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ピア・ボーナス

2020年8月25日(火)更新

ピア・ボーナスは、従業員同士が互いの良い仕事に対してインセンティブを送り合う仕組みのことです。業績に直結しないような日々の行動も評価されるため、従業員のモチベーションの向上などにも繋がり、近年注目を集めています。今回はこのピア・ボーナスについて、その意味や注目される背景、導入によるメリットとデメリット、組織活性化に活用する方法、ツールや企業事例まで詳しくご紹介します。

ピア・ボーナスとは

ピア・ボーナスとは、日々の仕事による成果や貢献などに対して、従業員同士が互いに成果給(ボーナス)を送り合える仕組みのことを指します。

英語のPeer(仲間、同僚)とBonus(賞与)が1つになった言葉で、「第3の給与」とも呼ばれます。

Google社が、従業員の評価指標として導入していることでも知られています。

インセンティブ(成果給)のひとつ

インセンティブは、仕事の成果に応じて金銭的報酬が与えられる場合と、表彰により優れた成果を評価する場合があります。ピア・ボーナスは、成果や貢献に対して少額の報酬が支払われるため、インセンティブ制度のひとつとして捉えることができます。

従来のインセンティブ制度と異なる点としては、現行の評価制度では評価しにくい、業績には直結しないような日常の行動に対して評価できることです。また、評価のフィードバックを半期あるいは1年に一度ではなく、期間をあけずに伝えられるため、従業員のエンゲージメント向上なども期待できます。

【関連】インセンティブ制度の事例と導入するメリットについて解説/BizHint

ピア・ボーナスが注目される背景

AIやIoT技術の発展、ビッグデータの活用などの技術を支えるテクノロジーの進化によって、労働者の職場環境は変化し続けています。また、労働力不足による雇用形態の多様化やダイバシティー推進によって様々な価値観をもつ労働者も増えています。

企業はこうした状況の変化に対応できる組織へと体質を強化し、成長し続けられる企業文化を醸成することが不可欠です。平行して従業員の離職を防ぎ、人材の可能性やパフォーマンスを引き出すだめの施策も必要となっています。

ピア・ボーナスは、組織改革や人材の定着に効果的な施策として注目されるようになりました。特に、中小企業を中心に導入が進んでいます。

ピア・ボーナス導入のメリット

ここでは、ピア・ボーナスを導入することによる主なメリットについて、ご紹介します。

レコグニションによるモチベーション向上

ピア・ボーナスでは、成果給という金銭的な報酬と、賞賛や承認という非金銭的な報酬を与えることができます。

金銭による報酬という外発的動機付けは即効性がありますが、金額が増えなければモチベーションは維持されず、一時的な効果に留まります。一方内発的動機付けは、職場の仲間からレコグニションを与えられることで得られる満足感達成感によって、更なるやる気が引き出されます。

外発的動機付けと内発的動機付けが同時に実現されることで相乗効果が生まれ、持続的なモチベーション向上に対して効果的と言えるでしょう。

【関連】レコグニションとは?意味やメリット、企業事例をご紹介/BizHint

従業員エンゲージメントの向上

ピア・ボーナスは、評価する権限の一部を従業員に与えることで、経営層に対する信頼が生まれます。また、職場の仲間から評価されることで仕事に対して自信が持てるようになり、自発的な貢献意欲が高まります。

このようにピア・ボーナスは、従業員エンゲージメントを高めるメリットもあるのです。

導入にあたっては、企業理念や経営者の描くビジョンを反映した行動や成果を評価対象とすることが重要です。

【関連】従業員エンゲージメントとは?企業の取組事例や向上施策、メリットまで徹底解説/BizHint

社内のコミュニケーション活性化

ピア・ボーナスで互いの仕事ぶりに関心が高まることで、従業員同士のコミュニケーションの機会が増えて組織活性化に役立ちます。また、相手の「優れた行動」「評価すべきプロセス」などポジティブな面について注視することから、互いに承認しあえる関係性や、社内のポジティブな雰囲気も醸成できます。

また、同じ業務を担う仲間だけなく、チームや組織の垣根を超えて贈り合うこともできるため、部署を超えたコミュニケーションや業務の理解も進み、組織の活性化に役立ちます。

