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2018年1月21日(日)更新

従業員満足度

「従業員満足度」とは、ES(=Employee Satisfaction)と言われ、企業の最大の財産は人材であるという考えのもと、経営者が企業価値を向上させるため、社内環境や業務内容などを調査することで、従業員の「働きやすさ」を築くためのものです。また、従業員の満足度を向上することが、顧客満足度の向上に大きく影響するとも言われており、近年では、従業員満足度の向上を図るためや、現状の問題点の把握にES調査という社内調査をする企業も増えてきています。ES調査によって洗い出された問題点や分析内容は、企業の組織改編などに大きく役立つ重要なデータになります。

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1. 従業員満足度(ES)とは何か

「会社を愛していますか?」という質問に、自信を持って「愛している」と答えられる人はどのくらいいるのでしょうか?

2013年にAon Hewitt社が行った調査では「愛している」と答えた人はおよそ3割にとどまっています。では他の7割の従業員をうまく会社は活かせているのでしょうか? 最近よく耳にする従業員満足度(ES)が注目されるのはこうした背景からです。

従業員満足度(ES)とは?

ESとは”Employee Satisfaction”のことで、従業員満足度や社員満足度などと呼ばれています。

従業員の給料面だけではなく福利厚生・職場環境(人的・物的両面)・仕事に対するモチベーションといった総合的な面において、会社に対する満足度を高めることで企業の業績を向上させることができるという考え方です。

ESを一言でまとめると、従業員満足度(ES)を向上させることで従業員の「やる気」を最大限に引き出す。それが顧客満足度(CS)の向上につながり、結果として業績が向上し、株主利益に結び付く。この考え方が従業員満足度(ES)の基本理念になります。

日本での従業員満足度への取り組み

では実際に日本では従業員満足度(ES)向上に関する取り組みはどうなっているのでしょうか?

2011-2012年にかけて142か国20万人以上を対象にギャラップ社が行った「国別のEmployee Engagement比較」によると、日本では会社に対して「Engage(愛着がある、信頼関係があるの意味)している」と答えた比率は7パーセントであり、先進国中一番低い割合でした。

この結果から、日本は従業員満足度において「後進国」であると言えます。

なぜいま、従業員満足度が重要なのか?

少子高齢化社会により、企業は優秀な人材の採用をめぐる「採用競争」と、採用した人材の定着という課題を抱えています。 この課題の「打開策」として「従業員満足度」の向上が必要であるといえるでしょう。

従業員満足度を向上させることにより、社員が会社に対し「エンゲージメント」、つまり愛着や信頼を抱くようになります。 そして、これによって優秀な人材に長く会社で働いてもらえるといった効果が得られます。

また、社外における「働きがいのある企業である」という評価は、新規での人材採用にもプラスにはたらき、優秀な人材を確保も確保しやすくもなります。

従業員満足度の向上は新規採用と離職率の低下の両面から、人材確保に対して効果を発揮できる「一石二鳥」の施策であると言えるでしょう。

2.従業員満足度アップ施策の実例

では、従業員満足度を向上させるために実際の企業はどう取り組んでいるのでしょうか?

ここでは「ベストモチベーションカンパニーアワード2016」で見事1位に輝いたサイバーエージェントと、常識を破るような福利厚生を導入し従業員満足度の向上に取り組んでいるGMOインターネットに焦点をあてて分析していきたいと思います。

【参考】ベストモチベーションカンパニーアワード2016 - リンクアンドモチベーション

サイバーエージェント

サイバーエージェントは1998年設立、2000年には東証マザーズへ上場しています。 直後のネットバブル崩壊で一時は試練の時を迎えることになりますが、2003年に従業員満足度の向上に本格的に着手することで黒字化に成功します。

その後、2014年には東証一部に鞍替えをしました。 会社の業績まで一変させた、サイバーエージェントのES交渉の施策を分析していきたいと思います。

「社員のやる気」日本一! サイバーエージェントの秘密

サイバーエージェントの社員のモチベーション向上のために、どのようなことを行っているのでしょうか? 一例にインターネット広告事業本部・西日本事業部を取り上げます。

西日本事業部の責任者になったK氏は「自信を持てる」戦力を打ち出し、事業に取り組んだにもかかわらず、期待通りの業績が出ませんでした。

そこでK氏が選んだ次なる戦力は「高い士気を生み出す文化形成」です。

期待通りの結果がついてこなかった原因をメンバーが十分に能力を発揮できない職場環境にあると捉え、それを改善するために下記のような策を採用しました。

  • アンサング・ヒーロー(縁の下の力持ち)に光を当てる気風を社内に作る
    表彰された社員が自分を支えてくれた社員をほめたたえるようになり、チームを支える社員のロイヤリティーが向上。
  • 社員間にあるコミュニケーションギャップを埋める仕組み作り
    「アクティベーション室」を立ち上げ社内の活性化・社員同士の交流を活発に行うようにしました。K氏自らも従来の10倍のコミュニケーションをとるようにし社内の活性化に取り組みました。

