連載:第1回 テレワーク 生産性の高め方
Web会議の進行役がやるべきことと日本企業で設定したい1つのルール。テレワークで露見するものとは?
新型コロナウイルスの影響でテレワーク、そしてWeb会議が急速に普及しています。しかし慣れない中で行うWeb会議では、対面とは異なる意思疎通の難しさや、思うように会議を進められないもどかしさを感じることもあるのではないでしょうか。そこで今回はWeb会議プロデューサーとして、国内外・大小様々な企業のIT活用をサポートするelwit代表 澤田明季さんに、意思決定のためのWeb会議をうまく進めるコツや、進行役「ファシリテーター」の重要性などを伺いました。
elwit代表
Web会議プロデューサー
澤田 明季 さん
パナソニック系企業で人材開発室のリーダー、人材アウトソーシング最大手の研修課のチーフ、富士通系企業などで約30のプロジェクトに携わる。会議進行の段取り力を最大限に活用するなどし、100%のプロジェクト成功率を誇る。現在は、Web会議のファシリテーターやテレワークのコンサルティング、トレーニング講師を手掛ける。喜劇団主宰として「笑いのある研修」が信念。取得資格は126種類にのぼる。
Web会議では、自分と相手にとっての「無駄な会議」がよく見える
――「無駄な会議」とは、どういった会議でしょうか?
澤田明季(以下、澤田): 対面でもWebでも、参加者の目的がバラバラだったり、ただ喋るだけで何の結論にも至らなかったりする会議ってありますよね?そういったものを「無駄な会議」と位置づけています。多くの方が「この会議や集まり、意味あったのかな?」と感じた経験があると思いますが、そのような会議を総称していっています。
一方で、 生産的な会議は「意思決定する場」と定義 します。しかし、会議の参加者全員が常にそういった意識をもっているとは限りません。そこで、 会議で結論を出す、意思決定にまで導く役回りとして「ファシリテーター」が重要 になってきます。
ファシリテーターとは「進行役」であり「仕切り役」であり「MC」です。ファシリテーター自身も意見は言いますが、基本的には参加者の意見を聞いたり、まとめたり、会議を成功に導く、すなわち会議の目的である意思決定をするところまで会議を進行させる人です。
ファシリテーターが会議を正しく仕切ることで、無駄な会議をなくし生産性を上げることができます。
――リアルな会議ではなく「Web会議」において、ファシリテーターの役割はより重要になるのでしょうか?
澤田: Web会議の特徴からお話しすると、一番大きいのは「場所の制約がなくなること」ですよね。交通費などのコストカットもできますし、移動を考慮しなくていい分、日程調整もスムーズ。資料の印刷も不要ですので、慣れてくれば準備はとても楽で、 生産性は高まることが多い です。
一方で、Web会議では場の空気が読みづらく、目配せのようなものがしづらいです。参加者の表情をじっくり見ることもできますが、ミリ秒のレベルの微妙な時差も生じます。
そもそも日本人が多数を占める会議では、空気を読む習慣が根強いので、声が大きな人が大いに喋り、それ以外の参加者は発言が少ないケースが多いです。これがWeb会議になると、 空気感を読みづらいことから、いっそう発言しづらくなる 傾向があります。
なので、 Web会議ではリアルの会議よりも「発言のきっかけ」が重要 になります。Web会議のファシリテーションでは「発言を促す働きかけ」をしっかり行うことで、意思決定に必要な参加者の意見を確実に汲んでいかなくてはなりません。
――「発言を促す働きかけ」は、リアルの会議でも重要ですよね。
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