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2017年10月5日(木)更新

クリエイティブシンキング

ビジネスパーソンに必要なスキルのひとつにクリエイティブシンキングがあります。今回はクリエイティブシンキングをテーマにその内容とロジカルシンキングとの違い、実践していくためのツールを紹介します。

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クリエイティブシンキングとは?

クリエイティブシンキングの基本的な概念は、「枠組みにとらわれないアイデアを生み出す自由な発想」です。クリエイティブシンキングは、ひらめきやイメージ(感性)といった人間の柔軟な思考のなかで考えられているため、おもに右脳を使って考える思考プロセスであると言われています。

ものを創り出すときには、アイデアを生み出す発想力が必要になります。例えば川に橋を架けるプロジェクトがあったとして、橋はどんなデザインがいいか、カラーは何色がいいか、など、思考は水平的に広がっていきます。クリエイティブシンキングの思考は水平(水平思考)に拡散させて考えていくものです。

ビジネスで必要とされる3つの代表的思考プロセスには、クリエイティブシンキング(創造的思考)のほかに、ロジカルシンキング(論理的思考)とクリティカルシンキング(批判的思考)があります。ロジカルシンキングは論理的に考える思考スキル、クリティカルシンキングはロジカルシンキングを支える批判的思考マインドであるといわれています。

クリエイティブシンキングの必要性

これまでビジネスの場面では、課題に取り組む際にロジカルシンキング(論理的思考)が多用されていました。ロジカルシンキングは「効率化」と「合理化」を追求する思考プロセスでもあります。

しかし市場は成熟し、顧客ニーズが多様化しています。そのような時代背景があることから、ロジカルシンキングでは切り捨てられてしまう「理論だけでは割り切れない考え」や、ロジカルシンキングだけでは見つけることができないアイデアを生み出す力が必要であるという流れが起こっています。つまり、イメージや感性を活用した自由な発想から生まれるクリエイティブシンキングが求められる時代になっているのです。

ロジカルシンキングとの違い

クリエイティブシンキングを考える時、ロジカルシンキングとの違いを理解することが重要です。2つの考え方は企業が発展していくために必要で、従業員にスキルとして身につけさせることは大きな課題となります。

ロジカルシンキングとは

ロジカルシンキングとは論理的思考という意味で、物事を整理、分析して考えることを指します。たくさんの事実やデータから正しい答えを導き出す考え方がロジカルシンキングです。

具体例として、川に橋を架けるプロジェクトでロジカルシンキングをつかったケースを考えてみましょう。まず、たくさんのデザインやカラーバリエーションを今回のプロジェクトの前提、規定、条件をもとに検証します。そして、なぜこのデザインなのか、どうしてこのカラーなのかを理論的に整理、分析していきます。最後に、今回のプロジェクトにおいて正解である橋のデザインとカラーを決めます。

このような流れでロジカルシンキングは回答を求めて直線的で垂直にプロセスが進んでいきます。理論的に進行するロジカルシンキングは、おもに左脳を使って考える思考プロセスであると言われています。

「拡散思考」と「収束思考」

クリエイティブシンキングの思考プロセスは、「拡散思考」と言われています。「拡散思考」とは、アイデアを考えるときに前提、規制、条件は考えずに、自由に数多くアイデアを出していく思考法を指します。アイデアを考えるときにはひらめきやイメージ、楽しさや面白さを重視し、結論や理由を考えません。

一方、ロジカルシンキングの思考プロセスは「収束思考」と言われています。「収束思考」とは、多くの情報から正しい回答を決めていく思考法を指します。前提、規制、条件を設けて、理由を考えながら結論を求めます。結果としてロジカルシンキングは、「効率化」と「合理化」を追求していくことになります。

【関連】ロジカルシンキングの意味とは?トレーニング方法やおすすめ本をご紹介 / BizHint HR

クリエイティブシンキングのツール

多くの業務には過去からの慣習やルールが存在します。慣習やルールにとらわれず、クリエイティブシンキングの思考をつかって斬新で自由なアイデアを数多く出すためには、ツールの活用が解決策となります。ここではクリエイティブシンキングのツールを4つ紹介します。

