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2018年10月23日(火)更新

マネージャー

管理職の代表格といえるマネージャー。主にIT企業やベンチャー企業の役職名として使用されており、優秀な人材であれば、入社3年目で任される管理職の入り口でもあります。今回はビジネスリーダーとしても注目されるマネージャーの意味や役割、能力、心得から育成方法までご紹介いたします。

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目次[表示]

マネージャーとは?

多くの社員が大きな仕事を任され、成長するためにも管理職は最適な目標といえます。管理職の代表格であるマネージャーの定義や役割は企業毎に異なりますが、マネジメント能力を有する人材が担う役職として、広く認識されています。

マネージャーの意味やリーダーとの違い、さまざまな役割を持つマネージャーを知ることで、マネージャーに対する理解を深めることができます。

【関連】マネジメントの意味とは?ドラッカー理論・役割・各種マネジメント法まで徹底解説 / BizHint HR

マネージャーの意味とは?

マネージャーとは、主にホテルの支配人や管理者、芸能人の代わりに営業や交渉を行なう芸能事務所の支援者、または企業の管理職を指します。

企業によって、与えられる役割や職級、権限なども異なり、多種多様のマネジメントスタイルが存在するため、一概にマネージャーを定義付けることはできません。しかし、組織における「管理」や「統率」の役割を担っていることが多く、人と関わる業務を担う実務者が就く役職と考えることができます。

今回は多くの企業が定義する「マネジメント能力を有する実務者」に与えられる役職のマネージャーに焦点を当てて、ご紹介いたします。

一般的に「マネージャー」は、「組織やチームの成果に対して、責任を負うべき者」と定義されています。また、企業におけるマネージャーは専門家の側面を有しており、経営管理やトップマネジメントを託された経営に関わる人材もマネージャーとして定義されます。

一方で、幹部社員やプロジェクトリーダーなど、チームや部署単位で所属するメンバーのモチベーションコントロール、会社から与えられた目標の達成責任を負う人材も同様に定義されます。

マネージャーには部下の統率や育成・指導、意思決定などの権限が委譲され、業務遂行能力、対人関係能力、概念化能力が求められます。経営に関わるマネージャーには、それらの能力に加えて、強いリーダーシップを発揮する指導者としての役割が与えられます。経営破綻に直面した企業の再生を担うターンアラウンドマネージャーとして、社長や経営者に迎える企業も増えています。

現在の日本企業においては、人材不足やビジネス課題の高度化・複雑化により、ミドルマネジメントを中心にマネージャーが活躍しにくい環境が続いていると指摘されています。今後、世界に通用するグローバル人材の育成が急務とされる中、ダイバーシティを念頭においた、優秀なマネージャーの育成が急がれています。

リーダーとの違いとは?

感覚的な理解に留まりやすいマネージャーは、強いリーダーシップを発揮するリーダーと明確な違いがあります。

リーダーとは、事業や企業の方向性を示し、 エンパワーメントを前提とした、事業推進を行います。また、適切な組織運営を行う上でも組織内の人員配置・意思決定プロセスの整理も積極的に行います。

一方で、マネージャーはリーダーが示した方向性に対して、組織がきちんと目標に向かうように、指導・先導することを任務とします。また、リーダーが決定した人員や意思決定プロセスに沿って、事業や組織を運用することが求められます。

最も異なる点がエンパワーメントの有無であり、従業員一人ひとりの自律性を促し、生産性の向上を図る考え方であるエンパワーメントを実施するのはリーダーの役目といえます。マネージャーのように管理・統率するのではなく、あくまで方向性を提示し、組織やチームを目標に向かって、邁進させる環境を整える役割を担います。この点からもマネージャーとリーダーに求められる役割や能力に違いがあると考えられます。

さまざまな役割をもつマネージャー

企業や業界によって、マネージャーの役割や求められる能力は異なります。今回はマネージャーの中でも代表的な役職をご紹介いたします。

ゼネラルマネージャーとは?

