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2018年6月24日(日)更新

リーダーシップ研修

リーダーシップ研修とは、指導者としての統率力や指導力である「リーダーシップ」が職務上必要とされる対象者に対し、その知識や技術などを習得させるための研修の事を言います。今回は、このリーダーシップ研修について、その目的やスタイル、また近年注目されている背景やその現状、設計ステップなども交えてご紹介します。

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1.リーダーシップ研修とは

そもそもリーダーシップとは、「指導者としての能力・資質。統率力。指導力。」を意味する言葉です。リーダーシップ研修は、基本的には、リーダーシップが職務上必要とされる対象者に対して、その知識や技術などを習得させるための研修を指します。

【出典】コトバンク「リーダーシップ」
【関連】「リーダーシップ」の意味とは?定義や理論、代表的なスタイルをご紹介 / BizHint HR

リーダーシップ研修の対象者

それでは、リーダーシップ研修は具体的にどのような人材を対象に行われるのでしょうか。

中堅社員

近年リーダーシップ研修は、まだ管理職世代ではない中堅社員を対象に実施される機会も増えています。主に、これからリーダーの役割を任される次期リーダー候補、もしくはその可能性のある人材が対象となります。

その背景には、「管理職への登用が決まってからリーダーシップを育成するのでは遅すぎる」「”次世代リーダー”の育成も視野に入れ、早期に人材育成を実施したい」などの企業側の思いがあります。

管理職社員

最もニーズが多いと言われるのが、新たに管理職に登用された人材に対する研修です。また、既に管理職であるがリーダーシップの能力が不足している、もしくはその能力に自信の無い人材も対象となります。

ただ、リーダーシップ研修を受けるだけでその能力が身につくとは言えません。研修を受け、実際に組織を動かし、その上で360度評価などの定期的な振り返りを実施する事が重要となります。

【関連】BizHint HR 「360度評価とは?メリット・デメリットから実施の流れまで! 」

次世代リーダー

次世代リーダーとは、所謂「将来の経営者候補」の事。リーダーでも管理職でもなく、企業経営を担う重要なポジションへの就任を想定された人材です。近年では、この次世代リーダーを若手社員の間から選抜しリーダーシップ研修を受けさせるなど、早期発掘・育成・能力開発のための取り組みを行う企業が増加しています。

【関連】BizHint HR「次世代リーダーとは?どんな課題や育成研修があるのかご紹介」

管理職以外にも求められるリーダーシップ

近年、「リーダーシップ」は管理職だけに求められる能力ではなくなりつつあります。

組織において人は常に集団の中で働き、仕事を進める上では社内外の多くの人が関わります。つまり、集団で仕事を動かす場合には、周囲を巻き込み、それを引っ張ってゆく「リーダーシップ」が常に必要となります。近年では、このようにビジネススキルとしてのリーダーシップが求められているのです。

実際に、世界的なコンサルティング企業であるマッキンゼー・アンド・カンパニーでは、採用基準として「リーダーシップ」が最も重用視されています。コンサルタントは、取引先の企業を「変える」事をミッションとしているため、取引先の企業の中に入って、そのメンバーを強いリーダーシップを持って引っ張ってゆく必要があるのです。

【参考】ダイヤモンド・オンライン「マッキンゼーにおける”一流の人材”とは? / マッキンゼーの元採用マネジャーに聞く”人材の条件”」

2.リーダーシップ研修のスタイル

それでは、リーダーシップ研修にはどのようなスタイルがあるのでしょうか。

社内研修

まずは社内で実施される研修です。対象となる社員が多い場合に、このスタイルが取られます。リーダーシップ研修単独ではなく、例えば中堅社員向けの一斉研修プログラムの一貫として「リーダーシップ」が組み込まれるというケースも多いようです。講師は、主に外部の研修会社から派遣されます。

【関連】BizHint HR「『社内研修』のテーマ選定と企画選定の進め方」

公開講座への参加

研修会社が実施する「リーダーシップ研修」の公開講座などへ参加するスタイルです。管理職限定や、次世代リーダーとして選抜された人材など、主に対象者が少ない場合に用いられます。自社で実施しないため、より緊張感を持って取り組める事や、他社の社員との人事交流・情報交換ができる点などのメリットが挙げられます。

eラーニング

eラーニングは、パソコン等を使って研修を受講するスタイルです。主に研修会社が販売しているeラーニング講座を購入し、テキストとDVDや動画配信などを利用して学びます。受講生は、時間・場所を問わず学習でき、更に不明点は繰り返し受講する事も可能です。ただし、個人で学習するためモチベーションの維持が難しい事も挙げられます。