ブレインストーミング

ブレインストーミング(ブレスト)とは、課題を一人で考えるのではなく、集団で考えアイデアを出し合う方法です。ブレインストーミングを活用することで、連鎖反応が起こり、メンバーの発想力がプラスに働き、数多くのアイデアが出ることが期待されます。参加メンバーは次の4つのアクションを起こす必要があります。

判断や結論を語らない

ブレインストーミングでは、提案されるアイデアに対して判断や結論を語るのは避ける必要があります。判断や結論を語るメンバーが出現することで、ブレインストーミングの発言に制限と規制が入ってしまい、批判を受ける可能性が少ない、無難で創造性の乏しい意見が積み上げられていく可能性が高くなってしまいます。

斬新で自由なアイデアを重視する

今までの慣習やルールにとらわれないユニークなアイデアや粗削りで奇抜に思えるアイデアでも、一笑に付すことなくキャッチしていく姿勢が大切です。

アイデアの量を重視する

クリエイティブシンキングの思考プロセスでは、拡散的思考に基づきアイデアの量を重視します。ブレインストーミングの場面では、集団で大量のアイデアを出すことが望まれます。

集団で連鎖反応を起こしアイデアを結合する

集団から出てくるアイデアに自分のアイデアをプラスしたり、個々のアイデアを結合して新たなアイデアを生みだす提案も参加メンバーに奨励されます。

SCAMPER

SCAMPERとは、課題に対してアイデアを考える指標となる7つの視点(チェックリスト)を指します。SCAMPERは7つの視点の頭文字になります。ビジネスパーソンがおもに個人の作業でSCAMPERをもとにアイデアをチェックすることで、クリエイティブシンキングを有効に機能させることができます。

SCAMPER の活用法は、以下の7つの視点から課題に対して当てはまる視点にチェックを入れます。チェックした視点をベースにアイデアを考えていき、例えば3つの視点にチェックができたなら、9個以上のアイデアを考えていくようにします

  • Substitude (代替・代用)
  • Combine (結合)
  • Adapt (応用)
  • Modify (変更・修正)
  • Put to other purposes (転用)
  • Eliminate (削減)
  • Rearrange/Reverse (組替/逆転)

ルールブレイキング

ルールブレイキングではまず、認識していない前提や固定概念に支配されているという理解からスタートします。

前提や固定概念はクリエイティブシンキングの妨げになる思考です。自分が前提や固定概念に支配されているという自覚を持ち、支配している前提や固定概念が何なのかを検証します。

次に、これから考えていく課題を明確化して、前提や固定概念を消し去ったうえで、クリエイティブシンキングの思考プロセスをスタートします。ルールブレイキングを採用することで、クリエイティブシンキングの自由奔放な創造的発想力を向上させることができます。

アフィニティダイヤグラム

アフィニティダイヤグラムは、日本語で親和図とも呼ばれるツールです。このツールでは、参加者がたくさんのアイデアを出し合いながら、相互関係のあるアイデアを分類していきます。その結果、課題を解決するためのイメージが言葉になって浮かび上がってきます。

アフィニティダイヤグラムのすすめかたは、まず参加者がポストイットやメモなどに個々にアイデアを文章にして記入していきます。このとき参加者はできるだけ多くのアイデアを出すことを心掛けます。次に、参加者が記入したアイデアを持ち寄って、相互関係や特徴を話し合いながら、共通点があるものや関連性のあるアイデアをグループごとにまとめていきます。

参加者がアイデアを話し合いながら整理する過程で、枠組みにとらわれないアイデアを生み出すクリエイティブシンキングを自然に実行していくことになります。

2つの思考を使い分けることが重要

クリエイティブシンキングで生まれたたくさんのアイデアを整理・分析して、論理的に正しい答えを導きだすためには、ロジカルシンキングが必要となります。つまり、2つの思考をうまく組み合わせることが重要なのです。

クリエイティブシンキングが必要なビジネスシーン

新たなことを始めるビジネスシーンでは、最初のステップでクリエイティブシンキングの拡散的思考、創造的発想力が必要です。具体的には、「新商品の開発」「新規事業の計画」「既存業務の改革」などのビジネスシーンがクリエイティブシンキングに適しています。

