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2018年9月4日(火)更新

アダプティブラーニング

アダプティブラーニングとはいわゆる適応学習のことであり、学習者一人ひとりの学習進行度や理解度に応じて学習内容や学習レベルを調整して提供する仕組みのことです。アダプティブラーニングに興味を示している企業経営者や人事担当者がアダプティブラーニングを組織内で最大限に活用するために必要となる情報やノウハウを、定義や導入効果(メリット)、企業向けアダプティブラーニングサービスなどの項目にまとめて分かりやすく解説致します。

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アダプティブラーニングとは

アダプティブラーニングとは、学習者一人ひとりの学習進捗度(学習進度)に最適化された学習方法と学習教材を選択し、提供する仕組みを持つ学習エンジンやシステム、ソフトウェア、サービスなどを統括的に指す言葉です。

アダプティブラーニングは、IT技術を教育分野に活用するEdTech(Education Technology)の1つとして世界中から多くの注目を集めています。

アダプティブラーニングの定義

「Knewtonでの定義では、データをもとにパーソナライズされた経験を継続的に提供するもので、生徒がシステムを使うたびにコンテンツやモデルをアップデートし、最適な道筋をアップデートするもの」

【引用】EdTechで注目される「アダプティブラーニング」にフォーカスしたイベント「Knewton Day Tokyo 2017- Adaptive Learning Summit -」レポート:レポート|gihyo.jp … 技術評論社

アダプティブラーニングの先駆企業であり世界中でシェアを獲得している米Knewton社CEOのライアン・プリチャード氏は、日本法人であるニュートンジャパン株式会社主催のアダプティブラーニングをテーマにしたイベント『Knewton Day Tokyo 2017- Adaptive Learning Summit -』のQ&Aセッション内で、アダプティブラーニングの定義について上記のように回答しました。

アダプティブラーニングに対する国際的な定義や明確な基準は2017年の時点でまだ存在していませんが、アダプティブラーニングサービスを提供する企業の多くはKnewtonを参考に開発を行っているため、Knewton社の掲げる定義が世界共通のアダプティブラーニングの定義になっていると考えてよいでしょう。

英語の意味と日本語訳

アダプティブラーニングは英語でAdaptive Learning(略称:AL)と表記します。

Adaptive Learningという英単語が『適応する』という意味を持つ動詞adaptの形容詞であるadaptiveと『学習』や『習得』という意味を持つlearningによって構成されていることから、日本語では『適応学習』と訳されています。

アダプティブラーニングと日本の教育

世界中から多くの注目を集めているアダプティブラーニングですが、日本でもすでにいくつかの中学校や高等学校に導入されており、学校現場での活用が開始されています。

アダプティブラーニングが登場する以前は、先生が授業態度やテストの成績から生徒一人ひとりの学習進捗度を分析し、追試や個別指導という形で個別対応を実施していました。しかし、この方法には『自主学習や学習塾での学習内容を加味することができない』や『教育者の分析力や指導力によって得られる効果に大きな差が生まれてしまう』、『限られた時間の中で生徒全員に対して個別対応を実施することは現実的に難しい』など、数多くの問題点が存在していました。

これらの問題に対し、アダプティブラーニングは次のような形で公平かつ質の高い学習環境を提供することに成功しました。

【アダプティブラーニングを用いた学習法の一例】

  1. 指導者が授業内容をベースとした問題を作成する
  2. 受講者全員に対して共通の問題を配信する
  3. システムによる自動採点と分析(授業や学習内容に対する理解度の確認)
  4. 個々の学力に最適化された個別学習用コンテンツの自動配信
  5. 個別学習用コンテンツの自動採点と分析(学習効果の確認)

アダプティブラーニングの登場により、日本の教育現場は大きな変化を遂げました。そして、学習改革ともいえるアダプティブラーニングの影響は、ビジネス分野にまで広がっていったのです。

アダプティブラーニングの導入効果とメリット

アダプティブラーニングはインターネット回線と電子機器を用いて自主学習を行うeラーニング(e-Learning)の1要素です。そのため、多くの企業経営者や人事担当者が「アダプティブラーニングがeラーニングの効果を更に高めてくれるのではないか」と強い期待を寄せています。

