを学び取る
ポジティブ思考 成功を自信に、失敗を学びに変え、過度な不安感を排除する

【関連】コミュニケーションスキルとは?ビジネスに役立つスキルアップ方法や学べる本などご紹介 / BizHint
【関連】コーチングスキルとは?活用のメリットやスキルの代表例、研修・資格などをご紹介 / BizHint
【関連】ダイバーシティとは?意味や推進方法、企業の取組事例をご紹介 / BizHint

リーダーシップの種類

リーダーシップと一口で言っても、その種類やスタイルは様々です。
そして、それらの中にどのような組織やチームであっても最善の結果へと導くことができる万能なリーダーシップスタイルは存在しません。

あらゆる状況下において最善を目指すためには、それらの状況に適したリーダーシップを予め学んでおく必要があります。ここでは、実際のビジネスシーンにおいてよく用いられている、リーダーシップの種類や分類方法を厳選して紹介致します。

●以下の記事では多種多様なリーダーシップのスタイルやリーダー適性を網羅的に紹介しています。
【関連】リーダーシップの種類や理論、リーダーシップスタイルを整理してご紹介 / BizHint

ダニエル・ゴールマンの「6つのリーダーシップスタイル」

アメリカの心理学者であるダニエル・ゴールマン(Daniel Goleman)氏は、部下やメンバーとの関係性や関わり方からリーダーシップのスタイルを6つに分類しました。

1.ビジョンリーダーシップ

ビジョンリーダーシップとは、リーダー自身の魅力で牽引するスタイルです。
ビジョンを共有し、進むべき方向性を正しく認識させることによって個々の自発的な行動を促します。

2.コーチングリーダーシップ

コーチングリーダーシップとは、部下やメンバーのポテンシャルを最大限に引き出すスタイルです。
リーダーのやり方や考えを押し付けるようなことはせず、一人ひとりの想いを尊重し、自己実現を支援する過程で組織目標の達成を目指します。

3.調整リーダーシップ

調整リーダーシップとは、コミットメントを重視した民主的スタイルです。
意思決定のプロセスに全員が参加し、合意のもとに仕事を進めていきます。

4.仲良しリーダーシップ

仲良しリーダーシップとは、良好な人間関係を最優先するスタイルです。
自分の弱い部分を素直に認め、同じ目線で仕事に向き合うことで部下やメンバーからの信頼を得ます。

5.ペースセッター型リーダーシップ

ペースセッター型リーダーシップとは、言葉ではなく行動で示すスタイルです。
高い技能や知識を保有するリーダーが自ら手本となることで周囲を牽引します。

6.指示命令リーダーシップ

指示命令リーダーシップとは、権限を最大限に利用して集団を率いるスタイルです。
全ての判断をリーダーが一人で行い、部下やメンバーはリーダーからの指示や命令に従う形で業務を遂行します。

PM理論における4つのリーダーシップスタイル

PM理論とは、心理学者である三隅二不二氏が1966年に提唱したリーダーシップ理論です。

PM理論では、リーダーシップを目標設定や指示などによって成果を生み出す「P機能(Performance、職務遂行機能)」と組織やチームの人間関係を良好な状態に保つことでチームワークを強化する「M機能(Maintenance、集団維持機能)」という 2軸で評価し、「PM型」、「Pm型」、「pM型」、「pm型」という4つの型に分類します。

【関連】PM理論とは?2つの行動から分類されるリーダーシップスタイルを解説 / BizHint

SL理論における4つのリーダーシップスタイル

SL理論(Situational Leadership)とは、ポール・ハーシー(P.Hersey)氏とケン・ブランチャード(K.H.Blanchard)氏が1977年に提唱したリーダーシップ条件適応理論です。

SL理論では、育成初期には仕事志向による指示的行動に重点を置き、中期においては人間関係志向による協働的行動(援助的行動)に充填を置くなど、部下やメンバーの熟練度に合わせて「教示型(S1)」、「説得型(S2)」、「参加型(S3)」、「委任型(S4)」という4つの型を適切に使い分けることが望ましいとされています。

【関連】「SL理論」とは?部下の成熟度に合わせたリーダーシップについて紹介 /BizHint

マネジリアル・グリッド理論における5つのリーダーシップスタイル

マネジリアル・グリッド理論とは、R.R.ブレイク(R.R.Blake)氏とJ.S.ムートン(J.S.Mouton)氏が1964年に提唱したリーダーシップ行動論です。

マネジリアル・グリッド理論では、リーダーシップを「人への関心度」と「業績への関心度」という2軸で評価し、「放任型(1.1型)」、「人情型(1.9型)」、「権力型(9.1型)」、「妥協型(5.5型)」、「理想形(9.9型)」という5つの型に分類します。

【関連】マネジリアル・グリッド理論とは?2つの軸から考えるリーダーシップ行動論 / BizHint

マネジリアル・グリッド理論のようにリーダーの行動パターンを軸として類型化するものをリーダーシップ行動論といいます。
リーダーシップ行動論には、「従業員重視」と「生産重視」の2軸で評価するミシガン大学研究モデル、「構造づくり」と「配慮」の2軸で評価するオハイオ州立大学研究モデル、「目標達成」と「価値創造」の2軸で評価するトランスフォーメーショナル・モデルなどが存在します。

