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2018年4月20日(金)更新

コーチング

コーチングとは、対話を通してクライアントが目標達成するプロセスを支援することです。コーチの質問に答える過程でクライアントは自ら考え、必要な気づきを得て、目標達成に向けて自主的に行動する状態へと促されます。活用シーンとしては、人材育成のほか、組織開発の手段としても注目されています。

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コーチングの意味

コーチングとは、対話を重ねることでクライアント(コーチングの対象者)の目標達成に必要な視点や考え方、スキルなどへの気づきを促し、自発的な行動を支援することです。

コーチングでは、「答えはクライアントの中にある」という考え方に基づいてコーチはクライアントと関わります。そのため、コーチはクライアント自身も気づいていない様々な可能性を引き出すためにコーチングスキルを用いて支援します。コーチングで得た気づきからクライアント自身が達成したい目標を明確にして方法を選択し、行動します。コーチはその実現のためのサポートを行います。

コーチングの語源

コーチ(coach)の語源は「馬車」と言われています。馬車は乗客を現在地から目的地まで送り届けることから派生して、教育分野の個人教師やスポーツ分野など幅広く指導者を表す言葉として用いられるようになりました。こうして動詞形のコーチング(coaching)では、「クライアントの目標達成を支援する」という意味で使われるようになりました。

コーチング活用の歴史

企業でコーチングが導入され始めた頃は、目標達成など部下のマネジメント手法として注目されました。その後、リーダー育成やコミュニケーションスキル向上など人材の能力開発手法としても活用されるようになりました。

昨今では、グローバル化による競争力強化のためのイノベーションが求められるなか、社員一人ひとりが自主的に考えて行動し、パフォーマンスを上げる必要が出てきています。こうした組織改革の手段としても注目され、活用の幅が広がっています。

コーチングとは

ここでは、多角的な視点からコーチングをとは何かについてご説明します。

●ビジネス領域に特化した『ビジネスコーチング』についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
【関連】ビジネスコーチングとは?よく陥る落とし穴や効果的な活用のポイントについても解説/BizHint HR

●経営者や経営幹部を対象とした『エグゼクティブコーチング』についてはこちらの記事でご紹介しています。
【関連】エグゼクティブコーチングとは?成果を挙げるポイントもご紹介/BizHint HR

コーチングの位置づけ

コーチングとよく比較されるのがティーチングやカウンセリング、コンサルティングがあります。

ビジネスにおいてコーチングが扱う問題は、主にキャリアやスキルアップといった自己実現や、仕事における目標達成などです。コーチはクライアントの伴走者として、クライアントが設定したゴールに辿り着くための支援を行います。

コーチングとティーチングは正しい使い分けが効果的

目標達成に向けて、コーチはスキルを用いてクライアントの支援を行い、ティーチングは必要な知識やスキルを教えるというアプローチを行います。それぞれ特徴が異なり、メリットとデメリットがあります。

そのため、クライアントの状態や活用する目的に応じて正しく使い分け、あるいは双方とも活用することによって効果を上げることができます。

【関連】コーチングとティーチングの概念の違いと正しい使い分け方とは?/BizHint HR

コーチングの特徴

コーチングの主な特徴は以下が挙げられます。

  • 目標設定、達成方法の選択、行動を起こす主導権はクライアントにある
  • コーチとクライアントは対等な関係にある
  • コーチングは目標のレベルに合わせて3か月間、週に1回など一定期間継続して行うことで目標達成を支援する
  • コーチは対話のなかでクライアントが多角的に深く考え、気づきが促されるようにスキルを用いて支援する
  • コーチはクライアント一人ひとりの性格や価値観、考え方を理解し、それぞれに適した支援となるように個別対応のコーチングを行う

コーチングのメリット

コーチングによって得られるメリットの一例として、以下が挙げられます。

  • 潜在能力や個性など未知の可能性を引き出すことができる
  • 問題について多角的に考える力が向上する
  • 自ら答えを見つけ、解決するプロセスを他に応用することができる
  • 目標達成のために必要な手段を選択し、自発的に行動できるようになる - 目標達成までモチベーション維持できるようになる

このようにコーチングでは、コーチとの対話や質問によって得た気づきや学びから、クライアントは新たな可能性の発見や、自ら考え、行動する力が高まります。

コーチングのデメリット

コーチングのデメリットとしては以下が挙げられます。

  • 目標達成や効果が現れるまで時間がかかる
  • トラブル対応など、解決までのスピードが重視される場合には適さない
  • 自ら考える際の材料となる知識や経験が不足している場合には適さない
  • 1対1で行うため、短期間に多数のコーチングを行ことは困難
  • コーチングの対象者が複数いる場合には、マネジメントが複雑になる

