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2017年10月22日(日)更新

人材開発

人材開発とは、企業が従業員に対して教育や研修を行い、企業の戦力となる人材を育成していくことです。最近、人材開発に力を入れる企業が増えてきています。人材開発について詳しく解説します。

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人材開発とは

人材開発(じんざいかいはつ)とは、企業および組織に属するメンバーの能力を継続的に向上させることであり、知識・スキル・態度の3要素から成る。

企業が従業員に対して求める能力として「知識」「スキル」「態度」の3つの要素があり、企業はそれぞれの能力を付与するため、人的資産である従業員に対して教育や訓練などを行い、人材のパフォーマンス向上を目指します。企業が人材である従業員に対して行う、このような能力開発のための取り組みや考え方、しくみを総称して人材開発といいます。

知識、スキル、態度は一体化して付与することで効果が表れるものであり、3要素がバランスよく組み立てられたプログラムが成果を上げるための優れた内容であるとされます。企業の人材開発部門では、研修や講習、演習、実習、OJT、キャリア開発など、企業組織の形態により、さまざまな形や呼称で展開されています。

人材開発の目的

人材開発の目的は、企業戦略の実現につなげるために社員のビジネススキルや意欲の向上を図り、仕事の質を高めることにあります。

企業は社員に対し、教育や研修など能力向上の機会を与え、人材の育成を図ります。社員はスキルの向上により自信が持てるようになるだけでなく、昇進・昇給などの企業評価に結びつくこともになり、モチベーションアップにつながります。

その結果、企業は戦略の実現につながり、人材開発により企業と社員ともに成長していくことになります。

人材開発が求められる理由

企業では、これまでの人材育成のあり方が見直され、人材開発が求められています。それは、グローバル化や技術革新、企業統合や再編、業績の悪化などによる教育予算の削減など、急速に変化し続ける経営環境において、さまざまな問題に対応できる人材の育成、どんな状況下でも戦力となる有能な人材が必要となっているからです。

また、団塊世代の退職や新卒採用の絞り込みなどにより、職場の人材構成のバランスが悪くなっていることなどから、職場の中で自然に行われていた部下への指導や学ぶ機会が減り、OJT(実務を通じての従業員教育)の再構築も必要となってきています。

企業のグローバル化に対応できる人材の育成や早期戦力化できる人材の必要性が増す中、今後も変化し続けていく企業環境には新たな人材開発体系が必要です。

人材開発と経営戦略の関係性

企業の経営戦略の実現のためには、人材の知恵と行動が重要な原動力です。事業計画や戦略は、変化する経営環境や市場に合わせて変えていかなくてはなりません。そのためには中長期的な視点で、事業計画と人材開発を共に行っていくことが重要となります。

経営者の意思や事業達成への思いを従業員一人ひとりが理解し、中長期計画の意味や重要性を浸透させることが大切です。競争力を高めるために継続的に行っていく人材開発についても、前進しようとする従業員の意志により、成果を表すこととなります。

人材開発部門に期待される役割

人材開発部門に期待される役割とは、どんなものでしょうか。人材教育の実施など、人材開発部門に期待される役割として、欠かせないものを挙げておきます。

経営からの要望に応じた人材育成

経営戦略に則った事業活動を行うのと同じく、人材育成についても経営からの要望に基づいた人材育成のあり方を描くことが大切です。そのためには、自社にはどのような人材が必要なのか、必要な人材を獲得するためにどのような形態で人材育成を行っていくのか、経営トップとの話し合いの機会を定期的に設けることは必須といえます。 経営からの要望は自社の価値観でもあります。経営トップの意向をしっかりと認識し、それに応じた人材育成の組み立てを行っていくことは、人材開発部門の重要な役割です。

現場ニーズに即した人材教育の実施

経営からの意向とともに現場の声も大切です。経営戦略の実践により事業を行っていく上で、成果を出すために必要な人材教育や研修はどのようなものなのか、現場の責任者との徹底した話し合いにより、現場の状況把握や現場ニーズに合致した人材育成を行っていくことが必要です。 短期的に必要となる知識やスキルを把握し、そのための教育を行うことで即戦力となり、社員ひとりひとりの仕事に対する意欲の向上、やりがい、充実感を実感できるなど、組織の活性化につなげていくことができるでしょう。

