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2019年1月20日(日)更新

社内コミュニケーション

社内コミュニケーションの活性化は企業にとって大変重要な課題です。社内コミュニケーションの慢性的な不足は、生産性の低下やイノベーションの枯渇、離職率の増加など、組織の健全な運営に様々な形で悪影響を及ぼします。当記事では、社内コミュニケーションの活性化を早期に実現させるために必要となる情報やノウハウを、社内コミュニケーションが重要な理由、活性化によるメリット、現状と課題、活性化の方法、成功した企業事例などの項目に整理して分かりやすく解説致します。

社内コミュニケーション に関するビジネス事例や製品の情報を受取る

なぜ社内コミュニケーションが重要なのか?

社内コミュニケーション活性化への取り組みは、社内コミュニケーションの重要性について考えるところから始まります。
一般的に社内コミュニケーションが不足している組織には以下のような共通点があるといわれています。

  • 個々の魅力を十分に活かしきれていない
  • 部門間の連携がうまく取れていない
  • ビジョンや戦略、実施目的が正しく共有されない
  • 張り詰めた空気が充満している
  • 退職者や休職者が多い

組織やチームは、お互いを理解し、支え合うことでより多くの成果を生み出すことができます。
しかし、社内コミュニケーション不足が慢性化した状態では、相乗効果を生み出すどころか従業員やチームメンバーのポテンシャルを最大限にまで引き出し、最高のパフォーマンスを発揮してもらうことすらも困難となります。

政府主導による働き方改革やダイバーシティの推進によって人材の多様性を高めたものの、十分な成果を得ることができないと悩んでいる企業の多くは、深刻な社内コミュニケーション不足に陥っていると考えられます。
変化の激しい現代社会を生き抜く組織を構築するためには、人材の多様化だけではなく、相互理解や一体感による最適化も合わせて行わなければならないのです。

社内コミュニケーション活性化のメリット

それでは、社内コミュニケーションを活性化させることのメリットを考えてみましょう。大きく分けて以下の3点です。

従業員エンゲージメントの向上

風通りのよい職場となった職場は、企業と従業員が信頼し合い、互いに貢献しあう従業員エンゲージメントの高い職場へと変化していきます。

従業員のエンゲージメントを向上させることは優秀な人材を集め、離職を防ぐ方法としても有効です。

【関連】従業員エンゲージメントの意味とは?影響する要素、高めるポイントをご紹介 / BizHint

生産性向上やイノベーション創出に

社員に根付いた情報共有体制は、個々の悩みを軽減し、社員個々のやる気を引き出すため、全体として業務効率があがり生産性の向上が期待できます。

また、従業員参加型の企業風土が形成され、前を向いた議論や提案等の活発化していくことで、クリエイティブな発想、しいてはイノベーションの創出にもつながりやすくなります。

【関連】生産性向上のために企業が行うべき施策や取組事例をご紹介 / BizHint

企業リスクの低下

社員が企業理念や会社方針などを共通認識することにより、企業としての統一性が強化されます。

また、社員間の十分な情報共有や共通認識は、顧客への不統一な対応、コンプライアンス意識の低下など企業リスクを小さくすることができます。

【関連】コンプライアンスの意味とは?違反事例や企業の対応策、背景まで徹底解説/ BizHint

社内コミュニケーションの現状と課題

社内コミュニケーションを向上させることによって多くのメリットを享受できることが分かりました。
続いて、社内コミュニケーションの現状と課題について学びましょう。

社内コミュニケーションの現状

まずは社内コミュニケーションの現状について紹介致します。

コミュニケーション不足は業務の障害となる

【出典】有効なコミュニケーション促進施策は何か /「社内コミュニケーションに関する調査」結果報告 - HR総研 / 人事のプロを支援する / HRプロ

上記のグラフは企業や団体の人事領域に関する調査・研究を行っているHR総研が229社の人事担当者に対して行った調査結果の一部です。
このグラフを見ると、ほぼ全ての人事担当者がコミュニケーション不足を健全な経営を妨げる脅威として捉えていることが分かります。

【出典】独立行政法人 労働政策研究・研修機構 2012年「職場におけるメンタルヘルス対策に関する調査」

また、2012年に労働政策研究・研修機構が公表した調査結果は、社内におけるコミュニケーション不足が生産性の大幅な低下を招く一因であることを裏付ける内容となっています。

心の病とも呼ばれているメンタルヘルスは、決して当事者だけの問題ではありません。
なぜなら、ストレス源(ストレッサー)に対する発想の転換や気分転換など個人の努力によってストレスの軽減を図ったとしても、ストレス源そのものを職場内から除去しない限り新たなメンタルヘルス不調者が次から次へと発生してしまうからです。

