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2018年4月17日(火)更新

オーナーシップ

オーナーシップとは、個々の従業員が自らに与えられた仕事や自身が属する組織と向き合う際の姿勢や関係性を表す言葉です。オーナーシップを持っている従業員は、自分に課せられた課題やミッションの達成に向けて当事者意識を持って取り組むことができます。組織力向上や次世代リーダー育成環境の構築など数多くのメリットを与えてくれるオーナーシップを組織内で育むために必要な情報やノウハウを、意味や例文、リーダーシップとの違い、オーナーシップを持つ(持たせる)メリットなどの項目に整理して分かりやすく解説いたします。

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オーナーシップとは

オーナーシップとは、個人が目の前に存在している課題やミッションに対して当事者意識を持って向き合う姿勢のことです。
ビジネスシーンでは、『個々の従業員が自らに与えられた仕事や役割、自身が属する組織と向き合う際の姿勢や関係性』という意味で扱われています。

オーナーシップの英語表記と日本語での意味

オーナーシップは英語でownershipと表記します。
また、ownershipという英単語には『所有権』、『所有者』、『責任感』、『当事者意識』などの意味が含まれています。

オーナーシップを使用した例文

オーナーシップ(ownership)という言葉には複数の意味が含まれているため、ビジネス用語として使用する場合にはどのような意味を含ませているのかを相手に正しく伝える必要があります。
異なる意味で使用されている複数の例文を通し、オーナーシップの使い方と受け入れ方をマスターしましょう。

【オーナーシップを使用した例文】

  • 株主は会社の所有者としてのオーナーシップ(所有者)と配当金として受け取る権利としてのオーナーシップ(所有権)を持ち合わせている
  • 開発途上国の経済や社会を発展させるためには、国際社会のサポートや援助国からの人材派遣、技術協力だけでなく、開発途上国の国民一人ひとりがオーナーシップ(当事者意識)を持って自国の抱えている課題や問題に向き合う必要がある
  • オーナーシップ(責任感)を意識することによって、適度な緊張感と高い集中力を維持しながら仕事に取り組むことができる

オーナーシップとリーダーシップの違い

オーナーシップと似た性質を持つ言葉にリーダーシップがあります。
この2つの人材要素はいずれも強い組織を作り上げるために必要なものですが、混同してしまってはその効果を十分に得ることができません。

『要素に求められる役割や効果』と『活用タイミング』という2つの視点からオーナーシップとリーダーシップの違いを学び、その違いと関係性を正しく理解することによって、人材育成や自己研磨などに活かしていきましょう。

要素に求められる役割や効果の違い

リーダーシップは組織や部署、プロジェクトチームなど複数の人材で構成されるグループのメンバーが迷うことなく正しい方向へ向かって突き進むことができるようにサポートするための能力です。
リーダーシップには『活動を通して目指すべき理想像の作成』、『理想像実現のために解決するべき課題の洗い出し』、『個々のメンバーの人材特性の把握と役割分担の最適化』、『メンバーの活動がスムーズに行えるようにするためのサポート』などの効果が期待されています。

一方、オーナーシップは自分に与えられた課題やミッションをいかにして達成するかという点に向き合うための能力です。
オーナーシップには『与えられた役割に対する本質的理解』、『自身のパフォーマンスの把握』、『得意分野と苦手分野の認識』、『社内外の人脈を活用した解決方法の模索』などの効果が期待されています。

オーナーシップは個人の持つ能力を最大限に活用することを可能にする要素であるため、自身の決断や行動によって結果や成果に影響を与える様々なシチュエーションで活用することができます。
企業経営者や管理職、プロジェクトリーダーなどリーダーシップを必要とされる人材がオーナーシップも保有することによって、『リーダーである自分が今行うべきことはなにか』という問いに真剣に向き合い、リーダーシップの効果を最大限にまで高めることが可能となるでしょう。

活用タイミングの違い

リーダーシップはその名の通り、自身が組織や部署、プロジェクトチームなどのグループを率いることになった際に発揮する能力です。
ただし、リーダー以外のメンバーも一定のリーダーシップを保有しておくことで、リーダーとの認識の共有や連携がスムーズとなり、グループ全体の生産性を大きく向上させることが可能となります。

それに対し、オーナーシップは組織内の全従業員が常に発揮させておくことで、より多くの成果を生み出すことができます。
また、個々の従業員がオーナーシップを持って自分の職務に向き合うことで、新たな課題の発見や作業プロセスの最適化、イノベーションの創出などの実現可能性が大幅に高まります。

【関連】「リーダーシップ」の意味とは?定義や理論、代表的なスタイルをご紹介 / BizHint HR

オーナーシップを持つ(持たせる)メリット

人材育成や自己研磨によってオーナーシップを持つ(持たせる)メリットには次のようなものがあります。

  • 研修効果や育成効率の向上
  • 従業員や社員のパフォーマンスの最大化
  • 従業員満足度の向上
  • 次世代リーダー育成環境の構築
  • 顧客満足度の向上
  • 組織力やチーム力の向上
  • グローバル化によって発生するリスクの最小化