【関連】「行動理論」とは?意味やリーダーシップとの関連性や活用方法をご紹介 / BizHint

部下に奉仕するサーバントリーダーシップ

支配型リーダーシップとは対極をなすスタイルに「サーバントリーダーシップ」があります。

サーバントリーダーシップとは、アメリカのロバート・グリーンリーフ博士が提唱したリーダーシップ哲学で、「 リーダーはまず相手に奉仕し、その後相手を導くものである 」という考え方に基づくものです。

そもそも「サーバント」とは、「使用人」「召使い」という意味。部下に対して、奉仕の気持ちを持って接し、どうすれば組織のメンバーの持つ力を最大限に発揮できるのかを考え、その環境づくりに邁進するリーダーシップです。結果的には周囲の人の協力を得ることができ、リーダーとして周囲を導いていくということにつながります。

これは「支援型リーダーシップ」とも呼ばれ、従来の所謂「支配型リーダーシップ」とは相対するものとなっています。

近年、多くの企業がこのスタイルを組織マネジメントに活用しています。

【関連】サーバントリーダーシップの意味とは?特徴や事例をご紹介 / BizHint

思いを共有するシェアードリーダーシップ

コーチングの神様と言われるマーシャル・ゴールドスミスが発展させた考えに「シェアードリーダーシップ」があります。

シェアードリーダーシップは文字通りリーダーシップをシェアすることです。これにはメンバーの間でビジョンが共有されていなければなりません。
トップの考えるビジョンをメンバーが共有し理解する、またそのビジョンに如何に貢献できるかを考え実践していくということになります。
このようにリーダーシップを共有することにより、トップの考えるビジョンがより実現へと近づいていきます。
これにはトップが明確かつ共感できるビジョンを発信することが重要となってきます。

リーダーシップを効果的に高める方法

リーダーシップは、次のような取り組みを行うことによって効果的に高めることが可能となります。

リーダーシップの特性や本質を正しく理解する

リーダーシップとは才能や資質ではなく、誰もが努力によって身に付け、磨き上げることができる能力です。
しかし、このことを正しく理解していなければ「自分にはそんな才能はないから」と最初から諦めてしまい、成長後の自分をイメージすることができません。

また、リーダーだけではなく、組織に属する全ての従業員が身につけておくべき能力であるという認識を持つことも、非常に重要です。
一人ひとりが積極的にリーダーシップを身に付け、磨き上げることによって、組織全体が活性化し、組織活動やチーム活動がより円滑なものになるでしょう。

優れたリーダーの共通点から学ぶ

優れたリーダーには次のような共通点が存在します。

  • 明確なビジョンや強い信念を持っている
  • 人とのつながりをポジティブに捉えている
  • 数多くの失敗を経験している
  • 周りの人間に信頼や協調を強要しない
  • 最終責任を負う覚悟をして仕事に取り組んでいる
  • 成長機会を貪欲に求め、自ら作り出している
  • 完璧な人間など存在しないということを理解している

自身の現状とこれらの共通点を見比べ、改善点や課題を明確にすることで、リーダーシップの磨き上げに役立てることができるでしょう。

心理的安全性を高める

心理的安全性とは、 生産性向上に大きく関わる要素として近年多くの経営者や人事担当者から注目を浴びている話題の心理学用語 です。
組織やチームの心理的安全性を高めることによって、会社での自分と自宅での自分を演じ分けることなく、誰もが自然体で働くことのできる環境を構築することができます。

心理的安全性の高い環境では自然とコミュニケーション機会が増加し、メンバー同士が本音を語り合うようになります。
また、お互いの長所を褒め合い、短所をカバーし合うようになります。

自己解放と他者理解はどちらもリーダーシップによる効果を最大化するために欠かせない重要なものです。
心理的安全性への取り組みがリーダーシップにも有効であることを理解し、リーダーが率先して自己解放と他者理解を推進することによって、リーダーシップを醸成しやすい環境を構築できるでしょう。

【関連】心理的安全性とは?googleが発見したチーム生産性を高める唯一の方法 / BizHint

全従業員を対象としたリーダーシップ研修を実施する

リーダーシップ研修とは、リーダーシップに関する知識や技術の習得を目的として実施する研修です。
一般的に管理職社員やリーダー候補者を対象として実施されますが、この対象範囲を新入社員や若手社員にまで拡大することによって、 リーダーシップを重要視する組織風土を構築し、戦略的かつ長期的視野でリーダーシップを育む ことができます。

【関連】リーダーシップ研修とは?その目的や注目される背景・設計方法・研修会社までご紹介 / BizHint

時代と共に変わるリーダーシップ理論

現在、リーダーシップに関する論説は洋の東西を問わず多く存在し、その時代に即した理論が出てきています。
リーダーシップ理論の変遷をみていきましょう。

リーダーシップ特性論 (古代ギリシャ時代から1940年代)

