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2017年10月5日(木)更新

ピラミッドストラクチャー

ピラミッドストラクチャーは、ビジネスにおけるさまざまな場面で活用される手法です。作成することで、頭の整理や矛盾点の確認が可能となり、説得力のある主張ができます。ここでは、ピラミッドストラクチャーの定義や作成方法・注意点について図を用いて分かりやすく解説します。また、米のマッキンゼー社で活用される際のノウハウも紹介します。

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ピラミッドストラクチャー(ピラミッド構造)とは?

ピラミッドストラクチャーとは、自身が伝えたい主張とその根拠となる事実を図式化する手法です。ちょうど三角形のピラミッドを横に3分割したような形となるため、ピラミッド構造とも呼ばれています。ピラミッドの上位へ向かうにつれ、項目数が抑えられている点に特徴があります。

論理思考についての教科書的な位置づけとなる著書「グロービスMBAクリティカル・シンキング」にも記載がある考え方で、主張と主張にまつわる根拠、根拠から導き出される考え方がひと目で分かるため、ビジネスの際に多く活用されています。

どのような場面で活用されるのか

ピラミッドストラクチャーは、ビジネスにおけるさまざまな場面で活用されています。たとえば、社内会議で新規事業の提案を行う場合に作成されるプレゼン資料が挙げられます。特にベンチャー企業などでは、作成したピラミッドストラクチャーを部下が会議で管理職などに見てもらいながら、プレゼンを行うケースが多くあります。

社内のみならず、社外の担当者を相手に行う営業活動にも活用されるケースも見られます。また、自身の考え方を整理するために繰り返し活用する場合もあるようです。

論理展開のフレームワーク

前述のようにさまざまな場面で活用されているピラミッドストラクチャーは、自身の主張に論理性をもたせた上で話を展開していく際に有効活用することができます。

まずは、上段に行くにつれ面積が狭まる3階建ての家をイメージしてみて下さい。底辺である1階部分には、自身が伝えたい主張の根拠となる情報や事実を配置します。そして、その上の階層となる2階部分には、1階に配置した根拠から導きだされるメッセージを置きます。そして、最上階となる頂点には、メッセージを根拠とした、自らが伝えたい主張を配置する形となります。

このように、伝えたい主張がグループごとに分類され、整然と並べられた状態で積み上げられていることから、ピラミッドストラクチャーは「論理展開におけるフレームワークである」といえるでしょう。

ロジカルシンキングの考え方のひとつ

ピラミッドストラクチャーは、主張を論理的な視点から分析し、同じ内容をグループ分けするなどの方法で整理をしていくことから、いわゆるロジカルシンキングの一つであるといえます。順序立てて論理を展開していくことで、一見すると難解に思われる問題でも明快な答えが導き出される可能性が生じます。

ロジカルシンキングには、ピラミッドストラクチャーの他に、MECEという考え方があります。MECEとピラミッドストラクチャーを効果的に活用することで、ロジカルシンキングがより強固なものとなります。

ロジカルシンキングとは

ロジカルシンキングとは、物事のつながりを明快にし、順序立てて説明する考え方のことです。曖昧な提案や主張が一切通用しないビジネスの場面では、必ず求められる方式となります。

考え方としては、情報を深く掘り下げ、分析していく方法や、情報同士の共通点を見つけ、ドッキングさせていく方法が挙げられます。これらの方法を繰り返すことで、新たな展開や問題の解決法を見出すことが可能となるのです。

【関連】ロジカルシンキングの意味とは?トレーニング方法やおすすめ本をご紹介 / BizHint HR

MECEとは

MECE(ミーシー)は、ロジカルシンキングの中核となる考え方の一つです。「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の頭文字を取り、MECEといわれています。

意味としては、「ダブリがないように・モレがないように」ということです。さまざまな情報を整理する際に、同じ意味を持つ要素が重複したり、大切な部分が抜けたりしないように心がける考え方です。

【関連】MECE(ミーシー)とはロジカルシンキングの基本!代表的なフレームワークもご紹介 / BizHint HR

ピラミッドストラクチャーの例

ピラミッドストラクチャーの作成方法については後の項目で詳しく説明していきますが、図式化すると次のようになります。ピラミッドの頂点に向けて、さまざまなデータや根拠が積み上げられていることが分かります。

