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部下育成

2019年12月20日(金)更新

部下の育成は多くの上司にとって悩みの種です。一日も早く部下を育て上げなければならないというプレッシャーを感じながら、育成以外の仕事もこなさなければならない心中は計り知れません。当記事では、部下育成に頭を悩ませている上司の方々に向けて、「部下を育てる」ということを明確にし、部下育成において重要な5つのポイントを分かりやすく解説していきます。


~この記事でわかること~

  1. 管理者やマネージャーが意識すべき本当の「部下育成」について
  2. 成長を支援していく上で重要となる5つのポイント
  3. Googleにおける優れたマネージャーの行動規範から読み解く「良い上司」

「部下を育てる」とはどういうことなのか

部下を一人前に育てる 」という表現をよく耳にしますが、「一人前」とは一体どのような状態を指すのでしょうか。

企業にとって最も重要な経営資源は「人材」です。その人材を一日も早く育て上げるため、上司である管理者やマネジャーは、「一人前」という状態を正しく理解し、明確な目的意識を持って人材育成に取り組まなければなりません。

「育てる」とは成長を支援すること

ビジネスにおける一人前とは、 業務遂行能力がある状態 を指します。業務遂行力とは、業務に関する技術や知識をはじめ、現状を把握する力や課題を見極める力、必要に応じて周囲の人に協力を求める力などが該当します。

上司が一から指導して育てていくことも可能ですが、より重要なのが、これら業務遂行能力を 自主的に習得できるよう、部下の成長を支援していくこと

どれだけ多くの時間を割いて技術や知識を教え込んだとしても、部下が自分で考えて行動に移し、その行動を振り返らなければ本当の成長には繋がらないのです。

部下が自ら考え、決断し、行動できるようになることを目的に、必要な支援を行い成長できる環境を構築してあげることが、管理者・マネージャーに求められる役割です。

部下育成において重要な5つのポイント

部下育成に効果的だといわれている手法は数多く存在します。しかし、「なぜ、その手法を使うのか」ということを正しく理解していなければ十分な効果を得ることが難しく、失敗時に反省や改善を行うこともできません。

ここでは、部下の成長を支援するマネジャーが押さえておくべき5つのポイントを紹介します。

信頼関係の構築

信頼関係の構築は、部下育成を行う上で絶対に欠かせません。 信頼関係がなければ、部下の本音を引き出すことも、フィードバックに耳を傾けてもらうこともできない からです。

信頼関係は、チームとして連携しながら業務を遂行する際にも必要になります。職場の 心理的安全性 を高められるように働きかけることで、部下をはじめとする職場内の全従業員が互いのことを心から信頼し合い、自ら本音で語り、相手の意見を素直に聞き入れられるようになるでしょう。

【関連】心理的安全性とは?Googleが発見したチーム生産性を高める唯一の方法 / BizHint

コミュニケーションの促進(部下への理解を深める)

上記の信頼関係を構築するという意味でも、「コミュニケーション」は非常に重要です。

また、部下育成は管理職に与えられた数多くの役割の一つに過ぎず、部下育成に十分な時間を確保できている管理者やマネジャーは全体のごく一部です。そのような限られた時間の中で効果的に部下をサポートしたければ、常日頃から積極的にコミュニケーションを図り、部下に対する理解を深めておく必要があるでしょう。

  • 上司の視点から部下の強みや特性はどのように見えていて、今後どのような成長や活躍を期待しているのか
  • 部下は自分の強みや特性をどのように捉えていて、企業の一員としてどのように成長していきたいのか

このように、対話を通じて互いの価値観や思いを共有しておくことで、認識のズレによる育成効果の低下を未然に防ぐことができます。

大事なのは「傾聴」スキル

傾聴とは、 相手の気持ちに寄り添って、注意深く共感的に「聴く」 ことを意味します。

上司が傾聴スキルを身につけることで、部下は否定されることを恐れることなく、安心して自分の胸の内を語れるようになります。

大切なのは、相手の話にしっかりと耳を傾け、途中で話を遮ることなく、気持ちや考えをありのままに受け止めるということ。それにより、上司は部下に対する理解をさらに深め、部下は現状や頭の中を整理して新たな気づきを得ることができます。

【関連】「傾聴」の意味とは?傾聴力が必要な理由や基本スキル&技法を解説 / BizHint

1on1の導入も効果的

部下との定期的なコミュニケーション機会を新たに設ける場合におすすめなのが、 1on1 です。

部下の成長促進や現状の把握、定着率向上などを目的に、上司と部下が1対1で行うミーティングで、ヤフー株式会社や楽天株式会社など組織力の高い企業が次々に導入したことで話題になりました。