ゼネラルマネージャーとは、総責任者や総支配者、またはスポーツチームにおける総監督を指す役職名です。日本企業においては、部長クラスの役職に相当します。

ゼネラルマネージャーは、事業部に与えられた目標に対して、戦略の策定や経営資源の動員・配分、人材開発、そして自らの組織を構築していく能力が求められます。直属の部下であるマネージャーを管理・統率し、従業員のモチベーションを向上させる環境作りも行なわなければいけません。日々の進捗を適切に管理し、成果や課題を把握・解決する役割を担っています。

しかし、本来のゼネラルマネージャーの役割と、日本で認識されている役割には違いがあり、日本企業では真の意味でのゼネラルマネージャーが育っていないとも指摘されています。人的管理の強い権限を持つ人事部の存在や、不十分な権限委譲による自律性・独立性の不透明さが原因として挙げられます。また、日本的慣行である 年功序列が生みだした「部下なし管理職」の増加や管理職の能力を必要としないボトムアップ型経営もその原因と指摘されています。

プロジェクトマネージャーとは?

プロジェクトマネージャー(以下、PM)とは、プロジェクト全体を管理するポジションを指し、主にエンジニアを要するプロジェクトの責任者を指す役職です。プロジェクトの成果に対する責任を持ち、予算策定・人材選定、顧客・他部門、チームメンバーとの交渉や調整、スケジュール管理などを役割とします。

マネージャーの役割であるマネジメント業務(リスク・コスト管理)はPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)に委任されており、PMはプロジェクトを遂行する上での重要な意思決定を担います。交渉や調整などの対人関係能力やプロジェクト進行における意思決定力、プロジェクトの推進能力が求められる役職です。

プレイングマネージャーとは?

プレイングマネージャーとは、個人の目標と委任されるチームの目標ともに達成することを求められるマネージャーを指します。バブル崩壊後の大規模なリストラによる人材不足から個人の生産性とチームマネジメントが求められるようになった背景から生まれたといわれています。

一見、効率の良い優れたマネージャー像に見えますが、実務経験で培ったプレイヤースキルと、ビジネスモデルの構築・企業が抱える課題解決、組織変革などの経営スキルとは全く異なるため、マネージャー昇格後に能力を発揮できないという事態に陥りやすいといわれています。

部下の育成や指導にも行き過ぎたハラスメントも散見されることから、今後、求められるマネージャー層として、問題解決型のマネジメントスキルを有する人材の育成が急務とされています。

【関連】プレイングマネージャーとは?求められる役割と陥りがちなこと/BizHint HR

マネージャーに求められる役割とは?

マネージャーには、組織に課せられた目標を達成するために、さまざまな役割が求められます。中でも事業を円滑に推進する上で必要とされるマネージャーの役割をご紹介いたします。

組織の統括・管理

著名な経営学者・研究者であったピーター・ドラッカー氏は、マネージャーを「組織の成果に対して、責任を持つ者」と定義しています。そのため、マネージャーは組織を適切に統括・管理する能力が求められます。

組織には、マネージャーやリーダー以外にも多くの従業員が属しています。多様性に富んだ従業員ひとり一人の強みに焦点を当て、成果を出させることマネージャーの力量です。

また、組織が向かうべき目標に、組織全体できちんと遂行できているかを管理し、従業員の意識を統率させなければいけません。部下の強みを最大限に引き出し、最高のパフォーマンスを発揮させるための、人員を適材適所に配置する役割も担ってます。

部下の育成・指導

部下の多様性と価値観を尊重し、その資質を最大限に発揮して成果をあげさせることもマネージャーの重要な役割のひとつです。それぞれの業務やタスクに必要な知識や経験を与え、適切な指導・育成の責任を負わなければいけません。

部下の意欲を引き出した上で、同調性を尊重しつつ、前向きに業務を遂行できるような環境を構築し、生産性を考慮した指導・育成を行ないます。そのためにも定量化された明確な目標と定期的に評価・フィードバックを実施することが大切です。

組織の成果への責任

マネージャーに課せられた最終的な目的は、組織としての成果をあげることです。しかし、実際の現場では、組織管理や部下の指導・育成という手段そのものが目的化してしまうことが少なくありません。