コーチングは短期的に効果を上げる手法ではなく、ある程度時間をかけて行うことで効果を感じられる手法です。

また、部下のマネジメントにコーチングを用いる場合には、マネジメントが複雑になるため、必要なタイミングの部下に対してはコーチングを行い、他の部下とは日ごろのコミュニケーションにコーチングスキルを取り入れるなどメリハリをつけることも大切です。

コーチングの対象者

コーチングの対象者として適している場合の例としては以下が挙げられます。

  • 業務経験を着実に積んでいるが、自分自身では成長しいている実感が持てずにモチベーションが低下している場合
    ⇒承認のほか気づきを与える、あるいは考えさせる質問などコーチングによる積極的な支援が有効
  • 十分な業務経験があり、モチベーションが高い場合
    ⇒新たな視点を与える問など更なる成長を促すコーチングが有効

コーチングスキルを活かしたコミュニケーションをベストタイミングで行うことで、コーチングの効果が発揮されます。

コーチングが役に立たない対象者とは

対象者の状況によっては、コーチングの効果が現れないことがあります。コーチングが適さない対象者の一例として以下が挙げられます。

  • 成長意欲は高いが、業務における必要な知識やスキルが不足している場合
    ⇒コーチングよりもティーチングによって導くことが効果的
  • 十分な業務経験があるがモチベーションが低い場合
    ⇒承認やコミュニケーションによって新たな視点で考えるきっかけを与えることが効果的

対象者の業務知識や経験がどの程度か、意欲がどの程度あるかを見極めて、対象者にコーチングが適しているかどうかを判断することが大切です。

コーチングの目的

コーチングには目指すべき目的が必要です。ビジネスでのコーチングの目的の例としては、以下が挙げられます。

  • パフォーマンスを高めるために自己解決力を身につけたい
  • マネジメント能力を高めたい
  • 仕事における課題を解決したい
  • コミュニケーションスキルを高めたい
  • リーダーシップを発揮できるようになりたい

クライアントがコーチングを受ける目的があれば、コーチングを通して達成したい目標と現状にギャップがあることを認識でき、その差を埋める意欲が湧きます。このように、目的は目標達成への大きな原動力となります。

コーチングのゴール

クライアントの目標達成や自己実現は、本当の意味でのゴールではありません。

コーチングの目指すゴールは、コーチングなしにクライアント自身が自主的に問題について考え、解決方法を選択し、自主的に行動できるようになることです。それを視野に入れてコーチはクライアントに対してコーチングを行います。

効果的なコーチングに必要な基本スキル

コーチングは対話によって行われるため、相手との信頼関係の構築や、対面でのコミュニケーションなど基本的なスキルが必要です。ここでは、これらのスキルについてご説明します。

●具体的なコーチングスキルについてはこちらの記事で解説しています。
【関連】コーチングスキルとは?活用のメリットやスキルの代表例、研修・資格などをご紹介/BizHint HR

●効果的なコーチングの実践に役立つ、対象者のタイプ分けについてはこちらの記事で解説しています。
【関連】コーチングはタイプ分けから! 相手が分かれば上手くいく/BizHint HR

コーチの役割と姿勢

コーチングにおけるコーチの役割は、クライアントが自ら目標達成するため、対話によって支援することです。

達成したい目標を決め、そこへ向かうために必要な方法を選択し、行動するのはクライアントです。コーチは対話の中で様々なコーチングスキルを使いながら、クライアントが自ら気づき、考え、自主的に行動する状態になるように支援する姿勢とマインドを持って向き合うことが重要です。

クライアントと信頼関係を築く

半年などの一定期間、目的達成へ向けてコーチの支援を受けて成長していこうとクライアントが決意するためには、信頼関係が欠かせません。

クライアントと信頼関係を築くには、安心感を与えることが最も大切です。そのためには、相手に合わせたコミュニケーションを行いましょう。例えば、話すスピードやトーンを相手に合わせる、話を途中で遮らない、相手の言葉を繰り返すなどです。

共通の話題でアイスブレイクするのも効果的です。

【関連】アイスブレイクの意味や目的とは?会議や研修、採用面接で使える手法をご紹介/BizHint HR

ノンバーバルコミュニケーションを行う

言語以外のコミュニケーションも、クライアントとの関係性を築くために欠かせない要素です。

例えば、穏やかな眼差し、口角がわずかに上がっている、クライアントの方に体が向いているなど、親近感を与えて話しやすい雰囲気を醸し出す姿勢を取りましょう。言葉と姿勢が一致したメッセージを送れるように、ノンバーバルコミュニケーションにも意識を向けることが大切です。