1on1は、週1や隔週に1回、月1回などの頻度で行うことが多いため、定期的にコミュニケーションをとる場を作ることができます。また、部下が業務経験から得たことを振り返り、上司のサポートを受けながら学びに変えていく場として活用することで、経験学習を促進させることができます。

【関連】1on1の意味とは?話す内容や注意事項、効果を最大化するポイントをご紹介 / BizHint

成長につながる目標の設定

成長につながる目標とは、 「現在の部下が全力を出すことでギリギリ達成できるかどうか」のレベルで設定された目標 です。ストレッチ目標とも呼ばれます。

目標設定は、成長速度や達成感、やりがい、モチベーションに大きな影響を与える重要な要素です。そのため、どれだけ頑張っても達成できない目標や、逆に努力しなくても達成できてしまう目標では、モチベーションや達成感などに悪影響を及ぼしてしまう可能性があるのです。

経験の浅い部下が自分の能力を正しく見極めて目標設定を行うのは難しいため、コミュニケーションを通じて互いの認識をすり合わせ、必要に応じてアドバイスを行うようにしましょう。

【関連】ストレッチ目標の意味とは?目標設定のポイント・注意点に加え、事例もご紹介 / BizHint

仕事を与える/裁量を与える

部下の成長をより力強く促し、困難な目標を自分の力で達成するという成功体験を積み重ねさせるためには、仕事や裁量の与え方を見直すことが重要です。

多くの場合、上司は組織目標や部署目標の達成を意識し、最も大きな成果が生み出せるように仕事の割り当てを行っています。しかし、部下育成という観点を加えるとそれだけでは足りません。

上司は組織や部署の目標達成率だけでなく、部下の目標達成率も正しく把握し、「 この仕事を通じて部下に何を学んでもらいたいのか 」といった視点をもつことも大切なのです。

権限委譲で能力を開花させる

権限委譲とは、 上司が持つ業務権限の一部を部下に分け与え、本人の裁量で仕事を進めてもらうこと です。

株式会社あしたのチームが中小企業の経営者や管理職を対象に行った調査では、7割もの人たちが「権限委譲したことで部下の能力が開花した」と答えています。

積極的な権限委譲を行うことで、部下は強い目的意識と責任感を持って業務に取り組むようになります。そして権限を与えられた部下は、自分で考え、自分で動き、その結果を受け入れるという具体的な経験を通じて学びを深めていくのです。

【参考】権限委譲したことにより「部下の能力が開花した」/あしたのチーム
【関連】権限委譲の意味とは?責任や権限の委譲などの正しい方法 / BizHint

失敗は部下のステップアップのチャンス

経験の浅い部下に重要な仕事や多くの裁量を与えることは、企業にとっても上司にとっても大きなリスクです。

しかし、経験に勝る学習方法はどこにも存在しません。部下が失敗することで発生する問題やリスクを正しく理解し、その対策を講じた上で仕事や裁量を与えることが必要不可欠なのです。

加速度的に成長している企業の多くは、失敗を許容する文化を醸成しています。経営者や管理職が「 人の成長こそが組織の成長である 」という認識を持ち、経営者の声で組織全体に向けて発信することで、部下たちは失敗を恐れることなく果敢に挑戦し続けることができるようになるでしょう。

フィードバックを丁寧に行う

上司からの具体的で丁寧なフィードバックは、部下にとって最高の学習教材です。しかし、 個々の成長レベルや特性に合わせて関わり方を変化させなければ、十分な効果を得ることはできません。

フィードバックは、解決方法を部下に直接教える ティーチング と、自分の力で問題解決を図る部下をサポートする コーチング の2つに大別することができます。

経験や知識が不足している部下に対してはティーチングを実施し、自信を喪失していたり応用を苦手とする部下にはコーチングを実施するなど、適切に使い分けることで業務遂行能力を効率良く磨き上げましょう。

【関連】コーチングとティーチングの概念の違いと正しい使い分け方とは? / BizHint

ポジティブフィードバックで成長速度を加速させる

ポジティブフィードバックとは、さらなる自発的成長の促進を目的として、部下や後輩の言動に対して前向きなフィードバックを行うことです。

指導や注意、ミスの指摘などネガティブな内容が中心だった従来のマネジメントと対照的であることから、「 褒めるマネジメント 」としても注目されています。

ポジティブフィードバックによって自己肯定感を高められた部下は、前向きな姿勢で仕事に取り組み、さまざまな場面で自主性や主体性を発揮してくれるようになります。これまで述べてきたポイントにポジティブフィードバックを加えることで、部下の成長速度を大幅に加速させることができるでしょう。

【関連】ポジティブフィードバックの意味とは?効果や利点、具体例をご紹介 / BizHint

良い上司の条件とは?