コミュニケーション不足が様々な形で業務の障害となることはどうやら間違いなさそうです。
では、実際にどれくらいの割合の企業が自社のコミュニケーション環境に対して危機感を抱いているのでしょうか。

多くの人事担当者が自社のコミュニケーションに課題感を抱いている

【出典】有効なコミュニケーション促進施策は何か /「社内コミュニケーションに関する調査」結果報告 - HR総研 / 人事のプロを支援する / HRプロ

上記のグラフは先述のHR総研が公表しているものです。
このグラフからは全体の74%が自社のコミュニケーション環境に対して何らかの課題感を抱いていることが分かります。

ここで注目すべきは、いずれの企業規模においても7割以上の人事担当者が「大いにそう思う」もしくは「ややそう思う」と回答していることです。
これは、社内コミュニケーションの活性化という課題が大企業特有のものではないことを示します。

中小規模の企業や会社だからといって「自分たちは従業員が少ないから密なコミュニケーションが図れているだろう」と決め付けてしまうのは危険です。
社内コミュニケーションについて客観的な分析を行い、十分に活性化されているか否かを評価することで、社内コミュニケーション不足によって起きる様々な問題を未然に防ぐことができるでしょう。

十分な情報共有ができている企業はわずか4%

【出典】有効なコミュニケーション促進施策は何か /「社内コミュニケーションに関する調査」結果報告 - HR総研 / 人事のプロを支援する / HRプロ

上記のグラフは「社内の情報共有は十分にできているか」という問いに対する人事担当者たちの回答をまとめたものです。
このグラフからは「6割の企業が情報を共有できていると感じている」や「2割の企業が情報を共有できていないと感じている」などの情報を読み取ることができます。

では、社内で情報を共有できているという回答が過半数を超えているから問題ないのかといえばそんなことはありません。
なぜなら、「十分に共有できている」と自信を持って回答することができた企業が全体のわずか4%しか存在しないからです。

社内のコミュニケーション環境に対して何らかの課題感を感じている企業の割合(7割)が、「情報共有ができていない」と「どちらともいえない」を合わせた企業の割合(4割)を大幅に超えているのも重要なポイントです。
これらの情報を整理していく過程で、これまでぼんやりとしていた社内コミュニケーションの課題が浮き彫りとなるでしょう。

社内コミュニケーションの課題と3つの流れ

【出典】有効なコミュニケーション促進施策は何か /「社内コミュニケーションに関する調査」結果報告 - HR総研 / 人事のプロを支援する / HRプロ

上記のグラフは「課題のあるコミュニケーションはどこか」について選択式で尋ねたものですが、正規社員間や非正規社員間、男女間など一般社員同士のコミュニケーションが比較的良好であると評価されているのに対し、それ以外のコミュニケーションについては多くの企業が課題感を抱いていることが分かります。

ツールの導入や制度の構築など情報を共有するための環境が整っているにも関わらず、その環境を正しく活用できていない企業は決して少なくありません。
同様に、日々のコミュニケーションやミーティングを通じて情報を共有することはできているけれど、その情報をポジティブな感情で受け入れ、フィードバックやサポートなどのアクションにまで発展させることができずにいるという企業も少なくありません。

これらの背景には、周囲に対する興味の欠如や不十分な信頼関係など数々の阻害要因が存在しています。
社内コミュニケーションの活性化を実現させるためにも、横、縦、ななめという3つのコミュニケーションの特性と発生しやすいトラブル、正常なコミュニケーションを妨げる主な要因について理解を深めていきましょう。

縦のコミュニケーション:経営者と管理職、上司と部下など

縦のコミュニケーションとは、「経営者と管理職」、「経営層と従業員」、「上司と部下」、「リーダーとチームメンバー」、「先輩社員と後輩社員」など役職や肩書、立場において明確な上下関係が存在する両者の間で交わされるコミュニケーションのことです。

縦のコミュニケーションを活性化させるためには、精神的に優位な立場となりやすい上側の人間から働きかけを行う必要があります。
自分より下側の人間に対しても自発的に「報告・連絡・相談」を行い、相手が普段と変わらない自然な姿で関われるような雰囲気を醸し出すことによって、強固な信頼関係を構築し、不安や疑念、恐怖などのネガティブな感情を払拭することができるでしょう。

