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2017年7月14日(金)更新

マネジメントレビュー

製品やサービスの品質保証は、企業の売上・利益の確保はもちろん、企業への信頼を構築する大切な活動です。近年ではガバナンス・情報セキュリティーの強化など、定期的にマネジメントを行う必要があります。今回は企業にとって、大切な活動の一つであるマネジメントレビューの意味、規格、メリット、実施するポイントなどをご紹介いたします。

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マネジメントレビューの定義と規格について

ビジネスにおいて、欠かせない活動の一つであるマネジメントレビューは、品質管理や情報セキュリティー以外にも対象となる分野は多岐に渡ります。マネジメントレビューを実施するには、マネジメントレビューの定義とそれに必要な規格をしっかりと理解することが大切です。

マネジメントレビューとは?

マネジメントレビューとは、企業が行なってきたマネジメント体制を振り返り、体制の成果や懸念・問題点を考察する経営管理活動を指します。対象となる分野は多岐に渡り、サービス・製品の品質管理や情報セキュリティーなどが主な対象となります。マネジメントレビューで使用される規格として、ISO、ISMSなどが挙げられます。定期的にマネジメントレビューを行なうことで、製品やサービスの品質担保、今までの組織活動・組織能力の分析、組織風土の見直し、コンプライアンスの遵守などのメリットが得られます。

マネジメントレビューの主導は経営者を含む経営層が担います。一般的には内部・外部監査の結果、顧客(ステークホルダーを含む)からのフィードバックを基に実施してきたプロセスの実施状況の適合性(品質システムの有効性)を測り、実施してきた活動(リスクマネジメントなど)の成果を見直します。その後、活動もしくは活動プロセスの改善の決定や処置を提案し、実践に移るという流れを汲みます。

マネジメントレビューの規格とは?

健全なビジネスを行なうための戦略であるマネジメントレビューには、適切な見直しができるようにモジュール化(標準化)された規格が存在します。今回、ご紹介するのはマネジメントレビューで採用されることが多い規格です。

ISO 9001

「ISO 9001」とは、一貫したサービスや製品の提供をすることで、顧客満足を向上させる品質マネジメントシステムの国際規格です。組織の品質担保活動のレビューを重視しており、世界170カ国以上、100万以上の企業・組織が利用している国際的に通用する規格でもあります。国内需要が飽和化し、海外に活路を見出す企業が増える現状において、ものづくりを主力とする日本企業には欠かせない、国際的な取引を迅速に行なうため規格といえます。

「ISO9001」は顧客満足の向上と一貫したサービス・製品の提供を狙いと定めています。この「ISO9001」は業種・業態に関わらず、認証取得が可能で、認証取得までにかかる時間は約1年です。

ISO14001

「ISO14001」は、「ISO9001」と同じくISO(国際標準化機構が制定する世界共通の品質規格)が制定する環境活動を管理するマネジメントシステムの国際規格です。

自然環境保護とのバランスを考えて、経済活動を行なうことは、今や企業に求められる義務といえます。「ISO14001」は環境目標の達成、環境パフォーマンスの向上、順守義務の充足を狙いとしています。この「ISO14001」は業種・業態に関わらず、認証取得が可能で、認証取得までにかかる時間は約1年です。

ISO/IEC 27001

「ISO/IEC 27001」とは、企業が取り扱う情報の完全性、機密性、可用性の3つをマネジメントするためのISMS(情報セキュリティーマネジメントシステム)の国際規格です。近年、IT技術・ITインフラの発達により、インターネットを介した様々な攻撃(不正アクセスやコンピューターウィルス)が頻発しています。特に企業が保有している個人情報の流出は企業に対する信頼を著しく低下させてしまいます。そのため、情報システムへの脅威から身を守るためにもISMSのニーズは年々高まっています。

「ISO/IEC 27001」は最適な情報セキュリティー体制の実現を目的に、ISMS専用のマネジメントレビュー規格として登場しました。「ISO/IEC 27001」の目的はISMSの確立、実施、維持、継続的な改善と情報セキュリティーのリスクアセスメントおよびリスクへの対応が挙げられています。認証取得までにかかる時間は約1年です。

品質管理における規格は多岐に渡り、今回ご紹介した規格はほんの一部に過ぎません。その他にも自動車産業(自動車関連製品の設計・開発・生産などのサービスを提供する組織)のマネジメントレビュー規格である「JIS Q 16494」、食品安全のマネジメントレビュー規格である「ISO22000」、個人情報保護のマネジメントレビュー規格である「JIS Q 15001」などがあります。

マネジメントレビュー導入のメリットとは?

