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2018年10月16日(火)更新

アンガーマネジメント

アンカーマネジメントとは、怒りをコントロールして適切に対処するためのスキルです。怒っても変わらない状況は冷静に受け止め、怒りを伝える必要がある場合は相手の理解を得られる言葉で伝える工夫をすることが出来るようになります。怒りを適切に対処できるようになれば、モチベーションアップや良好な人間関係の構築など、さまざまな効果を期待できます。

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アンカーマネジメントとは

アンガーマネジメントとはどのようなものなのでしょうか?ここでは、アンカーマネジメントの意味や注目される背景、アンカーマネジメントのメリットと怒りのデメリットについてご紹介します。

アンカーマネジメントの意味

アンガーマネジメントとは、怒りを上手にコントロールして適切に対処するためのスキルです。これは、アメリカで1970年代に提唱され普及した心理トレーニングで、教育現場や企業研修など幅広い分野で取り入れられています。

アンガーマネジメントは、怒らない、あるいは怒りを我慢するためのスキルではありません。怒りと上手に付き合うために自分が変えられない状況には怒らず冷静に受け止め、自分で変えられる状況では怒りを上手に伝えるためのスキルです。

怒りを適切に表現できれば、互いの理解が深まって信頼関係の構築に役立てたり、要望を伝えて問題解決に繋がるように活用することができます。

アンガーマネジメントが注目される背景

現代社会では、従来のような共通の価値観を持つ社会から個々が様々な価値観を持つ社会へと多様化が進んでいます。そのため、職場において自分とは違う価値観を認められず、怒りがきっかけのトラブルが増えています。一方、ハラスメントが社会問題として広く認識されるなか、怒りに任せて叱ることはタブー視されています。

その他にも、ゆとり世代など若者世代を中心に、叱ることでモチベーションが低下して労働生産性に影響を与えるケースが多く、部下のマネジメントに悩む管理職が増えています。こうした背景からアンガーマネジメントが注目されています。

アンカーマネジメントのメリットと怒りのデメリット

アンガーマネジメントの対象である「怒り」には、自分の身を滅ぼす、あるいは他者との関係を破壊するなど大きなリスクがあります。

怒りのデメリットは主に以下が挙げられます。

  • 怒りが体の健康に悪影響を及ぼし、心臓病や脳卒中などの病気を引き起こす可能性がある
  • 怒りの感情をそのままにするとストレスが溜まり、自律神経失調症などメンタルヘルスを損なう
  • 怒りを解消するために、執拗なハラスメントなどの問題を引き起こす可能性がある
  • 怒りをそのまま表現することでトラブルや人間関係の悪化を招く
  • 怒りにまかせた言動によって職場全体のモチベーションを低下させる

一方で、怒りは大きなエネルギーであるため、方向転換することで動機付けなど有効に活用することができます。

また、アンガーマネジメントのスキルを身につけるメリットは以下に挙げられます。

  • 様々な価値観など多様性に対して寛容になることができる
  • 怒りの感情を上手にコントロールできるようになり、モチベーションの維持・向上に役立つ
  • 怒りの気持ちを伝えること、要望として伝えること、怒らなくてよいことなど、怒りの原因を整理して適切に対処できるようになる
  • 怒りを相手が納得しやすい表現で伝えることができるようになる

このように、仕事はもちろん日常生活の様々な場面で活用することができます。また、怒り以外のネガティブな感情を適切に対処するために応用することも可能です。

【関連】モチベーションの意味とは?低下の要因や上げる方法、測定手法や企業施策までご紹介 / BizHint HR
【関連】マネジメントとは?ドラッカー理論・成功のポイント・様々な手法までご紹介/ BizHint HR

怒りが現れる仕組みとは

そもそも怒りはどのようにして現れるのでしょうか?アンガーマネジメントのスキルを身につけるには、怒りの感情について理解することが有効です。ここでは、怒りが生まれて現れる仕組みと自分の怒りの傾向を知るタイプ診断についてご紹介します。

第一次感情が溜まる

人は、ネガティブな感情をため込むことができる器を持っています。しかし、器の大きさ、つまり許容量は個人によって異なります。この器の中に、仕事や日常生活のストレスによって生じる、疲れた、苦しい、辛い、悲しい、寂しい、虚しい、不安といったネガティブな気持ちが溜まっていきます。こうした感情は「第一次感情」と呼ばれるものです。

これらの感情は、リフレッシュによって解消されない限り、器一杯まで溜まっていきます。

第二次感情が怒り

第一次感情で一杯になった器に更にネガティブな感情が入ってくると、器に溜まっていた感情があふれ出してしまいます。このあふれ出したネガティブな感情が、怒りという第二次感情を引き起こします。こうして怒りの感情が現れます。

怒りの正体は「べき」

器から溢れたネガティブな感情が怒りになるか、ならないかを決定するのは、「こうするべき」、「こうあるべき」といった自分自身の価値観です。例えば、「朝は始業の15分前には出社しているべき」「業務の進捗状況を毎日報告するべき」などです。