【発生しやすいトラブルと主な阻害要因】

  • メンタルヘルス不調者の続出
  • ビジョンや戦略、実施目的を共有することができない
  • PDCAサイクルに現場の声や経験が反映されない
  • ヒトと組織の停滞
  • 上から下への心理的圧力
  • 評価者の主観に頼った人事評価制度
  • 自分の地位や権限を守ろうとする自己防衛意識

また、昨今話題となっているホラクラシー型組織は、縦のつながりを生み出す役職や階級といった概念を全て排除し、全社員が自分らしく活動に参加できるように権限を組織全体へと分散することによって、濃密なコミュニケーションが生まれやすいフラットな組織を実現させています。

【関連】「ホラクラシー」とは?役職のない自由な組織体制のメリット・デメリット、導入事例をご紹介 / BizHint

横のコミュニケーション:部署内、管理職や役員同士など

横のコミュニケーションとは、チームメンバー同士や管理職同士、役員同士など、同等の立場に立っている従業員同士の間で交わされるコミュニケーションのことです。
上下関係という壁が存在する縦のつながりに比べてコミュニケーションが図りやすいといわれる横のつながりですが、人事評価の際に比較対象になりやすいことから、強いライバル意識が芽生え、意図的にコミュニケーションを回避するといったケースが少なくありません。

横のコミュニケーションを活性化させるためには、仲間意識を育み、相互理解を深められるように支援する必要があります。
お互いの得意分野や長所、短所、保有スキルなどを理解し合い、苦手分野を補い合うことで、より多くの成果を生み出すことが可能となるでしょう。

【発生しやすいトラブルと主な阻害要因】

  • 連絡ミスや連携ミスが多い
  • 視点が固定化し、変化に気づきにくくなる
  • 失敗を恐れ、新たなことに挑戦しなくなる
  • 生産性向上施策の効果が現れにくい
  • 過度なライバル意識
  • 張り詰めた空気が漂う職場

斜めのコミュニケーション:部署間、拠点間など

斜めのコミュニケーションとは、自分と異なる部署や部門、拠点の人と交わすコミュニケーションのことです。
プロジェクトや社内サークルのメンバーなど、日々の業務に直接的な影響を与えない場所で普段関わることのない人達と接点を持つことも斜めのつながりに含まれます。

通常業務に関連する斜めのコミュニケーションを活性化させるためには、従業員エンゲージメントを高め、組織全体を一つのチームとして認識させる必要があります。
セクショナリズムの原因となる精神的な垣根を排除し、組織が掲げるビジョンやミッションを全従業員に浸透させることによって、個々の集団が担うべき役割を正しく認識し、組織全体のために自律的な行動を取ることができるようになるでしょう。

また、業務外における斜めのコミュニケーションにおいては互いの存在を認め合い、自身を含む多様な人材が関わり合うことで組織が成り立っているということを再認識させることが重要です。
一人ひとりが組織にとって欠かすことのできない大切な存在であることを理解することによって、個性を異質ではなく魅力と捉えることができるようになるでしょう。

【発生しやすいトラブルと主な阻害要因】

  • 心理的安全性の大幅な低下
  • 同調圧力など集団内の縦横のコミュニケーションにも悪影響
  • 集団間のトラブルや顧客からのクレームが増加
  • セクショナリズムによる縄張り争い
  • 他集団に対して非協力的な態度を取る

【関連】従業員エンゲージメントの意味とは?影響する要素、高めるポイントをご紹介 / BizHint
【関連】セクショナリズムとは?意味や対義語、原因、解消方法、対策をご紹介 / BizHint

社内コミュニケーション活性化の方法<10選>

社内コミュニケーションの活性化には数多くの方法があります。
そして、経営者や人事担当者たちは自社の特性や社内環境に適した活性化の方法を選択し、導入する必要があります。

ここでは、10の社内コミュニケーション活性化施策を実際に行っている企業事例とともに紹介致します。
個々の企業が抱えていた課題や具体的な導入方法、得られた成果を学び、自社の現状と照らし合わせることによって、自社にとって最適な社内コミュニケーション施策を選択することが容易となるでしょう。

社内SNSの導入

社内SNSとは、グローバル対応の一環として、各拠点の人材同士が円滑でスムーズなコミュニケーションを取るために、個人向けSNSの機能を企業内専用として使いやすくカスタマイズしたSNSのことを指します。

リアルタイムでメッセージを送受信でき、映像や画像を用いて説明することができるなど、会話と同じようなコミュニケーションがとれることが最大のメリットです。また、部署内はもちろん、他部署や他プロジェクトの社員とデスクにいても気軽にコミュニケーションをとることができます。情報共有ツールや進捗管理ツールとしての活用も可能です。