オンボーディング(初期教育)の徹底

オンボーディングは新規採用者に対して行う初期教育ですが、入社当初の一定期間行われる新人研修とは違い、組織の人材定着と1日も早い即戦力化を目的として行われるものです。新卒採用者だけでなく中途採用の社員、経験豊富な社員など、すべての新規採用者を対象とし、個別に作成された育成プログラムにより組織全体で取り組みます。

オンボーディングの導入により新規社員の早期戦力化が実現でき、社員は自身の成長により、組織の一員として必要な戦力になっているという意識が生まれ、組織の一体化にもつながります。組織全体の活性化につながるオンボーディングの徹底は、人材開発部門の大きな役割といえます。

社会的要請・地域要請に即した教育の実施

企業の社会的責任は企業コンプライアンスとともに現在、非常に重視されています。企業は利益を追求するだけでなく、企業の組織活動が社会へ与える影響について責任を持ち、社会的な要請に即した教育を行っていく必要があります。 ダイバーシティなどは、企業や社員にとって有益なだけでなく、社会的にも求められている重要な取り組みです。 また、グローバル展開を進めていく企業が現地で受け入れてもらうためには、進出先地域の状況や要請を十分に把握し、対応していかなければなりません。人材教育においても、このような観点を意識した内容にすることが必要です。

一連の人材マネジメントとの連動

人材育成は、社員の採用から昇進・昇格、異動や配置転換、評価や報酬など連動する一連の人材マネジメント機能です。人材開発部門はそのことについて強い意識を持ち、それぞれの事項についてバランスよく対応していく必要があります。

人材育成の目的と内容の周知・現場との協力体制

人材育成の目的と内容については、社員への周知を徹底することが必要です。社員ひとりひとりが進んで教育や研修に取り組み、意欲的に参加することが個人の成長につながります。そのために必要なことは自社の価値観を社員に明示し、社員が自ら意識するようなしくみをつくることです。 また、人材育成部門だけの取り組みではなく現場の各部署においても、責任者と密に連携をとり、人材育成への協力体制を整えることも大切です。

長期的視点による人材開発戦略の立案・遂行

人材育成は短期的な教育や研修だけでは難しく、新卒採用から現場で戦力となるまでに成長し、個々のキャリア形成支援から次世代を担う人材となっていくには相当な年月が必要となります。 その流れと共に、変化していく経営環境や技術革新などにも対応できるよう、長期的視点に立った人材開発戦略が求められます。

昨今の人材開発の潮流   

米国ASTD(American Society for Training & Development)米国人材開発機構によるASTD国際大会レポートより、世界の人材開発の潮流についてご紹介します。(現在の名称はATD(Association for Talent Development)タレント開発協会)

脳神経科学の学習への応用

2014年5月、ワシントンD.Cで開催されたASTD国際大会の参加者総数は10500名で、米国外から2250名(92か国)、日本からは136名の参加があったそうです。

セッショントラックの一覧によると、キャリア開発やグローバル人材開発などのほか、さまざまなセッションカテゴリーの中、その年から新設カテゴリーとして登場したのが「学習の科学(The Science of Learning)」です。

【出典】図表:セッショントラック一覧

このカテゴリーは、近年注目されている神経科学(Neuroscience)の学習への応用を扱うセッションが集まったもので、人間の思考や記憶、行動メカニズムを脳神経を中心とした生物学的側面から理解し、効果的な学習デザインやコーチング、パフォーマンスマネジメントに活かそうとするねらいがあります。2011年ごろから増えてきた脳科学を扱うセッションがこの年はブームの様相を呈したようです。

見直される「学習の機会」

多くのセッションで共通して言及されていたのは、「学習は仕事の中にある」というメッセージでした。

学習機会を考えるガイドラインとして、以前より定着してきた「70:20:10フレームワーク」というものは、この年の多くのセッションで言及、引用されていました。この枠組みは、人の学習機会に関する研究から導き出されたといいます。

