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アンガーマネジメント

2020年3月30日(月)更新

アンガーマネジメントとは、怒りをコントロールして適切に対処するためのスキルです。怒りを適切に対処できるようになれば、モチベーションアップや良好な人間関係の構築など、さまざまな効果を期待できます。今回は、「アンガーマネジメント」が注目される背景やメリット、怒りの種類やタイプを知り、怒りをコントロールしたり気持ちを整理する方法、さらには、学ぶための研修や書籍まで幅広くご紹介します。

目次

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは、怒りを上手にコントロールして適切に対処するためのスキルです。これは、アメリカで1970年代に提唱され普及した心理トレーニングで、教育現場や企業研修など幅広い分野で取り入れられています。

アンガーマネジメントは、怒らない、あるいは怒りを我慢するためのスキルではありません。怒りと上手に付き合うために、「自分で変えられない状況」には怒らず冷静に受け止め、「自分で変えられる状況」では怒りを上手に伝えるためのスキルです。

怒りを適切に表現できれば、互いの理解が深まり信頼関係が構築できたり、要望を伝えて問題解決に繋げることができます。

アンガーマネジメントが注目される背景

現代社会では、従来のように皆が共通の価値観を持つ社会から、個々が様々な価値観を持つ社会へと変化しています。そのため、職場において自分とは違う価値観を認められず、「怒り」をきっかけとしたトラブルが増えています。そんな中、ハラスメントが社会問題として広く認識され、怒りに任せて叱ることはタブー視されることも。

その他にも、若者世代を中心に、叱られることでモチベーションが低下して労働生産性に影響を与えるケースも多く、部下のマネジメントに悩む管理職が増えています。

こうした背景からアンガーマネジメントが注目されているのです。

アンガーマネジメントを行うことで得られる効果

アンガーマネジメントのスキルを身につけるメリットは以下に挙げられます。

  • 様々な価値観など多様性に対して寛容になることができる
  • 怒りの感情を上手にコントロールできるようになり、モチベーションの維持・向上に役立つ
  • 怒りの気持ちを伝えること、要望として伝えること、怒らなくてよいことなど、怒りの原因を整理して適切に対処できるようになる
  • 怒りを相手が納得しやすい表現で伝えることができるようになる

このように、仕事はもちろん日常生活の様々な場面で活用することができます。また、怒り以外のネガティブな感情を適切に対処するために応用することも可能です。

怒りが現れる仕組みとは

そもそも怒りはどのようにして現れるのでしょうか?アンガーマネジメントのスキルを身につけるには、怒りの感情について理解することが有効です。

ここでは、怒りが生まれて現れる仕組みについてご紹介します。

日々のストレスによって生じる「第一次感情」が溜まっていく

人は、ネガティブな感情をため込むことができる器を持っています。しかし、器の大きさ、つまり許容量は個人によって異なります。

この器の中に、仕事や日常生活のストレスによって生じる、疲れた、苦しい、辛い、悲しい、寂しい、虚しい、不安といったネガティブな気持ちが溜まっていきます。こうした感情は「第一次感情」と呼ばれるものです。

これらの感情は、リフレッシュによって解消されない限り、器一杯まで溜まっていきます。

あふれ出したネガティブな気持ちが怒りという「第二次感情」になる

第一次感情で一杯になった器に更にネガティブな感情が入ってくると、器に溜まっていた感情があふれ出してしまいます。このあふれ出したネガティブな感情が、怒りという第二次感情を引き起こすのです。

怒りの正体は「べき」

器から溢れたネガティブな感情が怒りになるか、ならないかを決定するのは、「こうするべき」、「こうあるべき」といった自分自身の価値観です。

例えば、「朝は始業の15分前には出社しているべき」「業務の進捗状況を毎日報告するべき」などです。

この「べき」には以下の3つの領域があります。

  1. 自分が許容できる「べき」の領域:この領域に当てはまる物事は怒りにはならない
  2. 自分の「べき」と少し違うが許容できる領域:この領域に当てはまる物事が積み重なると怒りになる
  3. 自分の「べき」と違い許容できない領域:この領域に当てはまる物事は怒りになる

アンガーマネジメントが最も有効なのは2つ目の領域で、これは気分や相手によって許容範囲が変化しやすいという特徴があります。

マネジメントが効果的な怒りの種類とタイプ

「怒り」には、4つの種類と、6つのタイプがあります。

4つの怒りの種類

怒りの感情には、4つの種類があります。これらが現れると、仕事や人間関係に支障が出てきます。そこで、アンガーマネジメントによってコントロールすることが必要です。

  • 強い怒り:怒りを激しく表現してしまう
  • 継続する怒り:怒りがいつまでも忘れられない、あるいは怒りを思い出して怒る
  • 頻発する怒り:頻繁に怒りを感じるため、常にイライラしている
  • 攻撃的な怒り:怒りによって相手を攻撃する、モノにあたる、自分を責める