この「べき」には以下の3つの領域があります。

  1. 自分と同じ「べき」の領域:この領域に当てはまる物事は怒りにはならない
  2. 自分の「べき」と少し違うが許容できる領域:この領域に当てはまる物事が積み重なると怒りになる
  3. 自分の「べき」と違い、許容できない領域:この領域に当てはまる物事は怒りになる

アンカーマネジメントが最も有効なのは2つ目の領域で、これは気分や相手によって許容範囲が変化しやすいという特徴があります。アンガーマネジメントによって許容できる領域を拡げ、気分に左右されないようにすることで過剰な怒りを防ぐことができます。また、怒りの許容範囲を認識することで、怒りをコントロールしやすくなり、適切に対処できるようになります。

マネジメントが効果的な怒りの種類

以下に挙げる4つの怒りが現れると、仕事や人間関係に支障があります。そこで、アンガーマネジメントによってコントロールすることが必要です。

  • 強い怒り:怒りを激しく表現してしまう
  • 継続する怒り:怒りがいつまでも忘れられない、あるいは怒りを思い出して怒る
  • 頻発する怒り:頻繁に怒りを感じるため、常にイライラしている
  • 攻撃的な怒り:怒りによって相手を攻撃する、モノにあたる、自分を責める

怒りの傾向を知るためのアンガーマネジメント診断

怒りを感じるポイントや怒り方のくせといった怒りの傾向を知ることは、自分の怒りについて理解を深め、アンガーマネジメントに取り組むきっかけになります。そのためにアンガーマネジメント診断を受けてみるのもひとつの方法です。

【参考】無料アンガーマネジメント診断/日本アンガーマネジメント協会

アンガーマネジメントで怒りをコントロールする方法

怒りを感じたとき、どのようにしたらコントロールできるのでしょうか?さらに怒ることで変えられること変えられないことの対処法についてもご紹介します。

怒りはじめの6秒をコントロールする

怒りを最も強く感じるのは、怒りはじめの6秒間と言われています。怒りをコントロールするためには、アンカーマネジメントによってこの6秒間をやり過ごすことがポイントになります。

怒りを鎮めて冷静さを取り戻す方法の一部として、以下が挙げられます。試してみて自分にあう方法を見つけてみましょう。

  • カウントバック:心の中で1から順に数を数える、あるいは100から3ずつ引いていくことで怒りから気持ちをそらす。
  • コピーマントラ:心の中で「大丈夫、何とかなるさ」、「気にしない」などの言葉を繰り返して怒りから気持ちをそらす
  • タイムアウト:相手がいたら「ちょっとお手洗いに」などと言って、その場を離れて深呼吸やストレッチをして気持ちをリセットする
  • グラウンディング:席を外せない場合は、目の前にある物などに意識を集中して気持ちをそらす(文具の形や色など観察する、スマホ検索をする など)

変えられることか変えられないことかを見定める

冷静さを取り戻したら、怒りによって変えられることか、変えられないことかを見定めましょう。

例えば、電車がトラブルによって止まったことによって顧客との約束に遅れてしまう場合、電車が止まったことに怒ったとしても状況は変わりません。このように怒ることで変えられない場合には、その状況を受け止めて自分が取るべき行動について考えることで気持ちを切り替えましょう。

反対に、怒りによって変えられる場合もあります。例えば、部下が業務の進捗状況の報告を怠ったためにクライアントからクレームの電話があった場合などです。このときは、部下に進捗状況を確認し、互いに気持ちよく仕事をするために毎日進捗報告をしてほしいなど、具体的な要望とその理由を伝えて、状況を変えるための行動をとることが必要です。

アンガーマネジメントで怒りの心を整理する方法

なぜ怒りを感じたのか、その原因は何か、アンガーマネジメントによって心を整理する方法を習慣化することによって、適切に対処できるようになります。

怒りを点数化する

最も強い怒りを10点とした場合、0点から10点のうち何点になるか、怒りを点数化します。怒りを客観的にみることで、気持ちの切り替えにも役立ちます。この点数化は、先ほどの6秒をコントロールする方法と一緒に行うとより効果的です。

怒りを書き出す

手帳やノートなどに怒りを感じたことを書き出します。書く内容は、怒りを感じた相手とその内容、怒りを感じた理由、怒りの感情の大きさ、怒りが継続した時間についてです。このようにして書くことで見える化し、怒りを客観的に捉えることができます。

アンガーマネジメントのスキルを身につけたい場合には、記録し続けることで自分の怒りの傾向や適切な対処方法など様々な気づきが得られます。

怒りの優先順位をつける

タスクと同じように、怒りにも優先順位をつけてみましょう。自分で変えられる怒りのなかから解決したい順位を決めていきます。優先度の高い怒りから対処していくことで、心に占める怒りの感情を小さくしていくことができます。

怒りと向き合って対処する経験値が増えると、怒りに操られていた状態から怒るか怒らないかを自分の意思で決める状態へと変化していきます。それによって、怒りをどうしたらよいか分からないということもなくなっていきます。

許容範囲を広げて多様性に寛容になる

グローバル化によるダイバーシティの推進によって多様性を受け入れていくことの必要性が高まっています。「べき」の3つの領域のうち、自分とは違うけれど許せる範囲を広げていく努力によって、ダイバーシティに寛容になり、怒りの頻度を少なくすることができます。

