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2018年8月8日(水)更新

フィードバック

ビジネスパーソンが仕事を通じて成長するためには、周囲からのフィードバックが欠かせません。管理職にとっても、部下への客観的な意見や改善方法のアドバイスは、部下育成能力の向上につながります。今回はビジネスパーソンに欠かせない、フィードバックの意味や活用方法、フィードバックを最大化させるポイントからおすすめの書籍をご紹介いたします。

フィードバック に関するビジネス事例や製品の情報を受取る

フィードバックの意味

フィードバックとは、ある作業や言動によって生み出された結果から得た情報・事実を原因側に反映させ、理想的な結果へと近づける管理手法のひとつです。「反省会」や「今回のおさらい」といった意味で用いられることも多く、次に繋がる「何か」を見つけ出し、改善していくことで、自己成長を促していくことを目的としています。

本来は、電気回路などの出力の制御(増幅率)をコントロールする仕組みを指す用語として用いられていました。

フィードバックの目的

フィードバックは大きく2つにわけることができます。

上司が行うフィードバック

経営者や人事担当者、管理職(マネジャーや管理者)や直属の上司が行うフィードバックは、人材育成や部下育成を目的としており、動機付けや目標達成など様々な課題をクリアさせるために欠かせない手法です。コーチング技術やティーチング技術のひとつとしても活用されています。

第三者により行われるフィードバック

外部組織(取引先企業、提携企業、協力会社、関係会社)や顧客(お客様)など協力者となる「第三者」によって行われるフィードバックは、製品やサービスの製造開発などの際に積極的に活用されています。

このフィードバックは、現在抱えている課題の優先度や重要度の見極めを容易にしてくれるため、プロダクト開発、商品(製品)の品質改善などさまざまな分野で活用されています。

フィードバックの種類

フィードバックは、管理職(管理者)の部下や後輩へのアプローチの仕方によって、「ポジティブフィードバック」と「ネガティブフィードバック」の2つに別けられます。

ポジティブフィードバック(正のフィードバック)

部下の発言や行動から評価できる点を見い出し、前向きな言葉でフィードバックを行なうことで、部下の自発的な成長を促すのがポジティブフィードバックです。

ポジティブフィードバックは2種類に分けることができます。

  • 被評価者の意欲や能力が良い方向へ増幅されるフィードバック
    組織の求める理想の人物像や被評価者の描く成長像に沿った育成を目指すもの
  • 被評価者にとって望ましい内容のフィードバック
    被評価者の満足感や達成感、自己効力感(セルフエフィカシー)を高めることを目指すもの

【関連】ポジティブフィードバックの意味とは?効果や利点、具体例をご紹介/BizHint HR

ネガティブフィードバック(負のフィードバック)

否定的な意見や評価により、育成対象者自身が持つハングリー精神や発見力、分析力、課題解決力に刺激を与えるのがネガティブフィードバックです。逆境から可能性を見出し、貪欲に成長し続ける強い意志を持つ人材に使用することで、高い効果を得られます。

しかし、一般的には被評価者の意欲や能力を著しく低下させ、信頼関係を崩壊させてしまう可能性が強く、現在ではあまり活用されていません。評価者の主観的な感情にも左右されやすく、ハラスメントの発生要因にもつながりかねません。

育成対象者の性質とフィードバックの種類

人材育成において、必ずしもネガティブフィードバックがポジティブフィードバックに劣っているわけではありません。

否定的な意見をプラスの力へと変換して活用できるネガティブフィードバックは、クリティカル・シンキング(批判的思考)を構築する機会にもつながります。そのため、次世代リーダーの育成や後継者育成といった、高いレベルでの活躍が期待されている幹部候補人材の育成に有効とされており、人材育成戦略に組み込まれることがあります。育成対象者の個人特性や求められる役割を踏まえた上でフィードバックの与え方を検討することも大切です。

【関連】幹部候補の募集や採用方法、育成のポイントまで徹底解説/BizHint HR

フィードバックの効果を最大化させる3つのポイント

フィードバックは、経営資源であるヒトやモノの価値を高めるための有効な手段ですが、以下のポイントを押さえることで効果の最大化が可能です。

1.目標や課題を共有し、具体的に行う

フィードバックの本質は「実行結果を次回の仕事や作業内容、行動に活かす」ことです。日本独自の雇用慣行を採用している企業では、具体的な改善項目をあげることなく、仕事内容や働きぶりを労う傾向が強いといえます。また、評価自体も抽象的評価になってしまいがちであり、フィードバックが機能不全に陥っているケースもみられます。