ロジックツリーとの違い

ピラミッドストラクチャーと類似した構造をしているものとして「ロジックツリー」が挙げられます。ロジックツリーも、ピラミッドストラクチャーと同じく、プレゼンの際に多く活用される手法です。木の枝が伸びていく姿に見えることから、このように呼ばれています。

しかし、ロジックツリーとピラミッドストラクチャーには、明確な違いがあります。それは、図式に基づく考え方です。ロジックツリーは、一つの物事をより分かりやすくするため、複数の要素に枝分かれさせ細分化をしていくものです。一方、ピラミッドストラクチャーは、一つの主張へ導いていくために複数のデータを集め、論理的に配列してく方法です。

図だけで見ると同じ内容に見えるとしても、ロジックツリーとピラミッドストラクチャーは、情報から情報へと流れていく方向が正反対であることが分かります。

演繹法と帰納法

演繹法と帰納法は、いずれも物事を論理的に展開していく方法です。

演繹法は、一つの主張を前提として、別の結論を引き出していく方法です。たとえば、「Aは作業中に無駄話が多い」→「無駄話が多い人は作業が遅い」→「Aは作業が遅い」というように、Aの無駄話の多さから作業の遅さへとつなげていく方式が挙げられます。

一方、帰納法とは、複数の事象から共通の情報を割り出し、結論づける方法です。たとえば、「同僚Aは休憩時間に毎日コーヒーを飲んでいる」「同僚Bはコーヒータンブラーを持ち歩いている」「同僚Cは最近コーヒーメーカーを購入した」という3つの情報から、「同僚の間でコーヒーが流行している」という結論を導く方式が挙げられます。

演繹法と帰納法は、ロジカルシンキングの基本的な考え方であり、ピラミッドストラクチャーの作成に役立てる方式です。必ず違いを理解しておきましょう。

ピラミッドストラクチャーを用いるメリット

ピラミッドストラクチャーは、的確に活用することでさまざまな効果を実感することができます。ここからは、ピラミッドストラクチャーによって得られるメリットについて、順に見ていきましょう。

自分の頭の中を整理できる

ピラミッドストラクチャーは、主張したいこととその根拠、根拠から導き出される理由をグループごとに分類して配置するものです。したがって、ピラミッドストラクチャーを作成することで、自分が伝えたい内容にまつわる根拠や、根拠の証明となるデータのつながりを整理することができます。

作成するまでは漠然としていた主張が、ピラミッドストラクチャーを活用することで明確化させることが可能となるのです。

根拠から結論までが見やすい

「ピラミッドストラクチャーの例」に掲載した図からも分かるように、ピラミッドストラクチャーは、底辺部分にはグループごとに配置されたデータ、中間部分にはデータから導きだされる根拠、頂点部分には底辺部分・中間部分から導き出される結論が配置されています。

この図からは、さまざまなデータから根拠が導き出され、その根拠から結論が出されていることがひと目で分かります。そのため、ピラミッドストラクチャーを活用すれば、自身が掲げる主張が「どのような根拠から、どの論理にしたがって」導き出されたのかを、相手に向けて分かりやすい手段で伝えることができるのです。

矛盾点を見つけやすい

相手に対して何らかの主張を行おうと試みる際、中にはなかなか考えがまとまらず、行き詰ってしまうケースがみられます。

このような場合、ピラミッドストラクチャーを活用すれば、自身の頭の中を整理するのと同時に、自身の考え方が妥当かどうかをチェックすることができます。ピラミッドストラクチャーは、一つの結論がどのように導き出されるかを構造化するものです。したがって、作成することにより、論理展開の際に生じた矛盾点を一目で確認することができます。

コミュニケーションツールとして活用できる

ピラミッドストラクチャーは、結論に至るまでの論理が図式化されているため、会話やメール文章だけでは伝えることが難しい主張でも相手に分かりやすく伝えることが可能となります。

したがって、口下手でなかなかうまく相手に伝えることができない人でも、コミュニケーション手段の一つとしてピラミッドストラクチャーを活用することで、より有益な話し合いの場を持つことができるのです。

自分の主張に説得力を持たせることができる

ピラミッドストラクチャーは、自身の伝えたい主張がどのような根拠に基づいているかを一目で把握することができます。主張をするのには理由があり、その理由はこのようなデータから導き出されている、という形で話を展開する際にピラミッドストラクチャーを使うことで、その主張により強固な説得力を持たせることが可能となります。

