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2018年1月21日(日)更新

ファシリテーション

会議やプロジェクトの進行役として、健全な議論を促進するファシリテーション能力が注目を集めています。リーダーシップやマネジメント能力と性質が異なるファシリテーションの意味や役割、必要スキル、メリット、向上施策までご紹介いたします。

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ファシリテーションとは?

ファシリテーションは、リーダーシップマネジメントとは役割も性質も異なります。ファシリテーションが注目されている背景とともに意味や役割をご紹介いたします。

ファシリテーションの意味

ファシリテーションとは、集団活動のスムーズな進行と成果を出しやすい環境の構築を目的とした支援活動、または会議運営の手法を指します。主に会議やプロジェクトの進行手法として活用され、合意に向けた論点整理や合意形成、参加者のモチベーション向上、アイディアの促進などの役割が求められます。

異なる能力や多様な価値観をもつ人材が集まると、組織内に多様性が生まれ、さまざまな効果や問題をもたらします。そのため、メンバーの主体性を促進し、多様な意見とアイディアを最大限に活かす役割が求められる立場がより強く求められるようになりました。ファシリテーションは有能な人材の相互作用を促し、イノベーションの創出や問題解決、情報共有を可能とする優れた能力といえます。

ファシリテーションの役割

ファシリテーションの役割は、主に以下の4つです。

  • 会議の場の提供
  • 参加者の意見を引き出す
  • 意見の整理
  • まとめ

ファシリテーションが活用される場は、会議などチームメンバー全員でコミュニケーションが行なわれる場となります。参加者や場所の選定、開催時間の決定などの事務的作業はもちろん、話しやすい会議の雰囲気作りが求められます。さらに議論を進める中で、参加者全員の意見を引き出すように会議を進行させ、意見を抽出します。

ファシリテーションの最大の役割は、設定された目標やゴールに到達させることです。そのため、会議では抽出された意見を整理し、議題の答えを絞り込み、結論を出すことが求められます。

ファシリテーションが注目される背景

ファシリテーションが注目される理由として、ビジネス環境の変化が挙げられます。また、グローバルを舞台にした経済活動が広まったことも影響しています。

■ダイバーシティの浸透と複雑化するビジネス

新たな消費者市場を開拓するためにも海外進出は重要な経営戦略の一つです。国内外のM&Aや事業統合・買収が加速する中で、多種多様な価値観を持った人材と仕事をする機会が増えています。多様な価値観を認め、それぞれの個性や能力を最大限に活かすために、ファシリテーションの需要が高まったと考えられます。

また、経済がグローバル化することで、イノベーションの創出を含めたビジネス課題がより複雑化・高度化している傾向にあります。そのため、柔軟性が高いアイディアや革新的な商品・サービスを生み出すために、従来の縦割りの組織ではなく、部門横断を前提とした組織運営が必要となります。このように厳しい経済環境を生き抜く上で、組織の経営資源を最大限に活用させるファシリテーションはニーズの高い進行方法といえます。

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■考える組織のニーズの高まり

IT技術の発展により、企業と顧客との距離は一気に縮まりました。そのため、現場にはスピード感のある課題解決能力が求められるようになり、現場の社員ひとり一人が自ら考え、行動する組織の需要が高まっています。課題解決に向けて「考える力」を育成するためにも、メンバーの自主性を促すファシリテーションは有効な人材育成方法としても注目されています。

■多様な働き方の登場

日本では、長時間労働による過労死や過労自殺の防止策として、また生産性向上施策として「働き方改革」に注目を浴びています。

テレワークによる在宅勤務やアドレススリーの導入により、従業員のワークスタイルも変化しています。そのため、メンバー同士が顔を合わせて、議論する機会も減少しており、より効率的な議論が求められるようになりました。限られた時間内でも効率的に最大のパフォーマンスを挙げるためにも、ファシリテーションの存在が重要視されています。

【関連】テレワークとは?意味やデメリット、導入企業事例、助成金制度を紹介 / BizHint HR

ファシリテーターとリーダーの違い

ファシリテーション能力を持つ人材を、一般的にファシリテーターと呼びます。コミュニケーションの場において、中心的な役割を担うファシリテーターは、強力なリーダーシップを発揮し、チームを牽引するリーダーが担うこともありますが、両者には明確な違いがあります。

一般的にリーダーは会社や事業部が掲げる目標やミッション、ビジョンを示し、チームを牽引する役割を担います。ファシリテーターは目標やゴールに向かうために、プロセスや課題を見直しながら、チーム全体を支援する役割を担います。

しかし、最近ではファシリテーション能力を有した支援型リーダーのニーズも高まっています。リーダーに全ての情報を集約し、チームメンバーに適宜指示を与える指示型リーダーではチームとしてパフォーマンスが発揮しにくいというのがその理由です。今後はチームリーダー候補や管理職候補にもファシリテーション能力が求められると予想されます。

ファシリテーションに必要な基本スキルとは?