確かにアダプティブラーニングはビジネスシーンにおいても多くの効果を発揮してくれます。しかし、その効果を正しく享受するためには、管理者や実施者がアダプティブラーニングの導入効果やメリットについて理解しておかなければなりません。

アダプティブラーニングという要素が加わったeラーニングシステムを導入することにより、組織や企業は次のような効果やメリットを得ることができます。

  • eラーニング導入によるメリットを享受できる
  • 記憶の定着や知識の蓄積を効率良く行える
  • 人材の早期育成と戦力化
  • 記憶の定着度を可視化できる
  • 研修効果の増幅と研修内容の最適化
  • 負担の少ないキャリア育成環境の構築
  • 人材を最大限に活用することができる

eラーニング導入によるメリットを享受できる

アダプティブラーニングを導入するためには、アダプティブラーニングが組み込まれたeラーニングシステムを導入しなければなりません。そのため、組織内に新規でeラーニング環境を構築する場合には、eラーニング導入によるメリットも合わせて享受することができます。

eラーニング導入によるメリットには次のようなものがあります。

学習者(従業員)視点のメリット

  • 時間と場所を選ばない
  • 時間を有効活用することができる
  • 使い慣れたデバイスを使用できる
  • 知識の定着やスキルアップに有効である
  • 必要な時に必要な情報を入手できる
  • 自己分析が容易に行える
  • 多くのフィードバックを受けられる

提供者(企業)視点のメリット

  • 経営資源を有効活用することができる
  • 常に最新の知識や技術を教えることができる
  • 学習以外にも応用が利く
  • 学習機会を平等に提供できる
  • 様々な学習内容を提供できる
  • 学習効果の把握が容易

このように、eラーニング環境を新規構築するだけでも多くのメリットを得ることができます。そして、これらのメリットはアダプティブラーニングによって最大化されていくのです。

【関連】eラーニングとは?メリット・デメリットや用途別eラーニングサービスまとめも / BizHint HR

記憶の定着や知識の蓄積を効率良く行える

記憶を定着させるために最も効果的な学習タイミングは『記憶が薄れかかった時』だといわれています。しかし、自己努力だけでこの最適なタイミングを計ることは限りなく不可能に近く、現実的だとはいえません。

なぜなら、学習者自身が『忘れかかっている』ことを認識することは難しく、指導者視点でそのタイミングを見極めることもまた困難だからです。

これを実現させるためには、メモや付箋などを活用しながら定期的に忘れかけていないか確認する必要があります。しかし、この方法は学習者側の負担を増加させるだけではなく、日々新たな知識の獲得を求められる業種や職種では情報量がパンクしてしまい、メモや付箋の管理そのものが困難になるという新たな問題が浮上してしまいます。

これらの問題に対し、アダプティブラーニングはシステム上で適切なタイミングを見極め、『前回不正解だった問題』や『前回正解しているが、それ以前に何度も間違っていたり回答までに時間がかかっているなど理解度の低さが疑われる問題』をピックアップして出題してくれます。アダプティブラーニングを活用することによって、指導者や学習者に新たな時間的負担や精神的負担をかけることなく最も効率的に記憶の定着や知識の蓄積を進めることが可能となるのです。

人材の早期育成と戦力化

個々の学習進捗度に最適化された学習内容を適切なタイミングで提示してくれるアダプティブラーニングは、内定者教育や新入社員教育など指導者と対象者の関係性がまだ十分に構築されていない段階であっても、高い効果を得ることができます。

アダプティブラーニングを活用し、ビジネスに関する基礎知識や業界独自の専門用語などを効率良く学ぶことによって、人材の早期育成や戦力化を実現することができるでしょう。

記憶の定着度を可視化できる

アダプティブラーニングは全受講者の学習内容と結果を自動で学習ログ(学習履歴)として記録し、保管してくれます。更にクラウド型システムであれば、インターネットに接続できるあらゆる場所から個人データを参照することができます。

クラウド上に蓄積された個々の学習データは、対象者へのフォローアップやフィードバックに大いに役立てることができます。仕事上でミスが発生した際に改善点をすぐ特定できるだけではなく、「何が分からないのかが分からない」と悩む対象者に対して適切なアドバイスを行うことが可能となるでしょう。

