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アダプティブラーニング

2020年9月11日(金)更新

アダプティブラーニングとは、データを元に学習者一人ひとりの進捗度に最適化された学習方法と教材を選択し、提供する学習サービスなどを指します。近年、IT技術を教育分野に活用する「EdTech」の1つとして世界中から注目を集めています。今回は、その定義や導入効果(メリット)、注意点(デメリット)、企業向けアダプティブラーニングサービスなどの項目にまとめて分かりやすく解説致します。

アダプティブラーニングとは

アダプティブラーニング(Adaptive Learning/略称:AL)とは、学習者一人ひとりの学習進捗度(学習進度)に最適化された学習方法と教材を選択し、提供する仕組みを持つ学習エンジンやシステム、ソフトウェア、サービスなどを統括的に指す言葉です。

『適応』の意味を持つadaptiveと『学習』という意味を持つlearningによって構成されている言葉であることから、日本語では『適応学習』と訳されます。

アダプティブラーニングは、IT技術を教育分野に活用するEdTech(Education Technology)の1つとして世界中から注目を集めています。

アダプティブラーニングの定義

アダプティブラーニングの先駆企業であり、世界中でシェアを獲得している米Knewton社CEOのライアン・プリチャード氏は、日本法人であるニュートンジャパン株式会社主催のイベント『Knewton Day Tokyo 2017- Adaptive Learning Summit -』のQ&Aセッション内で、その定義について下記のように回答しました。

「Knewtonでの定義では、データをもとにパーソナライズされた経験を継続的に提供するもので、生徒がシステムを使うたびにコンテンツやモデルをアップデートし、最適な道筋をアップデートするもの

【引用】EdTechで注目される「アダプティブラーニング」にフォーカスしたイベント「Knewton Day Tokyo 2017- Adaptive Learning Summit -」レポート/技術評論社

アダプティブラーニングサービスを提供する企業の多くはKnewtonを参考に開発を行っているため、同社の掲げる定義が世界共通と考えてよいでしょう。

アダプティブラーニングと日本の教育

世界中から多くの注目を集めているアダプティブラーニングですが、日本でもすでにいくつかの学校に導入されており、教育現場での活用が開始されています。

学校では一般的に、担任が授業態度やテストの成績から生徒一人ひとりの学習進捗度を分析し、追試や個別指導という形で対応していました。しかし、この方法には

  • 自主学習や学習塾での学習内容を加味できない
  • 教育者の分析力や指導力によって得られる効果に大きな差が生まれる
  • 限られた時間の中で生徒全員に対して個別対応することは難しい

など、数多くの問題点が存在していました。

これらの問題に対し、アダプティブラーニングは次のような手順で公平かつ質の高い学習環境を提供することに成功しました。

【アダプティブラーニングを用いた学習法の一例】

  1. 指導者が授業内容をベースとした問題を作成する
  2. 受講者全員に対して共通の問題を配信する
  3. システムによる自動採点と分析(授業や学習内容に対する理解度の確認)
  4. 個々の学力に最適化された個別学習用コンテンツの自動配信
  5. 個別学習用コンテンツの自動採点と分析(学習効果の確認)

このように、学習改革ともいえるアダプティブラーニングの影響は、ビジネス分野にまで広がっているのです。

アダプティブラーニングの導入効果とメリット

アダプティブラーニングを導入することにより、組織や企業は次のような効果やメリットを得ることができます。

個々の習熟度に合わせた学習を提供できる

アダプティブラーニングの最も大きなメリットは、個々の習熟度を把握・分析できることから、それに合わせた最適な学習を提供できることにあります。

これまでのように一律の学習内容を提供するのではなく、得手不得手を把握した上でのカリキュラムになるため、効率的な学びを実現できます。

指導者の力量に左右されない

アダプティブラーニングは、分析データに基づいた学習を提供するため、指導者の力量に左右されない教育が提供できます。そのため、どの従業員にも均質の学びを提供することができ、スキルのムラを防ぐことが可能となります。

指導者の負担軽減

一般的に企業の教育訓練は、人事担当者もしくは、先輩社員が行うケースが多くあります。しかし、通常業務をこなしながらの研修の実施は大きな負担にもなっています。

アダプティブラーニングを導入することで、課題の自動採点や、過去データから次の課題を導き出すなどの仕組みにより、個人で課題を分析・策定したり採点する時間が削減されます。そのため、担当者の大きな負担軽減につながります。

学習履歴が最適なフォローアップに繋がる

アダプティブラーニングは全受講者の学習内容と結果を自動で学習ログ(学習履歴)として記録し、保管してくれます。更にクラウド型システムであれば、インターネットに接続できるあらゆる場所から個人データを参照することができます。

クラウド上に蓄積された個々の学習データは、対象者へのフォローアップやフィードバックに大いに役立てることができます。

eラーニング導入によるメリットを享受できる

アダプティブラーニングはインターネット回線と電子機器を用いて自主学習を行うeラーニング(e-Learning)の1要素です。

アダプティブラーニングを取り入れるには、それが組み込まれたeラーニングシステムを導入しなければなりません。そのため、eラーニングによる「時間と場所を選ばない」「使い慣れたデバイスを使える」「学習機会の平等な提供」「学習内容の把握が容易」といったメリットも受けることができるのです。

