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2017年7月5日(水)更新

ホラクラシー

欧米の一部企業で導入され話題を集める「ホラクラシー」。役職のないホラクラシー型組織は、縦社会の日本企業にマッチするのでしょうか?組織改革を考えている人事担当者に、ホラクラシーのコンセプトやメリット・デメリットをお届けします。

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ホラクラシーとは?

「ホラクラシー」とは、階級や上司・部下の関係が一切存在しない組織の管理体制のことを表しています。従来の中央集権型や階層型などヒエラルキー組織とは逆の新しい組織体制のことを言い、ホラクラシーでは細分化されている各チームにそれぞれが最適だと思うことを実践していくことで、組織を自律的に統治していくシステムとして注目されています。肩書きや職種などが重要視されないため、1人が複数の役割を持つということも可能になります。

「ホラクラシー」と「ヒエラルキー」

「ホラクラシー」とは、企業から役職や肩書などをなくし、組織全体に権限を拡張・分散して意思決定をさせるフラットな組織管理体制です。これは、日本の社会に根づいた従来のピラミッド型に序列化された階層組織「ヒエラルキー」に相対する新たな概念となります。ヒエラルキーを中央集権型・階層型とすれば、ホラクラシーは分散型・非階層型といえるでしょう。

ホラクラシー型組織では、役職に変わり「役割」が与えられ、細分化されたチームで各々が適切な意思決定・実行をすることにより、組織を自律させて統治する自走的組織となります。役職のないホラクラシーでは上下関係が存在せず、社員全てが経営に関しての発言権を持つことになります。

「人」中心から「仕事」中心へ

ホラクラシーの根本的な目的は、これまで「人」を中心に構成された組織を「仕事」を中心にした組織に移行することです。その結果として役職等の肩書が不必要となり、フラットな組織になったということで、フラットな組織にするために肩書等をなくしたわけではありません。

ホラクラシーの特徴

ホラクラシーの特徴は、簡潔にまとめると以下の4つになります。

  • 柔軟な組織体制
  • 長所を活かした役割分担
  • 効率的な組織運営
  • 主体性の強化

ホラクラシー型組織では、トップダウンに意思決定がされるヒエラルキーとは異なり、社員全てが対等な立場になります。また、それぞれの得意分野を活かした適材適所な人事配置となり、「自律したサークル」のように機能します。

ホラクラシーのメリット

では、ホラクラシーにはどのようなメリットがあるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

生産性の向上

従来のヒエラルキーでは人の管理・監督は重要な仕事でしたが、ホラクラシー型組織ではこれらの仕事がなくなるため、全ての社員が個々の役割に集中でき、生産性が向上します。また、スピーディーな意思決定も生産性の向上につながるでしょう。

責任感・主体性の向上

意思決定を任されることで仕事に対する責任感が高まる上、自主性も育まれ、個々の成長が促されます。また、能力を発揮する場を与えられることで、仕事に対するモチベーションも高まることが期待できるでしょう。

ストレス軽減

上下関係がないため理不尽な命令などから解放され、ストレスが軽減できます。また、出世や社内政治からの解放もストレス軽減につながるでしょう。

多様性のある意見が出る

社員それぞれの意識が高まることで、濃密なコミュニケーションが生まれ、会議などで多様性のある意見が出るようになります。

ホラクラシーのデメリット

ホラクラシーにはメリットだけではなく、デメリットも存在します。デメリットを十分に理解した上で検討することが重要です。

マネジメントの放棄

ホラクラシーは「マネジメントの放棄」という批判的な意見も少なくありません。通常、マネジメントの対象は「ヒト」「モノ」「カネ」という経営の三要素に「情報」を加えた4つですが、この中の「ヒト」に対するマネジメントを放棄しているという考え方です。