ピラミッドストラクチャーの作成方法

では、実際にピラミッドストラクチャーをどのような手順で作成していくのかを説明していきます。どなたでも簡単に作成できるよう、一つずつ順を追って解説しましょう。

キーメッセージを決定する

まず初めに、ピラミッドストラクチャーの最上階部分となる、頂点の内容を決定します。 ここには、自分が相手に伝えたい主張や結論となる内容である「キーメッセージ」が入ります。

キーメッセージとは

キーメッセージは、ピラミッドストラクチャーにおける核となる概念で、「メインメッセージ」とも呼ばれています。底辺部、中間部の内容が導き出す部分であり、プレゼンや会議で相手に伝えたい最終的な結論が入ります。

この結論部分が曖昧である場合、その後に展開していく根拠が成立しません。必ず、明確な内容にすることを心がけましょう。

問題提起も忘れずに

キーメッセージを決定する際には、必ずそのキーメッセージについて論理を展開する相手を想定することを忘れないよう気を付けましょう。そして、論理を展開した相手から来ると予想される質問内容や、疑問点、問題点などについて一通り洗い出します。

相手から質問をされた場合に備え、あらかじめ問題解決のための回答を用意しておくことは、ピラミッドストラクチャーの作成にあたって非常に重要な行為となります。

メッセージに基づくデータをまとめる

ピラミッドストラクチャーは、いくつかのデータを共通する内容ごとにまとめ、その内容からメッセージを導き出し、頂点部分のキーメッセージへとつなげていく「ボトムアップ方式」を取っています。

したがって、実際にピラミッドストラクチャーを作成する場合、キーメッセージを作成した後の手順として、底辺部となるデータを収集することが挙げられます。

関連するデータを洗い出す

集めるデータは、決定したキーメッセージにまつわるものなら、どのような内容でも構いません。ジャンル問わず、あらゆるフィールドから広く収集します。実験やアンケートの結果、ポイントとなる情報、観察による考察など、思いつく限りを書き出していきます。

洗い出したデータをグループ分けする

データをひと通り収集したところで、次はそのデータを共通する内容ごとに分類していきます。同じジャンルごとに並べ替え、グルーピングします。グループの数に制限はありませんが、ピラミッドの形状からすると3種類ほどが理想であるとされています。

まとめた情報を表すメッセージ(根拠)を決定する

次に、分類したグループごとに、全体を表すにふさわしい妥当性のある名称をそれぞれ決定します。このグループ名が、ピラミッドストラクチャーの中間部分に存在する「根拠」です。

データから導き出される共通事項が表すメッセージを決定し、底辺部分の上に配置します。そして、そのメッセージを各データが表す根拠とし、キーメッセージとつなげることで、ピラミッドストラクチャーの三角形が完成します。

作成後は確認を

ピラミッドストラクチャーを無事に完成させたからといって、これで作業が終了するわけではありません。必ず、作成した内容を見直し、確認作業を行いましょう。

心がけることは、キーメッセージとメッセージが一つの「論理」としてつながっているかどうか、という点です。実際に確認する際に気をつけるべきポイントについて、次から説明していきます。

データからキーメッセージへの流れはスムーズか

まずは、ピラミッドストラクチャーの底辺部分・中間部分・頂点部分の流れに違和感がなく、スムーズに移行しているかをチェックします。

つまり、データから割り出されているメッセージ(根拠)が妥当か、そして、根拠からキーメッセージである主張部分へとつながっているかが、確認する点となります。

「Why so?」と「So what?」

ピラミッドストラクチャーの内容を確認する際に、覚えておくべき2つの問いかけがあります。この2つの問いかけを実施することで、作成したピラミッドストラクチャーの矛盾点を見つけることができるのです。問いかけの具体的な内容は、

  1. 「Why so?」=なぜ、そうなるの?
  2. 「So what?」=だから、どうなるの?

