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2019年2月22日(金)更新

従業員満足度

「従業員満足度」とは、ES(=Employee Satisfaction)と言われ、企業の最大の財産は人材であるという考えのもと、経営者が企業価値を向上させるため、社内環境や業務内容などを調査することで、従業員の「働きやすさ」を築くためのものです。また、従業員の満足度を向上することが、顧客満足度の向上に大きく影響するとも言われており、近年では、従業員満足度の向上を図るためや、現状の問題点の把握にES調査という社内調査をする企業も増えてきています。ES調査によって洗い出された問題点や分析内容は、企業の組織改編などに大きく役立つ重要なデータになります。

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従業員満足度(ES)とは

従業員満足度(ES= Employee Satisfaction)とは、その名の通り「 従業員の会社に対する満足度 」を表す指標です。
組織内における待遇や労働環境に対する満足度を数値という形で定量的に示すことによって、従業員の力をどの程度まで活用することができているかを評価します。

一般的に、 従業員満足度の高い企業や会社ほど生産性や業績が高く、離職率が低い といわれています。
また、従業員が活き活きと仕事に取り組む姿が顧客に好影響を与えることから、顧客満足度(Customer Satisfaction, CS)向上にも効果的であると考えられています。

従業員満足度を高める重要性とメリット

従業員満足度の向上というと、従業員側の利益に焦点を当てた施策のように思えますが、決してそんなことはありません。
従業員満足度の向上を戦略的に図ることにより、組織は次のような効果を期待することができます。

労働生産性と業績の向上

急速な経済のグローバル化により激しさを増し続ける競争環境を生き抜くため、昨今多くの企業が労働生産性を高める方法を模索しています。
そして、従業員満足度の向上は、最も手軽で効果的な生産性向上施策として大きな注目を集めています。

従業員満足度が高まった従業員たちは参画意識を持って日々の仕事に取り組み、自発的に新商品や新サービスの提案を行うようになり、チームメンバーや他部署の意見を前向きな姿勢で受け入れてくれるようになります。
また、業務改善や業務効率化に対しても高い関心を示すようになり、個人と集団それぞれにとって最適な状態を実現、維持できるように努めます。

従業員のモチベーションは、労働生産性や業績に直結する重要な要素です。
従業員満足度の向上が従業員と組織にとってウィンウィン(win-win)な関係を構築できる取り組みであることを、経営者や人事担当者など人材と密接な関わりを持つ人物が正しく理解することで、より戦略的な施策を講じることが可能となるでしょう。

【関連】生産性向上のために企業が行うべき施策や取組事例をご紹介 / BizHint

組織内人材力の強化

従業員満足度の向上によって醸成された帰属意識や愛着心は、離職率の低下という形で効果を表します。
また、公式ウェブサイトやブログ、SNS(Social Networking Service)による情報発信や会社説明会を通じて、既存社員が活き活きと働く姿や仕事について楽しそうに語る姿を目のあたりにすることで、求人応募者が増加し、結果的に優秀な人材を数多く獲得できるようになります。

人材力に関する従業員満足度向上の効果は人材の確保だけにとどまりません。
従業員満足度は、従業員のセルフマネジメント(自己管理能力)向上にも好影響を与えるため、組織と従業員は互いの思い描くビジョンを共有しながら、長期的視野による人材育成計画を構築、実施することが可能となります。

慢性的な人材不足に陥っている現代社会において、優秀な人材の獲得、定着、育成はいずれも組織の行く末を左右する重要な課題です。
ワーク・ライフ・バランスや自己実現を目指す従業員の姿を自社イメージの向上に活用することによって、ダイレクト・リクルーティングやリファラル採用といった、攻めの採用戦略の効果を最大化し、競合他社に対する大きなアドバンテージを得ることができるでしょう。

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顧客満足度の向上

従業員満足度の向上に伴い、モチベーションやエンゲージメントを高めることができた従業員たちは、自社製品や自社サービスに対する深い知識を身につけられるように努めるようになります。
また、一人ひとりのお客様の想いや悩みに耳を傾け、心から共感し、最適な提案が行えるよう、同じ視点に立って問題や課題に向き合うようになります。

大事なのは、従業員たちが自らの意思に基づいて最高のパフォーマンスを発揮していることです。
「やらされ感」を感じさせない全力のサポートだからこそ、顧客の心を強く揺さぶることができることを、決して忘れてはいけません。

情報掲示板や口コミサイト、SNS、ブログなど、消費者の感想をメインコンテンツとするCGM(Consumer Generated Media)の普及により、以前に比べて誰もが気軽に購入商品や利用サービスの感想を発信することが可能となりました。顧客は、生きた情報を数多く収集し、検討材料として活用できる時代になったのです。

