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2018年1月15日(月)更新

SL理論

リーダーシップは古くから研究対象とされ多くの理論が存在します。対人マネジメントを切り口に語られるもの、経営者の資質として語られるもの、ビジネスや職場環境の変化を捉え適切に対応するスキルとして語られるものなどがあります。今回は、環境に応じたスタイルの可変性に着目した「SL理論」(環境対応型リーダーシップ、Situational Leadership)について考えてみたいと思います。

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SL理論とは

1977年、P・ハーシーとK・H・ブランチャードは行動科学的アプローチを用いて、部下などのチーム構成員をその能力やスキルレベル、思考や行動の傾向に基づき4つの環境に区分し、それぞれの環境を最適化するリーダーの行動をコミュニケーションと業務指示の必要性の2軸において、リーダーシップの可変性を表現しました。つまり、部下などのチーム構成員の状況に応じてリーダーシップのスタイルは変わるものであると説明しています。

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SL理論に基づく4つのリーダーシップ分類

4つの環境とリーダー行動の必要性との関係を図1リーダーシップ・スタイルに示します。縦軸をリーダーからのコミュニケーションの必要性の高低、横軸をリーダーが行う業務指示の必要性の高低としました。

部下などのチーム構成員がもたらす環境、すなわち各構成員の能力やスキルや意欲・自発的行動など職業人としての成熟度合いを4段階に区分して、その各段階に有効な行動スタイルを、教示的リーダーシップ(S1型)、説得的リーダーシップ(S2型)、参加的リーダーシップ(S3型)、委任的リーダーシップ(S4型)の4つに整理しています。

教示的リーダーシップ(S1型)

チーム・構成員の成熟度が低い段階に用いるスタイルです。

仕事のゴールを明示し、ゴールに対する道順を決めたうえで方法を詳細に指示します。しかし、仕事の価値や意義については深く説明はしません。すなわち、業務指示の必要性は高く、コミュニケーションの必要性は低い状態であるといえます。また、なぜ・何のためにその仕事をするのかわからず不安を抱えやすい状態です。目的は不明瞭だが、やり方さえ教えてもらえれば、そのタスクを処理することでチームに貢献したいという意欲は高い段階とも言えます。

構成員の具体例

たとえるならば、新入社員がこの段階であるといえます。会社のビジョンやチームの存在意義、業務のマーケットバリューなどはまだ明確に理解されていないが、指示された業務の処理に集中することはできる状態といえます。

求められるリーダーの行動

この段階に求められるリーダーの行動は、仕事の進め方やゴールレベルをはっきり伝え、その進捗を管理することです。一方で、「自分で考えろ」など自発的な行動を要求する、失敗を責める、けなすなどは避けなければなりません。

説得型リーダーシップ(S2型)

能力や業務遂行レベルはまだ発展途上であるが、仕事に対する意欲は高い段階のチーム・構成員に用いるスタイルです。

その仕事がなぜ必要なのかを説明し、仕事の価値や意義を共有します。加えて、仕事の進め方や方法を明示し、疑問点にはしっかり答えます。すなわち、業務指示の必要性は高く、コミュニケーションの必要性も高い状態といえます。

構成員は、会社のビジョンやチームの存在意義、業務のマーケットバリューなどの理解が進んでいます。仕事の価値が共有されれば仕事に対する意欲が高まり、積極的に仕事を受ける姿勢を見せます。一方、仕事の進め方に対する知見は限定的で、仕事の品質は未だ低い状態であるため、まだすべてを任せることは難しく、仕事の道順や方法を説明し疑問点を解決する必要があります。

構成員の具体例

この段階の構成員には、業務のスタートからゴールまでを一通り経験した入社2~3年目の社員、いわゆる若手社員が該当すると思われます。マーケットや会社における自身が所属するチームの位置づけや、手がける業務の重要性などが徐々に理解され始める段階です。自分が業務に必要とされている存在だと認識することで、より高い意欲を示します。仕事への意欲が高まるにつれて自発的行動も多くなります。