の2種類です。

確認の手順としては、まずはピラミッドストラクチャーの頂点部分となるキーメッセージに対して「Why so?」という問いかけをします。そして、その答えが中間部分の根拠へつながっているかを確認します。そして、今度は中間部分の根拠に対して問いかけ、答えが底辺部分のデータへつながっているかを確認します。つまり、「Why so?」は、ピラミッドの上部から下部へと問いかける言葉です。

一方、「So what?」は、ピラミッドの下部から上部へと問いかける言葉です。つまり、底辺部分のデータに対して「So what?」という問いかけをし、その答えが中間部分の根拠へつながっているかを確認します。そして、今度は中間部分の根拠に対して問いかけ、答えが頂点部分のキーメッセージへつながっているかを確認します。

マッキンゼー流のピラミッドストラクチャーについて

ピラミッドストラクチャーを活用している会社として多く名が挙がるのが、アメリカの経営コンサルティング会社として名を馳せる「マッキンゼー・アンド・カンパニー社」です。日本にも支社を構えるこの会社では、プレゼンを行う際にはピラミッドストラクチャーを作成し、活用しています。そのため、社員に対してピラミッドストラクチャーを効果的に使う方法、いわゆる「マッキンゼー流」を教え込み、数多くの実績をあげています。

マッキンゼー流とは

マッキンゼー社は、大手法人顧客を相手にしたコンサルティングを生業としているため、効果的なプレゼンテーションを実施するためのさまざまなノウハウを持ち合わせています。 そのうちの一つとして「誰かに対してプレゼンを行う前には、必ずピラミッドストラクチャーを作成する」ことが挙げられます。

誰が見ても一目瞭然の内容にする

ピラミッドストラクチャーをプレゼン前に作成する理由は、自身の伝えたい主張をあらかじめピラミッドストラクチャーで整理することで、論理の流れが整備され、誰が見ても伝えたい内容が一目瞭然な資料を作ることができるためです。

どのような環境下の、どの年代の人物でも納得させられるような論理的思考に基づいて導き出された結論でなければ、相手の心を動かすことはできません。ピラミッドストラクチャーを活用することで、マッキンゼー社では分かりやすいプレゼンを実現することを可能としています。

3の累乗で考える

マッキンゼー社では、自身の伝えたい主張一つにつき、3種類の根拠を準備しなければならないとしています。これは、限られた時間の中で効果的に論理を展開させるために、人減が腑に落ちやすい項目数とされている「3」という数値を活用しているのです。

3の累乗は、その言葉通り、3の1乗=3、3の2乗=9x、3の3乗=27・・と続く数値のことです。たとえば、1つの主張に対し3つの根拠、そして3つの根拠には、それぞれ3つのデータ、という配置を行うと、非常に見やすい形のピラミッドストラクチャーが完成します。そのため、論理展開を明確に進めることが可能となります。

グループ分けには「3C」を活用する

3Cとは、3C分析とも呼ばれ、一つの主張にまつわる環境を、市場における「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3種類に分類し、各々の切り口から論理を展開していく手法です。

ピラミッドストラクチャーで活用する場合、主張に基づく中間部分のメッセージ(根拠)を顧客・競合・自社に分け、頂上部分の結論へ導いていく形式を取ります。

「空→雨→傘」の論理で考える

ピラミッドストラクチャーを考える際に分かりやすい事例として「空→雨→傘」の論理が挙げられます。これは、物事の流れについて分かりやすく表したもので、空を「事実」、雨を「解釈」、傘を「結論」と置き換えます。

つまり、「空には黒い雲が立ち込めている」という「事実」をもとに、「これから雨が降る確率が高い」という「解釈」を行い、「傘が必要となる」という「結論」を導き出す、という流れになります。この考え方は論理展開をする際の枠組みとなり、明確に物事を考えることができます。

【参考】ITmediaエンタープライズ:マッキンゼー流仕事術:マッキンゼー流、プレゼンに必要な3要素
【参考】ITmediaエンタープライズ:マッキンゼー流仕事術:残念にならないプレゼン――ピラミッドストラクチャーを使う
【参考】BRAVE ANSWER:ピラミッドストラクチャーとは?例は?マッキンゼーも使う?

まとめ

  • ピラミッドストラクチャーは、伝えたい主張とその根拠、根拠を導き出すデータを三角形の形に図式化する手法で、会議や営業などで行われるプレゼンの際に活用されている。
  • ピラミッドストラクチャーを用いることで、自身の頭の中を整理し矛盾点を確認することや主張に説得力を加えることが可能となる上、コミュニケーションツールとしても有効。
  • ピラミッドストラクチャーは、複数のデータを共通事項にそってグルーピングし、根拠を割り出すことで、頂点部分のキーメッセージへと繋げるボトムアップ形式で作成する。

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