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2018年1月24日(水)更新

ピアプレッシャー

ピアプレッシャーとは、仲間からの圧力という意味です。従来から日本企業では、互いに様子を見ながら助け合う関係性を活かして組織全体で業績を上げてきました。強すぎると過度なストレスを招き、不足するとパフォーマンス低下に繋がりますが、適度なピアプレッシャーはチームワークを生んで業務効率化や生産性向上に役立ちます。

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ピアプレッシャーとは

ピアプレッシャーとはどのようなものなのでしょうか?その意味や具体例、日本企業におけるピアプレッシャーの位置づけなどをご説明します。

ピアプレッシャーの意味

ピアプレッシャーを和訳すると、仲間(peer)からの圧力(pressure)という意味になります。ピアプレッシャーとは、職場やチームなど集団における秩序を保とうとする同化作用により、仲間との相互監視で生じる同調圧力のことです。

ピアプレッシャーが適度に働くことで組織全体の連帯感が高まり業績アップに繋がるなど、プラスの効果をもたらします。しかし行き過ぎると、社員のストレスとなって職場環境の悪化やチームワークの低下を引き起こすなど、マイナスの効果がでてしまう場合もあります。

ピアプレッシャーの例

ピアプレッシャーが行き過ぎた場合の例としては、以下が挙げられます。

  • 自分の仕事は終わったが職場の仲間が残業をしているので帰れない
  • 仲間との過当競争が生まれて強度の緊張状態からストレスが増大する
  • 自分の仕事ではないが、断ると仲間に迷惑がかかるのを恐れて断れない
  • 自分の意見を主張することで、仲間との関係性の悪化を恐れて言えない

ピアプレッシャーが不足している場合の例としては、以下が挙げられます。

  • 程よい緊張感がなくなり、仕事にミスや生産性の低下が起こりやすくなる
  • 仲間とのチームワークが欠けて連帯感がなくなり、業績の低下を招く恐れがある
  • 個人主義が強くなり、職場の仲間との信頼関係が低下して業務効率の悪化を招く恐れがある

ピアプレッシャーが適切に働いている場合の例としては、以下が挙げられます。

  • 顧客や仲間に対して、配慮や助け合う意識が働く余裕が生まれて業務改善に繋がる
  • 仲間との助け合いと監視がバランスよく働くことで信頼関係が深まる
  • 仲間との適度な緊張感と競争意識によって、社員一人ひとりの強みや個性が発揮される
  • 仲間との連帯感や責任感が仕事への意欲を高め、生産性が向上する

ピアプレッシャーの2つの側面

ピアプレッシャーには、相互監視と相互扶助の2つの側面があります。これらがバランスよく働くと、「仲間と共に頑張って目標達成しよう」という意欲が向上して集団全体での生産性が向上します。

相互監視

ピアプレッシャーによる同化圧力の働きを強めるのが相互監視の側面です。過度に働く場合には、職場の人間関係の悪化を招き、職場のチームワークが取れにくくなる弊害が生じます。しかし、不足している場合には、社員一人ひとりのパフォーマンスの低下を招きます。適度に働く場合には、仕事に対する責任感や意欲が高まるメリットをもたらします。

【関連】チームワークの意味とは?定義や仕事を進める上での重要性/BizHint HR

相互配慮

ピアプレッシャーによる連帯感を強めるのが、「互いに協調し、困ったときには助け合う」という相互配慮の側面です。迷惑をかけたくない、あるいは罪悪感から仲間への配慮が行き過ぎると、長時間労働や過労、ストレスを引き起こします。しかし不足すると、仕事の滞りや人間関係の悪化などにより組織全体としての業務に支障が生じます。適度な配慮によって連帯感が高まり、ミス防止や業務効率化などのメリットが生まれます。

日本企業とピアプレッシャー

和を重んじ、家族的な関係を築く日本的経営では、互いに監視しながら助け合う関係性が組織全体としての業績を上げ、日本企業の成長を支えてきました。こうした仲間同士で律するヨコの管理は、日本独特の人間関係に根差しているため、職場においても自然に取り入れられてきました。

こうして日本企業では、ピアプレッシャーと上司と部下の関係に代表されるタテの管理と共存しながら発展してきました。しかし、昨今のグローバル化による企業買収やダイバーシティの推進によって、こうした日本的経営におけるピアプレッシャーは変化してきています。

ピアプレッシャーが注目される背景

ピアプレッシャーが注目される背景には、グローバル化に伴う人事評価制度の変化のほか、雇用のあり方や価値観の多様化などがあります。ここでは主な背景についてご説明します。

能力主義から成果主義への変化

日本企業では従来、能力主義による人事評価が行われていましたが、1990年代半ば頃から大企業を中心に成果主義の導入が進みました。

能力主義では個人の能力を評価するため、実際には職務遂行能力や職場での協調性を重視した年功序列の昇給や昇格の人事管理が主流でした。一方、成果主義では主に社員個人の目標の達成度で評価されるため、職場の協調性やチームワークより個人の業績を上げることが優先されるようになりました。

そのため、個人の成果を上げるために仲間との過当競争が起こり、職場では互いに監視し合う側面が強く現れるようになっています。

【関連】成果主義の意味とは?日本企業におけるメリット・デメリットをご紹介/BizHint HR

働き方改革の阻害要因

官民を挙げた働き方改革において、長時間労働是正ための対策強化が課題となっています。ピアプレッシャーが行き過ぎると、「周りが残業しているのに自分だけ帰ることはできない」という同化圧力によって残業する場合があります。また、社員一人ひとりが目標管理に対して責任を持つことで、結果を出すための自発的な残業が長時間労働に繋がっています。