【関連】社内SNSとは?メリットや無料・有料サービスを徹底比較《23選》 / BizHint

企業事例:株式会社サイバーエージェント

インターネットテレビ局「AbemaTV」の運営やインターネット広告事業を主とする株式会社サイバーエージェントは、クライアントとの度重なるメールのやり取りによる効率の悪さを解消することをきっかけに、組織全体のコミュニケーション環境を改善するため、すでに一部の部署内で使用されていた「Chatwork」というクラウド型ビジネスチャットツールを組織全体に導入しました。
そしてその結果、コミュニケーションのレスポンス向上や業務効率化などの効果を得ることができました。

【具体的な導入方法】

  • 経営層から全メンバーに対して使用するように指示
  • 各部長に対し、部門内での使用率が100%になるようにとタスクを振った
  • 最初の1ヶ月は現場から様々な意見が上がってきたが推進を続けた
  • 運用の自由度を高めるため、ルールで縛るようなことはしなかった

【得られた成果】

  • 導入開始から約2ヶ月で約1,000名の使用率100%を達成
  • 平均すると一人につき一日1.26時間、月にすると3営業日分の時間削減に成功
  • 事業本部全体では月あたり約25,000時間以上の効率化を実現
  • 連携する子会社や関連会社とのコミュニケーションが特に活性化された

【参考】導入事例:株式会社サイバーエージェント / Chatwork

フリーアドレス制度

フリーアドレス制度とは、社員の席を固定せず、都合に合わせて好きな席で業務が行えるオープンオフィス環境のことで、1980年代に日本で始まったワークスタイルです。 当初は働くスペースを有効に活用することが主眼だったため、普及には至りませんでした。近年になって業務で使用するパソコンのシンクライアント化が進み、社内インフラが整ってきたことなどから、社内コミュニケーションツールとしての活用が見直されています。

作業場所を固定化しないフリーアドレス制度は、必要に応じて社員が流動的に移動し、「face to face」なコミュニケーションを取ることができる優れた施策です。IT系企業やベンチャー系企業など、変化に対して柔軟かつ迅速な対応が求められる組織が積極的に導入していることからも、社内コミュニケーション活性化に対する高い効果を期待することが出来るでしょう。

【関連】フリーアドレスとは?メリット・デメリットや成功事例などをご紹介 / BizHint

企業事例:ヤフー株式会社

日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を運営するヤフー株式会社は、2016年に本社移転を移転する際、「インターネットを取り巻く環境の変化にあわせて働き方を変えること」と「イノベーションを生み出すこと」という2つの重要課題を達成するため、本社で勤務する約5,700名もの社員全員を対象とした大規模なフリーアドレス制度を導入しました。

【具体的な導入方法】

  • エンジニアなど約500名を先行移転組として移転
  • 先行移転組の移転から約4ヶ月後、毎週約1,000名ずつ、1ヶ月をかけて約5,000人を移転
  • 座席を歩きにくいようにあえてジグザグに配置
  • 集中して作業したい人向けに1人用の座席や静かに過ごさなければならないエリアも用意
  • 貸与しているノートPCやiPhoneのWi-Fiの接続状況を利用して、社員の大まかな居場所を特定できるWebツールを提供
  • 共有の本棚や使い慣れたディスプレイを置くことのできる専用スペースを用意
  • 社員食堂も社食提供時間帯以外はフリーアドレスエリアとして利用可能に

【得られた成果】

  • 先行移転組と本格移転組の2段階に分けて実施することで、大規模なフリーアドレス制度の導入に成功
  • 社員同士のコミュニケーションが以前に比べて増加
  • 社内勉強会やライトニングトークなどのイベントが活発に行われるようになった
  • プレゼンテーション機会や交流機会を増加させることでクリエイター自身の成長にも寄与できた
  • 「活発な議論」と「静かに開発」を両立できる環境の構築

【参考】全社員フリーアドレスオフィスにおけるクリエイターの働き方 - Yahoo! JAPAN Tech Blog

社内部活動の活用

社内部活動とは、業務外の時間を使用して行われる従業員限定の部活動のことです。
一体感の醸成やストレス解消などを主な目的とする福利厚生の一環として導入したものの、半強制的に参加させることによる就業意欲の低下や参加者の高齢化などの理由によって形骸化してしまったというケースは決して少なくありません。