一人の顧客満足度を高めることは、リピーター率や客単価だけでなく、潜在顧客の掘り起こしにも大きな影響を与えます。
従業員満足度の向上を通じて顧客満足度を向上させることにより、組織は長期に渡って数多くの効果と利益を得ることができるでしょう。

【関連】顧客満足とは?意味と顧客満足度調査の効果を高める5つのポイント / BizHint

従業員満足度に影響を与える要素

従業員満足度に影響を与える要素には様々なものがありますが、それらは 金銭報酬非金銭報酬 の2種類に分けることができます。

従業員満足度を十分に高めるためには、金銭報酬と非金銭報酬の両方を組み合わせたトータル・リワード(総報酬)を意識することが大切です。
なぜなら、働く理由や目的は人それぞれであり、誰もが仕事の対価として金銭報酬を最重要視しているとは限らないからです。

従業員満足度向上への取り組みは、個々の従業員が希望する報酬を正しく理解することからはじまります。
金銭報酬や非金銭報酬にどのような要素が含まれているのかを予め学んでおくことで、従業員に対する理解を深め、人事制度や職場環境の最適化に向けた合意形成を図ることが容易となるでしょう。

金銭報酬

金銭報酬には以下の要素が含まれます。

  • 直接的報酬 … 給与、各種手当、賞与、一時金、退職金
  • 間接的報酬 … 福利厚生(有給休暇、社会保険、社内部活動に対する補助金など)

非金銭報酬

非金銭報酬には以下の要素が含まれます。

  • 技能的報酬 … 学習機会、スキルアップ、自己成長
  • 精神的報酬 … 働きがい、社会的意義、自己実現、達成感、貢献感、評価や処遇に対する納得感
  • 人間関係 … 他部署との連携、上司や先輩からの称賛、部下や後輩からの尊敬
  • 環境づくり … コミュニケーション環境、人事制度、労働条件、職場環境、情報公開
  • 企業風土 … 企業文化、ビジョン、事業戦略

従業員満足度向上への取り組み

従業員満足度向上施策を講じる上で知っておくべき理論が2つあります。
それは、アブラハム・ハロルド・マズローの「 自己実現理論(欲求5段階説) 」とフレデリック・ハーズバーグの「 2要因理論 」です。

マズローは自己実現理論において、人間の欲求を「生理的欲求」、「安全欲求」、「社会的欲求」、「承認欲求」、「自己実現欲求」という5段階に分け、ハーズバーグは2要因理論において、衛生要因に対する働きかけは不満の解消と大きな関連があり、動機づけ要因に対する働きかけは満足感の発生と大きな関連があることを明らかにしました。

これら2つの理論から分かることは、人は様々な種類の欲求を持ち、多方面から同時にアプローチしなければ、正しく不満を解消し十分な満足感を与えることができないということです。

ここでは、マズローの提唱した「生理的欲求」、「安全欲求」、「社会的欲求」、「承認欲求」、「自己実現欲求」という5つの欲求に合わせる形で、従業員満足度の向上に効果的な施策を紹介致します。

給与や休暇など金銭報酬に関する見直し

「生理的欲求」とは、「食べたい」や「休みたい」など、人が生命を維持する上で欠かすことのできない欲求であり、これらの欲求の大部分は金銭報酬に大きな影響を受けます。
そのため、他のどの施策よりも先に、現在の金銭報酬に関する設定や実態が正常なものであるかを確認し、必要に応じて修正する必要があります。

  • 給与は与えている権限や責任に見合ったものであるか
  • 休日出勤やサービス残業、有給の権利放棄を暗に促すような雰囲気はないか

といった点を意識しながら取り組むことで、より本質的な部分での解決を図ることが可能となるでしょう。

組織に関するあらゆる情報を明文化し、全体に公開

「安全欲求」とは、不安を感じることなく安心して過ごしたいという欲求です。この欲求を満たすためには、組織に関するあらゆる情報を明文化し、全従業員に向けて公開する必要があります。

この際、人事評価制度や社内規則といった基準やルールだけでなく、企業文化やビジョンなど、組織の土台となる部分に関する情報も明文化して公開することで、組織内に浸透させることが可能となります。
組織に対する不安を払拭し、評価されるポイントや注意すべきポイント、判断基準などを正しく理解した従業員たちは自らを律し、自信を持って業務に励むようになるでしょう。

社内コミュニケーションの活性化

「社会的欲求」とは、人とつながりを持ちたいと感じる欲求です。
この欲求を満たすには、社内コミュニケーションの活性化が最も効果的です。

社内コミュニケーションの活性化は、従業員満足度の向上に限らず、あらゆる施策や戦略に多大な影響を与える重要な鍵となります。
部署内やチーム内から部署間や支店間へと徐々に範囲を広げ、最終的には経営者や人事担当者とも本音で語り合えるような形になるよう、心掛けながら取り組みましょう。

