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2017年11月20日(月)更新

フィードバック

フィードバックとは、ある作業や言動によって生み出された結果から得た情報や事実を原因側に反映させることで、理想的な結果へと近づける手法です。本来、電気回路など制御系の仕組みを指す言葉として用いられるフィードバックをビジネスシーンや人材育成に活用するためのノウハウや参考書籍を紹介し、分かりやすく解説致します。

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フィードバックの意味とは

フィードバック(feedback)は元々『帰還』と訳されていましたが、『食物を与える』や『養う』、『育成する』といった意味を持つfeedと、『返す』という意味を持つbackから構成されていることから、『原因側に対して建設的な効果をもたらす情報や事実を与える』という前向きな意味で扱われるようになりました。

ビジネス用語として、『反省会』や『今回のおさらい』といった意味で用いられることの多いフィードバックですが、単なる振り返りだけで終わるのではなく、次に繋がる何かを見つけ出し、改善していくことで初めてフィードバックを行ったといえるでしょう。

フィードバックの実行者

フィードバックの実行者は『本人』と『育成者』、『第三者』という3つに分けることができます。

本人が行うフィードバックは自己成長を目的としており、現状を見直し原因を究明することによって更なる成長を目指します。

それに対し、経営者や人事担当者、管理職(マネジャー)や直属の上司が行うフィードバックは、人材育成や部下育成を目的としており、動機付けや目標達成など様々な課題をクリアするために欠かせない、コーチング技術やティーチング技術として活用されています。

また、外部組織(取引先企業、提携企業、協力会社、関係会社)やお客様など協力者となる第三者によって行われる客観的評価には、自社だけではなく相手側にとってもプラスの効果を及ぼす需要的要素が多く含まれているため、正しい分析を行うことによって、現在抱えている課題の優先度や重要度の見極めを容易にしてくれるという効果も得ることができます。

フィードバックの使い方(使用例)

フィードバックという言葉はビジネスシーンにおいて次のような形で使用されています。

  • フィードバックによって組織も人も成長する
  • 適切なフィードバックにより人材育成戦略の効果が高まる
  • 消費者の意見を生産者にフィードバックする
  • 提供開始前の新サービスをモニターに試してもらい、フィードバックを受けた
  • 否定的な意見を単なるクレームだと切り捨てず、新商品にフィードバックさせる
  • 製品の質を高め続けるため、消費者からのフィードバックを反映させる

フィードバックが登場するビジネスシーン

反省点や改善点を最大限に活かして更なる力へと変えるフィードバックはビジネスとの親和性が高いため、様々なビジネスシーンで活用されています。フィードバックが登場するビジネスシーンには次のようなものがあります。

製品やサービスの製造開発

ビジネスシーンで最も多くフィードバックが登場するのが、製品やサービスの製造開発です。

購入者や使用者、サービス利用者などから届けられる『お客様の声』や『業務改善アンケート』には、企業成長を後押しするアイディアやヒントが含まれているため、製造を行うメーカーから販売を行う小売店まで、数多くの企業が何らかの形で意見や感想の吸い上げを実施しています。

人材育成

フィードバックは、人が成長するために欠かすことのできない多くの刺激や気付きを生み出すことができるため、人材育成においても積極的に取り入れられています。育成対象者に適したフィードバックを実施することにより、現状と理想との差異(ギャップ)を埋めるために必要な要素の洗い出しが容易となるでしょう。

【関連】人材育成とは?目的と実施方法について / BizHint HR

人事評価(人事考課)

誰が見ても明確な人事評価基準が示されていない組織においては、自己評価と他者評価にズレが生じやすいため、人材評価フィードバックの重要性が高まる傾向があります。フィードバック面談やフィードバック面接により、自己評価の根拠を確認した上で評価理由の説明を行い、今後の目標や課題を共有することで、ブレのない人材育成を実現させることができるでしょう。

【関連】人事考課の意味とは?評価との違いと、ポイントをわかりやすく解説 / BizHint HR

採用面接

採用面接においてもフィードバックが必要となる場合が2つあります。

1つめは採用面接終了時に採用担当者側から、自発的もしくは応募者側から「何かアドバイスを頂けませんでしょうか?」などの要望を受けて行うフィードバックです。応募者の持つ人材特性やスキル、経験などを分析し、今後の就職活動に向けた適切なアドバイスを実施したことが、情報サイトやSNSなどで『アフターフォローを丁寧に行ってくれる企業』と話題になることにより、翌年以降の応募者数増加に期待することができます。

