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2018年4月24日(火)更新

組織マネジメント

大きな経済活動を行なう上で、組織という枠組みは必要不可欠です。しかし、2人以上の人間が集まった組織はさまざまな影響が発生します。組織を最適化させるためには組織マネジメントが必要です。今回は組織マネジメントの意味や基本、管理職に必要な能力、解決できる課題を中心にご紹介いたします。

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組織マネジメントとは?

経営者を含む経営層だけでなく、現場を管理する管理職(管理者)にも求められる組織マネジメント。その意味や必要性、注目度が高まっているリーダーシップとの違いを知ることで、組織マネジメントの理解を深めることができます。

組織マネジメントの意味

組織マネジメントとは、組織を円滑に運営するために必要なマネジメント手法を指します。

この組織マネジメントは、組織を戦略(Strategy)、組織(Structure)、スキル(Skill)、人材(Staff)、システム(System)、価値観(Shared Value)、スタイル(Style)という7つの経営資源(組織の7S)に分解し、それぞれの相互影響を理解・機能化することで、経営目標達成を目指す手法として活用されています。中でも価値観(Shared Value)においては、重要な経営戦略の意思決定に関わる重要な要素でもあり、組織の存在意義でもあるため、「組織の7S」の中でも中心的な要素となります。

経営層を含む管理職(管理者)が能力や技術(リーダーシップや課題解決能力、人材マネジメント能力など)を駆使することで、実施されます。

最適な組織マネジメントを実施することで、マネージャー以上の管理職(管理者)の負担軽減やダイバーシティ化への対応といったさまざまな経営課題の解決に役立てることができます。この組織マネジメントは、中核となる社員が組織の性質を理解・把握し、経営資源を最大限に活用する経営手法として、注目を集めています。

組織マネジメントの必要性

組織マネジメント自体は、目新しいものではなく、経営資源である「人材」を動かす経営戦略の一つとして、従来から実施されてきたものです。

組織において、「人材」に最大限のパフォーマンスを発揮させるためには、組織における人材の行動を適切に理解し、モチベーションとインセンティブのバランスを整えることが大切です。しかし、経済がグローバル化することで、企業が抱えるビジネス課題はより高度化・複雑化しています。ダイバーシティに対応したグローバル人事の導入や人材不足による管理職の負担軽減が求められるようになったことも、組織マネジメントの見直しが必要となった要因と考えることができます。

さらに、イノベーションを継続的に興すことが求められる風潮がある中で、組織の風土や価値観、人材、スキルといった経営資源要素を見直し、社員同士の強み・弱みを補完し合い、組織力を向上させなければいけなくなりました。組織を構成する基本の7Sを基に、マネジメント体制を再構築する組織マネジメントのあり方に再び注目が集まったと考えられます。

リーダーシップとの違い

組織を活性化させる能力の一つに「リーダーシップ」が挙げられます。しかし、リーダーシップと組織マネジメントには明確な違いがあり、それぞれを適切に理解する必要があります。

リーダーシップには、PM理論やダニエル・ゴールマンが提唱する「6つのリーダーシップスタイル」などさまざまな理論や考え方が存在します。一般的には企業やチームのビジョンを示し、目標やゴールを定め、組織メンバーを率いる能力と認識されています。

一方で組織マネジメントをはじめとした「マネジメント」とは、秩序を基に組織を適切に管理することを指します。このマネジメントは「リーダーシップ」を含めた複数の能力を駆使し、実施する特徴があり、目標やゴールに辿り着くまでの過程を重視します。業務上の課題解決能力やコンプライアンスの強化、部下やメンバーの育成といった人材育成能力もマネジメントにおいては必要とされる能力と位置づけられています。

強いリーダーシップを発揮しながらも適切な組織マネジメントを求める風潮もあるため、リーダーシップと一緒に議論されることが多くなっています。

【関連】「リーダーシップ」の意味とは?定義や理論、代表的なスタイルをご紹介 / BizHint HR
【関連】リーダーシップとマネジメントは似て非なるもの?定義や違い、習得方法、書籍をご紹介/ BizHint HR

組織マネジメントの基本 ~組織の7S~ とは?