そして、これらのメリットはアダプティブラーニングによって最大化されていきます。

【関連】eラーニングとは?メリット・デメリットや用途別eラーニングサービスまとめも / BizHint

アダプティブラーニングの導入によるデメリット

それでは、アダプティブラーニングを導入する際の注意点についてご紹介します。

導入コストがかかる

アダブティブラーニングに取り組むには、まずシステムやツールなどの導入、そしてそれを管理する人材など人的コストも必要です。そもそもアダプティブラーニングの導入目的は何か、それによりどの程度の効果を見込んでいるのか、そこにどの程度のコストをかけられるのかを、あらかじめしっかり検討しておく必要があります。

モチベーションの維持が難しい場合も

アダプティブラーニングは、基本的にeラーニングにより自主的な学習を促すものであるため、向き不向きがあり、モチベーションの維持が難しいケースも多くあります。例えば、多忙で学習時間が取れない、一人で学習する意欲が湧かないなどの理由が挙げられます。

締め切りを設定してリマインドする、あるいは、ゲーミフィケーションの要素を取り入れて、ゲーム感覚で楽しんで学べるような仕組みづくりをする、などの工夫も必要でしょう。

【参考】ゲーミフィケーションとは何?/Weblio辞書

日本企業向けアダプティブラーニングサービス4選

学校法人や教育機関、教育関係者に向けた教育サービスや次世代型学習システムとしてのアダプティブラーニングサービスは数多く存在しますが、人材育成や社内教育を支援する企業向けサービスを提供しているサプライヤーはまだそれほど多くありません。しかし、その中には非常に優れた機能を持つものが数多く存在しています。

ここでは日本企業向けに販売されているアダプティブラーニングサービスを厳選して紹介致します。

Core Learn(コアラーン)

印刷大手 凸版印刷株式会社が提供する「コアラーン」は、現場で必要な知識を育み、従業員を早期戦力化するためのアラプティブラーニングツールです。

「習熟度別出題方式」機能により、それぞれの理解度や習得レベルに沿った問題を出題するだけでなく、「何が理解できずに誤答したのか」を分析し、次の問題を設定します。また、一度習得した知識も、最適なタイミングで復習問題として出題し、定着を目指します。

さらに、受講者個別、または全体の学習進捗やその量まで把握し、その後のフォローアップを助けます。例えば、個別のアドバイスや、コンテンツ自体の効果測定、さらに自社の研修カリキュラムに反映するなど、さまざまな活用方法があります。

【参考】コアラーン(Core Learn)/凸版印刷

Cerego(セレゴ)

米Cerego社が開発したCeregoは、アメリカと日本で特許を取得している認知心理学や脳科学の研究成果を活かした特殊な技術が使用されている記憶定着特化型の学習エンジンです。

知識が記憶として正しく定着するまで、何度でも適切なタイミングで復習問題を提示してくれます。また、優れたオーサリングツールによって、択一問題や複数選択問題といった定番の出題形式だけではなく穴埋め問題や並び替え問題など多種多様な問題を簡単に作成することができます。

その性能はアメリカだけではなく日本でも高く評価されており、西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)など、すでに多くの企業が導入しています。

【参考】より早く学び、より長く記憶する最も簡単な方法です。/Cerego
【参考】新たな学習方法「アダプティブラーニング」のメリットと導入実例 - ビジネスWebマガジン「Future Stride」/ソフトバンク

iKnow!

iKnow!はCeregoを搭載した法人向け英語学習パッケージです。2011年にCerego社の日本法人であるセレゴ・ジャパン株式会社がサービス提供を開始しましたが、現在は2015年に事業を譲り受けた株式会社DMM.comがサービス提供を行っています。

iKnow!の一番の魅力はコストパフォーマンスの高さです。月額794円から使用できる手軽さと学習エンジンCeregoの反復学習サポート力を兼ね備えた同サービスは、高い英語力を持つグローバル人材を育成したい企業の心強いパートナーとなるでしょう。

項目 金額
ユーザ利用料 (一人あたり) 1ヶ月プラン…1,510円/月/12ヶ月プラン…794円/月

【参考】iKnow!で英語。ちょっとの努力で、大きな成果を。/iKnow!
【参考】DMM英会話法人向けサービス/オンライン英会話ならDMM英会話

高機能デジタルドリルプラットフォーム ノウン

ノウンはNTTグループの技術的中核企業であるNTTアドバンステクノロジ株式会社が開発、提供している高機能オンライン学習プラットフォームです。デジタルとアナログの良い部分を掛け合わせた新感覚デジタルドリルプラットフォームであるノウンは、一般社団法人e-Learning Initiative Japanが主催する『eラーニングアワード2017フォーラム』においてICT CONNECT21 会長賞を、一般社団法人日本IMS協会が主催する『第2回IMS Japan賞』において審査委員奨励賞を受賞しています。

出題される問題をただ回答するだけのプラットフォームが多い中、ノウンは学習中にコンテンツに手書きによるメモやマーキングを入れることを可能にしました。これを組織に導入し、業務マニュアルや業務知識などの教育課題をデジタルドリル化することによって、従業員たちは個人所有のスマートフォンやタブレットを学習ドリル代わりにして、アダプティブラーニングによる知識の定着と自分専用の振り返り用マニュアルの作成を同時に行うことが可能となるでしょう。

【参考】高機能デジタルドリルプラットフォーム ノウン / NTT-AT
【参考】お知らせ(2017年)/ノウン

まとめ

  • アダプティブラーニングとは学習者一人ひとりの学習進行度や理解度に応じて学習内容や学習レベルを調整して提供する仕組みである
  • アダプティブラーニングは主に学校法人や教育機関などで活用されているが、人材育成や社内教育を支援する企業向けアダプティブラーニングサービスも次々誕生している
  • 組織内にアダプティブラーニングを導入することで、育成側の負担軽減と育成効果の最大化を同時に実現させることができる

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