求められるリーダーの行動

この段階に求められるリーダーの行動は、業務の必要性を明快に説き、仕事の道順や方法なども詳細に指示します。業務の仕上がりがよければそれを褒め、相手の承認欲求を満たすことも重要です。一方で判断や行動に誤りがあれば、具体的に何が間違いなのかを明確に説明し、相手の同意をとるよう努めなければなりません。疑問を無視する、「言ったことだけやればいい」など必要以上に服従を求める、指示の誤りを言い訳するなどの行為は避けることが望まれます。

参加型リーダーシップ(S3型)

能力や業務遂行レベルは高いが、意思決定や単独での業務遂行に不安を覚えるなど、意欲が低い段階のチーム・構成員に用いるスタイルです。

構成員は、仕事の目的、意義そして業務遂行方法などの知識は十分持ち合わせているので、詳細な業務指示を必要としません。しかし、何らかの理由で自己肯定感が低い状態であるため、リーダーの仕事への関与を強く求める傾向があります。業務遂行における懸念材料を話し合い、不安要素を取り除くことで、共に業務を行っていること、十分なサポートがあることを理解させる必要があります。すなわち、業務指示の必要性は低く、コミュニケーションの必要性は高い段階と言えます。

構成員の具体例

この段階の構成員には、中堅社員が該当するものと思われます。能力やスキルレベルは十分に業務遂行に足るレベルに達しています。しかし、能力レベルが一定水準を超えてから間もないのか、単独でやってみる機会に恵まれなかったのか、あるいは単に仕事に飽きている状態なのか、仕事のやり方や仕上がりレベルに対して自信を持てず、意欲が低く自発的な行動を取り難い状況であるといえます。

求められるリーダーの行動

この段階に求められるリーダーの行動は、孤独感を払しょくさせることです。具体的には、意志決定が必要な局面では共に検討し決定すること、責任も共同して負うことなどを明確に伝えることが求められます。加えて、相手が持ち合わせている能力やスキルレベルが業務遂行にあたり十分に高い水準であることを伝え励まし、決断に対する不安を軽減する働きかけが望まれます。

委任型リーダーシップ(S4型)

能力や業務遂行レベルは高く、仕事に対する確固たる自信があり意欲も高い段階のチーム・構成員に用いるスタイルです。

リーダーは「どこで、何を、いつ、どのように」などの事細かな業務指示は特に行いません。さらに、意欲が高く自発的行動をとるため、多くの励ましや支援などを示す必要もありません。すなわち、業務指示の必要性もコミュニケーションの必要性もともに低い段階と言えます。

構成員の具体例

この段階の構成員には、間もなくマネジメント層へ昇格するベテラン社員が該当するものと思われます。単独での業務遂行に懸念はなく、マネジメント層への昇格が近いことを自覚していることから、仕事への意欲も非常に高い状態です。業務指示の必要性は小さく業務の多くを任せることができます。しかし、まかせっきりにすることは避けなければなりません。

求められるリーダーの行動

この段階に求められるリーダーの行動は、業務過程をしっかりモニターすることです。仕事の進捗状況や遂行レベルをリーダーとして把握していることが望まれます。仕事への不安や方向性に迷いがあれば、いつでも共同できることを示しつつ自律的な行動を促します。業務を全面委任しながらも、相手が一人で仕事を抱え込みオーバーワークにならないように、また、業務遂行レベルが仕事の目的から逸れないように見守ることが望まれます。

まとめ

  • SL理論ではチームの構成員の成熟度に合わせた四つのリーダーシップ類型が定義されていますが、実際のビジネスの場では様々な要素が絡まっているため、全てがこの類型に当てはまるとは限りません。
  • 様々な要因や状況に応じて自分なりのリーダーシップの発揮の仕方を編み出していくのも重要です。型にはまったリーダーシップよりもそこから自分らしさを出していけるようなリーダーシップが現代に即していると言えるでしょう。

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