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連載:第10回 躍進する企業の転換点

地方のスポーツクラブに変革を。地元と一緒に、チームも選手も成長するクラブづくりに挑む

BizHint 編集部 2022年7月6日(水)掲載
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今やW杯常連国となった日本。その強さを支えているのが、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)です。J1からJ3までの3つのカテゴリーにわかれ、全部で58ものクラブが参加しています。その中で、J2に2000年に参入して以来、幾多の経営危機に直面しながらも、カテゴリーを死守し続けているクラブがあります。それが、水戸ホーリーホック。資本力のある親会社がついているわけではない市民クラブということもあって、売上や強化費はJ2の22クラブでも下位レベル。それでも、近年は一桁台の順位に食い込むなど、J1昇格戦線に割って入る存在となりつつあります。地方の市民クラブが存続と発展に向けてどう経営改革を進めているのか。今後、どんなクラブづくりを目指していくのか。2020年に代表取締役社長になられた小島 耕さんに伺いました。

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株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホック
代表取締役社長 小島 耕さん

1974年生まれ。茨城県鉾田市出身。明治大学商学部卒業。出版社、サッカー専門紙、映像会社を経て、2019年に水戸ホーリーホックの取締役に就任。2020年より現職。


まだまだ伸びる余地があると思い、経営に参画

――ご出身は鉾田市で、街が鹿島アントラーズに染まっていく様子をご覧になられたとお聞きしました。

小島 耕(以下、小島): カルチャーショックでしたね。プロスポーツチームが田舎に誕生する喜びを肌で感じました。スポーツによる感情の変化を巻き起こす力は凄いと。

――その後、スポーツ紙の編集、映像会社などの仕事をされました。

小島: ずっとスポーツメディア周りで。メディアがスポーツを強くするという文脈で仕事をしてきました。

――水戸ホーリーホックに関わるきっかけは何だったのですか。

小島: 現在会長の沼田邦郎が、2019年に僕を社外取締役に誘ってくれたのがはじまりです。協力できることがあればということで、東京から週に1回程度、通いで仕事をさせてもらいましたが、やっているうちにどんどん楽しくなりました。今までメディア側で見ていたものと全然違う風景がそこにはあって、これは面白いと。半年後にはすぐに常勤の取締役にさせてもらい、2020年7月に社長に就任しました。

「チームを強くすれば、すべてが解決」ではないと痛感

――サッカークラブの経営に対してどのようなイメージをお持ちでしたか。

小島: 当初は「チームを強くすれば、すべてが解決する」と思っていました。もちろん、Jリーグが地域密着を掲げていることは知っていましたが、まずチームが強くなることに注力するのが大切だと考えていました。ただ、違っていましたね。メディアとクラブ、壁一枚隔てただけの距離だと思っていたのに、まったく知り得ない課題が沢山見えてきました。チームを強くするには、多くの要素があるんです。まず、働いているスタッフが優秀でなければいけません。そのためには、給料を上げる必要があります。また、地域の皆さんにもっと応援していただかないといけませんし、お金もいただかないといけないのです。とにかく、様々なアプローチがあり、それを同時に進めていかないといけないことを学びました。

――実際、入られた当時にクラブの体質はどう見えましたか。

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