優秀な人材の確保

従来の評価制度では、業績や分かりやすい仕事ぶりといった、上司が認める範囲のみで評価されることが多く、目立たない業務による成果や貢献は評価対象にならないケースが少なくありません。そのため、評価者と従業員本人の評価に食い違いが生まれ、納得できずに満足度が下がるリスクがあります。

ピア・ボーナスは、仕事を円滑に進めるための業務や顧客満足度を高める貢献といった、日ごろ表面化しにくい定性的な仕事が評価されるため、従業員の納得感も十分に得られるでしょう。それにより、優秀な人材の流出を防ぐことにも繋がります

ピア・ボーナス導入のデメリット

反対に、ピア・ボーナスを導入することによる懸念点も見ていきましょう。

導入コストがかかる

ピア・ボーナスはそもそも「賞与」であるため、制度を作った以上会社が支払う必要があります。まずは財源の確保が必要であること。

そして、ピア・ボーナスのツールを導入するのであれば、その初期費用やランニングコスト、そして運用体制の構築と人的コストなど様々な費用を想定しておく必要があります。

従業員が評価を意識し過ぎるケースも

ピア・ボーナスは給与に反映されることから、「社内で評価される事」に固執する従業員が出てくるリスクもあります。

例えば、顧客対応がおろそかになったり、評価されやすい業務ばかりを進めるなどの行動が目立つケースも。従業員同士の評価制度と言えど、過剰な評価を生まないよう、運用ルールにおける管理が必要です。

ピア・ボーナスを組織活性化に活用する方法

企業の成長に欠かせない組織活性化や組織力強化へ繋げるためには、ピア・ボーナスをどのように活用することが効果的なのでしょうか?

【関連】組織活性化とは?取り組みの方法・手法・施策および事例をご紹介/BizHint

人事評価制度の改善に役立てる

ピア・ボーナスは従業員同士で成果給を送り合うので、評価者である上司の負担を増やすことなく部下の良い仕事や行動が可視化され、人事評価の参考にすることができます

また、賞賛または承認された内容をオープンにすることで、現行の評価制度の問題点を把握するきっかけにもなります。

このように人事評価制度の改善に役立てることができれば、各従業員のミッションが明確になるなど、多くの企業の経営課題である組織の活性化に繋げることができます。

【関連】人事評価制度とは?評価対象や評価手法、企業事例などもご紹介/BizHint

タレントマネジメントへの活用

ピア・ボーナスでは部下の仕事ぶりや行動に着目しますが、そこから従業員一人ひとりの能力やスキルが可視化されることにもなります。

経営環境の変化が激しい昨今では、企業力強化に欠かせない人材育成の手段を従来の研修制度だけでは対応しきれないケースも増えています。

そこで、ピア・ボーナスから見つけることのできた、各人材の強みをタレントマネジメントに活用することで、それぞれが最大のパフォーマンスを発揮できる環境を構築でき、組織力強化に繋がります。

【関連】タレントマネジメントの意味とは?定義や目的、事例をまとめてご紹介/BizHint

ピア・ボーナスの導入ツールと企業事例

ピア・ボーナスはこれまでにない新しい形のインセンティブ制度のため、制度の設計や運用の工夫など企業にとって導入のハードルが高くなりがちです。

ピア・ボーナス導入と運用のしやすさだけでなく、手軽に実現できるサービスとその導入事例についてご紹介します。

Unipos(ユニポス)

Unipos株式会社が提供する「Unipos」のご紹介です。

<ポイント>

  • 連携しているチャットアプリ(Slack、Chatwork、Workplace)を使って、スマホやPCからピア・ボーナスとコメントがセットで送れる
  • 投稿されたピア・ボーナスとコメントはタイムラインでリアルタイムに共有される
  • ハッシュタグ機能で企業のバリューを形にするための行動指針と紐づけができるため、企業文化の醸成や体質強化といった活用もできる
  • 拍手機能で素晴らしい賞賛のコメントに賛同することで、投稿した人と投稿された人に1ポイントずつピア・ボーナスが送られる