ファシリテーションを適切に行なうためには、必要な基本スキルがいくつかあります。それらのスキルを知ることで、最適なファシリテーション能力を身につけることができます。

対話促進のための「場」の提供力

ファシリテーターには、対話を促進する役割が求められます。そのため、チームメンバーそれぞれの特徴や性格、知識、経験を把握し、対話促進のための雰囲気作りに長ける必要があります。そのためには日頃からチームメンバーと交流を持ち、関係者全員の議論が活性化するようにお膳立てをする、いわば「気遣い」の精神が求められます。

また、チームメンバー同士がお互いに尊重し合い、議論をしやすいようなチーム作りも欠かせません。

【関連】アイスブレイクとは?会議や研修、採用面接で使えるテクニックをご紹介/ BizHint HR

コミュニケーション能力(言語・非言語)

ファシリテーションにおいて、コミュニケーション能力はもはや必要不可欠の基本スキルです。しかし、ファシリテーションにおけるコミュニケーション能力は、他のそれとは性質が異なります。

流暢な話し言葉はもちろん、傾聴を重視し、相手に対して適切な質問を行なう、相手の意見や内容を要約し、アウトプットする性質が求められます。また、話目線や視線、態度、顔の表情などもチームメンバーの意見を引き出すための重要な要素となります。これら言語・非言語全てのコミュニケーション能力がファシリテーターには必要とされます。

高い目的意識と気配り

ファシリテーターには、誰よりも目的意識と気配りが求められます。目標やミッションの設定、ビジョンの明確化はチームリーダーの役割です。一方で、ファシリテーターはチームリーダーが設定したゴールに向かって、チームメンバーが最大のパフォーマンスを発揮できるように支援する役割を担います。

ファシリテーターは高い目的意識を持ち、グループ全体を俯瞰してみる能力が求められます。ファシリテーター自身が高い目的意識を持つことで、関係者全員に当事者意識を芽生えさすことができます。

また、迅速なチーム活動を行なう上でも参加者全員が納得しているかどうかを見極めることも求められます。認識のズレを防ぐためにも会議で出た意見をメンバーの前で確認し、関係者全員の認識を深めると同時に、懸念や疑問を持っているメンバーをいち早く見つけ出し、傾聴する気配りが欠かせません。

ファシリテーションによるメリット

ファシリテーションの発揮は、さまざまなメリットが生まれ、組織やチーム・グループの生産性を向上させることが可能です。

会議の生産性の向上

日本企業は、定例会議や情報共有会議など会議の種類も、開催回数も多い傾向にあります。しかし、全ての会議が生産性の高いものかどうかは、さまざまな疑問や指摘がされています。

ファシリテーションは会議の進行役だけではなく、会議自体の開催作業も含まれます。そのため、会議を開くべきかどうかを事前に判断することが可能です。必要な議題に絞り、会議回数も減らすことで、従業員全員の生産性を向上させることができます。

また、会議を開催する際も予め議題や議論の内容の設定、議論の着地点を模索する能力を有しているため、参加者全員が納得できる結論をだすことができます。

会議時間の短縮

ファシリテーション能力を有する人材は、会議をスムーズに進行することができます。チームメンバー全員の意見を吸い上げ、内容を絞込みまとめることができるので、限られた時間内で結論を導き出せます。

また、「場」の雰囲気作りや参加者への気配りにより、短時間でも実のある議論が生まれ、結果的に会議時間の短縮につながります。

アイディアの創出

変化し続けるグローバル経済の中で、ビジネス課題は高度化・複雑性を増しています。それらの課題を解決するためにも、革新的なイノベーションや斬新なアイディアの創出は欠かせません。

これらを生み出すためには、それぞれ高度で特殊な能力を持ち、さまざまな価値観を持つ人材を一つに集め、活発な議論を促す必要があります。メンバーの多様性を尊重し、参加者同士が尊重し合える場を提供し、結論へと導くファシリテーションの存在は、イノベーションやアイディアの創出には欠かせないものといえます。

参加メンバーのモチベーション向上

ファシリテーションはメンバー全員の意見を傾聴・尊重することで、議論を促進することができます。結論や方向性に懸念や疑問を持つメンバーがいれば、目的を見失い、モチベーションの低下を生じてしまいます。

参加者全員の意見を尊重しつつ、ファシリテーターが率先して傾聴することは、参加メンバーのモチベーション向上にも反映されます。関係者全員が高いモチベーションのもと、達成すべき目標やミッションに到達させる原動力として、ファシリテーションは重要なポジションといえます。

上手なファシリテーションの心得とは?