怒りの6つのタイプとアンガーマネジメント診断

怒りを感じるポイントや怒り方のくせといった怒りの傾向を知ることは、自分の怒りについて理解を深め、アンガーマネジメントに取り組むきっかけになります。そのためにアンガーマネジメント診断を受けてみるのもひとつの方法です。

日本アンガーマネジメント協会が公開している無料診断では、怒りのタイプを

  1. 公明正大
  2. 天真爛漫
  3. 威風堂々
  4. 博学多才
  5. 外柔内剛
  6. 用心堅固

の6つに分け、12の質問に回答する事によってそのタイプを診断し、その特徴を伝えてしています。

【参考】無料アンガーマネジメント診断/日本アンガーマネジメント協会

アンガーマネジメントで怒りをコントロールする方法

怒りを感じたとき、どのようにしたらコントロールできるのでしょうか?さらに怒ることで変えられること変えられないことの対処法についてもご紹介します。

怒りはじめの6秒をコントロールする

はじめに、衝動的な怒りのコントロールです。

怒りを最も強く感じるのは、怒りはじめの6秒間と言われています。怒りをコントロールするためには、アンガーマネジメントによってこの6秒間をやり過ごすことがポイントになります。

怒りを鎮めて冷静さを取り戻す方法の一部として、以下が挙げられます。試してみて自分にあう方法を見つけてみましょう。

  • カウントバック:心の中で1から順に数を数える、あるいは100から3ずつ引いていくことで怒りから気持ちをそらす。
  • コピーマントラ:心の中で「大丈夫、何とかなるさ」、「気にしない」などの言葉を繰り返して怒りから気持ちをそらす
  • タイムアウト:相手がいたら「ちょっとお手洗いに」などと言って、その場を離れて深呼吸やストレッチをして気持ちをリセットする
  • グラウンディング:席を外せない場合は、目の前にある物などに意識を集中して気持ちをそらす(文具の形や色など観察する、スマホ検索をするなど)

許容範囲を広げて多様性に寛容になる

次に、自身の思考のコントロールです。

先ほどご紹介したように、怒りは「べき」によって生まれます。「べき」の3つの領域のうち、自分とは違うけれど許せる範囲を広げていく努力によって、多様性に寛容になり、怒りの頻度を少なくすることができます。また、気分に左右されないようにすることで過剰な怒りを防ぐことができます。

こうして安定した精神状態が維持しやすくなると、モチベーション維持や、生産効率の向上にも繋がります。また、自身の怒りの許容範囲を認識することで、怒りをコントロールしやすくなり、適切に対処できるようになります。

変えられることか変えられないことかを見定める

次に、行動のコントトロールです。

それが怒りによって変えられることか、変えられないことかを見定めましょう。

例えば、電車がトラブルによって止まったことによって顧客との約束に遅れてしまう場合、電車が止まったことに怒ったとしても状況は変わりません。このように怒ることで変えられない場合には、その状況を受け止めて自分が取るべき行動について考えることで気持ちを切り替えましょう。

反対に、怒りによって変えられる場合もあります。例えば、部下が業務の進捗状況の報告を怠ったためにクライアントからクレームの電話があった場合などです。このときは、部下に進捗状況を確認し、互いに気持ちよく仕事をするために毎日進捗報告をしてほしいなど、具体的な要望とその理由を伝えて、状況を変えるための行動をとることが必要です。

怒りを点数化する

最も強い怒りを10点とした場合、0点から10点のうち何点になるか、怒りを点数化します。怒りを客観的にみることで、気持ちの切り替えにも役立ちます。この点数化は、先述した「怒りはじめの6秒をコントロールする」方法と一緒に行うとより効果的です。

怒りを書き出す

手帳やノートなどに怒りを感じたことを書き出します。書く内容は、怒りを感じた相手とその内容、怒りを感じた理由、怒りの感情の大きさ、怒りが継続した時間についてです。このようにして書くことで見える化し、怒りを客観的に捉えることができます。

アンガーマネジメントのスキルを身につけたい場合には、記録し続けることで自分の怒りの傾向や適切な対処方法など様々な気づきが得られます。

怒りの優先順位をつける

タスクと同じように、怒りにも優先順位をつけてみましょう。自分で変えられる怒りのなかから解決したい順位を決めていきます。優先度の高い怒りから対処していくことで、心に占める怒りの感情を小さくしていくことができます。

怒りと向き合って対処する経験値が増えると、怒りに操られていた状態から、自分の意思で決める状態へと変化していきます。それによって、「怒りをどうしたらよいか分からない」ということもなくなっていきます。