パフォーマンスの低下

階層というヒエラルキーがない自由な状況では、人の「パフォーマンスは低下」するという意見が根強く存在しています。

リーダー不在の影響

トラブルが発生したとき、リーダーが不在では責任をとる人がいません。つまり、社員それぞれが自分でトラブルを解決しなければならなくなり、負担が増すことになります。

オープンな社内情報の影響

社員それぞれが意思決定の権限を持つということは、社内の情報がオープンでなければなりません。ヒエラルキー型組織では、より多くの機密情報を持つ上層部が情報統制をしていましたが、情報がオープンなホラクラシーでは、このような統制はできなくなります。また、誰もがアクセスできる社内情報は、社外へ漏洩する可能性も高まるでしょう。

組織のコントロールが困難

トップダウンの命令系統がなく、社員それぞれに意思決定の権限があるため、各々が何をしているのか把握できない上、仕事の進捗状況も本人しか分からないという状況になります。従って、組織としてのコントロールが難しくなるといえるでしょう。

ホラクラシーを導入している企業は?

営利・非営利を問わず、アメリカ、フランス、ドイツ、スイス、イギリスなどの欧米企業でホラクラシーが導入されています。代表的な企業は、「Zappos」「Airbub」「Medium」などで、その中でも有名な導入例を2つご紹介します。

ザッポス(Zappos)の導入例

アパレル関連のネットショップを運営するアメリカの会社。1,500名程を有する大企業でホラクラシーを導入した企業として、よく名前が上がっています。導入当初、ホラクラシーに違和感を覚えた社員210名が退職したとして話題になりました。ザッポス(Zappos)は数年かけてホラクラシーへの移行を完了する予定だと話しており、その成果が今後業績として表れてくるかどうかに注目が集まっています。

Airbnbの導入例

世界190カ国以上で宿泊施設や民宿の貸し出しサービスを提供するアメリカの会社。Airbnbのホラクラシー導入でポイントとなるのは、トップダウンの「ヒエラルキー」と自由な自律組織「ホラクラシー」との妥協点を見つけ出したことでしょう。その妥協点とは、マネージャーのポストを設けたことです。同社のマネージャーは、基本的には「世話役」に過ぎないそうで、作業担当者の問題を取り除くためのサポート的存在だといいます。社員からは「やりがいがある」という声がある反面、「まとまりのないカオスだ」とのネガティブな評価もあるようです。

導入には向き不向きがある

上記の導入例からも分かるように、ヒエラルキーからホラクラシーへの移行には時間がかかるだけでなく、困難な一面があるのも事実です。また、ホラクラシーを導入するということは、権力や既得権益を捨てることでもあるので、導入は慎重に進めた方がいいでしょう。

ヒエラルキーで組織が上手く機能しているようであれば、無理にホラクラシーを導入する必要はないでしょう。ホラクラシーは市場変化が激しいIT業界に向いた組織体制なのかもしれません。

ホラクラシーを学ぶ上で有効な本

ホラクラシーの始まり

ホラクラシーは2007年にアメリカの起業家ブライアン・ロバートソン(Brian Robertson)氏により提唱されたといわれています。同氏がまとめた公文書(英語)にはホラクラシーの原則が記されており、オンラインで閲覧することも可能です。

ホラクラシーを学ぶ日本語版の本

ホラクラシーに関する日本語の参考文献はまだあまりありませんが、提唱者であるブライアン・ロバートソン著作の翻訳本が日本国内でも販売されています。タイトルは「HOLACRACY 役職をなくし生産性を上げるまったく新しい組織マネジメント」。革命的なホラクラシー型組織の仕組みや導入方法などを提唱者が自ら解説しているので、ホラクラシーを理解する上で有効です。社内の組織改革を考えている人事担当者は、この本から始めてみてはどうでしょう。

まとめ

トップダウンのヒエラルキー型組織が根づいた日本社会で、上下関係がないフラットなホラクラシー型組織が広がるかどうかは未知数です。しかし、トップダウン型の硬直した組織の解決策として、部分的に取り入れてみるのも1つの方法かもしれません。

参考

ブライアン・ロバートソン氏がまとめた公文書(英語) http://www.holacracy.org/constitution

ブライアン・ロバートソン著 「HOLACRACY 役職をなくし生産性を上げるまったく新しい組織マネジメント」(書籍はこちら

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