【関連】BizHint HR 「eラーニングとは?人材育成・企業研修サービスも一挙ご紹介 」

3.リーダーシップ研修の目的

それでは、リーダーシップ研修の目的を今一度振り返ってみましょう。

リーダーとして求められる役割の認識

まずは、「組織において、自身に何が求められているのか」を認識させる目的があります。企業の中で自身はどのようなポジションに居て、そこにはリーダーとしてどのような行動が求められているのか。基本的な役割を認識させます。

理想的な「リーダー像」の把握

一般的に求められている「リーダー像」の把握です。「そもそもリーダーシップとは何か」「リーダーシップの種類」など、リーダーシップに関する基礎知識や、変化の激しい時代において今現在求められているリーダーの役割について把握します。

【関連】BizHint HR「リーダーシップの種類や理論、リーダーシップスタイルを整理してご紹介」

リーダーとしての仕事の進め方の取得

一般社員と管理職とでは、仕事の進め方は全く違ってきます。リーダー個人の仕事だけではなく、複数のメンバーの仕事内容や状況を把握する必要があり、その管理も重要となってきます。そもそも、組織を管理するにはどのような方法があるのか、どのような工夫が必要かなどを具体的に身につけます。

リーダーとしてのコミュニケーション能力の向上

最後に、最も重要なのがコミュニケーション能力です。これまでも後輩指導や同僚・取引先などとのコミュニケーション経験はあるでしょうが、管理職には、部下を、そして組織を動かすコミュニケーション能力が必要です。

近年では、「サーバントリーダーシップ」という奉仕型のコミュニケーションを特徴としたリーダーシップも注目されています。

【関連】BizHint HR「サーバントリーダーシップの意味とは?特徴や事例をご紹介」

4.リーダーシップ研修が注目される背景

それでは、なぜ今リーダーシップ研修が注目されているのでしょうか。

経営環境が変化の激しい時代に突入

まず、日本経済の環境の変化です。近年、多くの産業の成熟化や技術の発展により、ニーズも多様化し、その変化のスピードもアップしています。このような変化の激しい時代の中で、多様化したニーズに応え、成長していくためには、強い組織が必要となります。そのため、その組織を引っ張るリーダーシップに注目が集まっているのです。

成果主義の台頭

過去の日本は「年功序列」制度が一般的でしたが、近年は徐々に「成果主義」へと移行しています。その成果主義においては、与えられた目標を達成したり、課題を解決する事が必要不可欠です。それをチームや組織で達成・解決するためには、組織を引っ張る強いリーダーシップが必要となるのです。

【関連】BizHint HR「成果主義の意味とは?日本企業におけるメリット・デメリットをご紹介」

人材不足

近年、新卒採用・中途採用共に「売り手市場」と言われています。2017年3月の大学卒業者の就職率は、平成9年の調査開始以来最高の97.6%となりました。また、転職市場を見てみると、「DODA」の調査では2017年6月時点の求人倍率が2.43倍となっています。団塊の世代の大量退職も相まって、企業は今深刻な人材不足に陥っています。

その少ない人材のパフォーマンスを最大化するため、そして終身雇用の文化が崩壊した今、人材の流出を防ぐため、管理職のリーダーシップの質の向上が求められています。また、人材流出対策としては、女性社員へのリーダーシップの育成に力を入れる企業も増えてきています。

【出典】DODA「転職求人倍率レポート(2017年6月)」
【出典】厚生労働省「平成28年度大学等卒業者の就職状況調査(4月1日現在)について」

5.リーダーとして求められる能力

それではここで、リーダーとして求められる能力について見てみましょう。

組織を統率する能力

まずは、自身が率いる組織・チームを統率する能力、まさにリーダーシップです。ここで重要なのは、まず組織の方向性を示す事です。チームで仕事を進めるにあたって、誰かが目標を掲げ方向性を示さなければ、メンバーは個々にバラバラの方向へ進み、統制が取れなくなってしまいます。まず、リーダーはそのチームの目標やビジョンを明確にする事から始めましょう。

マネジメント能力

リーダーは、組織を統率するだけでなくマネジメントを行う役割も持っています。組織全体はもちろん、メンバー1人ひとりの業務内容もしっかり把握した上で、現在の状況にも気を配り、つまずくメンバーが居ればフォローしたり、個別に対策を講じる必要があります。