チームやプロジェクト単位での業務遂行は、多様性に富んだ従業員の弱みを補えるという強みがあります。部下やチームメンバーの適性や能力を把握し、適材適所に人員配置することで、組織としての生産性を飛躍的に向上させることが可能です。

そのためにも、万能型の部下の育成・指導に注力するのではなく、組織全体として成果を最大化するための部下の育成・指導を優先しなければいけません。マネージャーは部下の仕事に対してではなく、組織の成果に対して責任を持つということを肝に銘じましょう。

責任感のある意思決定

マネージャーの最も重要な役割といえる「意思決定」には、それに伴う責任をしっかりと認識する必要があります。

課題や問題点を明確にし、「自分の判断によって、事業や業務の方向性が見失われないか」、「部下やチームメンバーに任せた業務が無駄にならないか」をしっかりと意識します。幾通りものアイデアや課題に対して、各メンバーの言い分や考えを尊重しつつも、気持ちを一つにまとめた上で意思決定を下さなければいけません。

マネージャーには他のメンバーの努力や想いをしっかりと認識し、その都度、最適かつ迅速な意思決定が求められます。

マネージャーに求められる能力とは?

組織を管理・統括し、メンバーの指導・育成や成果への責任、意思決定を担うマネージャーには、さまざまな能力が求められます。今回はマネージャーを務める、目指す上でも欠かせないといえる能力をご紹介いたします。

ドラッカーが提唱する5つの基本能力

著名な経営学者として知られるピーター・ドラッカー氏は、「マネージャーがチームマネジメントを実行する上で、5つの基本能力が必要である」 と提唱しています。その5つの能力こそが、『目標設定能力』『組織化能力』『(部下との)コミュニケーション能力』『評価測定能力』そして『人材育成能力』です。

マネージャーは組織の成果に対して、責任を負っているため、チームメンバーの適性能力を判断した上で数値化された目標を設定しなければいけません。そして、その目標を達成するためにも、適切な人材配置と意思決定を行なう人材選定を行い、組織化を図ります。これら、『目標設定能力』と『組織化能力』は業務を適切に遂行する上でも大切な基盤となるため、マネージャー自身が重要視すべき能力といえます。

業務を遂行するためには、部下やチームメンバーの動機付けやチームの気持ちをひとつにまとめる優れた『コミュニケーション能力』が必要です。自身が受け持つメンバーの成果や作業量を定期的に評価し、業務への姿勢や貢献度などを考慮する『評価測定能力』も期待されます。

また、人材育成は企業の将来を担う重要な経営戦略です。現場に近く、部下やチームメンバーとのコミュニケーションの機会が多いマネージャーに人材育成を委任する企業も少なくありません。相手の評価はもちろん、セルフマネジメントや自らが模範となる伝導者としての振る舞いを前提とした『人材育成力』が求められます。

業務遂行能力(テクニカルスキル)

ハーバード大学経営学教授のロバート・カッツ氏は、マネージャーには3つの能力が求められると提唱しています。その内のひとつが業務遂行能力であるテクニカルスキルです。業務遂行能力とは、業務や仕事を適切に遂行するための能力を指し、《知識・分析力・論理力》の3つの能力によって構成されます。

マネージャーにはさまざまな場面で意思決定を下す機会に直面するため、その都度、課題や問題を明確にし、本質を捉える分析力が求められます。また、解決策や方向性を修正する上でも分析結果を論理的に組み立てていく力も必要です。論理力は理論や考え方だけでなく、業務を通して、培ってきた知識と経験を基に構成されます。

マネージャーにはビジネスマンとしての個人の力量とともに、知識・分析力・論理力が備わった業務遂行能力(テクニカルスキル)が必須といえます。

【関連】テクニカルスキルとは?具体例やヒューマンスキルとの違いをご紹介/BizHint HR

対人関係能力(ヒューマンスキル)