「70:20:10フレームワーク」

学習の70%は、「実際の仕事経験(Experiential learning)」によって起こる

学習の20%は、「他者との社会的なかかわり(Social learning)」によって起こる

学習の10%は、「公的な学習機会(Formal learning)」によって起こる

【出典】2014年ASTD国際大会レポートより 世界の人材開発の潮流 見直される「学習の機会」

つまり、本来学習と捉えている「公的な学習機会」(10%)よりも、「実際の仕事経験」の方が70%とはるかに多く、さらに「他者との社会的なかかわり」が20%という割合を明らかにしていて、これが新たなスタンダードになりつつあるといいます。

「70:20:10フレームワークの効果的な実施(Effective Implementation of the 70:20:10 Framework)」というセッションでは、学習機会をどのように日常のなかに増やしていくかが提案されていたということからも、イベントとしての学習機会よりも日常の継続的なプロセスの中に学習の機会があり、効果を表すという考えが定着してきているといえるでしょう。

新しいカークパトリック・モデル

アメリカの経済学者カークパトリック博士が1959年に提案した、研修の効果測定で最も一般的な4段階評価法「カークパトリック・モデル」は、静的から動的なモデルへとチェンジし、日常の仕事での学習機会を意識した評価指標が追加されています。

レベル1(反応):「参加者の満足度」+「エンゲージメント(心からの関与)」「参加者にとっての妥当性」

レベル2(学習):「知識・スキル・態度の習得度」+「自信」「コミットメント」

レベル3(行動):参加者の「行動変容」+「行動を促進するシステム(観察・調整・勇気付け)」

レベル4(成果):「期待成果」+「先行指標」

【出典】2014年ASTD国際大会レポートより 世界の人材開発の潮流を読み解く 見直される「学習の機会」

成長マインドを促すポジティブなフィードバック

組織の中の人間関係は、成長を促すものが好ましいのはいうまでもありません。リーダーシップとフィードバックに関するセッションでは、2万人以上のリーダー対象調査で、効果的なフィードバックは「リーダーシップの効果性」「従業員のエンゲージメント」「リテンション(定着)」のすべてに有効な影響を及ぼすというものでした。

相手の「能力」ではなく「努力」に対して行うポジティブなフィードバックが、相手の成長を促すことにつながるというのは、納得がいくのではないでしょうか。

ASTDとATDについて

ASTD米国人材開発機構は、米国ヴァージニア州アレクサンドリアに本部を置く非営利団体で、「人の成長に関わる知的ネットワーク社会の実現を支援する」という目的で、1944年に設立された訓練・人材開発・パフォーマンスに関する世界最大の会員制組織です。

約100か国以上の国々に約4万人の会員を持ち、その中には2万を越える企業や組織の代表も含まれます。

ASTDは、人材開発・組織開発の分野でコンファレンスやセミナーの開催、出版、認証などを大規模に行い、「ASTD国際会議」は人的資源開発についての世界最大の会議&EXPOとして知られていました。

70年の歴史を持つASTDはその後、グローバル化が進む中、その特性や多様性、さまざまな影響力を反映し、2014年5月ATD(Association for Talent Development)「タレント開発協会」へとブランド変更すると発表しました。

【参考】2014年ASTD国際大会レポートより「世界の人事開発の潮流を読み解く」

ATD2015から探る人材開発の潮流

ASTDからATDへと名称を変更した2015年の国際会議報告会に参加された方のレポートより、その潮流についてお話しします。

セッションカテゴリーから見る変化

2014年からセッション数を大幅に増やした分野は「ラーニングテクノロジー」と「教育設計」「トレーニング提供」という分野だそうです。

「神経科学」ニューロサイエンス単体でのカテゴリーはなく、それでもタイトルや説明に「ニューロ」という単語を含んだセッションが多く確認できたそうです。

ほかのレポートでは、科学的実証を織り込んだ学習方法や人材育成法が多くなり、その傾向はますます強くなっているといいます。

「The Neuroscience of Learning Design」というセッションでは、脳の中のデータドライブの役目を司る海馬のキャパシティ上、人間が1つの事に集中できる時間は、最大20分という知見が紹介されたそうです。1つのまとまりを20分以内にすると参加者が集中して情報を受け取りやすくなるということです。