ロジカルシンキングが必要なビジネスシーン

ロジカルシンキングは、ビジネスにおいて創造的なアイデアを出すステップを除くすべての場面で必要なスキルです。拡散的思考で自由奔放に集められた無数のデータやプランに前提、規制、条件を当てはめ、理論的にまとめ上げる収束的思考があらゆるビジネスシーンのステップで必要となります。

2つの思考を使い分けるスキルをもった従業員の育成

顧客ニーズが多様化し、成熟化した現在の日本において、イメージや感性を刺激する商品やサービスを提供することが企業に求められています。企業はクリエイティブシンキングをベースにした自由な発想力を持ち、かつロジカルシンキングで理論的に正しい回答を導き出せる2つの思考を使い分けるスキルをもった従業員を育成する必要があります。

参考文献

企業が発展していくためにはクリエイティブな発想が必要です。クリエイティブな企業であるためには、従業員の思考に創造的発想力をプラスするよう努めていく必要があります。

例えば、人事部教育担当者が自らクリエイティブシンキングを学ぶとともに、クリエイティブシンキングをテーマにした創造思考力育成プログラムなどを具体的に企画して研修を行い、クリエイティブシンキングのスキルをもった従業員を増やしていくのも有効です。

ここでは、クリエイティブシンキングを学び創造思考力を高めてビジネスに役立てていくために、参考になる書籍を3冊紹介します。

『クリエイティブ・シンキング―創造的発想力を鍛える20のツールとヒント』

クリエイティブシンキングのスキルを実践に活かすためのツールとヒントが書かれたバイブル的書籍です。特徴として、クリエイティブシンキングの思考法を鍛えるための練習問題が掲載されていて、文章を読むだけではなく、より実践的に創造思考力を身につけられるように構成されています。

著者の松林 博文氏は、ミシガン大学大学院(MBAコース)を1998年卒業。ジョンソン・プロフェッショナルで企画関連マネジャーの経験があります。

クリエイティブ・シンキング―創造的発想力を鍛える20のツールとヒント

『クリエイティブシンキング入門』

創造的思考の専門家として世界的に有名なマイケル・マルハコ氏が著したクリエイティブシンキングの入門書。クリエイティブシンキングの基本的な思考法を学ぶことができます。マイケル・マルハコ氏は、米国軍に在籍し創造的思考を研究したのち、CIAでクリエイティブシンキングをレクチャーした人物で、現在も米国政府や民間大企業でセミナーを行っています。

書籍には、100以上のエピソードやトレーニング問題が掲載されていて、クリエイティブシンキングの発想法が身につくように構成されています。レオナルド・ダビンチをはじめとする世界的な偉人たちの思考法をクリエイティブシンキングと紐づけて紹介するなど、興味を誘うインパクトのある内容が特徴的です。

クリエイティブシンキング入門

『佐藤可士和のクリエイティブシンキング』

現在の日本を代表するクリエイターである佐藤 可士和 氏の発想や思考法を本人自ら著した書籍です。トレンドを発信して街や企業の発展の起爆剤となり続けている、佐藤 可士和 氏のクリエイティブシンキングのスキルアップ方法と実践方法が紹介されています。

佐藤 可士和 氏は、多摩美術大学グラフィックデザイン科卒のアートディレクター、クリエイティブディレクター。国立新美術館のシンボルマークデザイン。ユニクロ、楽天、丸の内エリアのクリエイティブディレクションなど、今最も時代のトレンドを発信するクリエーターのひとりです。

佐藤可士和のクリエイティブシンキング

まとめ

  • クリエイティブシンキングは、成熟化して多様な顧客ニーズがある日本の市場の中で、「イメージや感性に刺激を感じるもの」を創造していくために必要なスキル。
  • クリエイティブシンキングを考える時、ロジカルシンキングとの違いを理解することが必要。
  • クリエイティブシンキングのツールには、ブレインストーミング、SCAMPER、ルールブレイキングなどのツールが有効。
  • クリエイティブシンキングとロジカルシンキングの2つの思考を使い分けることが重要。

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