ロバート・カッツ氏が提唱する3つの能力のうちのひとつ、対人関係能力であるヒューマンスキル。役職に関係なく、仕事に携わる際は、必ず他者との協働が求められます。

マネージャーに至っては、部下やチームメンバーはもちろん、直属の部門管理者や関係部門、経営者など関わる範囲が広くなります。そのため、マネージャーを担う人材は、よりハイレベルな対人関係能力を求められます。

現場で働くメンバーの多様性や価値観を尊重するためには、汎用的なコミュニケーションだけでは業務に支障をきたします。組織で活動する以上、メンバー間での意見の相違や、マネージャーの意思決定への納得感に差が生じることはいわば必然といえます。マネージャーの役割は、メンバー間の意思の調整を行い、メンバー一人ひとりの意見を尊重しながらも、マネージャー自身の考えや思いを伝え、納得をさせることです。

また、マネージャーには部下やチームメンバーの指導・育成する役割が与えられており、有効な育成手法のひとつにコーチングが挙げられます。近年では従業員ひとり一人に自発性を発揮させるためにも、「問いかけて答えを自発的に探し出す」という作業を中心とした育成が求められています。内発的な行動につなげる力を養う「コーチング力」も、マネージャーの重要な能力のひとつとして認識されています。

さらに、さまざまなコミュニケーションの機会があるマネージャーにとって、メンバーの意見に耳を傾ける「ヒアリング力」も、求められる対人関係能力のひとつです。部下やチームメンバーを受け持つマネージャーは、彼らの意思統一を図り、組織として成果を出さなくてはなりません。マネージャーの意思とは異なる考えや意見を持つメンバーに対しても、共感を抱きながら耳を傾けることが大切です。意思決定者の共感を伴った傾聴は、部下やチームメンバーの信頼関係の構築にもつながり、理解を得るための第一歩となります。

マネージャーは組織を管理・統率し、一つの目標に向かって、推進する役割を担っています。そのため、チームメンバー全員を巻き込んで、業務を遂行させる「巻き込み力」といわれる対人関係能力が求められます。マネージャーという立場や権限のみで協力を得るのではなく、部下やチームメンバー、関係部門の同意を得るための「巻き込み力」は必須といえます。

日頃から「コミュニケーション能力」、「コーチング力」、「ヒアリング力」を発揮しつつ、部下やチームメンバーとの信頼関係を構築しておくことが、事業に関わる人全てを巻き込み、期待以上の成果を達成するための要因となります。

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概念化能力(コンセプチュアルスキル)

ロバート・カッツ氏が提唱する3つの能力のうち、最後のひとつの能力が「概念化能力」であるコンセプチュアルスキルです。コンセプチュアルスキルとは、複数存在する物事や事象を概括的に捉え、共通項を見つけ出す能力を指します。

複雑な事象の概念化は、重要な局面での意思決定を行なうための本質を捉える重要な能力です。このコンセプチュアルスキルは《計画力・判断力・統率力・理解力》で構成されており、ビジネス現場でも重視されています。

組織の成果を担うマネージャーは、仕事における羅針盤ともいえる計画立案を行い、効率性の向上、課題や問題点の洗い出す計画力が求められます。分析作業や論理構築作業を通した計画は、効率性や確実性を追求するためにも欠かせないものといえます。

また、マネージャーは現場の結節点として組織を管理する立場にあるため、問題や課題、進行状況などを把握した上で、その都度、判断を迫られます。誤った判断を回避するためにも、徹底された分析力・論理構築の基に正しい判断を下さなければいけません。

こうした計画性や判断力を有した上で、マネージャーは部下やチームメンバーの意識をまとめ、組織として統率する必要があります。人間関係を円滑に保ち、マネージャー自身が伝導者として実践し、模範となるべき姿勢を見せる行為が優れた統率力を発揮できる源となります。そして、成果をあげるために、克服すべき物事や事象を的確に把握し、部下やチームメンバーの考えや心持ちを理解する力も求められます。これらの概念化能力は組織を機能させる上でも重要な能力と考えられています。

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マネージャーが持つべき心得とは?