結果として、社員間のコミュニケーションは円滑になり、業績も上昇することになりました。 K氏は「会社の文化や空気感はとても重要です。社員が高いモチベーションを持って働ける環境ならば、事業が進化してもしっかりと対応できますから。なので、リーダーは常にこの分野に手を抜いてはいけないと強く感じています」と語っています。

ESの向上から、社員のモチベーションやロイヤリティーを高めて、結果として業績の向上につなげている好事例であると言えるでしょう。

福利厚生

サイバーエージェントの福利厚生制度はユニークなものが多いことで知られています。その中でも、ES向上に向けたサイバーエージェントらしい福利厚生をご紹介します。

  • macalon(マカロン)パッケージ
    働く女性を支援するための福利厚生です。ママ(Ma)がサイバーエージェント(CA)で長く(lon)働けるように、と採用されたシステムです。
  • 2駅ルール・どこでもルール
    住宅手当です。会社から2駅の区間に住む場合に支給されるのが「2駅ルール」です。会社の近くに住むことで、社員同士が私生活でも一緒に過ごしやすいようにと採用されたシステムです。

サイバーエージェントは企業が一丸となってESに取り組んでいます

「ある調査によれば、ES(従業員満足度)の高い会社に対する投資は、中長期的にみれば、高いパフォーマンスを産みだすそうだ。私も同感です。」

藤田社長がブログで公言しているように、サイバーエージェントはESの向上に取り組んだ結果、業績も向上して、株価も「青天井」化しています。 サイバーエージェントは従業員満足度の向上をうまく事業に取り入れた企業と言えるのではないでしょうか?

【参考】「社員のやる気」日本一! サイバーエージェントの秘密
【参考】カルチャー / 株式会社サイバーエージェント

GMOインターネット

2011年「世界一のサービスを提供するためには、世界一の人財が不可欠」をテーマに福利厚生大幅拡充プロジェクトを発足させ、今では日本一ではないかと思うほどの福利厚生を充実させたGMOグループ。

その従業員満足度向上のための具体的なプロジェクトを御紹介していきたいと思います。

  • オフィス環境(スタッフの意欲・能力をアップさせるための仕組み
    24時間無料の社員食堂(どちらかというと、ホテルのバイキングを彷彿とするようなレストランといったほうが良いでしょう)やマッサージ&お昼寝スペースが完備されています。
  • エンジニア支援
    シェアろうぜ(成果・ノウハウの共有制度)!、サバろうぜ(研究・開発環境支援)!、セミろうぜ(勉強会・セミナー支援制度)!、椅子ろうぜ(快適な開発環境支援)!、学ぼうぜ(スキルアップ補助制度)!
  • その他の各種支援制度(スタッフの健康で活動的な生活を支援)
    キッズルームの併設(生後57日目以降の赤ちゃんから預けられます)

他にも、健康支援・コミュニケーション支援・学習支援・ファミリースマイルデーなど「福利厚生」のデパートのような充実度です。

企業理念からみる「ES」への取り組み

「すべての人にインターネット」これを達成するために、GMOではスピリットベンチャー宣言を共有し、グループ一丸となり、みんなで歴史を作ろう!!

わかりやすい「目標」にそれを達成するためのモチベーション作りをしているのがGMOです。 先にみたように、GMOでは「人材」ではなく「人財」と表現し、企業が社員に対して「エンゲージ」している表現を採用しています。

従業員の向上で得られる「一体感・熱量」を活かし、企業の業績向上に取り組んでいる企業だと言えます。

【参考】GMOインターネットグループ 仲間の笑顔を増やす会社宣言

3.従業員満足度向上と業績の関係は?

この章では、従業員満足度と業績の関係についてみていきます。

従業員満足度を読み取るポイント

従業員満足度を分析するポイントは以下の3つだと言われています。

  • 仕事自体と評価:適職感・自分発揮・達成感・能力向上・評価と処遇
  • 働く条件と環境:給与・残業と休暇・職場環境・チームワーク・管理職能力
  • 会社へのロイヤリティー:社員尊重・理念共有・戦略シナリオ・情報公開・知名度&将来性

従業員満足度と業績の関係

サイバーエージェントは2003年から本格的に従業員満足度向上を導入し、業績も株価も右肩上がりに推移しています。

GMOインターネットも2011年に従業員満足度向上を導入し、そこから業績も株価も上昇しています。

両社に共通することは、従業員満足度の向上を採用したのが「底値付近」であり、企業の一番苦しいときの脱却策として取り入れていることがわかります。

従業員満足度を向上させるとこは、閉塞した企業の状況を打開するための秘策といえるのではないでしょうか?

従業員満足度と採用の関係

インターネット業界の総合ランキングで、サイバーエージェントは6位と健闘しています。GMOも28位と健闘しています(1171社中)。 このことから、従業員満足度の向上は業績だけではなく「採用」にも効果があると言えます。

4.まとめ

  • 従業員満足度(ES)の向上は顧客満足度(CS)の向上にも効果があり、ひいては業績アップにも資すると言われています。
  • サイバーエージェントとGMOの事例を見る限り、確かに効果があるといえるのではないでしょうか? 従業員満足度の向上は、人材確保という側面からではなく、継続的に好業績を上げる企業へと脱皮を図るための新戦略と言えると思います。

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