このように失敗例も多い社内部活動ですが、従業員たちのライフワークやこだわりを尊重し、自ら参加したくなるような魅力的な部活動を用意することによって社内コミュニケーション活性化施策として生まれ変わらせることができます。
組織内での活動でありながら、素の自分でいられる時間を提供することによって、部署や部門などの垣根を超えたコミュニケーションを円滑にし、じっくりと時間をかけながら相互理解を深めることができるでしょう。

企業事例:サイボウズ株式会社

ソフトウェア開発会社のサイボウズ株式会社は、一時期28%にまで増加してしまった離職率を改善するため、「より多くの人が、より成長して、より長く働ける環境を提供する」というポリシーのもとに、ワークライフバランスに配慮した制度や社内コミュニケーションを活性化する制度を次々に導入しました。
大幅な人事制度改革を実施したサイボウズ株式会社ですが、その中でも特に社内コミュニケーションの活性化に有効だったのが、社内部活動の促進制度だったといいます。

【具体的な導入方法】

  • 新規の設立条件を「年数回の活動報告書の提出」と「複数の部署に所属する5人以上」という2つのみにした
  • 部活動の内容や活動ペースについては全面的に社員に任せた
  • 全ての部に対して年間一人あたり1万円の補助金を支給
  • 複数の部活動に所属できるようにした

【得られた成果】

  • 人事制度改革全体の成果として離職率が4%に激減
  • 活動を終了したものも含め、約 50 の部活が設立された
  • 部署間の連携が容易となり、全社の業務スピードアップにつながった
  • 縦割り構造になりがちだった現状に対して横串のつながりを形成することができた

【参考】サイボウズ青野社長に聞く、離職率を28%から4%に下げる方法。 / CAREER HACK
【参考】サイボウズは部活動でもグループウェアが大活躍! – cybozu community

社内公募制度・FA制度

社内公募制度とは、会社が部署や仕事などの募集内容をあらかじめ公開、社員自らがこれに応募して、会社と合意すれば希望する部署や仕事に就ける制度です。一定の条件を満たした社員が自分の希望する部署に自ら売り込んで異動する、部署からのスカウトにより異動できるFA制度というものもあります。

社内公募制が求人型の異動・配置システムであるのに対して、FA制度は求職型の異動・配置システムといえます。 これら制度は、広い意味では、社員と経営陣とが一定のルールの下で通常の人事異動シーケンスを越えたコミュニケーションにより会社組織の活性化を図るシステムでもあります。

【関連】社内公募制度とは?メリット・デメリットや注意点を一挙ご紹介 / BizHint
【関連】社内FA制度とは?メリット・デメリットや導入企業・事例をご紹介 / BizHint

企業事例:ソニー株式会社

「自分のキャリアは自分で築く」という企業文化を大切にしているソニー株式会社は、部門の垣根を越えた人材活用を実現させるため、1966年から社内募集制度を、2015年から社内FA制度を導入しています。
なお、社内募集制度による異動者は累計で7,000人以上、毎年数百人に対して付与されるFA権を実際に2割の社員が行使し、そのうちの3~4割が異動しているなど、多くの社員が積極的にこれらの制度を活用しています。

【具体的な導入方法】

  • 社内募集制度では、個人が自由に社内求人に応募できる
  • 社内募集制度において上司の許可は必要とせず、応募先の部署とうまくマッチングしたらその時点で成立となる
  • 社内FA制度では、異動後一定期間を過ぎたハイパフォーマーに対してFA権が付与される
  • FA権行使者の受け入れに興味のある職場マネジメントは約1カ月間の面談を通じてオファーするかどうかを決める

【得られた成果】

  • グループ間の人材の流動性や社内の風通しが改善された
  • 部門外の人材に興味を示し、理解を深める機会が増加した
  • 多くの社員が「キャリア構築について上司と話しやすくなった」と回答

【参考】縦割りを越えた異動を促す新制度で挑戦の機会を拡大 ソニー株式会社 / 人材・組織開発の最新記事(コラム・調査など) / リクルートマネジメントソリューションズ
【参考】ソニー株式会社が実践! 社員の“主体的なキャリアチェンジ”をサポートする社内募集制度とは? - 『日本の人事部』

メンター制度

メンター制度とは、上司とは別にメンター(指導者)となる先輩社員が、メンティ(後輩や部下)の相談や指導を行う制度で、1980年代に人材育成の方法としてアメリカで始まりました。日本では、バブル崩壊後、時間をかけて社員を育成する余裕がなく「新入社員が自身だけで悩みすぐ辞めてしまう」「社員が孤立し、心の病気になってしまう」などの問題が深刻化したことから、「離職率の低下」や「メンタルヘルス」に対する有効な方策として注目されています。