研修効果の増幅と研修内容の最適化

アダプティブラーニングの学習記録保存機能や学習サポート機能は社内研修後のフォローアップや研修内容の見直しなどでも活用することができます。

研修で指導した内容を学習コンテンツとして配信することにより、個々の従業員の理解度の見極めと反復学習による知識の定着を図ることができます。また、研修参加者の多くが躓いている問題を洗い出すことで指導方法の見直しを行うことが可能となります。

負担の少ないキャリア育成環境の構築

【出典】新人・若手の意識調査2016 / 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ

人材採用や人材育成に関する様々なサービスを提供する株式会社リクルートマネジメントソリューションズが2017年に実施、公開した【新人・若手の意識調査2016】を見ると、2016年に入社した新人社員の約4割が将来の見通しについて何らかの批判的感情を抱いていることが分かります。

【出典】新人・若手の意識調査2016 / 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ

また、この調査結果からは批判的感情の裏側に『自身のキャリア育成への不安』や『やりたい仕事ができないことへの不満』が存在していることも読み取ることができます。

このような批判的感情を解消し、前向きに日々の業務に取り組んでもらうためには企業経営者や人事担当者がこれまで以上に意欲的かつ戦略的にキャリア育成に取り組まなければなりません。しかし、ただ闇雲に多くの課題や学習機会を与えるだけでは望んでいた結果を得ることはできません。

【出典】新人・若手の意識調査2016 / 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ

なぜなら、新人社員の多くは『仕事によってプライベートが犠牲になることを望んでいない』からです。どれだけ多くの学習機会を提供したとしても、学習意欲や就業意欲の低下が発生してしまっては逆効果となってしまいます。

長期勤続によるキャリア育成を実現させるため、組織は人材側の負担軽減も意識しながら人材育成計画を構築しなければいけません。まだ習得していない学習内容だけをピックアップしてくれるアダプティブラーニングを導入することにより、「限られた時間を有効に活用して学びたい」という需要にマッチしたキャリア育成環境を構築することができるでしょう。

人材を最大限に活用することができる

アダプティブラーニングが生み出す様々な効果を施策や戦略と組み合わせることにより、組織内人材の価値を際限なく高め続けることができます。

  • 従業員エンゲージメント向上による長期雇用の実現
  • スキルアップによる生産性向上と利益の拡大
  • 得手不得手などの人材特性を踏まえた人事配置
  • ポジティブフィードバックやコミュニケーション機会の増加

一見、単なる個別適応学習サービスのようにも思えるアダプティブラーニングですが、導入効果やメリットを企業経営者や人事担当者が正しく理解し、組織内の施策や戦略に絡めながら積極的に活用することによって、多くの相乗効果が得られることを決して忘れてはいけません。

日本企業向けアダプティブラーニングサービス4選

学校法人や教育機関、教育関係者に向けた教育サービスや次世代型学習システムとしてのアダプティブラーニングサービスは数多く存在しますが、人材育成や社内教育を支援する企業向けアダプティブラーニングサービスを提供しているサプライヤーはまだそれほど多くありません。しかし、その中には非常に優れた機能を持つアダプティブラーニングサービスが数多く存在しています。

ここでは日本企業向けに販売されているアダプティブラーニングサービスから4つを厳選して紹介致します。

Cerego(セレゴ)

Ceregoは、アメリカと日本で特許を取得している認知心理学や脳科学の研究成果を活かした特殊な技術が使用されている記憶定着特化型の学習エンジンです。米Cerego社が開発したCeregoは、業務提携契約を結んでいるソフトバンクグループのサイバーユニバーシティ株式会社が日本国内での販売窓口となっています。

Ceregoは知識が記憶として正しく定着するまで、何度でも適切なタイミングで復習問題を提示してくれます。また、優れたオーサリングツールによって、択一問題や複数選択問題といった定番の出題形式だけではなく穴埋め問題や並び替え問題など多種多様な問題を簡単に作成することができます。

その性能はアメリカだけではなく日本でも高く評価されており、すでに多くの企業が導入を行っています。サイバーユニバーシティ株式会社のWebサイトには西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)の導入事例も紹介されているため、目を通すことでより具体的にCeregoを理解することができるでしょう。