メンバーが働きやすくその力を最大化できるような人材配置、戦略の立案などを行い、時には上層部と部下との橋渡しの役割も担います。

コミュニケーション能力

最も大切なのは、メンバーからの信頼を得る事です。いくら方向性を示しても、環境を整えても、信頼していないリーダーにメンバーは付いてきません。そのためには、相手の立場に立って傾聴する姿勢を持つ、コミュニケーション能力が必要です。この能力は、様々な性質を持ったメンバーを一つにまとめるために、必要不可欠な能力です。

部下が上司に求めるもの

ここで実際に、部下が上司に求める能力について見てみましょう。

人材大手マンパワーグループの2015年の調査(対象:仕事の経験がある18〜60歳の男女1,082名)によると、「あなたが上司に求めるものは何ですか?(複数回答)」という質問に対し、最も多かった回答は「正当な評価をする」。次に「リーダーシップ、決断力」そして「部下の担当業務、状況の把握・理解」が続く、という結果となりました。

  • 1位…正当な評価をする(42.9%)
  • 2位…リーダーシップ、決断力(38.6%)
  • 3位…部下の担当業務、状況の把握・理解(32.6%)
  • 4位…コミュニケーション能力(30.6%)
  • 5位…事務的な仕事の能力(22.6%)

【出典】派遣会社・人材紹介会社のマンパワーグループ「上司に求めるものは”正当な評価をする”42.9%、”リーダーシップ、決断力”38.6%」

近年の管理職に不足している能力・資質

次に、実際に管理職に不足している、とされている能力について見てみましょう。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構の2014年の調査(対象:企業調査1,003社)によると、「近年の管理職に不足している能力・資質(複数回答)」の質問に対する結果は、以下のようになりました。傾聴や対話を含めた部下の指導・育成力が最も高く、次いでリーダーシップや統率・実行力の不足が懸念されている事が分かります。

  • 1位…部下や後継者の指導・育成力(傾聴・対話力)(61.7%)
  • 2位…リーダーシップ、統率・実行力(43.3%)
  • 3位…新たな事業や戦略、プロジェクト等の企画・立案力(40.9%)
  • 4位…組織の活性化を促す動機づけ力(32.7%)
  • 5位…日常的な業務管理・統制力(業務配分、進捗管理等)(31.9%)

【出典】独立行政法人 労働政策研究・研修機構「人材マネジメントのあり方に関する調査(P24)」

6.リーダーシップ研修の現状

ここで、リーダーシップ研修の現状についての調査結果をご紹介します。

研修により7割がリーダーシップ向上

HR総研の調査「HR総研 人事白書2016」によると、調査対象の企業のうち「リーダーシップ研修」を実施している企業は5割以上に上る事が分かりました。内訳としては、中堅企業・大企業の場合が6割前後、そして中小企業(従業員300名以下)では4割以下という結果となっています。

また、「リーダーシップ研修後、リーダーシップが向上したか」という質問に対しては、以下のような回答となり、7割以上が向上を実感している結果となりました。

  • 確かに向上した…10%
  • まあまあ向上した…63%

【出典】HR総研「~研修により7割が「リーダーシップが向上した」と実感~ /「HR総研 人事白書2016」人材育成に関する調査結果【5】 リーダーシップ研修」

次世代リーダー育成の取り組み

ここでは、2016年に産業能率大学総合研究所が実施した調査(対象:従業員300名以上の企業の人事・教育担当者:345社)結果を元に、将来の幹部候補である「次世代リーダー」へ向けたリーダーシップ研修について見てみましょう。

次世代リーダーの選抜型教育の対象となる階層

まず、次世代リーダーの選抜型教育の対象となる階層が、「課長クラス」が66.4%と最も多いものの「一般社員クラス」が52.9%とほぼ同程度重視されている事が分かります。経年変化を見ても、近年は若年層から次世代リーダーを育成しようとしている事が分かります。

【出典】学校法人 産業能率大学研究所「”次世代リーダー・グローバル人材の育成に関する実態調査”報告書サマリー」

選抜型教育の内容と手段

「選抜型教育の内容と手段」を問う質問では、やはり「教育内容」として最も用いられているのが「リーダーシップ研修」という結果となりました。

  • 1位…リーダーシップ研修(72.9%)
  • 2位…経営管理知識の教育(経営戦略・マーケティング・財務など(61.4%)
  • 3位…自社組織課題の解決(52.1%)
  • 4位…自社事業戦略の策定・提言(40.0%)
  • 5位…トップマネジメントとの対話(29.3%)