また、メンターのサポート範囲は業務に関することだけでなく、人間関係やプライベートな問題まで多岐に渡り、メンティの悩みや疑問の解消を促し成長を支援できることから、先輩・後輩を繋ぐだけでなく社会や組織と人を繋ぐために効果的な制度である上、メンタリング終了後も部署の違う両者の関係が続く例もあり、組織的な縦の社内コミュニケーションの活性化にも繋がります。

【関連】メンターとは?メンターの意味と役割はなんなのか? / BizHint

企業事例:株式会社 髙島屋

老舗百貨店である髙島屋を運営する株式会社髙島屋は、長い営業時間や交代休日、シフト勤務など社内コミュニケーションが希薄化しやすい労働環境や人材育成の基幹となるOJT(On-the-Job Training)が機能しづらくなっている現状に対して強い危機感を抱いていました。
そのような状況を改善するため、2009 年に基幹職務の育成に主眼を置いた育成体系を整備し、その一環としてメンター制度を導入しました。

【具体的な導入方法】

  • 主任に進級した翌年(入社4年目)の社員をメンティ、入社10年目前後の課長をメンターとする
  • メンティの視野拡大のため、メンターは他部門から選ばれる
  • マッチングは事務局と人事担当者によって決定、解消は理由を問わずに求めることができる
  • 月に1回、1時間を目安に計6回のメンタリングを実施
  • 双方に対して、制度や期待役割に対する理解を深めるための事前ガイダンスを実施
  • メンターにはメンタリングスキルを向上させる研修を合わせて実施
  • 「メンター制度実施の手引き」を作成し、メンター、メンティ、それぞれの上長に配布

【得られた成果】

  • メンターの63%、メンティの73%が「有意義であった」と回答
  • メンターはメンタリングでの経験を自部門内におけるOJTでも活用している
  • 職制以外の社内ネットワークが拡大
  • 一部のペアはメンタリング終了後も関係が継続している
  • 人材育成風土の醸成につながった

【参考】ワーキングウーマン・パワーアップ会議【メンター制度表彰 優秀賞】株式会社髙島屋

コミュニケーション費用の補助

コミュニケーション費用の補助は、福利厚生の充実とコミュニケーションの活性化を同時に実現できる優れた施策です。
新入社員の歓迎会や親睦会などの費用の一部または全額を企業側が負担するのが最も一般的ですが、飲み会や食事会以外のコミュニケーションに対しても補助を行っている企業も中には存在します。

企業事例:Sansan株式会社

法人向け名刺管理サービス「Sansan」個人向け名刺アプリ「Eight」を提供しているSansan株式会社は、「ビジネスの出会いを資産に変え、働き方を革新する」というミッションを達成するために数多くの社内制度を発案、実施しています。
その中でも、特に人気で毎月多くの社員が利用している社内制度が「Know me(ノーミー)」です。

【具体的な導入方法】

  • 過去に1回も飲みに行ったことがない他部署の人と2~3人で飲みに行く場合、会社から一人当たり最大3,000円まで補助を受けられる
  • 一人月2回まで制度を利用可能
  • 一月あたりの上限は会社全体で100回

【得られた成果】

  • 毎月1週目だけで上限近くまで利用されるほど社内コミュニケーションが活性化
  • 業務上で気になることがあればすぐに制度を通じて関係者を誘い出すことができる
  • 他部門のメンバーとの交流が深まった
  • 部署と部署の間に落ちてしまったボールに気づき、拾うことができるようになった

【参考】「働き方を革新する」30以上の人事制度が個人の創造性を高める/Sansan / カンパネラ
【参考】企業インタビュー/Sansan株式会社:全ての人事施策は「生産性向上」のために ~Sansanが進めるミッション・ドリブンな働き方改革とは~(後編) - 『日本の人事部』

社内報

社内報とは、会社から従業員やその家族に向けて作成された冊子や新聞、Web媒体などのことです。
最近社内で起きた出来事や経営者の想いを伝える事で、情報や価値観の共有、従業員エンゲージメントの向上を目指します。

単なるトップダウン型の社内報ではなく、業務上で感じた素朴な疑問を解決する質問コーナーや今後の目標を宣言してもらう新入社員インタビューなど、企画内容を工夫することによってコミュニケーション活性化施策としての可能性を更に高めることができるでしょう。