組織マネジメントを実施する際は、組織を7つの経営資源(「組織の7S」に分解し、理解します。また、「組織の7S」には「ハード3S」と「ソフト4S」の2種類の分けることができます。

「組織の7S」のハード3S

ハード3Sは、戦略(Strategy)、組織(Structure)、システム(System)の3つが挙げられます。

■戦略(Strategy)

企業・組織における戦略(Strategy)とは、競争優位性の獲得もしくは維持するための事業方向性、または経営課題の解決手段を指します。この戦略(Strategy)は、他の「組織の7S」である人材(Staff)やスキル(Skill)、スタイル(Style)をうまく活用するための根幹の要素となるため、「組織の7S」でのハード面として位置づけられています。また、この戦略は顧客やテーマが異なる事業部門別で策定されることも多く、部門戦略として細分化されることもあります。

■組織(Structure)

企業・組織における組織(Structure)とは、組織が集団的に最大限のパフォーマンスを発揮するために構築される組織構造や形態を指します。具体的には上司や部下との関係やマネジメント体制、事業部統制などが挙げられます。戦略(Strategy)同様に、他の「組織の7S」である人材(Staff)を適切に動かす上で重要な要素となるため、「組織の7S」のハード面として位置づけられます。

■システム(System)

企業・組織におけるシステム(System)とは、組織活動を円滑に進める、また他組織と差別化を図る上で必要となるシステムや制度を指します。具体的には目標管理制度や人事評価・報酬(給与)制度、情報・業務管理システム、会計システムなどが挙げられます。

将来的にAIやロボット産業、IT技術が発達していく中で、組織もさらに最適化していくことが可能とされています。IT人材の採用や情報システムを適切に導入・活用することで、コスト削減や人材育成といったさまざまな経営課題の解決に役立ちます。そのため、組織マネジメントのおいても重要な要素でもあるため、「組織の7S」のハード面として位置づけられます。

「組織の7S」のソフト4S

組織マネジメントの「組織の7S」の根幹と位置づけることができるハード3Sの他に、ソフト4Sが存在します。

■スキル(Skill)

企業・組織におけるスキル(Skill)とは、社員が持つ能力の他に、組織が競争優位性を確立・維持する上で欠かせない技術力・販売力を指します。その他にも組織が持つマーケティング力(調査)、営業力なども含まれます。これらのスキル(Skill)は組織が掲げる目標を達成する上では重要な要素となるため、組織マネジメントの基本である「組織の7S」に位置づけられています。

営業担当やマーケティング担当、販売担当など適性や役割に応じて、分業することが組織の強みともいえます。それぞれの担当層が持つ強み・弱みを、これらのスキル(Skill)で補完・向上させる相互作用により、組織を活性化することが可能です。

■人材(Staff)

企業・組織における人材(Staff)とは、重要な経営資源(ヒト・モノ・カネ)の一つであり、組織を構築する上で欠かせない要素の一つです。しかし、組織が必要とする人材(Staff)とは、組織が掲げる価値観に共感できる人材(Staff)を指します。一人ひとりの価値観を理解すると同時に、組織が掲げる価値観を共有・共感できる人材(Staff)を獲得することも組織マネジメントの大切な課題です。

経済がグローバル化する中で、さまざまな価値観を理解するダイバーシティ化が促進されつつあるため、人材(Staff)に対する考え方も変わりつつあります。閉鎖的な人事制度や慣習が特徴的な日本企業においては、国籍・人種・性別に関係なく、組織の価値観を共有できる人材(Staff)の獲得・育成が直近の課題であると指摘されています。

■スタイル(Style)

企業・組織におけるスタイル(Style)とは、会社の中の雰囲気や仕事の進め方、職場環境、経営スタイル、組織文化、社風などを指します。他の企業と差別化し、システム(System)や人材(Staff)を適切に運用する上で、スタイル(Style)も大切な要素として位置づけられます。