【出典】学校法人 産業能率大学研究所「”次世代リーダー・グローバル人材の育成に関する実態調査”報告書サマリー」

次世代リーダーを育成する上での問題点

最後に、次世代リーダーを育成する上での問題点を見てみましょう。この問いに対し、最も問題点として挙げられているのが「教育後の施策の不十分さ」でした。ただリーダーシップ研修を実施するのではなく、その後のフィードバックや定期的な評価等を実施する事の重要性が浮き彫りとなっています。

  • 1位…教育後の施策が不十分である(63.6%)
  • 2位…育成の成果が見えにくい(61.4%)
  • 3位…育成のゴールが明確になっていない(50.0%)
  • 4位…女性の参加が遅れている(45.7%)
  • 5位…選抜の基準が曖昧である(37.9%)

【出典】学校法人 産業能率大学研究所「”次世代リーダー・グローバル人材の育成に関する実態調査”報告書サマリー」

【関連】BizHint HR「次世代リーダーとは?どんな課題や育成研修があるのかご紹介」

7.リーダーシップ研修の設計ステップ

それでは、リーダーシップ研修を設計する際のステップについて見てみましょう。

①研修の目的を明確にする

まずは、研修の目的を明確にし、対象を決める事です。「中堅社員全員に、リーダーシップの概要を伝えたい」「来期に管理職になる限られたメンバーに実務的な能力を習得させたい」「次世代リーダーを選抜・育成したい」など、大筋の目的を設定しましょう。

②研修の内容を決定する

次に、研修の内容を決定します。目的に沿って、必要なカリキュラムを盛り込みます。その際、自社としてどのようなリーダーを必要としているのかなど、経営理念や方針に沿ったリーダー像が明確になっている事が望ましいでしょう。

③研修の形式を選ぶ

目的や内容が大筋で決まれば、研修会社などとも相談し、マッチする研修を一緒に設計したり、集合研修に社員を派遣するなどの形式を決定します。座学なのか、グループ形式で時にワークを挟むのか、その目的や対象に沿ってスタイルを決定します。

④研修後のフィードバック・評価手法を決定する

研修は、実施して終わりではありません。研修後に、その成果をどのように評価し、それを対象者にどうフィードバックするのかを決めておく必要があります。そうする事で、対象者自身に気づきを与え継続的なリーダーシップ醸成の手助けとなるだけではなく、今後の研修のブラッシュアップにも繋がります。

【関連】BizHint HR「フィードバックの意味とは?ビジネスシーンにおける活用方法をご紹介」

8.研修会社

それでは、実際にリーダーシップ研修を請け負っている研修会社についてご紹介します。

インソース

2002年に設立された同社は、講師派遣型研修や公開講座事業などを行う、東証マザーズ上場企業です。同社での「リーダーシップ研修」は「公開講座」「講師派遣型研修」「eラーニング」の3つのコースが用意されており、ニーズに合わせて選択できます。

公開講座は全国各地で開催されており、講義とワークを組み合わせ、自分自身の変革プランの立案までをプログラムに組み込んでいます。

【参考】株式会社インソース「【公開講座】リーダーシップ研修~意識改革し、部下、後輩を牽引するリーダーとなる」

リクルートマネジメントスクール

人材大手リクルートグループである株式会社リクルートマネジメントソリューションズが運営するスクールです。リーダーシップ研修は主に東京・大阪で開催されており、メインは2日間の公開講座となります。知識だけではなく技術も学べる講座として評価されています。

【参考】リクルートマネジメントスクール「リーダーシップ研修セミナー リーダーの4つの役割」

株式会社 ︎富士ゼロックス総合教育研究所

複写機やレーザープリンタの製造販売大手、富士ゼロックスの100%子会社である同社は、経営者・管理者・一般社員に対する教育や研修所等教育施設の運営などを行う企業です。

同社の「PMリーダーシップ研修」では、職位・権力によるリーダーシップではなく、「対人影響力」をテーマに他者からの主体的な力を引き出す能力の習得と目的としています。東京において、2日間開催される集合研修のスタイルです。

【参考】富士ゼロックス総合教育研究所「PMリーダーシップ研修 : 公開セミナー・無料イベント」

9.まとめ

  • リーダーシップ研修は、管理職のみならず、中堅社員や次世代の経営層となる「次世代リーダー」向けにも実施される研修
  • リーダーシップ研修は、リーダーとしての役割の認識や「リーダー像」の把握にとどまらず、リーダーとして組織を動かすコミュニケーション能力についても学ぶ目的がある
  • 近年、経営環境の変化や成果主義、また深刻な人材不足などにより、リーダーシップ研修はより注目を集め、若年層から実施する企業が増えている

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