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2018年10月23日(火)更新

社内コミュニケーション

社内コミュニケーションの活性化は企業にとって大変重要な課題です。社内コミュニケーションの不足は、業務効率の低下やコンプライアンス意識の低下、そして若手社員の離職につながるなど企業に深刻な打撃を招きます。企業を取り巻く環境や働く人の生活スタイルが急速に多様化する現代においては、その変化にマッチするよう社内コミュニケーションの在り方やその方法について絶えず留意することが重要です。

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社内コミュニケーションの現状

このように企業にとって重要な社内コミュニケーションですが、職場の「飲みニケーション」に代表されるように社員任せになっている、あるいは、企業としてその重要性は認識していても実際の業務に忙殺されて後回しにされていると感じている方も少なくないのではないでしょうか。

社員間のコミュニケーション

実際、社員だけでなく、図表1のとおり、大企業、中小企業を問わず7割以上の企業が「社内コミュニケーションに課題がある」と認識しており、これは社会全体にとっても大きな課題となっていると言えます。

【図表1】社内のコミュニケーションに課題があると思うか

※左軸は社員数による企業規模

【出典】【HR総研】社内コミュニケーションに関するアンケート

次に、その課題について図表2をご覧ください。同じ場所で働く人の間では比較的コミュニケーションが取れているものの、部署と部署との間(横の組織的繋がり)、経営層と社員との間(縦の組織的繋がり)に大きな課題があることがわかります。 つまり、組織的な縦横のコミュニケーションを改善する必要があるわけですが、これは、個人に依存する「飲みニケーション」では解消できない、組織的対応が不可欠ということでもあります。

【図表2】課題のあるコミュニケーションはどこか(全体)

【出典】【HR総研】社内コミュニケーションに関するアンケート

社内での情報共有

さらに、社内コミュニケーションの根幹を担う情報共有がうまくできていないとする企業が4割を超えており、その分析と改善方法についての検討が必要です。

【図表3】社内の情報共有は十分にできているか

【出典】【HR総研】社内コミュニケーションに関するアンケート

社内コミュニケーション低下の悪影響

社内コミュニケーションの低下は、企業活動を硬直化させ、業績の悪化に直結することは勿論ですが、そこで働く社員個々にとっても心の病が起きやすくなるなど健康へ悪影響を及ぼし、ひいては、企業の社会的責任を問われかねません。

図表4は、メンタルヘルス不調者が現れる原因について事業所がどのように認識しているかを調査した結果ですが、「職場の人間関係」「上司・部下のコミュニケーション不足」「上司が部下を育成する余裕がない」など、社内コミュニケーションの低下が社員の健康に悪影響を及ぼすことを企業側も認識していることがうかがわれます。

【図表4】メンタルヘルス不調者が現れる原因(複数回答、%)

【出典】独立行政法人 労働政策研究・研修機構 2012年「職場におけるメンタルヘルス対策に関する調査」

以上の悪影響を反面から見れば、社内コミュニケーションの充実は、社員の健康を守るものでもあり、大きくは「働き易く活気ある社会の実現」に寄与することになります。

社内コミュニケーション活性化のメリット

それでは、社内コミュニケーションを活性化させることのメリットを考えてみましょう。大きく分けて以下の3点です。

従業員エンゲージメントの向上

風通りのよい職場となった職場は、企業と従業員が信頼し合い、互いに貢献しあう従業員エンゲージメントの高い職場へと変化していきます。

従業員のエンゲージメントを向上させることは優秀な人材を集め、離職を防ぐ方法としても有効です。

【関連】従業員エンゲージメントの意味とは?影響する要素、高めるポイントをご紹介 / BizHint HR

生産性向上やイノベーション創出に

社員に根付いた情報共有体制は、個々の悩みを軽減し、社員個々のやる気を引き出すため、全体として業務効率があがり生産性の向上が期待できます。

また、従業員参加型の企業風土が形成され、前を向いた議論や提案等の活発化していくことで、クリエイティブな発想、しいてはイノベーションの創出にもつながりやすくなります。