【関連】ノンバーバルコミュニケーションの意味とは?種類・具体例も解説/BizHint HR

アクノレッジメント(承認)する

アクノレッジメントは相手の存在を認めるだけでなく、行動や成長などの変化に対して行います。承認したことを「私は」を主語にして相手に言葉で伝えてはじめてアクノレッジメントになります。

承認の一例としては、相手に感謝を伝える、相談や質問など相手の求めにその場で応じる、質問に、意見を求めて相談するなどです。このように承認することは、信頼関係やコミュニケーションの基本スキルとしても大変有効です。

クライアントとコミュニケーションを行う

クライアントとのコミュニケーションの基礎ができたら、会話にも意識を向けていきましょう。

具体的には、相手の話を聞く、相手に話す態度や内容に注意を向けてコミュニケーションを深めていきます。

傾聴する

傾聴やアクティブリスニング(積極的傾聴)は、カウンセリング分野で用いられる技法ですが、近年ではビジネスにおけるコミュニケーションスキルとしても重視されています。

相手が伝えようとしていることをそのまま受け取るためにはポイントがあります。具体的には、自分の価値観で判断や解釈をせず、話の内容を理解することだけに集中することです。話を理解できているかの確認や、理解できないときは再度話してもらうなど、コミュニケーションを取りながら理解を深めることも大切です。

【関連】「傾聴」の意味とは?傾聴力が必要な理由や基本スキル&技法を解説/BizHint HR
【関連】アクティブリスニングとは?例や実践方法も分かりやすくご紹介/BizHint HR

質問する

質問には大きく分けてオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの2つがあります。関係が浅いうちは、「はい」か「いいえ」で答えやすいクローズドクエスチョンで会話をするとスムーズなコミュニケーションに繋がります。

答えの選択肢がなく、相手が考えた上で自由に答えるオープンクエスチョンは、相手に考える力や成長を促す質問で、コーチングにおいても使われます。相手と円滑なコミュニケーションで関係性を深めたい時には、相手が答えやすく、会話が進む質問の仕方を模索しながら見つけていくことが大切です。

クライアントとのコミュニケーションをコーチングに発展させる

コミュニケーションによって信頼関係が出来たら、コーチングにつながるコミュニケーションへと発展させていきましょう。そのためには、意見を伝えるコミュニケーションスキルも必要になります。

フィードバックする

コミュニケーションのフィードバックには3つの役割があります。

1つ目は、自分の話しを相手が理解しているか確認します。例えば、話を聞いている相手の様子が困惑していると感じたら、話をどのように理解したか、わからないところはあるか聞いてフィードバックを求めましょう。

2つ目は、相手の話を自分が正しく理解しているか確認します。例えば、ある程度話を聞いたところで、このように理解したが大丈夫か確認する、あるいは理解できない内容のときにもう一度話してもらうなどのフィードバックをしましょう。

3つ目は、うなずきとあいづちを適度に行うことで、相手の話を聞いていることや理解していることを伝えるフィードバックです。

このように話のズレを防いで安心して会話をすすめるためにも、フィードバックは大切な要素です。

提案する

コミュニケーションの中で提案を行うことは、新しい視点を提供することになります。提案によって相手の気づきやヒントになる場合や、提案がきっかけでアイデアが生まれる場合もあります。

提案するときには、「提案があるのですがいいですか?」と確認してから行いましょう。提案後に提案内容はどうだったか確認し、相手の反応に応じて新しい提案を行なう、あるいは逆に相手の意見を聞かせてもらうようリクエストしてみましょう。

このようにして、コミュニケーションを活性化させ、さらに発展させたい場合に役立ちます。

コーチングの活用シーンと活用ポイント

ここでは、代表的なコーチングの活用シーンにおける活用のポイントについてご紹介します。

人材育成

昨今の労働力不足により、人材育成の重要性は高まっています。コーチングを人材育成に活用する場合には、部下の能力や意欲を引き出すことで、自ら考えて行動するようになることを目的とすることがポイントです。

育成したい人材の状況に応じてティーチングも用いながら、コーチによる承認や質問、フィードバックを受けながら目標を達成する経験から学んだことを、ひとりでも実践できるように支援するとよいでしょう。

