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2018年5月14日(月)更新

業績評価

人事制度の中にある人事考課の方法として、業績評価というものがあります。これは個人が達成した業績によって評価をしていくもので、成果主義的な方法の1つです。具体的にはどのような方法なのか、そしてどのような活用が望ましいのかを解説します。

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業績評価とは

最初に、業績評価の一般的な定義について解説します。

業績とは?

まず業績とはそもそも何なのかということですが、これは、会社においてチームや個人が達成した成果であり、経営上の利益につながるものということになります。担当業務によって内容は異なりますが、仕事の出来映えや質の良さと、仕事の大きさの掛け算として考えることができます。そして、その両方が良くなければ高い評価が得られません。

例えば製造部門であれば出来映えや質の良さはそのまま品質として考えられます。そして重要度や難易度、貢献度などを仕事の大きさとして考え、この2つを乗算することで業績を示すことができます。営業職であれば、仕事の質は顧客との関係性であり、大きさは売上高や販売の頻度と考えられます。

  • 仕事の質 × 仕事の大きさ = 業績
  • 仕事の質
    出来映え、質の良さ、手戻り品の少なさ、クレーム率など
  • 仕事の量
    重要度、難易度、貢献度、利益の大きさ、経費削減の大きさなど

人事考課の中の1つの観点

人事考課にはいくつかの観点が考えられ、業績評価はそのうちの1つといえます。通常は成果や業績そのものに目標達成度を組み合わせて使用しますが、ある期間における仕事の結果が評価対象ということになります。営業職などでは比較的に導入しやすいですが、他の職種で活用する企業も少なくありません。

なお、その他の人事考課の方法としては能力評価やプロセス評価などがあります。社員が持っている知識や能力、スキルに対して評価を行うのが能力評価で、業績までの過程における行動特性や態度を評価するのがプロセス評価です。業績評価もこれら他の視点と組み合わせて活用し、全体として人事考課を構成します。

プロセス評価との関係

能力評価はある時点でその人が持っている能力に対して評価を行います。これに対して業績評価とプロセス評価は、期間を設けてその間の成果や行動を評価します。結果およびそこにいたる過程ということでしばしば比較対象として論じられますが、決して対立したり別々に存在したりするようなものではありません。

特に近年では、業績につながる行動特性としてコンピテンシーというものが使われるようになり、これをプロセス評価の一部として活用しながら関係性をもって運用されることが多くなっています。それぞれ、車の両輪のように運用するのが望ましいのです。

【関連】プロセス評価とは?目的や導入のコツ、企業事例などをご紹介 / BizHint HR

業績評価のメリットと目的

業績評価という人事考課において、認められる業績とは会社の利益につながるなんらかの指標です。したがって、それを目標として達成することが会社の利益につながります。評価につながる目標があれば社員のモチベーションも向上し、それが組織としての利益にもつながっていくということがメリットです。

また、目標管理制度と組み合わせて運用すれば、社員の能力を引き出すきっかけともなります。ある時点での業績から少し上の数値を次の目標に設定し、次に評価するタイミングまでの目標達成率や達成度を評価します。これを繰り返していくことで成長を促す人材育成を行うことも、業績評価を実施する目的の1つになってきます。

さらに、経営管理の観点から、人件費の無駄を抑制する効果も期待されます。対極にあるのが日本的な年功序列制の賃金体系であり、これは高齢の管理職などに高コスト化の懸念があります。企業組織の利益につながる成果を業績として評価することで無駄をなくし、管理会計において経営を圧迫しかねない固定された人件費を減らします。

業績評価の流れ

業績評価を実施する場合に、どのような流れで運用をしていけば良いのでしょうか。一般的な順序を見てみましょう。

目標設定

業績評価は、後述する目標管理制度とセットにして運用するので、最初にチームや個人の目標値を設定します。それぞれの数値は、上位にある組織の目標をふまえたものでなくてはならず、最上位に来るものは会社全体としての経営目標や戦略目標です。これが確定した後に、順番に範囲を小さくしていき、最終的に個人の目標設定につなげます。

業務遂行と期中の見直し

評価の基準となる目標値が決定した後は、それが達成されるように努力をしながら業務にあたります。業績をあげて企業の利益に貢献することが目的あり、期中であっても達成状況についてあるていどの評価を行います。その期中評価によっては面談等を行ったうえで目標値を見直すこともあり、最初の内容に必要以上にこだわらないようにしましょう。

また、最初の目標設定段階では予想できなかった外的な環境要因などの影響があり、組織目標が変化することもあり得ます。個人の目標は上位目標に沿ったものでなくてはいけませんから、組織目標が変われば個人単位の目標も変える必要があるかもしれません。ただし、会社の経営目標が下方修正されたからといって全員の目標を下げてよいかといえば必ずしもそうではないので、慎重な検討は必要です。

目標達成度の評価

評価期間が終了したら目標達成度や達成状況の評価を行います。これは上司などが行う上からのものと本人が行うものとのすり合わせで実施するのが良いです。仮に本人が思っているような評価と上司からのものに乖離があれば、モチベーションを高めるという目的の1つが達成されなくなるおそれがあります。場合によっては360度評価を導入するなどして納得感を高めましょう。