優れたファシリテーションを発揮し、組織やチームに高いパフォーマンスを維持させるには、ファシリテーション特有の心得やコツが必要です。

配慮と遠慮を使い分ける

ファシリテーションには、参加者全員への配慮が求められます。ファシリテーションでの配慮とは、相手の表情や動作をつぶさに観察し、意見を出したいメンバーがいないか、また一つの意見に偏っていないかなどを読み取る行為を指します。参加者全員の気持ちを考え、議論を活性化させることが配慮ということを覚えておきましょう。

また、配慮は遠慮と混同されがちです。遠慮とは、他人に対する言動を控えることを指します。議論の場から一歩引いて、全体を俯瞰することはファシリテーションに必要なスキルですが、他人の意見を傾聴し、内容や要点をまとめるファシリテーションには遠慮は無縁です。配慮と遠慮を使い分けることは、ファシリテーションにおいて、基礎的な行為といえます。

アイディアを広げる

ファシリテーターは参加メンバーの意見を傾聴し、他のメンバーの専門的な知識や経験と組み合わせ、アイディアを広げる意識を持つべきです。一見、見逃されがちなアイディアも他のメンバーの意見や考えが加わることで画期的なアイディアに生まれ変わる可能性があります。

このようにどんな小さな意見やアイディアも潰すことなく、最大限に活かすことができないかを常に模索する必要があります。

中立の立場を意識する

ファシリテーターはいつ何時も中立の立場を維持しなければなりません。

組織やチームにはさまざまな実績や能力を持った人材が集まります。どの企業においても、声の大きいメンバーやチームリーダーの意見が通りやすい風潮が必ず存在します。しかし、それでは議論が活発化せず、自然と事前に決められた方向へと進んでしまいます。また、自分の意見が通りにくいことは、モチベーション低下の要因ともなります。このように、ファシリテーターは参加者の階級や立場に関係なく、中立の立場で参加メンバーに接する必要があります。

また、企業ではマイナスな意見に流されやすい傾向にあります。画期的なイノベーションやアイディアは、マイナス意見により潰される可能性が高いものです。マイナス意見に流されず、ポジティブな可能性を見出し、議論を導くのも中立の立場を取るファシリテーターの大切な役割といえます。

ファシリテーション向上の研修をご紹介

今後、管理職やチームメンバーはもちろん、中堅社員にもファシリテーション能力が求められます。このファシリテーション能力は、社内外の研修や講座を受けることで向上が可能です。

株式会社インソース

東証一部上場の講師派遣事業や企業研修を担う株式会社インソースでは、ファシリテーションの基本を学習できる「ファシリテーション研修 基本編(1日間)」を提供しています。指導力に優れた講師を社内に派遣し、「場のデザインスキル」、「対人関係」、「構造化」、「合意形成」の4つのスキルを、演習を通して、学習することができます。

【参考】株式会社インソース ファシリテーション研修 基本編(1日間)

JMAマネジメントスクール

一般社団法人日本能率協会が運営するJMAマネジメントスクールでは、チーム運営や組織変革に必要なファシリテーション能力の学習できる「ファシリテーション・スキル修得セミナー」を提供しています。2日間に渡って、演習を通して、ファシリテーションに必要なスキルや議論活性化に必要なツールを学習し、ロールプレイを実施して、実践的なファシリテーションを修得することを目的にしています。

【参考】JMAマネジメントスクール ファシリテーション・スキル修得セミナー

リクルートマネジメントスクール

人材・組織開発、制度構築の3つの事業を主軸とする株式会社リクルートマネジメントソリューションズが運営するリクルートマネジメントスクールでは、会議運営に特化したファシリテーションを学習できるプログラムを提供しています。講義時間も3時間と短めで、基礎講座にあたるため、職種や階級に関係なく、受講することができます。参加費も15,000円とリーズナブルに設定されているため、若手社員も気軽に受講できます。

【参考】リクルートマネジメントスクール ファシリテーションの基本~会議の生産性を高める4つのスキル~(156)

まとめ

  • ファシリテーションは会議運営だけでなく、チームやグループの参加者・関係者全員を巻き込み、実のあるビジネス活動を促進することができます。
  • ファシリテーション能力は、専門性の高い能力ですが、現場のリーダーや中堅社員に求められやすい能力でもあります。
  • 自分のビジネススキルの幅を広げるという意味でもリーダーシップマネジメント能力とは別にファシリテーションを学習してみてはいかがでしょうか。

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