マネージャーを担う上で能力や役割は重要ですが、それ以前にマネージャーたる心得を意識することが大切です。今までの知識や経験、持ち前の分析力や論理力を最大限に発揮し、実現性を高めたとしても、最終的な判断は自身が持っている心得や価値観、または経営理念に依存します。

本章ではマネージャーを担う、目指す上でも知っておくべき心得をご紹介いたします。

長期的な視点をもつこと

企業を存続させる上でも短期的な売上・利益の確保は、マネージャーに課せられる重要な任務です。しかし、事業を推進していく中で、さまざまな問題や課題を予測し、対応策を準備することはマネージャーとしての職務といえます。

そのため、マネージャーは組織やチームが取り巻く環境や状況を把握し、偶発的な事象にいち早く対応できるように長期的な視点を持つことが求められます。理想とするシナリオやロードマップを描きつつも、どのような事態にも対応でき得る体制を確立・維持させなくてはいけません。

危機管理を徹底する

マネージャーは業務上で発生するミスやトラブルに対して、柔軟に対応しなければいけません。業務の特性や従業員の能力を把握した上で、業務上起こり得るリスクを想定し、事前に対応策を講じる危機管理を徹底する役割を担っています。

ビジネスを進めていく上で、プラス思考を持つことは大切ですが、危機管理に関してはマイナス思考を持って、取り組むことが求められます。マイナス思考で危機を想定しつつ、大きな問題になる前に対処するように心がけるようにしましょう。

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部下を尊重する

組織でビジネス活動を行なう以上、マネージャーは部下やチームメンバーの目線に立って、彼らの意見や考え方を尊重しなければ、組織での成果を出すことができません。注意や指導においても、要点をまとめ、手短に行なわなければ、部下のモチベーション低下にもつながります。ミスや失敗を発見した際は、適切なアドバイスはするも、改善策は部下自身に考えてもらうなど自律性を促す指導方法を意識しなければいけません。

また、上司であるマネージャーも管理職として成長することを求められます。そのためにも部下自身の成長を促す前に、自分自身が率先して成長することを意識することが大切です。

綿密なコミュニケーション

複数人以上の従業員が属する組織やプロジェクトにおいて、綿密なコミュニケーションはミスやトラブルを未然に防ぐだけでなく、ひとりでは解決できない課題を解決するきっかけにもつながります。

しかし、マネージャーにはこれらホウレンソウだけでなく、元気がない、困っている様子などのメンバーを気遣うコミュニケーションが求められます。生産性が高い従業員には業務が集中しやすいため、一部のメンバーに負担が集中していないかを確認し、必要に応じて、作業の再分担や人員追加などの措置を行ないます。

また、中には業務に集中するため、余計な会話を受け付けたくない従業員もいます。リアルタイムで会話を進められる、チャット形式のコミュニケーションツールを導入するなどコミュニケーションを円滑にする工夫も求められます。

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現代のマネージャーの課題とは?

経済のグローバル化や労働人口の減少、顧客ニーズや価値観の変化に伴い、ビジネス課題も高度化・複雑化しています。そのため、マネージャーの役割も変化し、負担も増えています。

本章では、現代のマネージャーの課題として認識されている一部をご紹介いたします。

経営環境の変化による影響

経営層と部下の中間に立つミドルマネジメント(中間管理職)は、経営トップと現場社員をつなぐ重要な役割を担います。

日本企業においては、このミドルマネジメントに求められるマネジメント業務を十分に果たしていないと指摘されています。その原因のひとつに、経営環境の変化による影響が挙げられます。

日本企業の経営環境はバブル崩壊以降、長期にわたるデフレ経済、少子・高齢化による国内市場の縮小、国際競争間の激化などで劇的な変化に晒されており、短期的な業績を求められやすい環境が構築されています。そのため、ミドルマネジメントの業務難易度が格段に上がり、プレッシャーの増大や責任範囲の拡大が進行しており、ミドルマネジメントのパフォーマンスを低下させていると考えられます。

