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2018年1月15日(月)更新

PM理論

ビジネスにおいて、人材育成の観念から、リーダーシップ行動論は、古くから研究と議論を重ねてきました。現代でも、リーダーの育成や、リーダーシップのありかたについて、様々な勉強会やセミナーを行っている企業も多いのではないでしょうか。今回は、学術的なリーダーシップ理論のひとつ、PM理論について解説します。

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PM理論とは

「PM理論」とは、日本の社会心理学者の故三隅二不二氏が1966年に提唱した、リーダーシップ論です。「目標達成行動-目標を達成するP(Performance function)機能」と「集団維持行動-人間関係に配慮し集団を維持しようとするM(Maintenance function)機能」の2つの能力要素により、リーダーシップは構成されているという理論です。

この2つの能力の大小により、4つの型に分類されます。P機能が大きい場合は、大文字のP、小さい場合は小文字にp、同様にM機能が大きい場合は、大文字のM、小さい場合は小文字にmと記すことで、PM型、Pm型、pM型、pm型と表記されます。P機能、M機能、いずれも優れているPM型を、理想のリーダー像と位置付けたこの理論は、組織が戦略を練るための、人事的な分析材料として用いられています。

【関連】リーダーシップの意味とは?定義とトレーニング方法を解説 / BizHint HR

リーダーシップ理論

おなじようなリーダーシップの分類として用いられる理論に、1964年にアメリカで提唱された「マネジリアル・グリッド論」があります。PM理論に近い考え方ですが、更に細かく分類しているものです。PM理論のMにあたる「人間に対する関心」と、Pにあたる「業績に対する関心」を、それぞれ9段階に分けて分類することで、81のタイプに分類することができ、より緻密な分析をすることができます。

典型的な5つのリーダーシップ類型を1・1型、1・9型、9・1型、9・9型、5・5型と分類して、この類型の中では9・9型が最も理想的なリーダー類型であると、主張しています。

一方、「PM理論」、「マネジリアル・グリッド論」と並ぶ、有名なリーダーシップ論に「SL理論」があり、これは1977年に提唱された、部下の成熟度によって、管理者のリーダーシップのあり方は変わるという、状況適応理論です。「PM理論」、「マネジリアル・グリッド論」では、2つの機能が高いほど良いとしているのに対し、「SL理論」では必ずしもそうは言えないとしている点が、着目する考え方です。

【3つの理論のマトリクス】

理論・分類 Y軸 X軸 評価
PM理論 目標達成行動 集団維持行動 数値の高低
マネジリアル・グリッド論 業績に対する関心 人間に対する関心 数値の高低
SL理論 指示的行動 部下の成熟度 状況に適応

【関連】「マネジリアル・グリッド」とは?リーダーシップの行動スタイルを二つの面からとらえる行動理論 / BizHint HR
【関連】「SL理論」とは?部下の成熟度に合わせたリーダーシップについて紹介 / BizHint HR

二つの行動

PM理論における二つの行動、「目標達成行動-目標を達成するP(Performance function)機能」と「集団維持行動-人間関係に配慮し集団を維持しようとするM(Maintenance function)機能」を具体的に説明します。

目標達成行動

「目標達成行動P(Performance function)機能」とは、目標設定や計画立案により、生産性を高めるような働きをすることです。また、部下や業績の芳しくない社員に対し、叱咤激励や的確な指示により、目標を達成する能力のことを指します。例えば、規則の厳守、量、質、時間において的確な指示を出す、報告を徹底させて問題点を指摘する、などが考えられます。

集団維持行動

「集団維持行動M(Maintenance function)機能」とは、集団の人間関係を良好に保ち、チームワークを強固なものにするような働きをすること、またそれを維持する能力です。具体的には、飲み会を開いて日頃の労をねぎらったり、部下の悩みを聞いてあげたり、すぐれた仕事をしたとき認めてあげたりすることや、部下を信頼する、部下からの意見を尊重する、部下を公平に取り扱うこと、などがあげられます。

PM理論におけるリーダーシップの分類

それでは、PM理論における二つの行動、「目標達成行動P(Performance function)機能」と「集団維持行動M(Maintenance function)機能」の大小により、4つに分類されたスタイルを具体的に解説します。

PM型

PM型は、P(Performance function)、M(Maintenance function)ともに大きいタイプで、理想的なリーダーシップを持つタイプです。目標を明確にして成果をあげられる目標達成能力も、チームワークを重んじ集団をまとめ上げる集団維持能力も高い、理想のリーダー像と分類されます。

Pm型

Pm型は、P(Performance function)が大きく、M(Maintenance function)が小さいタイプで、目標達成能力は高いが、人望がないタイプと分類されます。目標を明確に定め厳しく管理し成果をあげるが、チームの団結力は弱い一匹狼タイプのリーダー像といえます。

pM型

pM型はP(Performance function)が小さく、M(Maintenance function)が大きいタイプで、集団をまとめる力はあるが、成果をあげる力が弱いタイプと分類されます。仕事で発揮する能力が弱いので成果は上がりにくいが、部下の面倒見はよく慕われている、友人関係のようなリーダー像です。

pm型

pm型は、P(Performance function)、M(Maintenance function)ともに小さいタイプで、目標達成能力も、集団をまとめる力も弱い、リーダー失格タイプといえます。成果をあげることもなく、部下やチームメンバーにも無関心なタイプで、リーダーには向いていない分類になります。

まとめ

  • 偉大なリーダー(経営者)には、共通の特性があり、その特性を学術的にパターン化する研究が、長年続けられてきました。本編で解説したPM理論もその一つで、偉業を成し遂げたリーダーの行動には、生産性を高める個の力だけではなく、集団を維持する人心掌握力が備わってのことであると考えられます。
  • 組織として目標を達成するための戦略を立てる時、その戦略を実行するのはリーダーを含めたチームであるわけですから、リーダーの選定やスタッフの配置など、人的要因は重要事項となります。
  • 組織を運用することは、すなわち人(社員、従業員、スタッフ)を動かすことであり、目的を達成するのも人の力です。ハラスメント対策など、社会的にも職場の人間関係の維持が叫ばれる今日、目標達成のために、数値的要素だけを追い求めるだけではなく、人間関係を維持することを考慮することも、リーダーシップとは何かを考える必要な要素なのではないでしょうか。

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