企業事例:エン・ジャパン株式会社

エン・ジャパン株式会社では、以前まで「en Japan Times」という社内報を社内限定のイントラネットで公開していましたが、ライターを担当する社員がたった一名で業務のスキマ時間を使用して更新を行っていたため、「更新頻度が少ない」や「内容に変化が少ない」などの悩みを抱えていました。
また、コメントやいいねボタンなどのフィードバック機能が無かったため、双方向のコミュニケーションが生まれないことに対して大きな課題感を感じていました。

このような状況を一変させるため、「社員みんなで手作りする社内報」をコンセプトに立ち上げられた新たな社内報が「en soku!」です。
2015年に開設された「en soku!」は、一般社員を社内報作成に巻き込んでいる点や社員でなくても自由に閲覧することのできるオープンな運用方法が高く評価され、多くの注目を集めています。

【具体的な導入方法】

  • レポーター(ライター)は誰でも自由になることができ、チーム単位での投稿も可能
  • レポーターに対して「公式レポーターバッジ」を配布
  • 機密情報や個人情報保護のため、注意事項やマニュアル、NG事例集を作成
  • 「毎日、必ず楽しい記事が更新されつづけること」を唯一の指標にした
  • 取り上げる話題に細かいルールは設けず、編集会議や企画会議も行わない
  • レポーターのモチベーション維持のために人気記事をランキング形式で表示

【得られた成果】

  • 「公式レポーターバッジ」を付けることによって、社内で声をかけられるなど新たなコミュニケーションが生まれた
  • 立ち上げ以来1日も欠かすことなく更新が続けられており、2018年12月時点でレポーターは約280人、記事は約1,400本
  • 中途社員の8割以上が「en soku!」を読んで志望度が高まったと回答
  • 内定者と既存社員が入社前からコミュニケーションを図れるようになった
  • 「社内報アワード2018」Web社内報部門ゴールド賞を受賞

【参考】書き手は計280人、社内外に毎日発信するWeb社内報 (エン・ジャパン株式会社) / 社内報づくりに悩んだら「社内報ナビ」
【参考】毎日更新、書き手は100名以上。社員に愛されるオウンドメディア「en soku!」とは? / 各社の事例でわかるオウンドメディア運営の「企画」「構築」「成果」ノウハウ / Web担当者Forum

社内行事・レクリエーション

社内行事・レクリエーションとは、従業員やその家族を対象として定期的に実施する行事やイベントのことです。
一体感の醸成やストレス解消などを主な目的とした社内運動会や、仕事疲れを解消させる社員旅行、更なるスキルアップを目指す社内勉強会など、各社様々な取り組みが行われています。

全従業員が自ら参加したいと思えるような魅力的な企画立案を行い、参加者同士が交流を持つ機会を増加させることによって、社内コミュニケーション活性化施策として高い効果を得ることができるでしょう。

企業事例:株式会社カヤック

面白法人カヤックという名称で親しまれている株式会社カヤックは、「何をするかより、誰とするか」を重要視しており、価値観の共有や一体感の醸成によって大きな力や新たな可能性を生み出すことを得意としています。
そんな面白法人カヤックは、全社員が業務から完全に離れ、一人ひとりが社長になったつもりで会社のことを真剣に考える、年2回の「ぜんいん社長合宿」を創業当時から継続して実施しています。

【具体的な導入方法】

  • 「合宿に参加する前に」という資料を配布し、実施目的を共有
  • 経営理念や制度、ビジョンなどをテーマにして、チームに分かれてブレインストーミングを行う
  • 合宿の最後に出たアイデアをチームごとに発表し、優勝チームにはボーナスを支給
  • 「否定しない」、「質より量」、「とにかく乗っかること」をブレインストーミングの大前提とする

【得られた成果】

  • 経営者の思考や経営理念に込めた想いを理解しやすくなる
  • 互いを認め合い、乗っかり合うことで発言に対する心理的安全性が向上
  • 全員が社長視点になるため、フラットな関係性のもとでコミュニケーションが図れる

【参考】制度・行事 / 面白法人カヤック
【参考】ブレストの極意を学ぶべく「面白法人カヤック」に潜入してみた。 / 働き方メディア Fledge(フレッジ)

社内食堂や社内カフェの設置

社内食堂や社内カフェとは、従業員を対象とする飲食スペースや飲食物の提供サービスのことです。
社内で昼食や軽食を取ることができる環境を整備することによって、従業員同士のコミュニケーション機会を増加させることができます。

社内食堂や社内カフェを設置するメリットは従業員の満足度向上や健康促進だけではありません。
誰もが気軽に利用することができ、リラックスして語り合える環境を社内に整備することによって、コミュニケーションの質を高めることができるでしょう。