【関連】日本経済の課題「生産性向上」の意味や改善方法、取り組み事例をご紹介 / BizHint HR

企業リスクの低下

社員が企業理念や会社方針などを共通認識することにより、企業としての統一性が強化されます。

また、社員間の十分な情報共有や共通認識は、顧客への不統一な対応、コンプライアンス意識の低下など企業リスクを小さくすることができます。

【関連】企業が守るべきコンプライアンスとは?意味から違反事例、対策法まで徹底解説 / BizHint HR

社内コミュニケーション活性化の方法《5選》

社内コミュニケーションの改善のためには、社内報の充実など様々な方策がありますが、企業を取り巻く環境が急速に多様化する現代においては、ITの活用など、幅広く様々なツールの活用を比較検討し、自社に相応しい社内コミュニケーションについて常に留意し、見直すことが大切です。

フリーアドレス制度

「フリーアドレス制度」とは、社員の席を固定せず、都合に合わせて好きな席で業務が行えるオープンオフィス環境のことで、1980年代に日本で始まったワークスタイルです。 当初は働くスペースを有効に活用することが主眼だったため、普及には至りませんでした。近年になって業務で使用するパソコンのシンクライアント化が進み、社内インフラが整ってきたことなどから社内コミュニケーションツールとしての活用が見直されています。

「フリーアドレス制度」は、作業場所を固定しないことから、社員が流動的に動き、顔を合わせる「face to face」なコミュニケーション方法であり、社内全体の活性化に適しています。 Yahoo! JAPANでは、2016年の本社移転の際に、以下の二つを主眼に働き方改革の一環として「フリーアドレス制度」を導入しました。

  • インターネットを取り巻く環境の変化にあわせて働き方を変えること
  • イノベーションを生み出すこと

同社は、この制度導入により社内外勉強会やライトニングトークが活発化した結果、「社内外問わず人前に出てプレゼンテーションをすることでクリエイター自身の成長に大きく寄与すると考えています」とその効果を分析しています。

Yahoo! JAPAN以外では日本マイクロソフトや日本IBM 、NTTデータなど比較的社内インフラが充実しているIT系企業がフリーアドレス制度を導入しています。また、コクヨなどIT系以外の企業でも導入されるなど、働く部署を必要以上に意識しなくてもよいワークスタイルは、社内コミュニケーションを活性化する有効な方法の一つとして広がりを見せています。

【参考】YAHOO!JAPAN:「デベロッパーネットワーク全社員フリーアドレスオフィスにおけるクリエイターの働き方」

【関連】フリーアドレスとは?メリット・デメリットや成功事例などをご紹介 / BizHint HR

社内SNSの導入

社内SNSとは、グローバル対応の一環として、各拠点の人材同士が円滑でスムーズなコミュニケーションを取るために、個人向けSNSの機能を企業内専用として使いやすくカスタマイズしたSNSのことを指します。

会話と同じようなコミュニケーションがとれることが最大のメリットです。また、部署内はもちろん、他部署や他プロジェクトの社員とデスクにいても気軽にコミュニケーションをとることができます。情報共有ツールや進捗管理ツールとしての活用も可能です。

【関連】社内SNSとは?メリットや無料・有料サービスを徹底比較 / BizHint HR

チャットワークの活用事例と効果

「チャットワーク」とはインターネット上で使用できるクラウド型ビジネスチャットサービスです。パソコン以外にもスマートフォン、タブレット用のアプリもあり、インターネットに繋がればどこにいても必要な相手と気軽にチャットできます。

メールと違い、必要なことだけを「ちょっと聞く」というチャットの気軽さから、今まで「聞きにくかった」「伝えにくかった」「確認しづらかった」ことが縦横の関係をあまり意識せず意思疎通ができることから、社内全体の風通しが良くなり、社内コミュニケーションの活性化や業務の効率化が期待できます。

サイバーエージェントでは、一般的なソーシャルサービスに潜在するセキュリティ上の問題や、実際にあるソーシャルサービスのアカウント乗っ取り事件などがあったことから、ビジネス用のチャットとしてチャットワークを導入したところ、社員が気楽に利用できることから活用が進みました。特に、インターネット事業本部では、チャットワークの導入により平均で一人あたり一日1.26時間の時間削減が実現され、業務効率化に大きな効果があったとしています。