項目 金額
初期費用 40,000円~
月額利用料 36,000円~

【参考】Cerego(アダプティブラーニング) / 製品 / サイバーユニバーシティ株式会社

iKnow! for Business

iKnow! for BusinessはCeregoを搭載した法人向け英語学習パッケージです。2011年にCerego社の日本法人であるセレゴ・ジャパン株式会社がサービス提供を開始したiKnow! for Businessですが、現在は2015年に事業を譲り受けた株式会社DMM.comがサービス提供を行っています。

iKnow! for Businessの一番の魅力はコストパフォーマンスの高さです。月額756円から使用できる手軽さと学習エンジンCeregoの反復学習サポート力を兼ね備えたiKnow! for Businessは、高い英語力を持つグローバル人材を育成したい企業の心強いパートナーとなるでしょう。

項目 金額
グループ設定費 32,400円(初期設定及び管理アカウント費)
ユーザ利用料 (一人あたり) 初回限定3ヶ月プラン…3,240円(1,080円/月) /6ヶ月プラン…5,184円(864円/月) /12ヶ月プラン…9,072円(756円/月)

【参考】iKnow! for Business - アイノウ!の法人向け英語学習サービス

高機能デジタルドリルプラットフォーム ノウン

ノウンはNTTグループの技術的中核企業であるNTTアドバンステクノロジ株式会社が開発、提供している高機能オンライン学習プラットフォームです。デジタルとアナログの良い部分を掛け合わせた新感覚デジタルドリルプラットフォームであるノウンは、一般社団法人e-Learning Initiative Japanが主催する『eラーニングアワード2017フォーラム』においてICT CONNECT21 会長賞を、一般社団法人日本IMS協会が主催する『第2回IMS Japan賞』において審査委員奨励賞を受賞しています。

出題される問題をただ回答するだけのプラットフォームが多い中、ノウンは学習中コンテンツに手書きによるメモやマーキングを入れることを可能にしました。ノエルを組織に導入し、業務マニュアルや業務知識などの教育課題をデジタルドリル化することによって、従業員たちは個人所有のスマートフォンやタブレットを学習ドリル代わりにして、アダプティブラーニングによる知識の定着と自分専用の振り返り用マニュアルの作成を同時に行うことが可能となるでしょう。

【参考】高機能デジタルドリルプラットフォーム ノウン / NTT-AT

BBT PLI アセスメント

BBT PLI アセスメントは、企業への経営指導や人材育成教育を専門とする株式会社ビジネス・ブレークスルー(BBT)とスキル診断やeラーニングなどの教育サービスを提供する株式会社ネクストエデュケーションシンクの共同開発によって生み出された総合アセスメントサービスです。

BBT PLI アセスメントを用いて従業員個人の『適性・資質』や『行動特性(コンピテンシー)』を総合的かつ多面的に評価することにより、21世紀のリーダーに必要とされる『Problem Solving(問題解決力)』、『Leadership(リーダーシップ)』、『Intrepreneurship(イントレプレナーシップ=社内起業家精神)』の3つのスキルをどれだけ持ち合わせているかを評価し、可視化することができます。

BBT PLI アセスメントではこのアセスメント結果をもとに、株式会社ビジネス・ブレークスルーが保有する1万時間以上もの豊富な学習コンテンツの中から短所を克服し、長所を伸ばすために最適なものをピックアップして紹介してくれます。適性、資質、行動特性などを可視化し、自身に最適な学習コンテンツを提示してくれるBBT PLI アセスメントは、客観的評価による自己理解と成長への道筋の最適化を同時に進めることのできる実践的アダプティブラーニングサービスであるといえるでしょう。

【参考】BBT PLI アセスメント ~答えのない時代、未来を創る力~

まとめ

  • アダプティブラーニングとは学習者一人ひとりの学習進行度や理解度に応じて学習内容や学習レベルを調整して提供する仕組みである
  • アダプティブラーニングは主に学校法人や教育機関などで活用されているが、人材育成や社内教育を支援する企業向けアダプティブラーニングサービスも次々誕生している
  • 組織内にアダプティブラーニングを導入することで、育成側の負担軽減と育成効果の最大化を同時に実現させることができる

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