【関連】長時間労働の原因とは?削減に向けた対策・厚生労働省の取組をご紹介/BizHint HR

メンタルヘルス問題の深刻化

グローバル化が進み、成果主義による人事評価手法を取り入れる企業が増えたことによって、職場のチームワークのあり方が変化しています。従来の仲間と助け合う連帯感が弱まり、代わって個人の成果を出すために仲間の仕事ぶりを監視し合う傾向が強まり、仲間同士の配慮なき競争が起こります。それにより仕事に対して過度な緊張からストレスが生まれ、メンタルヘルスに問題を抱える原因となっています。

ピアプレッシャーを活かした職場活性化の例

ピアプアレッシャーが適度なバランスで働くと、職場活性化や意欲の向上に繋がります。ここでは、職場活性化の例を3つご紹介します。

職場の規律化によるミス防止

ピアプレッシャーが働くと、互いの仕事ぶりを監視することでミスを未然に防ぐことができます。仕事に慣れるまではミスをして先輩や上司から注意を受けますが、次はミスを起こさないように自分の仕事ぶりをチェックするようになります。慣れるに従って自分だけでなく仲間の仕事ぶりもチェックするようになります。

こうしてチーム全員が業務遂行に責任を持つことを共通認識として受け止めるようになると、相互監視によってミスを防ぐことがチームの規律となっていきます。

仕事における責任感と自己規律を促す

相互監視がチームの規律として浸透すると、相互監視によって仲間の仕事をチェックし、ミスがあれば注意し合う関係から一歩進みます。それにより、チーム一人ひとりが自分の仕事によって仲間に負担や迷惑をかけないように自己規律が強化されます。

チームでは互いの仕事ぶりが影響し合うため、ピアプレッシャーによって仲間の期待や信頼を裏切らないために、さらにチームの目標達成するために良い仕事をしようという意欲と責任感を高めます。

チームワークが発揮される

チーム全体に適度なピアプレッシャーが働くことで、互いにミスしないように気を配り、問題があれば助け合うチームワークが生まれます。これが発揮されると、仲間同士協力しながら切磋琢磨する健全な競争が生まれて職場が活性化されます。

それによって仲間だけでなく顧客の期待やニーズに応えるため、あるいは役立つために仕事に対しての意欲が高まり、自発的に行動を起こしていきます。

ピアプレッシャーを活用するためのポイント

ピアプレッシャーを活用するためには、個人の仕事観を確立し、周囲との良好な関係を維持することが大切です。ここでは、活用のポイントについてご紹介します。

キャリアビジョンと自己の強みを確立する

成果主義が主流の昨今では、自己責任においてキャリアビジョンの形成と能力開発などによる自己の強みを確立することが求められています。仕事で自分の強みを発揮することにより、目標の達成や存在感をアピールできます。その他に自己のスタンスを確立することで自信を持ち、ピアプレッシャーに打ち克つことができます。

また、個人が強みを発揮することは企業の成長や競争力強化にも繋がります。

周囲との良好な関係性を維持する

360度評価による他人からの評価や、顧客満足度を重視する職場環境では、周囲にどのように見られているかが自分の存在価値に大きな影響を与えます。そのため、ピアプレッシャーと上手に付き合い活用するためには、周囲からの承認や信頼と、自分に自信を持つこと双方のバランスを保つ必要があります。

周囲と良好な関係を維持するためには、適度な自己主張と協調性を保つためにコミュニケーション能力を発揮することが大切です。

ピアプレッシャーをモチベーションに変える

職場でのピアプレッシャーを活用するために、モチベーションに変えるスキルを身につけるのもひとつの方法です。

例えば、上司に叱られるという外部からの刺激によって、怒りの感情が生まれた結果、反抗的な態度を取るという行動を引き起こしたとします。この時、外部からの刺激とそれによって生まれる感情や行動の間には、自分自身の思考が関与しています。この思考パターンを変えることによって、その後の感情や行動を有益に変えることができます。

ピアプレッシャーをモチベーションに変える思考パターンの一例としては以下が挙げられます。

  • 不安から逃避するのではなく、心配を無くすための準備行動をとろうと考える
  • 怒りによって相手を攻撃するのではなく、不快感を解消するために相手と話し合いや交渉を行おうと考える
  • 落ち込むことによって自分の殻に閉じこもるのではなく、悲しみを周囲と共有することで解消しようと考える
  • 罪悪感によって自己否定するのではなく、呵責を繰り返さないために反省し、対策を立てようと考える

このように、状況を改善する行動に繋がるような思考パターンに変えることで、モチベーションに活かすことが出来ます。

【関連】モチベーションの意味とは?低下の要因や上げる方法、測定手法や企業施策までご紹介/BizHint HR

まとめ

  • ピアプレッシャーとは仲間からの圧力という意味で、互いに様子を見る相互監視と強調し助け合う相互扶助の2つの側面があります。
  • ピアプレッシャーが適度に働いて職場が活性化されると、業務効率化や生産性向上などの企業利益に繋がります。
  • ピアプレッシャーを活用することによって個人のキャリアプランの形成や能力開発を促すほか、職場の仲間と良好な関係性を維持するためにコミュニケーション能力が発揮されます。

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