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ピア効果

2020年2月17日(月)更新

情報技術の進化により働き方や社会構造が変化する中で、経営者にとって強い組織作りは至上命題です。そんな生産性の高い組織やチームを作るために注目されているのが、ピア効果という用語です。今回はピア効果の意味や導入背景、ピア効果を取り入れた人事施策や活用方法をご紹介いたします。

ピア効果とは?

元々、教育心理学や行動心理学の研究結果として注目されていたピア効果は、教育分野に留まらず、経済界からも注目されています。

労働経済学におけるピア効果

労働経済学におけるピア効果とは、 仲間や同僚とともに切磋琢磨することにより、お互いの生産性や行動力に影響を与え合う現象 を指す用語です。一般的に能力の高い者同士が同じ環境に集まると、お互いに影響し合い、集団・個人の能力や行動力が向上するといわれています。

ピア効果は レベルが近いもの同士を競わせることで、成長や成果の向上効果を生み出し ます。一方で、競争相手とのレベルの差が離れすぎている場合は、慢心や油断、努力の放棄などが生じ、向上意欲を削いでしまいます。

このピア効果という現象は元々、教育分野での生徒の学力向上を目的とした教育心理学や行動心理学の研究から始まりました。組織、チーム内で適切な競争を促すことで、従業員の生産性と能力を向上できることもわかったため、企業の 人材育成施策としても活用 されています。

ピア効果の研究によると、 個人作業よりもチーム作業の方が、生産性が上がる ことが判明しました。従業員個人に報酬を出すよりも、チームに報酬を出す制度の方が生産性が高まります。特に専門性の高い知識や能力を有するブルーカラー労働者の場合、お互いに教え合い、弱点を補完し合う関係が構築され、成果を出しやすい傾向にあります。

また、チーム作業では、周りのメンバーの足を引っ張らないようにという意識が芽生え、個々人の能力・生産性向上にもつながります。

負のピア効果とは

前述でご紹介したとおり、ピア効果は集団において、レベルの差が少ない者同士を適切に競争させることで、成果や能力の向上に役立てることができます。これを一般的に「 正のピア効果 」と呼びます。一方で、集団の構成によっては、お互いに悪影響を及ぼし、集団・個人の生産性や能力を低下させてしまうこともあります。この現象を「 負のピア効果 」と呼びます。

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