【関連】社内コミュニケーションを活性化するためには?《成功事例5選》 / BizHint

360度評価やポジティブフィードバックを実施

「承認欲求」とは、周囲に自分の能力や生み出した成果を正しく認識してもらい、より重要な場面で必要とされたいという欲求です。
このような欲求を満たすためには、対象者の成長意欲を大きく刺激することができる360度評価やポジティブフィードバックを実施することが効果的となります。

これらの取り組みは、単にフィードバック機会を増加させるだけではなく、過小評価や過大評価の修正、人材配置の最適化にも活用することができます。
数多くのフィードバックの中で自身に対する認識をより正確なものにし、長所や魅力を最大限活かすことができる仕事を与えられた従業員は、仕事に対するやりがいと大きな満足感を得ることができるでしょう。

【関連】360度評価(多面評価)とは?メリットやデメリット、実施方法まで徹底解説 / BizHint
【関連】ポジティブフィードバックの意味とは?効果や利点、具体例をご紹介 / BizHint

ワーク・ライフ・バランスやダイバーシティを推進し、キャリアデザインを支援

「自己実現欲求」とは、理想の自分を追求し、自分にとって最も適していると考える地位や立場、労働環境を手に入れたいという欲求です。
この段階の欲求を満たすためには、従業員一人ひとり異なる個人特性や生活背景を正しく把握し、柔軟な思考を持って受け入れていく必要があります。

ワーク・ライフ・バランスやダイバーシティを前向きに推進する組織に対し、職場であってもありのままの自分を出していいことを理解した従業員たちは、少しずつプライベートな内容も含めた自己実現への想いや気持ちを口にしてくれるようになります。
その想いにしっかりと耳を傾け、実現に向けて組織と個人がどのような努力を行うべきか共に考えることで、従業員たちは「この会社を選んで正解だった」という大きな満足感を得ることができるでしょう。

【関連】ワーク・ライフ・バランスとは?正しい意味や取り組み、企業事例などご紹介 / BizHint
【関連】ダイバーシティとは?意味や推進方法、企業の取組事例をご紹介 / BizHint
【関連】「キャリアデザイン」とは?その重要性とデザイン方法をご紹介 / BizHint

従業員満足度の向上に成功した企業事例

ここでは「ベストモチベーションカンパニーアワード2016」で見事1位に輝いたサイバーエージェント株式会社と、2016年から2018年にかけて3年連続で「働きがいのある会社」ベストカンパニーに選出されたGMOペイメントゲートウェイ株式会社の事例を紹介します。

【参考】ベストモチベーションカンパニーアワード2016 - リンクアンドモチベーション
【参考】2018年版「働きがいのある会社」ベストカンパニーに選出 / GMOペイメントゲートウェイ株式会社

サイバーエージェント株式会社

「21世紀を代表する会社を創る」をビジョンに掲げているサイバーエージェント株式会社は、1998年の創業以来ずっと人材の「採用・育成・活性化・適材適所」に力を注いでいます。

【具体的な取り組み】

  • アンサング・ヒーロー(縁の下の力持ち)に光を当てるため、半年ごとに行われる社員総会で活躍した社員を表彰
  • 定期的な新卒採用の実施
  • 実績よりも人格を重視した人材抜擢
  • 目標や撤退条件を設定して行うCAJJプログラムなど、従業員たちが自発的に挑戦できる環境を用意
  • 社内活性化を目的とした社内横断組織「アクティベーション室」の設置

【得られた成果】

  • サポート役に徹してきた社員のロイヤリティが向上
  • 新たな人材が加わることによる組織活性化と人材採用コストの低下
  • 自身の利益よりも組織全体の利益を優先する経営者層や管理者層の形成
  • 事業の進化に対応できる高いモチベーションを持つ人材の育成に成功
  • 社員間コミュニケーションの円滑化による業績向上
  • 就職希望ランキングや社員による会社評価ランキングなど、様々なランキングで上位を獲得

【参考】「社員のやる気」日本一! サイバーエージェントの秘密 / Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
【参考】カルチャー / 株式会社サイバーエージェント
【参考】実績以上に人格重視–サイバーエージェント藤田社長が語る「やる気を引き出す組織風土の作り方」 (1/5):EnterpriseZine(エンタープライズジン)