戦略(Strategy)やスキル(Skill)は経営課題を解決する上でも重要な要素ですが、企業が掲げる目標を達成する上でもスタイル(Style)は大きな影響を与えます。

■価値観(Shared Value)

企業・組織における価値観(Shared Value)とは、企業や会社、組織が存在意義を見出すための価値観や企業理念を指します。また、企業が直面する経営課題や経営戦略を決定する上で、経済合理性以外の判断軸ともなります。

そのため、他の「組織の7S」の中心に位置する要素でもあり、優秀な人材(Staff)を獲得する、企業が掲げる目標を達成する上でも中心的な要素として位置づけられています。

組織マネジメントに必要な管理職の能力とは

組織マネジメントは、経営層を含む管理職やチームリーダーが身につけるべき手法とされています。そのため、適切な組織マネジメントを行なうためには、複数の能力を持っている必要があります。

目標管理・人材マネジメント力

組織マネジメントに必要な能力の一つに、企業が掲げる目標を適切に管理し、達成する目標管理能力が挙げられます。この目標管理能力は、組織として達成すべき目的を理解・把握した上で、計画の策定、必要となる施策の立案、最適な人員配置を行なう能力でもあります。

さらに、管理職相当の人材には、目標管理能力以外にも部下やメンバーの動機付けを行ない、適切な指導や四年を行なう人材マネジメント力が求められます。部下の動機付けを行い、労いとともに部下やメンバーを奮い立たせることで、組織・個人ともにパフォーマンスを高めることができます。

組織としての目標を共有した上で、部下が達成できるギリギリの水準に個人目標を設定すると、程よい緊張感を生み、部下の達成感ややる気を引き出すことができるため、絶妙なバランス感覚が求められます。定量的な目標管理とメンタル支援を含めた人材マネジメント力をバランスよく行なえる人材こそが、組織マネジメントを駆使している人材といえます。

高度なコミュニケーション能力

通常、マネジメントにおけるコミュニケーションは「現場の声を聞く」という部下とのコミュニケーションに終始しがちですが、組織マネジメントにおいては経営に関わる上位管理職とのコミュニケーション能力も求められます。つまり、経営側と現場側双方とのコミュニケーションができる高度なコミュニケーション能力が必要とされます。

これは株主などの利害関係者(ステークホルダー)との関係や売上・利益の獲得といった経済合理性を考える経営層に対して、現場の現実や状況を共有しながら、いかに目標を達成するかという経営層・現場双方の理解を得るために必要不可欠な能力といえます。経営側・現場側双方にしっかりとしたホウレンソウを行なえるコミュニケーション能力こそ、組織マネジメントに必要とされている能力といえます。

推進・支援行動力

組織が掲げる目標を達成するには、現場の社員や部下が自分自身の適性に合った業務をしっかりと遂行することが大切です。そのため、管理職には、部下が積極的に業務を遂行できるように推進・支援行動することが求められます。

具体的な推進・支援行動とは、管理職やリーダーが率先して業務や仕事に取り組む姿勢を見せることが挙げられます。自らの背中を見せることで、部下やメンバーの士気を高め、自発的に行動を起こせるきっかけとなります。また、同時に業務に躓いている部下やメンバーに対しても適切な支援行動を行なう必要があります。

組織マネジメントで解決できる課題とは?