そしてもう1つは、採用通知や内定通知を出した後に行うフィードバックです。内定フォローの一環として実施されるこのフィードバックは、入社までに身に付けておくべき知識やスキルをアドバイスするだけではなく、入社後の短期目標と長期目標の共有も重要な目的となっています。

フィードバックの種類

人材育成法としてのフィードバックは、実行結果から得た情報を原因側に反映させることによって理想へと近づける手法ですが、部下や後輩へのアプローチの仕方により、『ポジティブフィードバック』と『ネガティブフィードバック』に大別することができます。

ポジティブフィードバック(正のフィードバック)

ポジティブフィードバックは日本語で『正帰還』と訳されており、電気回路において入力と同じ性質の出力を行うことから『正のフィードバック』とも呼ばれています。

また、ポジティブフィードバックには『被評価者の意欲や能力が良い方向へ増幅されるフィードバック』と、『被評価者にとって望ましい内容のフィードバック』という2つの定義が存在しています。前者は組織の求める理想の人物像や被評価者の描く成長像に沿った育成を目指すものですが、後者は単に被評価者の満足感や達成感、自己効力感(セルフエフィカシー)を高めることを目的としているため意味が大きく異なります。

【出典】ポジティブ・フィードバックとは/MBAのグロービス経営大学院
【関連】ポジティブフィードバックの意味とは?効果や利点、具体例をご紹介 / BizHint HR

ネガティブフィードバック(負のフィードバック)

ネガティブフィードバックは日本語で『負帰還』と訳されており、電気回路において入力に対して出力の性質が反転することから『負のフィードバック』とも呼ばれています。

否定的な意見や評価により育成対象者自身が持つハングリー精神や発見力、分析力、課題解決力に刺激を与えるネガティブフィードバックは、どのような逆境からも可能性を見出し、貪欲に成長し続ける強い意志を持った人材に使用することで、高い効果を得ることができるフィードバック方法です。

育成対象者の性質とフィードバックの種類

一般的に否定的評価よりも肯定的評価の方がフィードバックによる効果を得やすいため、多くの場面でポジティブフィードバックが用いられています。しかし人材育成において、ネガティブフィードバックがポジティブフィードバックに劣っているのかといえば、そんなことはありません。

否定的な意見をプラスの力へと変換して活用するネガティブフィードバックは、批判的思考とも呼ばれるクリティカル・シンキング(critical thinking)スキルを磨き上げる絶好のチャンスとなるため、次世代リーダー育成や後継者育成など、高いレベルでの活躍を求めている人材に対して実施する人材育成戦略に組み込むことによって、爆発的な成長を期待することができます。

育成対象者の個人特性や求められる役割を踏まえた上でフィードバックの与え方を検討することにより、効果的な人材育成戦略を構築することが可能となるでしょう。

フィードバック効果を最大化させるポイント

フィードバックは、経営資源であるヒトやモノの価値を高めるために重要な手法ですが、次のポイントを押さえておくことで効果を最大化させることが可能となります。

フィードバックに対する共通認識を持つ

フィードバックを実施した際に起きやすいエラーに認識の相違があります。上司が「十分なフィードバックを返した」と思っていても、部下が「フィードバックしてもらっていない」と感じているならば、フィードバックの効果を得ることはできません。また、このようなすれ違いが何度も繰り返されることで、信頼関係やチームワークは少しずつ確実に悪化していきます。

そうした事態に陥らないようにするためにも、フィードバックの実施方法と活用方法について共通の認識を持っておかなければなりません。

情報の有効性を見極める

フィードバックが新たな発見や気付きを与えてくれるからといって、闇雲に広範囲から集めれば良いというものではありません。改善優先度や情報の有効性を正しく見極める力を持っていない状態で情報をかき集めてしまうと、収拾がつかなくなるだけでなく、全ての意見を無理やり取り入れようとして逆効果となってしまうこともあるのです。