アンガーマネジメントで気持ちや要求を適切に表現する方法

怒りを上手に伝えることで状況を変えられる場合には、どのように伝えたら相手に納得してもらえるでしょうか?ここでは、伝えるときのポイントをご紹介します。

気持ちや要望を「私は」を主語にして伝える

相手の理解を得るためには、「私」を主語にして、私の気持ちや考えを伝えるというスタンスが重要です。その他の伝え方のポイントとしては以下が挙げられます。

  • 怒る、怒らないには一貫性を持たせ、気分によって怒る基準を変えない
  • 相手の人格には触れず、怒りを感じた出来事について伝える
  • 怒りを伝えるときは時間をあけない。時間があいてしまってから伝えるときには、「言いにくいことですが」「いやなことを言ってしまうかもしれませんが」と前置きを添える
  • 目標や理想、期待、解決策など未来に向けた内容に怒りの理由や気持ちを添えて伝える
  • 要望を伝えるきは、「今度から」「いつ」「何を」「どのようにしてほしい」と具体的に理由を添えて伝える

特に、無理難題など理不尽なことを言われた場合に怒りの気持ちを伝えるときは、はっきりと大きな声で伝えると相手に気持ちが伝わりやすく、効果的です。そのためには、日ごろから温厚な態度と適度な音量で会話することを心がけるとよいでしょう。

伝えるときのNGワード

怒りを伝えるときに使わない方がよい言葉は、強い決めつけを感じさせる「絶対」「いつも」「必ず」などです。

また、「何度も伝えているが」「繰り返し言っているが」など、今の怒りに過去の怒りの出来事を加えて伝えることはやめましょう。言われた相手はネガティブな感情を抱き、場合によっては怒りを感じる可能性もあります。

怒りは、理解してほしい、あるいは尊重してほしいという気持ちの現れでもあります。相手にその気持ちが伝わるように、言葉を選んで表現することを心がけると、良好な関係の維持に繋がります。

アンガーマネジメントについて学べるおすすめ本

アンガーマネジメントを書籍で学びたい人のために、おすすめの本を2冊ご紹介します。

アンガーマネジメント入門/安藤 俊介

日本でのアンガーマネジメントの第一人者である安藤氏による著書です。怒りのしくみやアンガーマネジメントの実践的な方法について分かりやすく解説されています。重要なエッセンスが1冊に詰まっており、アンガーマネジメントのスキルを身につけたいすべての人におすすめです。

【参考】アンガーマネジメント入門:安藤 俊介/朝日新聞出版

アンガーマネジメント 怒らない伝え方/戸田 久実

アンガーマネジメントによって、相手とより良い関係を保ちながらどのように怒りを伝えればよいのか。明快な解説を添えた具体的な会話例を多数紹介しながら、伝え方のポイントを分かりやすく説明しています。特に部下のマネジメントや人材育成に悩む管理職や人事担当者におすすめの本です。

【参考】アンガーマネジメント 怒らない伝え方:戸田久実/かんき出版

アンガーマネジメント研修を行う企業団体

ここでは、アンガーマネジメント研修やセミナー、講座を受けられる3つの企業団体をご紹介します。

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会

同協会は、アンガーマネジメントだけでなく、パワハラ防止やコミュニケーション、リーダーシップと掛け合わせた研修も行っています。代表理事は日本にはじめてアンガーマネジメントを導入した安藤氏が務めています。受講するタイプの研修のほか、企業研修にも対応しています。

【参考】企業研修/日本アンガーマネジメント協会

一般社団法人日本能率協会JMAマネジメントスクール

アンガーマネジメント診断を行ってから受講する形式のアンガーマネジメント研修です。研修では、怒りについて理解を深め、トレーニング実習を通してスキルを学びます。そのほか、アンガーマネジメントを顧客対応力向上に活用するためのセミナーも行っています。

【参考】上司⇔部下への接し方が変わる「アンガーマネジメント」セミナー/JMAマネジメントスクール

学校法人産業能率大学総合研究所 産能マネジメントスクール

  仕事でアンガーマネジメントを実践するために、グループワークを通して怒りの感じ方の癖や、許容範囲の大きさを知り、怒りを仕分ける方法や怒りをコントロールする方法を学びます。怒りをセルフコントロールして冷静に対処できるようになることを目指します。

【参考】アンガーマネジメント実践トレーニング/産能マネジメントスクール

まとめ

  • アンガーマネジメントとは、怒りをコントロールして上手に伝えるなど適切に対処するためのスキルです。
  • アンガーマネジメントで怒りを適切に対処できるようになるためには、自分の許容範囲を広げる努力と怒ることで変わらない怒りを無くしていくことが大切です。
  • アンガーマネジメントで怒りと上手く付き合えるようになると、多様性に寛容になり、怒りのエネルギーをモチベーションに変えて活用するなどのメリットがあります。

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