企業事例:LINE株式会社

ソーシャル・ネットワーキング・サービス「LINE」を提供するLINE株式会社は、従業員たちがONとOFFの切り替えを容易に行うことができるよう、業務エリアだけでなくリフレッシュエリアの構築にも力を入れています。
その中でも、2017年4月のオフィス移転に伴って約1.5倍に拡大された広大なカフェスペースは、従業員の心と体を癒やす憩いの場として社内コミュニケーションの活性化に大きく貢献しています。

【具体的な導入方法】

  • ドリンクやスナックが低価格で購入できるカフェスタンドを設置
  • ソファ席、テーブル席、カウンター席、畳エリアなど様々なタイプの席を用意
  • 座席数は約250席、スタンディングであれば700人程度まで収容可能
  • 技術書やデザイン関連の書籍、雑誌などを扱うブックギャラリーを設置
  • ビリヤードやダーツ、テレビゲームを楽しめるゲームラウンジを併設

【得られた成果】

  • ランチタイム以外の時間には、様々なイベントや勉強会、懇親会が開催されている
  • 全社集会など大人数が集まる社内行事の開催場所としても活用されている
  • ゲームを通じて上司や部下、同僚と気楽にコミュニケーションを図れる

【参考】働く環境 / LINE Fukuoka Corporation
【参考】LINE株式会社 新オフィス訪問 ~1か所に集約移転、更なる”WOW”を創出するオフィスとは?!~【前編】(オフィス訪問[1])/最新!オフィスづくり(作り)ラボ アスクル みんなの仕事場

1on1(1on1ミーティング)の実施

1on1とは、上司と部下が日々の業務での成果や失敗について話し合う個人面談の場です。
部下により多くの気付きを与え、その成長を支援することが1on1の主な目的ですが、業務に対する認識や考え方のズレを修正する過程で相互理解を深めることができることから縦のコミュニケーションを活性化させる施策としても多くの期待が寄せられています。

【関連】1on1の意味とは?話す内容や注意事項、効果を最大化するポイントをご紹介 / BizHint

企業事例:クックパッド株式会社

もともと一つのチームの規模が2〜3名と小さく、個人で行う仕事が中心であったことから組織全体のチーム力を高めなければという課題感を抱いていたクックパッド株式会社は、相互理解を深めることを目的として「定期個人面談」という制度を導入しました。
導入当初は月1回30分で実施されていた「定期個人面談」ですが、試行錯誤の結果、短い時間の関わりであっても回数を多く重ねることの方が重要であることに気付き、現在では週1回15分という高頻度短時間の1on1制度に進化を遂げています。

【具体的な導入方法】

  • 目的はチームメンバー同士がお互いの抱えている課題を発見し、早期段階で解決に導くこと
  • 話題は仕事のことに限らず、プライベートのことでも何でも構わない
  • 互いの業務予定に支障を与えないように開始時間を固定化する
  • 面談開始時の摩擦を最小限にするため開始時の場所も固定化するが、面談中に場所を移動するのは自由
  • 面談予定の変更は基本的に行わず、やむを得ない事情がある場合にはそのまま翌週に繰り越す
  • 評価に関する話は一切行わない

【得られた成果】

  • 潜在的なコミュニケーションの課題や解決に向けたヒントを見つけられる
  • 課題をいち早く解決に導くことでチームに活気をもたらすことができる
  • 会う回数を増やすことで深い話に入るまでの時間が短縮されるため、短時間でも中身の濃い面談が実現できる
  • 全体の場では伝えにくいネガティブなフィードバックを相手に対して最大限に配慮した形で行うことができる

【参考】週1回×15分でチーム変革!事業を成功に導くクックパッドの振り返り / 未来を変えるプロジェクト by パーソルキャリア
【参考】チームメンバーとの信頼関係を築く:定期個人面談の薦め - クックパッド開発者ブログ

まとめ

  • 社内コミュニケーションの活性化は全ての企業に共通する重要な課題である
  • 社内コミュニケーション不足は生産性の低下やイノベーションの枯渇、離職率の増加など、組織の健全な運営に様々な形で悪影響を及ぼす
  • 多くの人事担当者が自社のコミュニケーションに対して課題感を抱き、十分な情報共有が行えていないと感じている
  • 社内コミュニケーションを最大限に活性化させるためには、横、縦、ななめという3つのコミュニケーションについて理解を深め、それぞれに対する施策を検討する必要がある
  • 自社の特性や社内環境に適した施策を選択、導入することによって、社内コミュニケーションの活性化を早期に実現させることができる

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