GMOペイメントゲートウェイ株式会社

「世界一のサービスを提供するためには、世界一の人財が不可欠」を最大のテーマとして掲げるGMOインターネットグループ。
そんなGMOインターネットグループにおいて総合的な決済関連サービスや金融関連サービスを展開するGMOペイメントゲートウェイ株式会社は、パートナー(従業員)一人ひとりが会社の「家主」として高い誇りと自覚を持ち、プロフェッショナルを目指して自らを高めていく努力を継続していけるよう、様々な独自の取り組みを行っています。

【具体的な取り組み】

  • 社長や経営陣が講師となって行う勉強会の実施
  • 自らキャリアを決めることができる仕組み作り(通年ポテンシャル採用、キャリアデザイン制度など)
  • 充実した福利厚生施設(24時間いつでも無料で飲食可能なコミュニケーションスペース、社内託児所、仮眠スペースなど)
  • 人種、国籍、性別、学歴などの個人属性にとらわれない評価体制の構築
  • 社風である「感謝の心」に基づいたユニークな制度(親孝行手当、ライフプラン手当など)

【得られた成果】

  • パートナー全員がビジョンを正しく共有
  • 15期連続での増収増益を実現
  • 「働きがいのある会社」ランキングの従業員100~999人部門で3年連続ベストカンパニーに選出

【参考】2018年版「働きがいのある会社」ベストカンパニーに選出 / GMOペイメントゲートウェイ株式会社
【参考】オフィス環境 / 働く仲間とともに / CSR / GMOインターネット株式会社
【参考】15期連続成長を実現する企業の人事部長に聞く、「全員社長主義」で人を活かす取り組みを続けるGMOペイメントゲートウェイ / マイナビニュース

従業員満足度の調査方法

従業員満足度の向上を目的とする施策を実施したとしても、その効果を正しく測定できなければPDCAサイクルを回すことができません。
そのため、従業員満足度に強い関心を示す企業の多くは定期的に従業員満足度調査(ES調査)を実施しています。

従業員満足度調査(ES調査)の概要

従業員満足度調査とは、自社の従業員を対象として、業務内容や人間関係、現在の待遇に対する納得感や会社への愛着度など、日々の業務を通じてどの程度の満足感を得ることができているかを問うアンケート調査です。
従業員満足度調査の調査結果は、現時点における従業員満足度の把握の他、課題の洗い出しや施策内容の見直し、経営指標など様々な形で活用されています。

【関連】従業員満足度調査とは?目的や質問項目、結果分析のポイントについて解説 / BizHint

従業員満足度調査の項目

【出典】従業員満足度調査(ES調査) / 組織・人事 / JMAR / 日本能率協会総合研究所 マネジメント&マーケティング研究事業本部

上記の図は株式会社日本能率協会総合研究所が提供している従業員満足度調査サービスの質問項目を関連要素とともにまとめたものです。
このように、従業員満足度調査で扱われる項目は従業員満足度に影響を与える要素と同様のものとなっています。

アンケート調査自体は決して難しいことではないため、自社独自の従業員満足度調査を実施することも可能ですが、質問設定や調査結果の活用への不安や事務処理に対する負担を感じる場合には、外部の従業員満足度調査サービスの利用を検討してみるのもよいでしょう。

従業員サーベイの実施と注意するべきポイント

従業員サーベイとは、週一回や月一回など短期間のうちに繰り返し実施する従業員満足度調査のことです。

従来の調査間隔と比べて非常に短い間隔で継続的に調査することにより、施策の実施や見直しによる効果をリアルタイムで評価し、最近新たに生まれた課題や従業員心理の変化傾向に早期段階で気付くことが可能となります。

【実施する上で注意するべきポイント】

  • 網羅的な質問を行う通常の従業員満足度調査と質問内容を絞って定点観測を行う従業員サーベイを上手に使い分ける
  • 回答側の負担にならないよう、業務の合間に5分程度で回答できる内容にまとめる
  • 回答結果が日常の業務や人事評価に悪影響を与えないことを事前に十分に伝えておく

【関連】従業員サーベイとは?企業と従業員の関係性の改善し、エンゲージメント向上を目指す / BizHint

まとめ

  • 従業員満足度(ES= Employee Satisfaction)とは「従業員の会社に対する満足度」を表す指標である
  • 従業員満足度を向上させることにより、組織は労働生産性の向上や業績の向上、組織内人材力の強化、顧客満足度(CS)の向上など数多くのメリットを享受することができる
  • 従業員満足度を十分に高めるためには、金銭報酬と非金銭報酬の両方を組み合わせたトータル・リワード(総報酬)を意識することが大切である
  • 従業員満足度は人間の持つ様々な欲求に対して多方面から同時にアプローチしなければ正しく高めることができない
  • 従業員満足度調査(ES調査)を実施することにより、従業員満足度向上施策の効果を正しく測定し、PDCAサイクルを回すことが可能となる

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