【出典】Google re:Work - ガイド: 優れたマネージャーの要件を特定する

優秀な人材の育成を目指しているGoogleは、マネージャーの業績評価と社員アンケートのコメントから「評価の高いマネージャーに共通する 10 の行動様式」を見つけ出しました。

この結果から、「Googleにおける良い上司」とは、部下やチームが成果を上げるための環境を構築できる人であるということが読み取れます。自分自身が高いパフォーマンスを発揮する人ではありませんでした。

企業によって、上司に求められる要件は大きく異なります。しかし、Googleが見つけ出した10の要件の中に「部下にとって良い上司」となるヒントがあることは間違いありません。

「Googleマネージャーの行動規範」と自身の行動を比較することで、良い上司になるために不足している要素の洗い出しが容易となるでしょう。

部下育成に迷ったときに読む本

部下育成のための様々なテクニックを覚え、仕組みを整えても、それでも部下育成に悩むことはあります。やはり相手は人間です。なかなか一筋縄ではいきません。

そんな時は、先人たちの知恵を借りるのも一手です。書籍は手軽に知識を得ることができ、読みながら自分自身を振り返ることができます。

それでは、部下育成で悩んだときにおすすめの書籍を4冊ご紹介します。

「部下を持ったら必ず読む 「任せ方」の教科書 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない」(角川書店)

 日本初のネット生保であるライフネット生命を起業した、元ライフネット生命 CEO 出口治明氏の著書です。

部下に任せるための手法が具体的に紹介されており、特に権限委譲をする方法やマネジャーとしての心構えなど、マネジメントの実践的な内容が網羅されています。

出口氏の根底にある「人はみな『ぼちぼち』」という考え方があります。本当に優秀な方が一握りしかいない、だからこそ完璧を求めず部下に対して60点で合格にする」といった考え方がとても役に立ちます。マネジャーなら必ず一度は読んでおきたい名著です。

【参考】部下を持ったら必ず読む 「任せ方」の教科書 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない

「モウリーニョのリーダー論」(実業之日本社)

ビジネスはある意味チームスポーツです。ゴールに向かってチームで取り組むことは、スポーツもビジネスも同じだからです。

サッカーの名監督であるジョゼ・モウリーニョ氏は、数々のサッカーチームを優勝へと導きました。そのチームマネジメント手法について解説されているのがこちらの書籍です。モウリーニョ氏の「リーダーとは命令することではない、ガイドすることだ」という言葉に代表されるように、チームメンバーとの関わり方について紹介されています。チームをゴールに導きたいときに読むおすすめの1冊です。

【参考】モウリーニョのリーダー論 世界最強チームの束ね方

「人を動かす」(創元社)

初版から80年以上がたった今でも世界中で読み継がれる1冊です。デールカーネギー氏が15年以上をかけて調査した「人を動かす」ための秘訣が記されています。

その内容は、人を動かすためには「まず褒める」、「相手に理解を示す」、「笑顔を忘れない」といった基本的な内容になっています。現代社会にも十分通用する、人間としてのあり方が学べる本です。

【参考】人を動かす

「それでもなお、人を愛しなさい」(早川書房)

部下と接していると、どうしても部下に対して怒りの感情や許せない気持ちが湧いてくる瞬間もあるでしょう。そんな時におすすめなのがこの1冊です。

著者であるケント・M・キース氏がハーバード大学在学中に書いた「リーダーシップのための逆説の10カ条」について記されています。

どんな時でも人を許し愛しましょうという趣旨の「10カ条」は、マザーテレサの著書でも「詩」として紹介されました。ネガティブな感情が芽生えてしまったとき、この10カ条を思い出してみてはいかがでしょうか。

【参考】それでもなお、人を愛しなさい―人生の意味を見つけるための逆説の10カ条

まとめ

  • ビジネスにおける一人前とは、業務遂行能力を持っている状態を指す
  • 「部下を育てる」ということは、部下の成長を支援することである
  • 信頼関係が不足した状態では、どのような取り組みを行っても十分な効果を得ることができない
  • コミュニケーションを通じて部下に対する理解を深めることで、適切な目標設定やフィードバックが容易となる
  • 失敗を許容する文化を醸成することで、上司も部下も互いに失敗を恐れずに挑戦できるようになる

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