フィードバックは目標に関係のある具体的内容や、改善が可能な項目を指摘すると効果的です。具体的なフィードバックができない背景には、評価者と被評価者の相互理解・コミュニケーションの不足が挙げられます。評価者と被評価者がしっかりと目標や課題を共有するためには、両者の間に十分な信頼関係が構築されていなければいけません。評価者が被評価者のことを正しく理解し、目標や課題を把握した上で行うフィードバックは、被評価者にとって、意味のあるアドバイスとなります。

2.評価者に直接伝える

フィードバックは形式的通知(書面や電子メール)ではなく、評価者と被評価者が直接顔を向かい合わせた状態で伝えることが基本です。また、プロジェクトチームやグループワークの結果をフィードバックする場合は、全体評価、個人の優れていた点、改善するべき点を直接伝えることで、メンバー一人ひとりが「自分に向けて発信されたフィードバックである」と認識しやすくなります。

また、直接伝えることは相手の感情や考えを読み取る事ができ、 適切な言葉選びや改善点を指摘するタイミングを見極めることができます。

3.フィードバックはできるだけ早く行う

自分自身の成長に意欲的な部下は、振り返り作業を迅速に行なう傾向がみられます。そのため、フィードバックが遅れてしまうと、実行結果から改善点を見出すことが難しくなってしまいます。

フィードバックは成長や改善に向けた提案です。被評価者が振り返り作業を行うタイミングに合わせてフィードバックを行なうことで、被評価者もフィードバック内容を受け入れやすく、すぐに改善行動に移ることができます。

フィードバック時の注意点

フィードバックは過去に焦点を当て、被評価者の改善点や問題点を指摘し、改善を促す人材育成方法です。一方で、被評価者に心理的な負担を与え、ネガティブな感情を生み出す恐れもあります。

また、評価者の主観がフィードバックに反映されることも少なくありません。そのため、フィードバックを実施する際は以下の点に注意することが大切です。

客観性・公平性の担保

フィードバックは、客観性と公平性を担保しなければ被評価者に誤ったメッセージを送ってしまいます。そのため、フィードバックする内容は、客観的事実に基づいた内容に絞った上で、上司の考えや意見を反映させるようにしましょう。双方で共有されていない目標や情報を一方的にフィードバックする行為は、著しく客観性・公平性を欠いたものになるため、注意が必要です。

フィードバックには、360度評価を取り入れることも有効です。上司、部下、同僚など多面的な方向からフィードバックを行なえるため、客観性の高いフィードバックが期待できます。しかし、部下が上司を評価する場合、部下に心理的負担を強いてしまう、同僚同士の談合による不正が発生するなどのデメリットへの考慮も必要です。

フィードバックを受け入れやすい環境の構築

フィードバックは、被評価者の特性や考え方によって効果が大きく変動します。また、組織の風土やあり方もフィードバックの効果に強く影響してしまいます。フィードバックは評価者・被評価者によっては、ハラスメントに発展するケースや、仲間意識の喪失、信頼関係の崩壊にもつながりかねません。

従業員エンゲージメント(企業と従業員との信頼関係)の向上や助け合いの精神を前提とした仲間意識の醸成、コミュニケーションを円滑化する風通しの良い企業風土の構築は、より良いフィードバックを行なうために必要な環境といえます。

このような環境が部下の仕事や想いに興味を示す、部下の自己評価に耳を傾けられる管理職(管理者)を生み出し、同時に指摘や指導を前向きに受け入れられる部下を生み出すことができます。

フィードバック時の態度

フィードバック時の態度や言動を間違えば、評価者と被評価者との信頼関係は一気に崩壊してしまいます。フィードバック時の評価者には必ずと言っていいほど心理的な負担が生じます。そのため、フィードバックを始める場合は趣味の話や会社・仕事に関する共通の話でアイスブレイクを行い、場の雰囲気を和らげましょう。

また、フィードバック前の労いの言葉も、アイスブレイクとしては有効です。フィードバックは過去の結果や露呈した問題点への指摘が中心となります。結果はともあれ、目標や課題に果敢に取り組んだ姿勢そのものを労うことで、両者の間に仲間意識を醸成することが可能です。

そして、フィードバック時には普段から使用している言葉を使い、評価者の指導方針を終始一貫させることで、フィードバックの内容に納得感・説得力をもたせます。「ダメ出し」と受け取られる危険が高い「上から目線」や、部下への迎合を促す「下から目線」を使うことなく、あくまで「上司からの目線」を徹底しましょう。