組織マネジメントの実施は、さまざまな経営課題を解決するきっかけとなります。

プレイングマネージャーのマネジメント力向上

1990年代のバブル崩壊や労働人口の減少の影響により、課長クラスの中間管理職の多くは、自らが成果を追い求める優秀なプレイヤーとなっている傾向があります。そのため、部下やメンバーのマネジメントにおいて、経験が足りず、組織として機能不全を起こしていることも珍しくありません。

そのため、プレイングマネージャーに対して組織マネジメントの研修や能力開発を実施することで、マネジメント力と責任感の強化につなげることができます。管理職層の人材開発能力を向上させることは重要な経営課題として認識されているため、組織マネジメントの解決課題として、設定しやすいといえます。

【関連】プレイングマネージャーとは?求められる役割と陥りがちなこと / BizHint HR

管理職の負荷軽減

従来の職能資格制度から成果主義を前提とした役割等級制度に移行する企業が増えています。そのため、管理職自身にも高い目標設定がされることも珍しくありません。その結果、自らの目標達成に加え、部下のマネジメントや能力開発、指導など管理職層には多くの業務が発生し、時間・業務量ともに負荷がかかりやすい傾向にあります。

管理職の業務量が大幅に増えることは、目標未達成だけでなく、パワーハラスメントなど組織に悪影響を与える事案も誘発してしまいます。組織マネジメント力の向上は、部下の自発性やモチベーション強化に高い効果を発揮します。そのため、管理職が支援推進行動に費やす時間を大幅に削減できるため、結果的に管理職の負荷軽減につなげることができます。

ダイバーシティ化への対策

経済のグローバル化により、海外進出を果たす日本企業が増える中で、マネジメント対象となる人材が日本人だけとは限らなくなっています。また、国籍・人種・性別に関係なく、多様な価値観を理解し、マネジメントが必要となるグローバル人事の時代に突入しています。

また、非正規社員や業務委託など働き方も多様化する中で、管理職層は部下やメンバーの適性や志向、価値観をひとり一人理解し、適切な業務配分、モチベーションの向上、業務支援、能力開発などを行なわなければいけません。このようにダイバーシティ化する労働環境の変化に対しても、組織マネジメントは有効な経営手段として、活用されます。

組織マネジメント力を向上させる研修とは

組織マネジメントは、研修や現場での実践を通して、向上させることができます。今回は人材育成や能力開発の研修セミナーを提供している企業をご紹介いたします。

株式会社インソース

株式会社インソースでは、課長クラスの管理職層を対象とした1日間の組織マネジメント強化研修を実施しています。「部下への関与の仕方」を中心に組織マネジメントの基礎を学び、人材育成、目標管理による業務改善、リスク管理の3つのマネジメントスキルを学ぶことができます。

【参考】株式会社インソース 管理職研修 ~組織マネジメント強化編(1日間)

JMAマネジメントスクール

JMAマネジメントスクールでは、リーダーの役割を再考し、組織を変えたい、組織の心理を知りたい管理職を対象とした組織マネジメント研修を実施しています。本セミナーでは経営層アプローチ、現場社員アプローチを主に考え、組織に働く力学を学ぶことで、組織マネジメント力の向上を目指します。マネジメントやヒト・組織への理解、組織心理分析、行動連鎖のデザイン、組織変革や自己改革といった変革シナリオの策定など組織マネジメントの全体像を学ぶことができます。

【参考】管理職のための組織マネジメント研修

リクルートマネジメントスクール

リクルートマネジメントスクールでは、新しく管理職に就いた方を対象に、自律的に動ける組織の構築や組織運営のナレッジやヒントを学べる組織マネジメント研修を実施しています。組織の立ち上げや自部署の方針の見直し、マネジメント体制の見直しの機会を得られる研修セミナーでもあります。講義時間も3時間と短く、時間のない管理職の方でも気軽に受講できます。

【参考】リクルートマネジメントスクール 方針に向かってメンバーが動き出す!組織マネジメントの極意

まとめ

  • 経済がグローバル化し、ビジネス課題が高度化・複雑化していく中で、組織も複雑化していきます。そのため、企業経営を行なう上で、管理職層に対して、組織マネジメント力を求める機会も増えていくことが予想されいます。
  • 組織マネジメントは組織の特性を理解し、それぞれの要素を相互作用させる経営手法のため、健全な企業経営を実現化できます。
  • 経営者はもちろん、現在、管理職に就いている方も組織運営を見直す良い機会になるので、組織マネジメントを学んでみてはいかがでしょうか。

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