【関連】人材育成とは?育成手段や施策・対象別の目的や求められるスキル・育成方法までご紹介/BizHint HR

マネジメント

マネジメントを行う場合、目標達成を目指す手段としてコーチングの活用は有効です。また、タイプ分けを活用して部下のタイプを把握しておけば、短時間でも効果的な対話を行うことができます。

上司がコーチングを学んでマネジメントに活かせば、コミュニケーションが活発化して互いの理解が深まり業務効率が上がります。他にも部下が意見や提案をするようになり、業務改善や生産性向上に繋がる効果もあります。

【関連】マネジメントの意味とは?ドラッカー理論・役割・各種マネジメント法まで徹底解説/BizHint HR
【関連】マネジメント能力とは?その意味と向上させるための方法を解説/BizHint HR

組織開発

組織開発では、人と人の関係性を活性化することで成果をあげる組織へと変化させていきます。そのなかでコーチングはコミュニケーションの改善や活性化、成果達成に活用することがポイントです。

そのためには、リーダーや管理職など、キーパーソンとなる人物がコーチングを学び、業務上で実践して効果を上げていくのが近道です。上司がコーチングを活かしたコミュニケーションに変われば仕事の任せ方が変わり、部下の仕事への取組み方も変化して組織が活性化されていきます。

コーチングの効果的な活用などを社内で共有しながら、コーチングの導入を徐々に進めていくこともポイントです。

【関連】組織開発とは? 歴史や目的、手法、人材開発との違い、ヤフー社の事例などをご紹介/BizHint HR

コーチングについて学べる本のご紹介

ここでは、コーチングの基本について学べるおすすめ本を、ニーズごとにご紹介します。

コーチングの基本/コーチ・エィ

コーチングでできること、スキル、手順などの基礎を事例と共に分かりやすく説明されています。コーチングについてよく分からない、コーチングをイメージできないといった悩みに応えてくれます。

スキルだけでなく、コーチングの全体像と基本知識を知りたいすべてのビジネスマンにおすすめの本です。

【参考】Amazon.co.jp/コーチングの基本/コーチ・エィ

コーチングが人を活かす―やる気と能力を引きだす最新のコミュニケーション技術/鈴木 義幸

豊富な事例を用いて50のコーチングスキルを分かりやすく紹介しています。コーチングは知っているけど、ビジネスでのコミュニケーションにおいてどんなとき、どのように活用すればいいの?という悩みに応えてくれます。

まずはコーチングを日々の業務で実践して、その効果を体感したい初心者の方におすすめの本です。

【参考】Amazon.co.jp/コーチングが人を活かす―やる気と能力を引きだす最新のコミュニケーション技術/鈴木 義幸

コーチングマニュアル/ソープ&クリフォード、コーチ・トゥエンティワン、桜田 直美

現、株式会社コーチ・エィから出版された、本格的なコーチングの実践ガイドとして活用できる本です。基礎知識からスキル、手順、エクササイズまで詳しく解説されています。

様々なビジネスシーンでのコーチング活用を考え、本書での学びを実践してコーチングスキルを身につけたいマネージャーや人事担当者におすすめの本です。

【参考】Amazon.co.jp/コーチングマニュアル/ソープ&クリフォード、コーチ・トゥエンティワン、桜田 直美

コーチング研修についてご紹介

コーチング研修では、コーチングの概要やコーチの心構え、スキル、プロセスなどについて、講義とワークでの体験を通して学びます。研修会社によってサービスや特徴が異なるため、目的に応じて選択することが大切です。

【関連】コーチング研修とは?企業における導入のポイントや研修会社について紹介/BizHint HR

コーチング資格についてご紹介

業務の一環としてコーチングを行う場合、資格はとくに必要ありませんが、プロコーチとしてコーチングを行う場合は、資格取得の必要性があります。コーチング資格は国内外とも一律の基準がなく、団体ごとに独自に認定を行っています。そのため、コーチングを学ぶ目的や取得後に活躍したい方向性に合わせて資格を選択する必要があります。

【関連】コーチングの資格をまとめて紹介!種類や費用、取得する方法とは?/BizHint HR

まとめ

  • コーチングとは、対話を通してクライアントが自ら気づき、目標にむけて自発的な行動を促すための手法です。そのため、達成したい目標を明確に掲げることがポイントになります。
  • 目標達成に向けてクライアントが意欲的な場合には、成長や成果などコーチングの効果が現れやすくなります。
  • コーチングは人材の能力開発だけでなく、チームワークの強化やイノベーションを起こす組織開発にも期待されています。

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