このようなヒューマンエラーを発生させないためにも、フィードバックを受ける前に予め自分の中でいくつかの改善イメージを構築しておき、受け取ったフィードバックを改善イメージ実現のためのヒントやアドバイスとして活用するなどの工夫が必要でしょう。

目標や課題を共有し、具体的に行う

フィードバックの本質は『実行結果を次回の仕事や作業内容、行動に活かす』ことですが、実際の現場では具体的な改善項目をあげることなく「最後まで諦めずによく頑張った」や「前回よりも良かった」などの感想や「5段階評価で4」といった抽象的評価をフィードバックとして扱うことが少なくありません。

その背景には評価者と被評価者の相互理解不足やコミュニケーション不足といった問題が潜んでいることが多く、職場の空気や人間関係の改善から取り掛からないといけない場合もあります。

評価者が被評価者のことを正しく理解し、目標や課題を把握した上で行う具体的なフィードバックは、被評価者にとってかけがえの無い財産となるでしょう。

対象者に直接伝える

フィードバックは書面や電子メールなどの形式的通知ではなく、評価者と被評価者が直接顔を向かい合わせた状態で伝える方が高い効果を発揮します。

また、プロジェクトチームやグループワークの結果のフィードバックを実施する場合に、全体評価と合わせて個人個人の優れていた点と改善するべき点について意見を述べることで、メンバー一人ひとりが自分に向けて発信されたフィードバックであると認識しやすくなります。

フィードバックはできるだけ早く行う

自身の更なる成長に意欲的な部下であるほど、振り返り作業をスピーディーに開始するため、どれだけ的確なフィードバックであっても、実行結果から時間が空いてしまうと活用することが難しくなってしまいます。

フィードバックは成長や改善に向けた可能性の提案であるため、被評価者が振り返り作業を行うタイミングに合わせて伝えることで、その効果を最大限に活かすことが可能となるのです。

フィードバックを受け入れやすい環境を構築する

フィードバックは被評価者の受け入れ方によってその効果が大きく変動します。次の点を意識して組織変革を行うことにより、フィードバックを受け入れやすい環境が構築されるでしょう。

  • 従業員エンゲージメントの向上
  • チームワークの向上
  • 風通しの良い企業風土
  • 部下の仕事や想いに興味を示す
  • 部下の自己評価に耳を傾ける
  • 指摘や指導を前向きに受け入れる姿勢

【関連】従業員エンゲージメントの意味とは? / BizHint HR
【関連】チームワークの意味とは?定義や仕事を進める上での重要性 / BizHint HR

フィードバックの参考書籍

フィードバックは、優れた人材の育成を目指す組織にとって欠かすことのできない重要な手法ですが、あまりにも身近な存在であるがゆえに改善が難しいものとなっています。

そんな状況を打破し、組織内で実施されるフィードバックを価値あるものへと昇華させてくれるビジネス書を紹介致します。

フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術

人的資源開発論と経営学習論を専門とし、企業や組織の内部で行われる学習やコミュニケーション、リーダーシップについて研究を行っている東京大学大学総合教育研究センター准教授の中原淳氏がビジネスシーンにおけるフィードバックに焦点を当てて執筆したものが、『フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術』です。

フィードバックの基礎理論から実践的ノウハウまでビジネス向けにまとめられた本書は、フィードバックの入門書として理解しやすいものとなっているだけではなく、現代組織におけるフィードバック部下育成法のバイブルとして、長期間に渡って多くの情報を与え続けてくれることでしょう。

【書籍情報】

  • フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術
  • 著者:中原淳
  • 出版社:PHP研究所
  • 発売日:2017年2月18日

まとめ

  • フィードバックは結果から改善に必要な情報を読み取り、原因側へと反映させることで理想像へと近付けていく手法であり、人材育成や商品改善に欠かせない重要なプロセスである
  • 適切なフィードバックと改善を繰り返すことで組織内のヒトやモノは段階的に強くなっていく
  • フィードバックは業種や職種、分野を問わずあらゆる状況で効果を発揮することができる
  • フィードバックは結果が出た後に『素早く』『具体的に』『直接』行うことが重要である
  • 被評価者の反応や表情、性格などを踏まえた上で柔軟にフィードバックを使い分けることにより、前向きに受け入れられやすくなる

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