研修効果や育成効率の向上

人はオーナーシップを持つことで「自分の言動が課題やミッションの達成にどのような影響を与えるのか」ということに対し、これまで以上に強い興味を示すようになります。
そして同時に、「どのように改善していくことでより良い結果を得ることができるのか」ということを考えるようになります。

自分自身に向き合うきっかけを生み出すこの2つの感情は、その人物の成長速度に大きな影響を与えます。
人材育成の初期段階においてオーナーシップを身につけさせることによって、その後の研修効果や育成効率を大幅に向上させることができるでしょう。

従業員や社員のパフォーマンスの最大化

オーナーシップを持つことで得られる『自身のパフォーマンスの把握』や『得意分野と苦手分野の認識』などの効果は、その人物のパフォーマンスを最大化させるために大いに役立ちます。
具体的には次のような二次的効果を得ることができます。

  • 自分の限界を正しく把握することで挫折によるモチベーション低下を防ぐことができる
  • 得意分野を正しく認識することで効率よく作業を進めることができる
  • 苦手分野を正しく認識することで周囲からのサポートを適切に受けることができる
  • 一人で抱え込んだり、挫折する回数が激減する
  • 成功体験を重ねることで自信とやり抜く力を身につけることができる
  • 経験回数に比例して自己分析の精度が高まっていく

これらの二次的効果が好循環を生み出すことで、オーナーシップ保有者のパフォーマンスを加速度的に高め、常に最高のパフォーマンスを発揮することが可能となるでしょう。

従業員満足度の向上

全ての社会人が自身にとってのライフワーク(天職)を見つけ、その仕事に全力を注ぐことが理想ではありますが、現実はなかなか上手くいきません。
なぜなら、多くの人たちは自分にとってのライフワークが何なのかを把握しておらず、多くの人材と向き合ってきたベテラン人事担当者であっても他人のライフワークを正確に見極めることは困難だからです。

このような条件のもと、全従業員の従業員満足度を満遍なく高めることは限りなく不可能です。
しかし、従業員一人ひとりにオーナーシップを持ってもらうことによって、『仕事に対するやりがい』や『組織内における自分の存在意義』、『自分らしい働き方の発見に繋がるヒント』を与えることができます。

オーナーシップを通じてこの3つの要素を与えることで、従業員たちは長い就業人生をより充実した気持ちで過ごすことが可能となります。
オーナーシップの取得と意識改革に向けた的確なサポートを行うことによって、全従業員の従業員満足度を向上させることができるでしょう。

【関連】従業員満足度とは?上げる方法と、向上事例・施策をご紹介 / BizHint HR

顧客満足度の向上

オーナーシップを持った従業員は、『自分の仕事を通じてお客様がどのような感情を抱くか』や『お客様が自分に求めていることは何か』ということを考えながら仕事をすることができるようになります。
そして、顧客ニーズを的確に捉えた商品やサービスの開発を組織内で提案し、市場に向けて次々と提供していきます。

当事者意識で仕事に向き合うということは、その仕事の延長線上に存在する自社製品の購入者や自社サービスの利用者の立場に立って質の向上に努めるということです。
トップマネジメント層や各部署の責任者だけでなく、全ての従業員がオーナーシップを持って仕事に取り組むことによって、顧客満足度を大幅に向上させることが可能となるでしょう。

次世代リーダー育成環境の構築

昨今、多くの企業が特に力を入れて取り組んでいるのが次世代リーダーの育成です。
オーナーシップは次世代リーダー育成環境の構築にも大きな力を発揮します。

オーナーシップを身につけた次世代リーダー候補者は、組織の未来を自分事のように考えることで経営者マインドを本質的に理解することができるようになります。
また、オーナーシップを身につけた次世代リーダー候補者以外の従業員は、創業者やトップマネジメント層の思想や方針を正しく理解し、自らの意思で次世代リーダー候補者の成長を全力でサポートするようになります。

このように、全従業員に対して意識的にオーナーシップを身につけさせることで次世代リーダーの育成に有利な環境を構築することができるでしょう。

【関連】次世代リーダーを育成するには?プログラム計画のポイントや必要な要素をご紹介 / BizHint HR

組織力やチーム力の向上

『個々のパフォーマンスを高めることによって組織力やチーム力を最大限にまで高めることができる』という話を耳にすることがありますが、それは半分正しく半分誤りです。
なぜなら、どれだけパフォーマンスを高めたとしても組織やチームが進むべき方向性に対する共通の認識を持ち合わせていなければ最高レベルの推進力を生み出すことはできないからです。

組織やチームは、全ての構成員が『方向性に対する共通の認識』を持ち、『自分にできることとできないこと』を真剣に考え、『課題やミッションの達成に向けてあらゆる手段を講ずる』ことによってはじめて最高の力を発揮することができます。
オーナーシップを身につけることで組織やチームの行く末を自分事のように考え、今の自分にできる精一杯の努力を行うようになった構成員たちは、『上司と部下』や『先輩と後輩』などの精神的垣根を超えて協力し合い、組織力やチーム力を最大限に高めてくれる強い推進力として活躍してくれることでしょう。