管理実務の増大

情報技術の発達や企業が担うべき社会的責任の範囲拡大によって、情報管理・セキュリティの強化やコンプライアンスの遵守を徹底する企業が増えています。その結果、管理職であるマネージャーの管理実務が増え、実務的負担の増加につながっていると指摘されています。

これらの負担は、注力すべき人材育成や組織に課せられた目標達成に関わるマネジメント業務を疎かにし、組織の生産性を低下させていると要因になっています。情報漏洩などのリスクを解決するためにも、事業管理や情報・社内データの安全性を担保しやすい管理ツールの導入やマネージャーをサポートするマネージャー候補社員を配置するなどの工夫が必要です。

不公平な人事考課に陥る

成果に応じて、昇級・昇進を決める人事評価は公平かつ公正なものです。しかし、初めてマネージャーに抜擢される人材の多くは、自分と似たタイプの部下を高く評価する傾向がみられます。管理統率に優れたマネージャーは、自分と同じような管理統率が得意なメンバーを高く評価し、専門スキルを有するマネージャーも同様に、高い専門スキルを持つメンバーを高く評価してしまいがちです。

マネージャーの能力や考え方、特性によって、人事考課に不公平さが生じる事例も多く、主に専門職や技術職などのスペシャリスト志向の人材に多いと指摘されています。マネージャーには各メンバーの価値観や多様性を尊重する、平等な配慮が求められていることを認識しなければいけません。

ハラスメントの発生要因

マネージャー以上の管理職には、部下の指導・育成の役割を課せられます。しかし、近年、顕在化しているハラスメントの件数は増加傾向がみられ、マネージャーと部下の間に発生しやすいパワーハラスメントが問題視されています。

しかし、パワーハラスメントは業務上の指導との線引きが難しい上、事実確認も取れにくく、また加害者である上司に加害意識を認識させることも困難なことから解決が難しい事案です。

マネージャー以上の管理職に必要以上のハラスメント対策を強いることは、綿密なコミュニケーションと人材育成の障害にもつながりかねません。 マネジメント業務の知識や経験が不足しているマネージャーは指導や教育がハラスメントに発展してしまうケースも多いため、企業には徹底したマネージャー教育が求められます。

優秀なマネージャーの育成方法とは?

さまざまな役割を持ったマネージャーが登場する中、部下やチームメンバーの能力を最大化し、組織の成果に結びつける優秀なマネージャーの需要が高まっています。自社で優秀なマネージャーを育成するためにも、企業は最適な労働環境を提供しなければいけません。

ミドルマネジメント(中間管理職)の重要性

バブル崩壊以降、組織のフラット化や成果主義の導入により、短期的な目標達成を求められる一方、人員整理で発生した実務業務が増大したことで、ミドルマネジメントの成長する機会のほとんどが失われました。

しかし、ミドルマネジメントは経営トップと現場社員をつなぐ重要な存在であり、組織を運営する上で欠かせない役職といえます。企業の経営陣は実務の増大や処遇の低下などの影響を受けやすいミドルマネジメントの重要性を再認識し、マネージャーを含むミドルマネジメントが意欲を持って、業務に取り組める環境を整備しなければいけません。

マネージャー同士が学び合う機会の提供

ひとつのチームや組織を任されるマネージャーは、与えられた組織としての目標を達成すべく奮闘しながらも、目の前で発生する問題や課題の解決や、人材育成の難しさに苦労する機会に直面します。

裁量権や権限を与えられるマネージャーは、チームの問題を一人で抱え込んでしまうことも珍しくありません。しかし、同様の悩みを抱えているマネージャー同士が自らの意見や体験を交換し合い、学び合う機会が設けることで、これらの悩みは解消できます。

同じ悩みを共有し、一緒になって解決していくことで、不足する知識・経験を補い、マネージャー同士の連帯感の創出や孤独感の解消が期待できます。

成長を促す経験の提供

マネージャーのマネジメント能力の向上には体系的な知識や理論のインプットだけでなく、現場での経験が必要です。現場での人材育成や組織としての一体感を経験させることで、モチベーションの向上にもつながり、自らの成長を実感することができます。

