連載:第15回 リーダーが紡ぐ組織力
「俺は経営者として優秀じゃない」社長の悟りがV字回復の礎に。人が辞めない自律型組織への軌跡
「自分は経営者として優秀じゃなかった」。前職の経験から「自分が経営すれば必ず儲かると錯覚していた」と話すのは、株式会社カーセブンデジフィールドの井上貴之社長。取締役就任3年目で経営危機に。離職率も40%以上と、多くの社員が離れていきました。そこで悟ったのが、経営者としての力のなさ。以降、徹底して人を育て、信じ任せることで組織を作ってきた井上さん。現在、自律的で向上心の高い組織に変化しました。売上高も30億円を超え、離職率は業界では異例の3%台の年もあるのだとか。今回は、改革を進めるための経営者の考え方、「人が辞めない組織」にするための2つの方法などについて詳しくお聞きしました。
株式会社 カーセブン デジフィールド
代表取締役兼社長執行役員 井上貴之さん
1972年東京都生まれ。明治大学を卒業後、三和銀行(現:三菱UFJ銀行)に入行。2000年、27歳で株式会社カーセブンディベロプメントに入社。2001年専務取締役に。2004年の代表取締役専務就任を経て、2005年より現職。2022年、社名を株式会社カーセブン デジフィールドに変更した。
経営危機で自らの能力の限界を悟ったことが、V字回復の礎に
――貴社は創業から24年。車の買取・販売FCチェーン「カーセブン」の運営から、現在では自動車流通関連に特化したシステムの企画・開発・販売などを手がけるなど、ビジネス領域も広がり、順調に規模を拡大されていらっしゃいますね。
井上貴之さん(以下、井上): はい。カーセブンは全国にFC店舗が160以上(2022年12月現在)。社員数は約70名で、売上高は約30億円(2022年9月末時点)となっています。
まだまだ道半ばですが、今ここまで成長を遂げられたのも、取締役として就任して3年目に訪れた「倒産危機」があったからこそかもしれません。
私はもともと銀行員だったんですが、当時けっこう営業成績が良かったんですよね。だから「私が経営したら、もっと収益を出せるだろう」と思っていました。 ビジネスモデルを作って、組織の仕組みや制度を作ったら、あとは勝手に儲かっていくものと錯覚していた んです。
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