【関連】アイスブレイクの意味や目的とは?会議や研修、採用面接で使える手法をご紹介 / BizHint HR

フィードバックにかわる“フィードフォワード”とは

フィードフォワードとは、フィードバックの対となる人材育成手法で、未来完了形の自己変革を目的とした指導方法です。フィードバックに代わる人材育成方法としても注目されており、未来に焦点を当てることで、被評価者の自主性や前向きな姿勢を醸成することができます。

コーチングや業務のワークフローと併用されることも多く、組織に所属するメンバーの助け合いの精神を前提としているため、組織内のコミュニケーションの円滑化、客観性の担保、組織としての結束力の強化にもつながります。個人の成長だけでなく、組織の成長にもつながり、現場の人材育成能力にも効果が期待できます。

フィードフォワードとフィードバックは以下の点で違いが挙げられます。

項目 フィードバック フィードフォワード
時間軸 過去・現在 未来
着眼点 問題、誤り、欠点 解決策
内容 ダメ出しや指摘 前向きなアイデア
評価の性質 主観的 客観的
考え方 上下関係など関係性を重視 助け合い

【関連】フィードフォワードとは?意味やフィードバックとの違い、活用方法とは?/BizHint HR

フィードバックについて学べる参考書籍の紹介

フィードバックは、優れた人材の育成を目指す組織にとって、欠かせない人材育成手法ですが、すぐに実践できる機会も多いため、かえって改善が難しい手法でもあります。今回はフィードバックを効率的に学べる、おすすめの書籍をご紹介いたします。

フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術

東京大学大学総合教育研究センター准教授である中原淳氏がビジネスシーンにおけるフィードバックに焦点を当てて執筆した書籍です。フィードバックの基礎理論から実践的ノウハウまでビジネス向けにまとめられており、フィードバックの入門書として理解しやすいのが特徴的です。

人的資源開発論と経営学習論という専門性を活かした、現代組織におけるフィードバック部下育成法を学ぶことができます。

【参考】amazon フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術

ハーバード あなたを成長させるフィードバックの授業

全米70万部を突破した『話す技術 聞く技術』の著者で、米ハーバード大学ロースクールの講師であるダグラス・ストーン氏とシーラ・ヒーン氏が手掛けた、評価者・被評価者両者を対象としたフィードバックの書籍です。上司からのフィードバックを、自分の成長につなげるための傾聴方法や真意の汲み取り方、フィードバックに対する考え方を中心に紹介してくれています。

管理職(管理者)になったばかりの方や上司からのフィードバックを受け止められない方におすすめの書籍です。

【参考】amazon ハーバード あなたを成長させるフィードバックの授業

はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック

「はじめてマネジャーになる人」を対象にした、フィードバックの実践を促す書籍です。フィードバックをイラストや図でわかりやすく解説している他、フィードバックのフレーズや会話例まで収録されているので、評価者になったばかりの方におすすめです。また、会話の内容から部下のタイプを分析し、タイプ別に向けたフィードバックの方法まで紹介してくれています。

フィードバックに向けた事前準備やテクニックも紹介してくれているので、部下へのフィードバックに悩んでいる管理職(管理者)の方全てにおすすめしたい書籍でもあります。

【参考】amazon はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック

シリコンバレー式 最強の育て方 ― 人材マネジメントの新しい常識 1 on1ミーティング―

効果的なフィードバックを行なうためには、評価者と被評価者の間に信頼関係が構築されていなければいけません。本書では、1on1のミーティングの中で、どのように部下と信頼関係を構築し、部下の成長を支援していくかを紹介してくれています。1on1ミーティングの重要性を説きながら、部下との信頼関係を醸成できる具体的なフィードバック方法を紹介し、1on1ミーティングの始め方やスケジューリングまで学べる書籍です。

フィードバックを実践したいマネジャーの指南本としも最適です。

【参考】amazon シリコンバレー式 最強の育て方 ― 人材マネジメントの新しい常識 1 on1ミーティング―

まとめ

  • 結果から改善に向けた情報を読み取り、自分自身や部下の成長を促すフィードバックは、今後もあらゆるビジネスシーンで活用されていきます。
  • しかし、人材育成分野でのフィードバックは成長への礎となると同時に、仲間意識や信頼関係、モチベーションにネガティブな影響を与えてしまう可能性もあります。
  • 評価者は指導方針に終始一貫性を持たせ、普段から信頼関係を構築した上で、部下指導を行なわなければいけません。

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