リーダーシップ特性論はリーダーシップ理論の中でも最も古典的な理論です。
「リーダーとは生まれながらに持っている特質である」という考えがその根本となります。
リーダーは作られるものではなく生まれながらにして兼ね備えている特性があるということを表しています。

古代ギリシャ時代にプラトンが説いた『国家』はその起源といってもよいでしょう。
「英知を持ったリーダーが国を治める」という考えを唱えています。
また、イタリアルネッサンス期の思想家マキャベリの著書『君主論』においては「何よりも大事なことは君主の力量だ」と説いています。

19世紀に入ると大英帝国の評論家であるトーマス・カーライルが「リーダーシップ偉人説」を発表します。
これは他より優れた「偉人」だけがリーダーになることができるという考えであり、長い間リーダーシップ理論の主流とされてきました。

1930年代にはいるとアメリカの心理学者ストッグディルが「特性論」を唱えます。
その特性には動機・意欲・正直さ・誠実さ・自信・知性・知識などが挙げられます。

しかし、特性論はリーダーの持つ特性のみにスポットを当てたことから、判断の基準も曖昧とされ理論的には限界を迎えました。

リーダーシップ行動論 (1940年代~1960年頃)

リーダーシップ行動論は他者に影響を与える「行動パターン」でリーダーシップを分析しようとしたものです。
リーダーとそうでない者、両者の行動にはどのような違いがあるのか、その違いを分析することで「どのような行動が有効なリーダーを育てるのか」という疑問の答えを出そうとしました。
前述のリーダーシップ特性論とは逆の立場でリーダーシップを捉えたものです。
戦後である1940年代後半にアメリカでは産業や軍などにおいて多くのリーダーの必要性が叫ばれたことから、リーダーを育成するための理論として提唱されました。

リーダーシップ条件適応理論 (1960年代)

リーダーシップ条件適応理論はリーダーの特性や行動パターンに加え、状況的影響まで考慮した理論です。
行動理論が示唆するすべての行動が常に有効というわけではなく一定の条件のもとにリーダーシップを発揮できるという考えです 。
代表的な理論を2つご紹介しましょう。

1.フィードラ―のコンティンジェンシー理論

どのような状況下でも最適と言えるリーダーシップスタイルは存在しないため、状況に応じてリーダーシップのスタイルを変えていくという考えです。
LPC(Least Preferred Coworker)という概念を用いてリーダーにとって有利な状況や不利な状況を分析しました。
下記のように表します。

業績=LPC×状況変数

LPCは苦手とする同僚を指数で表します。
苦手な同僚を好意的に評価できるほど高くなります。
これを原因変数と考え、状況変数としては「部下との信頼関係、タスクの明確性、リーダーが他者をコントロールする力の強さ」を挙げています。
つまりこれらの変数が高ければリーダーシップを発揮しやすい状況となり成果に結び付くことになります。

2.ロバート・ハウスのパス・ゴール理論 

リーダーの職務はメンバーの目標達成をサポートすることです。
メンバーが目標を達成(goal)するためにリーダーは道筋(path)を示してあげるという考え方です。

カリスマ的リーダーシップ理論(1970~1980年代)

カリスマ的リーダーシップ理論は1970年代にアメリカで広がっていった理論です。
この時代、アメリカでは経済が停滞し経営環境は大きく変化していきました。
そうした中、必要とされたのはカリスマ的リーダーです。

リーダーは一定のルールのもと部下をマネジメントすればよいという時代から、将来的なビジョンを描くことのできるカリスマ性のあるリーダーが必要という時代になってきたのです。

1924年に社会学者マックス・ウェーバーが定義づけたものですが、1976年ハウスにより再定義されました。
部下からカリスマと認知されることでリーダーがカリスマとなることができるのです。

変革的リーダーシップ理論(1970年代~1980年代)

変革的リーダーシップ理論は年代的にはカリスマ的リーダーシップ理論と重なりますが、この理論は「ビジョン」を重要視します。
変革を実現させるためにはどのようなリーダーシップが必要なのかとういうことを追求した理論です。
企業の成長を促すためにはいつも同じというわけにはいきません。
当然変革が必要となってきます。
そのためには管理能力と共存しつつ変化に対応する「変革能力」が不可欠という考えです。
ハーバード・ビジネススクール元教授のジョン・コッターが提示したことからジョン・コッターモデルとも呼ばれています。

まとめ

  • リーダーシップとは、明確なビジョンと目標を示し、フォロワーのパフォーマンスを最大化させることによって目標達成を実現させる能力である
  • 変化と正確性を同時に求められる現代社会を生き残るためには、組織やチームを一つにまとめ、正しい方向へと導くリーダーシップが必要不可欠である
  • リーダーシップには数多くの種類が存在するが、長所や短所を理解した上で適切に使い分けることによって、あらゆる状況下で最善の結果を導き出すことが可能となる
  • リーダーだけではなく全従業員がリーダーシップを身につけることで、組織全体が活性化し、より多くの成果を生み出せるようになる

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