マネジメントレビューは企業がビジネスを行なう上で、さまざまなメリットがあります。主なメリットとして、「製品やサービスの品質担保」、「組織活動の結果への分析」、「組織風土の促進、コンプライアンス順守」の3つが挙げられます。

製品やサービスの品質担保

マネジメントレビューの一環として、ISO規格の取得があります。ISO規格で提示されている要求事項を満たし、認証取得は自社の品質管理の信頼にもつながり、顧客満足度を向上させることができます。国内外の市場の中には、取引条件にISO規格取得を課している市場もあるため、取引の安定や取引機会の創出にもメリットがあります。

逆に言えば、ISO規格を取得していない場合、新規参入の障壁となる、取引に制限がかかるなどの不利益を被る可能性があります。また、各社が積極的に品質管理を行なうことで、企業間の競争力の強化にもつながります。

組織活動の結果への分析が可能

マネジメントレビューは、組織活動を定期的に見直し、改善を行なう企業戦略(経営戦略)でもあります。そのため、半年や一年間のサイクルで、実際の組織活動が適切だったかどうかを分析・評価することができます。組織活動に関わる従業員のコミュニケーションや技術力、生産性、また組織活動におけるルールの遵守なども分析・評価対象となります。これにより、適切なPDCAを実施することができ、継続的な改善が可能となります。

組織風土の促進、コンプライアンス遵守に活用できる

経済のグローバル化により、日本企業にも成果に応じた評価体制や組織運営が取り入れられるようになりました。しかし、同時に粉飾決算をはじめとする不適正会計処理や長時間労働の常態化などの職場環境の悪化、法令違反が度々問題となっています。

先にご紹介したとおり、マネジメントレビューは組織活動の分析・評価が可能です。これより、従業員が働きやすい組織風土の促進やコンプライアンスの徹底、従業員の意識改革(同一の危機感、共通の価値観、高い欲求水準)にも効果が期待できます。

このように、マネジメントレビューは企業が担うべき責任を全うする役目も果たしているため、企業にとって、重要なキーワードとなっています。

【関連】【弁護士監修】コンプライアンス違反を防ぐためには?」 / BizHint HR

マネジメントレビューに欠かせないインプットとアウトプットとは?

マネジメントレビューは主に、インプットとアウトプットの2種類のプロセスを踏む必要があります。それぞれには役割があるため、しっかりと内容を把握しておきましょう。

今回は国際規格である品質マネジメント規格「ISO 9001」を例にご説明いたします。

マネジメントレビューのインプットに含めるべき情報とは?

マネジメントレビューを行なうには、品質管理規定で定義された要求事項を基に情報収集を行ないます。「ISO 9001」の場合、インプットに必要な要求事項は以下に挙げられます。

  • 内部・外部監査結果
  • 顧客のフィードバック
  • 組織活動の実施状況(プロセスの成果含む)とサービス・製品の適合性
  • 予防・是正処置の状況
  • 前回のマネジメントレビュー結果に対するフォロー
  • 組織変更、関連法令の変更により、影響が生じる事項
  • 改善の提案

これらをトップ(経営者、経営層)から部門責任者に情報提供を求めます。

マネジメントレビューのアウトプットで求められることは?