そのためにも企業はマネージャー、部長、執行役員といったステージ毎で成長を促す経験を提供しなければいけません。部門の垣根を越えた連携や部下の育成、新規サービスの立ち上げや変革に参加した経験は、マネージャーに必要な分析力や共有力、事業の推進・実行力といった能力として培われます。

企業がマネージャー以上の管理職の役割を明確にすることで、マネージャー自身の成長を促す経験を提供することができます。

研修・セミナーの実施

個人の目標に加え、組織として成果を出すことが求められるマネージャーは、現場での経験を通して、能力を高めることが一般的です。一方で、企業側も外部の研修やセミナーを利用することで、体系的な知識や理論を提供し、想定されるリスクへの対応や人材育成のワークショップ、ケーススタディを通して、マネージャーの育成を図ることができます。

また、経営学の第一人者や心理学者が提唱するマネジメント理論を紹介した書籍も多数販売されているので、マネージャー自身も積極的にマネジメントに関わる基礎知識を習得ができます。

マネージャー育成におすすめの研修や書籍紹介

豊富な知識と実践的な経験が必要になるマネージャーは、書籍や企業が提供するセミナーで補うことも可能です。今回はマネージャーの方はもちろん、マネージャーを目指す方におすすめの書籍とセミナーをご紹介いたします。

書籍:これからのマネジャーの教科書

日本の大手企業で活躍するマネージャーの共通点や法則性をまとめ、マネージャーに必要なスキル(組織で成果を出す能力)、ウェイ(仕事への想いの力)、ギャップ(違いを乗り越える力)の3つの能力を紹介している書籍です。

上司や部下、同僚などの人間関係やしがらみ、ジレンマに負けないための力を身につけ、前向きで上昇志向の高いミドルマネージャーの特徴を追及しているため、現職のマネージャーやマネージャー候補に最適な良書でもあります。

【参考】amazon これからのマネジャーの教科書

書籍:マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力

ハーバードビジネススクール教授のテレサ・アマビール氏と、心理学者のスティーブン・クレイマー氏が解明した、マネージャーが意識すべき「小さな進歩」を紹介している書籍です。チームメンバーの生産性や創造性、モチベーションを高めるための「進歩の法則」を提唱し、自律性、積極性に富んだ従業員の育成に効果的とされています。

ミドルマネージャー層に役立つ内容が特徴の書籍です。

【参考】amazonマネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力

研修:リクルートマネジメントスクール提供 マネージャー育成研修

リクルートマネジメントスクールが提供する「マネージャー育成研修」では、2日に渡り、業績達成と人材育成に重きを置いた研修内容を学べます。マネジメント改革や組織の疲弊感の解消、チームマネジメント力の習得などの課題に対応できるセミナーです。

目の前の業績に囚われがちなマネージャーの意識改革や、全体を俯瞰する力を要するマネージャーにおすすめのセミナーでもあります。

【参考】管理職・マネージャー育成研修セミナー / 社員研修・社員教育のリクルートマネジメントスクール

研修:株式会社リアルコネクト提供 営業マネージャー育成研修

株式会社リアルコネクトが提供する「営業マネージャー育成研修」では、プレイングマネージャーを生み出しやすい営業部門のマネージャー育成に長けた研修内容が特徴的です。

クライアントを獲得する上での知識、プロセスマネジメント手法、全社戦略の理解、人材育成能力などが足りないマネージャーを対象にしたセミナーのため、新任の営業マネージャーにもおすすめです。共通認識の確立やマネジメントに必要なコミュニケーション能力の向上にも役立ちます。

【参考】株式会社リアルコネクト 営業マネージャー育成研修

まとめ

  • 顧客ニーズや価値観の変化に加え、AIを中心とした技術革新はビジネスのあり方や働き方にも大きな影響を与えています。それとともに、管理職の第一歩でもあるマネージャーの役割や求められる能力も変化しています。
  • 自社が求めるマネージャー像や役割を明確にし、最適な育成環境を提供することも企業の使命といえます。

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