納得感を高めるために、評価者の設定を適切にすることとあわせて、最終的な評価を決定するための面談を実施します。本人の評価に対してはアドバイスや指導を行いつつ、他の人からの評価との相違点や合致する点について話し合います。最終的に双方が納得できる着地点を評価として、次の期間における目標設定につなげていきます。

業績評価と目標管理

業績評価を制度として導入する場合に、大切なことの1つに目標管理制度との連携があります。その関係性とはどのようなものでしょうか。

目標管理制度とは

目標管理制度とは、個人ごとに業績の目標を設定し、その進捗状況や達成率、達成度についての管理を自ら行う制度です。社員が自分で行うものではありますが、他者がそれに干渉しないわけではなく、上司や人事部門が関わりながら目標の基準設定や評価を行います。

目標管理をしっかり行うことで社員の意欲も向上し、ひいては社員の能力向上にもつながります。このことは業績評価のメリットや目的とも合致をし、それゆえこの2つは組み合わせて運用することが望ましいのです。

【関連】目標管理制度の目的とは?問題点を克服し失敗しない制度導入に必要なこと / BizHint HR

業績評価のための目標設定の手順

先述のとおり、あるレベルの目標値は、より上位にあたる組織の目標をふまえたものでなければなりません。下位の目標は上位の目標や業績につながる必要があるので、最初に決定されるのは会社全体としての戦略目標や経営目標です。会社全体の目標決定がされた後に個人目標の設定がされるまでの手順を以下に示します。

  1. 組織目標の周知と理解
    上位階層から順に、所属するすべての社員に周知をし、その内容のしっかりとした理解を得ます。
  2. 個人目標の設定と申告
    本人がまず自分で目標を自己設定し、人事部門や上司に申告します。
  3. 個人目標の評価と調整
    申告された内容が適切かどうか評価して、必要に応じて調整をします。
  4. 目標の決定
    調整役となる人事部スタッフや上司との面談を経て、最終的な目標を決定します。

業務目標とチャレンジ目標

設定すべき目標は大きく2つに分類でき、それが業務目標とチャレンジ目標です。業務目標は職責や職務に関連して設定するもので、社内で与えられている役割や担当業務に応じて決められます。法令によって義務付けられる内容も含まれ、いわば必然的に発生する、やらなければならないことがその内容となります。

一方のチャレンジ目標は直接的に自分の業務に関係ない分野について挑戦する内容とします。モチベーションの喚起や組織の活性化を目的とし、職責の内容にかかわらず設けます。ただし、企業経営の方針や理念に沿ったものであるのは当然として、数や内容の制限もあるていどしなくてはいけません。これは、チャレンジ目標に向けた努力が大きくなりすぎて、本来の職務に直結した業務目標のための努力を圧迫してしまわないようにするためです。

業績評価を成功させるために気をつけること

ここでは、業務評価を行う際に気を付けるべきポイントをご紹介します。

SMARTな目標設定を

業績評価を実施するにあたっては目標設定が重要なポイントになります。目標が適切であればこの仕組みは人事制度の中でうまく機能し、適切でなければ人事業務全体に悪影響が出ます。目標は以下に示す6つの事柄に注意すると良いものにしやすく、それぞれの頭文字をとってSMARTな目標設定と呼ばれます。

  • Specific(明確性)
    目標の内容を、明確で具体的なものにします。あいまいで抽象的だと達成度の評価ができません。
  • Measurable(計量性)
    数値化して可視化できるようにします。これが不十分だと、やはり達成度の評価が十分にできなくなります。
  • Achievable(現実性)
    本人の現状から見て現実的な設定にします。非現実的な高すぎる目標はモチベーションの向上につながりません。
  • Agree on(合意可能性)
    評価者と本人の考えをすり合わせて双方合意の結果として目標を定めます。これが無ければ納得感が得られません。
  • Relevant(関連性)
    会社の経営目標や理念と関連した内容にします。関連性が薄ければ企業としての利益に貢献できません。
  • Timely(適時性)
    時宜にかなった目標にします。また、評価を適切に実施するために期限を切るという意味もあります。

単なるノルマにはしない

評価者となる上司や人事部からの通達によって目標が決められるのは良くありません。業績評価を機能させる適切な目標設定とはならずに、単なるノルマとなってしまいます。

押し付けられるノルマはモチベーションの低下を招き、生産性の悪化にもつながります。これでは業績評価を取り入れるメリットを削ぐことになるので、絶対に避けなければいけません。本人が納得して積極的に取り組めるようにしっかりすり合わせを行いましょう。

PDCAサイクルで継続的な運用を

PDCAサイクルとは、PLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(評価)、ACTION(修正)を繰り返すことで改善を継続的に行っていくということです。業績評価に当てはめて考えれば、目標を立ててから業務に励み、評価を受けて、新たな目標を設定するというサイクルの繰り返しになります。

業績評価の制度も目標管理制度も、一度だけやって終わりでは意味がありません。今より少しでも良くなることを目指して、常に向上を図る中で人材の育成が図られ、組織への貢献度も高められます。現状には満足をしないということと、必ず何かの点において成長の余地があると考えることで継続的な運用をしていきましょう。

まとめ

  • 業績評価は人事考課の1つの方法であり、企業の利益に貢献する成果を目標達成率などで評価します。
  • 適切な設定を行う目標管理制度と組み合わせて、継続的な運用をすることでその効果を発揮します。

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