マネジメントレビューの主な内容はインプットで収集した情報に対する改善と処置です。具体的には、品質マネジメントシステムそのものとそのプロセスの改善、顧客の要求事項に適合したサービス・製品の改善、そして品質担保に必要な経営資源(人的資源、生産インフラ設備、作業環境など)の洗い出しが挙げれられます。

これら改善・処置の決定こそがマネジメントレビューとなります。そして、決定されたマネジメントレビューの結果を記録し、組織内に浸透させていきます。

マネジメントレビューの実施するためのポイントとは?

マネジメントレビューを効果的なものにするためには、目的の明確化とチェックシートの活用、マネジメントレビュー会議をうまく活用することが大切です。

マネジメントレビューの目的を明確化する

マネジメントレビューの真の目的は、トップマネジメント(経営者や経営層)が主導し、品質マネジメントシステムに有効性があるかを確認することです。そのため、管理責任者に一任するような運用体制では真のマネジメントレビューとは言えないため、トップ自らが指示する必要があります。

また、マネジメントレビューにおいて、インプットとアウトプットの項目を明確化し、どのようにトップが関与していくかが大切です。トップが関わらないマネジメントレビューは失敗に終わると肝に銘じておきましょう。

チェックシートの活用

マネジメントレビューはトップが主導して行なうことが前提です。そこで活用したいのがマネジメントレビューチェックシートです。このチェックシートはマネジメントレビューのインプットの段階で活用します。

既にご紹介している通り、チェック項目には内部監査・外部監査・自己評価、顧客からのフィードバック(顧客満足度の程度、クレーム件数)、製品の適合性、予防処置件数、是正処置件数、品質目標の達成状況、品質マネジメントシステムの変更の必要性、改善提案(市場関連情報や技術動向、競合企業の成果など)が挙げられます。

これらのチェックシートは部門別に分けて、行なうこともできます。ISO規格認証を取得、もしくは取得を目指している場合はISOの要求事項に沿ったチェックシートを作成し、実施しましょう。

マネジメントレビュー会議の実施

ISO規格などにはマネジメントレビューで行なうべき要求事項の記載はありますが、やり方については取り決めがありません。そのため、企業による効果的なやり方が可能です。中でも効果的な方法が経営者・経営層と部門別責任者が参加する定例会議です。マネジメントレビューの作業だけでなく、経営層と現場とのコミュニケーションの活性化も期待できます。

また、四半期や半年、一年に一度など定例化することでマネジメントレビューを習慣化できるため、より効果の高いマネジメントレビューを実施できます。

マネジメントレビューの事例について

経済産業省が発行した「マネジメントシステム活用事例集」には、マネジメントレビューによって、組織体質の改善に成功した事例が掲載されています。

新日本ウエックス株式会社のマネジメントレビューの活用事例

新日本ウエックス株式会社(ユニフォームレンタル事業)では、独自に作ったマネジメントシステムを浸透させるため、積極的にマネジメントレビューを実施しました。マネージメントレビューの旗振りは同社のトップである廣瀬純平社長です。まず廣瀬純平社長は、自ら問題点を指摘する場を作り、会社の体質改善を図ることから始めました。

注目すべきは廣瀬純平社長による議事録への関与です。担当者が作成した議事録に社長自らが逐一手をいれ、担当者との質疑応答を通して、実現したい提案や指摘が具体的になるまで修正を行ないました。そうした活動が4年ほど続けられた結果、マネジメントレビューに参加する幹部(部長や課長)から自発的な発言が増え、迅速なPDCAが行なわれるようになりました。

さらに今までマニュアルを読むことがなかった従業員にも変化が現れ、全従業員が主体的にマネジメントシステムへの取り組みを行なうまでになりました。まさにマネジメントレビューによる組織体質の改善に成功した良き事例といえます。

【参考】経済産業省 マネジメントシステム活用事例集 P41

まとめ

  • マネジメントレビューは、企業がビジネスを行なう上で製品やサービス、組織活動の品質を担保する重要な戦略の一つといえます。
  • 企業にとって、制定された法令の下、コンプライアンスを遵守し、経営者を含む従業員全員が実践するための仕組みは欠かせません。
  • そのためにもマネジメントレビューの実施を習慣化し、組織にしっかりと根付かせることが大切です。

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