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PM理論

2018年10月9日(火)更新

ビジネスにおいて、人材育成の観念から、リーダーシップ行動論は、古くから研究と議論を重ねてきました。現代でも、リーダーの育成や、リーダーシップのありかたについて、様々な勉強会やセミナーを行っている企業も多いのではないでしょうか。今回は、学術的なリーダーシップ理論のひとつ、PM理論について解説します。

PM理論とは

「PM理論」とは、日本の社会心理学者の故三隅二不二氏が1966年に提唱した、リーダーシップ論です。「目標達成行動-目標を達成するP(Performance function)機能」と「集団維持行動-人間関係に配慮し集団を維持しようとするM(Maintenance function)機能」の2つの能力要素により、リーダーシップは構成されているという理論です。

この2つの能力の大小により、4つの型に分類されます。P機能が大きい場合は、大文字のP、小さい場合は小文字にp、同様にM機能が大きい場合は、大文字のM、小さい場合は小文字にmと記すことで、PM型、Pm型、pM型、pm型と表記されます。P機能、M機能、いずれも優れているPM型を、理想のリーダー像と位置付けたこの理論は、組織が戦略を練るための、人事的な分析材料として用いられています。

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リーダーシップ理論

おなじようなリーダーシップの分類として用いられる理論に、1964年にアメリカで提唱された「マネジリアル・グリッド論」があります。PM理論に近い考え方ですが、更に細かく分類しているものです。PM理論のMにあたる「人間に対する関心」と、Pにあたる「業績に対する関心」を、それぞれ9段階に分けて分類することで、81のタイプに分類することができ、より緻密な分析をすることができます。

典型的な5つのリーダーシップ類型を1・1型、1・9型、9・1型、9・9型、5・5型と分類して、この類型の中では9・9型が最も理想的なリーダー類型であると、主張しています。

一方、「PM理論」、「マネジリアル・グリッド論」と並ぶ、有名なリーダーシップ論に「SL理論」があり、これは1977年に提唱された、部下の成熟度によって、管理者のリーダーシップのあり方は変わるという、状況適応理論です。「PM理論」、「マネジリアル・グリッド論」では、2つの機能が高いほど良いとしているのに対し、「SL理論」では必ずしもそうは言えないとしている点が、着目する考え方です。

【3つの理論のマトリクス】

理論・分類 Y軸 X軸 評価
PM理論 目標達成行動 集団維持行動 数値の高低
マネジリアル・グリッド論 業績に対する関心 人間に対する関心 数値の高低
SL理論 指示的行動 部下の成熟度 状況に適応

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