こうして安定した精神状態が維持しやすくなると、モチベーション維持や、生産効率の向上にも繋がります。

【関連】ダイバーシティとは?意味や経営を推進するためのポイント / BizHint HR

アンガーマネジメントで気持ちや要求を適切に表現する方法

怒りを上手に伝えることで状況を変えられる場合には、どのように伝えたら相手に納得してもらえるでしょうか?ここでは、伝えるときのポイントをご紹介します。

気持ちや要望を「私は」を主語にして伝える

相手の理解を得るためには、「私」を主語にして、私の気持ちや考えを伝えるというスタンスが重要です。その他の伝え方のポイントとしては以下が挙げられます。

  • 怒る、怒らないには一貫性を持たせ、気分によって怒る基準を変えない
  • 相手の人格には触れず、怒りを感じた出来事について伝える
  • 怒りを伝えるときは時間をあけない。時間があいてしまってから伝えるときには、「言いにくいことですが」「いやなことを言ってしまうかもしれませんが」と前置きを添える
  • 目標や理想、期待、解決策など未来に向けた内容に怒りの理由や気持ちを添えて伝える
  • 要望を伝えるきは、「今度から」「いつ」「何を」「どのようにしてほしい」と具体的に理由を添えて伝える

特に、無理難題など理不尽なことを言われた場合に怒りの気持ちを伝えるときは、はっきりと大きな声で伝えると相手に気持ちが伝わりやすく、効果的です。そのためには、日ごろから温厚な態度と適度な音量で会話することを心がけるとよいでしょう。

伝えるときのNGワード

怒りを伝えるときに使わない方がよい言葉は、強い決めつけを感じさせる「絶対」「いつも」「必ず」などです。また、「何度も伝えているが」「繰り返し言っているが」など、今の怒りに過去の怒りの出来事を加えて伝えることはやめましょう。言われた相手はネガティブな感情を抱き、場合によっては怒りを感じる可能性もあります。

怒りは、理解してほしい、あるいは尊重してほしいという気持ちの現れでもあります。相手にその気持ちが伝わるように、言葉を選んで表現することを心がけると、良好な関係の維持に繋がります。

アンカーマネジメントについて学べるおすすめ本

アンガーマネジメントを書籍で学びたい人のために、おすすめの本を2冊ご紹介します。

アンガーマネジメント入門/安藤 俊介

日本でのアンガーマネジメント第一人者である安藤氏による著書です。怒りのしくみやアンガーマネジメントの実践的な方法について分かりやすく解説されています。重要なエッセンスが1冊に詰まっており、アンガーマネジメントのスキルを身につけたいすべての人におすすめです。

【参考】Amazon.co.jp/アンガーマネジメント入門/安藤 俊介

アンガーマネジメント 怒らない伝え方/戸田 久実

アンガーマネジメントによって、相手とより良い関係を保ちながらどのように怒りを伝えればよいのか。明快な解説を添えた具体的な会話例を多数紹介しながら、伝え方のポイントを分かりやすく説明しています。特に部下のマネジメントや人材育成に悩む管理職や人事担当者におすすめの本です。

【参考】アンガーマネジメント 怒らない伝え方/戸田 久実

アンガーマネジメント研修を行う企業団体

ここでは、アンガーマネジメント研修を受けられる3つの企業団体をご紹介します。

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会

同協会は、アンカーマネジメントだけでなく、パワハラ防止やコミュニケーション、リーダーシップと掛け合わせた研修も行っています。代表理事は日本にはじめてアンガーマネジメントを導入した安藤氏が務めています。受講するタイプの研修のほか、企業研修にも対応しています。

【参考】企業研修/日本アンガーマネジメン協会

一般社団法人日本能率協会JMAマネジメントスクール

アンカーマネジメント診断を行ってから受講する形式のアンガーマネジメント研修です。研修では、怒りについて理解を深め、トレーニング実習を通してスキルを学びます。そのほか、アンガーマネジメントを顧客対応力向上に活用するためのセミナーも行っています。

【参考】上司⇔部下への接し方が変わる 「アンガーマネジメント」セミナー/日本能率協会

学校法人産業能率大学総合研究所 産能マネジメントスクール

仕事でアンガーマネジメントを実践するために、グループワークを通して怒りの感じ方の癖や、許容範囲の大きさを知り、怒りを仕分ける方法や怒りをコントロールする方法を学びます。怒りをセルフコントロールして冷静に対処できるようになることを目指します。

【参考】アンガーマネジメント実践トレーニング/産能マネジメントスクール

まとめ

  • アンガーマネジメントとは、怒りをコントロールして上手に伝えるなど適切に対処するためのスキルです。
  • アンガーマネジメントで怒りを適切に対処できるようになるためには、自分の許容範囲を広げる努力と怒ることで変わらない怒りを無くしていくことが大切です。
  • アンガーマネジメントで怒りと上手く付き合えるようになると、多様性に寛容になり、怒りのエネルギーをモチベーションに変えて活用するなどのメリットがあります。

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