グローバル化によって発生するリスクの最小化

近年、多くの企業が海外市場へと進出し、人材の多国籍化を進めています。
しかし、このようなグローバル化の裏には多くの課題やリスクが潜んでいます。

  • 海外子会社のガバナンス強化
  • 本社と海外子会社の連携体制の構築
  • 地域固有文化の破壊防止策の検討と実施
  • ダイバーシティ(多様性)の受容と推進

文化や思想、生活習慣が大きく異なる人材を一つにまとめることは容易ではありません。
なぜなら、まとめようと考えるその発想自体が『ダイバーシティの受容』に反しているからです。

この困難課題を解決へと導き、グローバル化によるリスクを最小化してくれるのがオーナーシップです。
オーナーシップの活用によって、現地の従業員は日本企業の一構成員という意識のもとで現地のニーズに真剣に向き合うことが可能となります。
また、本社側の人間も現地の従業員が大切にしている文化や思想、生活習慣を第一に考えながらプロジェクトを進めていけるようになります。

このように、リスクマネジメントの現地化や本社との認識共有を実現させることによって、様々な課題を克服しながらリスクを最小化した状態でグローバル活動を進めることができるでしょう。

【関連】ダイバーシティの意味とは?経営推進のポイントから企業事例もご紹介 / BizHint HR

オーナーシップを育成する方法

オーナーシップは第三者の指導を受けることによって身につくスキルではありません。
なぜなら、どれだけ周りの人間がオーナーシップの重要性を説いたとしても、育成対象者本人が仕事や組織に対して当事者意識を持って真剣に向き合う気持ちを抱かなければ、本当の意味でのオーナーシップは身につけることはできないからです。

しかし、トップマネジメント層や人事部の人間が組織内人材のオーナーシップ獲得に対して無力であるかといえばそんなことはありません。
トップマネジメント層や人事部の人間は、その立場や権限を活かし、『オーナーシップに関する正しい知識を身につける機会の提供』や『オーナーシップが育ちやすい環境の構築』などの形でオーナーシップ育成に関わることができます。

オーナーシップに関する正しい知識を身につける機会の提供

日本人はアメリカ人など海外の人たちに比べて仕事に対する責任感が強いといわれています。
しかし同時に、目標を達成するために協力を求め、他人の力を利用する能力が弱いともいわれています。

オーナーシップにおける責任感とは、『どのような悪条件であっても自分一人の力だけで解決させる』ことではなく、必要に応じて周囲に助けを求めるなど『自分の決断と行動によって目の前の課題やミッションを達成する』ことです。
このことを正しく理解していない状態では、オーナーシップが身につかないだけではなく、周囲との連携を一切行わない人材に育ちかねません。

社員研修や企業経営者の声を通じてオーナーシップという言葉に含まれる『当事者意識』や『責任感』の正しい意味を伝えることで、組織内人材は本当のオーナーシップを理解することができるでしょう。

一定の権限を委譲し、試行錯誤を行える環境を構築する

個々の従業員が自身のパフォーマンスを把握し、得意分野や苦手分野を認識するためには多くの実践的経験を積ませることが最も効果的です。
そのため、オーナーシップを身につけてもらいたい育成対象者に対して一定の権限を委譲し、試行錯誤を行える環境を構築していきます。

この権限委譲は『決断範囲や行動範囲の拡大によるトライアンドエラーの機会増加』を目的としているため、従業員の決断ミスや行動ミスによって顧客や取引先企業が不利益を被ることがないように十分なサポート体制を構築しておく必要があります。
育成対象者へのサポート回数の減少や決断内容の精度向上を通じて、育成対象者のオーナーシップが高まっていくことを実感することができるでしょう。

【関連】権限委譲の意味とは?責任や権限の委譲などの正しい方法 / BizHint HR

風通しの良い組織風土を構築する

風通しの良い組織とは、『仕事に関する様々な情報が組織内で共有されており、部門や役職、年齢などの垣根を越えて互いにサポートし合える関係性が構築された組織』のことです。
このような風通しの良い組織を作り上げることで、「組織全体の力を活用して自分に与えられた課題やミッションを達成する」という意識を身につけることができます。

組織内部の力を使用して課題やミッションを達成することができるようになることで、少しずつ組織外部の力も活用することができるようになっていきます。
風通しの良い組織風土を構築することによって、あらゆる手段を講じて目の前の壁を乗り越える力を身につけることが可能となるでしょう。

【関連】組織風土とは?意味と改善方法、組織風土改革の企業事例をご紹介 / BizHint HR

まとめ

  • オーナーシップとは、個人が目の前に存在している課題やミッションに対して当事者意識を持って向き合う姿勢のことである
  • オーナーシップ(ownership)という英単語には『所有権』、『所有者』、『責任感』、『当事者意識』など複数の意味が存在するが、企業経営者や従業員の視点では主に『責任感』や『当事者意識』という意味で扱われている
  • オーナーシップとリーダーシップを混同することなく、それぞれの役割や効果、活用タイミングを理解することによって、人材育成や自己研磨の効果を最大化することができる
  • オーナーシップを組織内の全従業員に身につけさせることで、組織は数多くのメリットを享受することができる

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