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スパン・オブ・コントロール

2018年11月19日(月)更新

企業の人事制度を経営管理の観点から考えるときに、組織構造をどうするのかという課題があります。この課題に向かうときに考えなくてはいけないのがスパン・オブ・コントロールです。管理限界や統制範囲とも訳されるこの経営学用語について解説します。

スパン・オブ・コントロールとは?

最初にスパン・オブ・コントロールとは何なのかを説明します。組織を運営していくための原則の1つであり、組織設計における重要テーマです。

5つの組織原則

会社の組織構造を構築するときには、経営者やマネジメント層が考えるべき5つの組織原則があります。スパン・オブ・コントロールもここに含まれますが、まずはそれぞれを見てみましょう。

  • 専門化の原則
    組織を細分化するときは同じ種類の業務内容で分類し、分類された組織である各部署に所属するメンバーは、その部署に割り当てられた役割についての専門家となれるようにする
  • 権限および責任一致の原則
    ある職責に与えられる権限の大きさと、それに伴って発生する責任の大きさは同等のものでなければならない
  • 統制範囲(スパン・オブ・コントロール)の原則
    1人の管理者が統率できる部下の数には上限があるので、組織編成においては管理者あたりの直接の部下数はその範囲にとどめる
  • 命令統一性の原則
    1人のスタッフに対して支持や命令を行う上司は1人のみとして、複数の命令系統を存在させない
  • 例外の原則
    日常的なルーチン業務や判断が少ない仕事は部下に委譲をして、経営者やマネージャーは戦略的な分析や検討、あるいは定型ではない例外業務や組織としての意思決定に専念する

マネージャーの管理限界

スパン・オブ・コントロールは特定の管理者が何人までの部下を持てるのかという管理限界を示します。また、マネージャーが管理する部署の労働力の総量や業務範囲を含めた広い意味で定義することもあり、この場合は統制範囲という訳し方がふさわしいでしょう。

どんなに優れた社長やマネージャーであっても、直接的に管理できる部下の人数や業務量には限界があります。この限界を超えてしまったとき、マネージャーは部下の行動を監督できなくなってしまい、業務管理として案件の進捗状況や課題を把握することも難しくなります。

マネージャーが管理できる部下の人数には限界があるということを正しく認識して、組織編成を考えましょう。

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