<価格>

  • 初期費用:30万円(システムセットアップ、基本の導入支援やフォロー等)
  • 月額料金:基本的な機能、簡易データ閲覧などで1アカウント850円〜

<詳細>

2017年6月のサービス開始以降、ベンチャーや中小企業を中心に導入が進んでいます。さらに、大手企業に対するサービスの強化や海外企業向けにグローバル版にも着手するなどニーズも高まっており、現在導入企業は370社を超え、その継続率は99%以上を誇ります。

週の初めに従業員一人ひとりに400ポイントが支給され、賞賛したい内容に応じて各自で決めたポイントであるピア・ボーナスと共にコメントを投稿できる仕組みになっています。また、使い切らないポイントは週の終わりにリセットされ、翌週新たに400ポイントが支給されます。

感謝や賞賛したいことをピア・ボーナスとしてすぐに投稿できるため、良い行動を強化しやすく、モチベーション向上に繋がります。また、自分から送るだけでなく、ピア・ボーナスを送られたり、投稿に拍手したり、されたりするなかで、Uniposを通して従業員同士が自由に繋がることができます。それにより、組織全体としてコミュニケーションが活性化され、組織活性化に役立つでしょう。

【企業事例】株式会社メルカリ

メルカリは組織の急成長に伴い、人事制度構築の必要性と共にエンゲージメントの向上施策として2017年9月にUniposを導入しました。

この仕組みを独自に「メルチップ」と名付けるだけでなく、活用例を提示するなどの工夫を行い、社内にピア・ボーナス制度の浸透を図りました。また、更なる促進活動として、メルチップを一番多く送った人と一番多く送られた人を表彰する制度を設けています。

こうした定着に向けた推進活動によって、メルチップを通して賞賛し合う文化やコミュニケーションの活性化、バリューに沿った行動が可視化されたことで人事評価への活用など従業員同士の理解にも役立っています。

【参考】贈りあえるピアボーナス(成果給)制度『mertip(メルチップ)』を導入しました。/mercan(メルカン)
【参考】同僚から月60回「成果給」を受け取った人も!メルカリの「ピアボーナス」運用の裏側/SELECK

Hey Taco!

Help Scoutが提供する「Hey Taco!」のご紹介です。

<ポイント>

  • ビジネスチャットツール「Slack」において利用できる
  • ピア・ボーナスとして、従業員同士が「タコス」を贈り合う
  • 「タコス」は1日5個まで贈ることができ、贈られた側はその累計に応じた特典と交換ができる

<価格>

  • 60日間の無料トライアルあり
  • 1人$300/月〜利用できる

<詳細>

ビジネスチャットとして多くの企業に導入されている「Slack」上で利用可能な、ピア・ボーナスツール「Hey Taco!」。仕組みはシンプルで、従業員同士が互いの優れた行動などに対して「タコス」を贈り合うというもの。贈られたタコスは、その数に応じて、導入した企業が設定した景品などと交換ができる仕組みです。

Slack上で、タコスを贈りたい相手に対し、コメントとタコスの絵文字を送信するだけのシンプルな操作。一般的なピア・ボーナスは給与に反映するケースが多くありますが、この場合は特典との交換になるため、より気軽に利用できるという声も多く挙がっています。

【企業事例】株式会社palan

Web制作やシステム開発を担う株式会社palanでは、コロナ禍によるリモートワークの環境において、「小さな感謝を忘れがち」であることや、「一人で作業しているような感覚」に陥る孤独感などから、リモートでももっと楽しく働ける事を目指し「Hey Taco!」を導入しました。

Slack上で専用のチャンネルを作成し、例えば「情報整理ありがとうございます」「声がけしてもらいありがとうございます」などのメッセージと共にタコスが贈られます。贈られたタコスは、オリジナルのステッカーやTシャツ、またAmazonギフト券やゲーム機などと交換が可能。

リモートワークの環境においても、同社の価値観の一つである「楽しく働く」の実現の一助になっています。

【参考】感謝を送り合うHey Taco!を導入しました/株式会社palan

まとめ

  • ピア・ボーナス導入は、従業員エンゲージメントやモチベーション向上だけでなく、企業成長に欠かせない組織活性化にも効果がある
  • ピア・ボーナスは、人事評価制度の改善やタレントマネジメントの推進にも役立ち、最終的に組織の活性化を手助けしてくれる手段の一つ
  • ピア・ボーナスの導入には、自社独自の仕組みを構築する足掛かりとして導入ツールを利用することも有効

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