また、GREEや京都大学、病院関係などでもチャットワークを取り入れ、情報共有やバーチャルな場での議論などに活用しており、その有効性が浸透しつつあります。

【参考】チャットワーク:「ひと月あたり2万5千時間以上の業務の効率化を可能にした大手広告代理店のチャット活用法」

社内部活動の活用

社内コミュニケーションの既存対策の一つである「社内部活動」を活用し、効果を上げた企業もあります。

サイボウズでは一時期離職率が28%にも達したため、様々な人事制度改革を進めた結果、離職率は4%にまで改善されたのですが、その中で特に効果が高かったのが「社内部活動」の促進制度です。 同社では、縦割り構造の組織が横串のつながりを形成する「社内部活動」によって部署間の連携がスムーズになり、全社の業務スピードがアップするなど、離職率の低下以外の効果も得たとしています。

「社内部活動」という特徴から働く部署を超えた横のコミュニケーションが可能で、同社では、その成果の一つとして「社内恋愛や社内結婚が増えたこと」を挙げ、それを歓迎しています。

【参考】CAREER HACK:「サイボウズ青野社長に聞く、離職率を28%から4%に下げる方法」

社内公募制度・FA制度

「社内公募制度」とは、会社が部署や仕事などの募集内容をあらかじめ公開、社員自らがこれに応募して、会社と合意すれば希望する部署や仕事に就ける制度です。一定の条件を満たした社員が自分の希望する部署に自ら売り込んで異動する、部署からのスカウトにより異動できる「FA制度」というものもあります。

「社内公募制」が求人型の異動・配置システムであるのに対して、「FA制度」は求職型の異動・配置システムといえます。 これら制度は、広い意味では、社員と経営陣とが一定のルールの下で通常の人事異動シーケンスを越えたコミュニケーションにより会社組織の活性化を図るシステムでもあります。

【図表5】「自己申告制度」「社内公募制度」「FA制度」の概略

【出典】「社内公募制度」「FA制度」で適材適所の人材管理を実現する【前編】

【関連】社内公募制度とは?メリット・デメリットや注意点を一挙ご紹介 / BizHint HR
【関連】社内FA制度とは?メリット・デメリットや導入企業・事例をご紹介 / BizHint HR

メンター制度

「メンター制度」とは、上司とは別にメンター(指導者)となる先輩社員が、メンティ(後輩や部下)の相談や指導を行う制度で、1980年代に人材育成の方法としてアメリカで始まりました。日本では、バブル崩壊後、時間をかけて社員を育成する余裕がなく「新入社員が自身だけで悩みすぐ辞めてしまう」「社員が孤立し、心の病気になってしまう」などの問題が深刻化したことから、「離職率の低下」や「メンタルヘルス」に対する有効な方策として注目されています。

また、メンターのサポート範囲は業務に関することだけでなく、人間関係やプライベートな問題まで多岐に渡り、メンティの悩みや疑問の解消を促し成長を支援できることから、先輩・後輩を繋ぐだけでなく社会や組織と人を繋ぐために有効な制度である上、メンタリング終了後も部署の違う両者の関係が続く例もあり、組織的な縦の社内コミュニケーションの活性化にも繋がります。

【関連】メンターとは?メンターの意味と役割はなんなのか? / BizHint HR

高島屋が行ったメンター制度の導入事例

高島屋では、営業時間の拡大や交代休日やシフト勤務により社内コミュニケーションが希薄になった、業務の細分化によって業務の全体像や将来像が見えにくくなったなどの課題に対応するため、「メンター制度」を社員の育成の一環として導入しました。 同社では、入社4年目の社員をメンティ、入社10年ほどの他部署の課長をメンターとし、月に1回、1時間(計6回6時間)メンタニング(経験談や助言など)を行いました。

その結果として、メンティの 73%が「視野が広がった」「中長期的な視点で将来像を描けるようになった」とし、メンターの63%が人の話を聞く、理解することの重要性や自分自身の振り返りによって気づいたことがあり「自身の成長につながった」など、メンター・メンティ双方にとって有効な制度であったとしています。

【参考】ワーキングウーマン・パワーアップ会議【メンター制度表彰 優秀賞】株式会社髙島屋

まとめ

  • 社内コミュニケーションの不足は企業活動の低下を招くなど社会的課題である一方、依然として多くの企業が「問題あり」と認識。
  • 多様化する現代においては、社内コミュニケーションの在り方や活用方策に常に留意しながら見直していくことが必要。
  • 社内コミュニケーションの充実は、企業活動の活性化・リスクの低減に繋がることは勿論、大きくは「働き易く活気ある社会の実現」にも寄与。

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