相対評価
人事考課には、相対評価と絶対評価の二種類があります。日本企業が従来から採用してきたのは相対評価ですが、近年はグローバル化に伴う成果主義の考え方を採る会社も増え、人事考課の手法としても絶対評価を選択する人事部も目立ちます。今回は「相対評価」に焦点を当てながら両者の特徴や違いを分かりやすく解説すると同時に、両者を共存させるような効率的な人事考課のヒントをお教えしたいと思います。
相対評価について
まず初めに、相対評価とは何なのか、その基本的な内容をご紹介しましょう。
相対評価とは?
相対評価とは、個人の能力を、その個人が属する組織や集団内においてどのような位置にあるのか、相対的な位置を手掛かりとして評価する方法です。「A評価は○%、B評価は○%」というように評価の分布をあらかじめ決めておき、その枠にはめ込む形で集団を構成する個人の能力を評価します。
評価の対象者同士を相対比較して序列を行うことが最大の特徴と言えます。
相対評価の使用事例:教育現場
相対評価が採用されている代表的な例といえば、やはり学校教育における学力評価でしょう。「5・4・3・2・1」の割合(一般的に5から順に10%、20%、40%、20%、10%)を決めておき、学校単位で実施する試験などの平均点や得点分布に基づいて個人の学力をそれぞれに当てはめる「五段階評価」や、その評価基準を全国で共通の指標(試験など)とする「偏差値」などが挙げられます。
企業の人事考課で使用される相対評価
企業における人事考課としての相対評価には種類が2つあります。
- 評価基準を事前に定めることはせず、あくまで一定のグループ内での対人比較のみで順位をつける方法
- グループの平均実績を算出し、それを評価基準としてグループ全体の業績への貢献度をベースに評価するという方法
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