進化するテクノロジー

展示ホールは見本市のようで、参加者を楽しませるコスチュームなどがあり、テクノロジーを前面に押し出した展示ブースでは、オンライン学習のツールを活用した学習支援ソフトやスマートフォンで使用するモバイルラーニングも見られたそうです。

400を超える展示業者のうち、50近くがモバイルラーニングに関するブースで、今や当たり前となったインターネット世代がこれから、企業や教育の現場に入ってくる時代には、すます学習のあり方が変わっていくだろうと感じたそうです。

まるでSF映画のような風景のウェアラブル端末や、仮想現実の技術を使って遠く離れた人と対面で話しているようなディスカッションができるような未来が語られていたということです。

そのほか、筆者が感じた潮流としては、脳や神経の動きの解明により、さらに効果的な学習方法が開発されているほか、モバイルを駆使した学習コミュニティが生み出され、人材育成にもITが活用されることが当たり前になってきたなどのレポートがみられます。

【参考】Good business Good People「人材開発の潮流は?ATDの概要から探る」
【参考】Be&Do ブログ 最新の世界の人材・組織開発の潮流についてのお話を聞いて。

高度化する人材開発

企業にとって「人」の重要性はいうまでもなく、人材開発による「人」の最大活用が企業戦略の要といってもいいでしょう。多くの企業で推進される変革も社員次第であるといえます。人材開発の重要性が高まる中、経営層や社員ニーズ、それぞれからの要求レベルが向上しています。 ますます必要とされる人材開発をいかに強化していくかは、このようなさまざまな変化について整理し、対応していくことが必要です。

経営層からの要求レベル

経営層からの要求については、以前なら人材開発といえば、長期的な投資という思考が強く、必ずしも短期的成果が出るような教育や研修でなく、むしろ研修の機会の提供そのものへの評価でした。

しかし近年では、長期的投資での人格形成や価値観の共有、また人材交流の場としての重要性は認められながらも、新入社員の早期即戦力化や管理職の表現力やビジョンなど、現在の業務や事業への短期的な成果を求められるようになってきています。

社員からの要求レベル

社員からの要求レベルにも変化がみられます。以前は、同職種、同階層に属する中での一律した施策で満足していたものが、近年、キャリア志向を持つ社員や、ワークライフバランスの浸透により、多様な働き方の実現を求める社員が増えており、そのための支援が潜在的に求められるようになってきています。

考えるべき重要な要素

こうしたことから、人材開発機能の組み立てや立て直しには考えるべき重要な要素が格段に増えています。対象とする社員層、能力開発対象の領域、育成のための手法、そして人材育成の体制というものについて、経営層と社員、双方からの要求レベルに対応するための整理や対応も必要となってきます。

人材開発における教育体系の設計方法

経営戦略に基づいた人材育成を行っていくためには、階層別・職種別・目的別のそれぞれの教育テーマにより教育体系を設計していきます。それは、経営者と教育担当者だけで作り上げるのではなく、現場の上司や社員のニーズを把握したものでなくてはなりません。

PHP人材開発「実践 社員教育推進マニュアル」によるポイントは以下の3つとされます。

教育担当者は教育コンサルタントになったつもりで教育体系をつくる

教育体系はタテ軸・ヨコ軸に何を設定するかで決まる

プロセスを明確にし、スケジュールを立てておくことで確実に推進できる

【出典】PHP人材開発 

教育体系構築の成功ポイントは、教育ニーズの収集です。教育の課題がどこにあるのかを把握し、どのような教育をしていくのかを経営者、現場の上司・社員、長期的・短期的、業務、個人など多角的ニーズに沿って見ていく必要があります。

担当者は、教育コンサルタントの視点で顧客の要望を聞き入れ、追及する気持ちで取り組むことで、それぞれのニーズが活かされた体系で設計していくことができるでしょう。

教育体系設計のプロセス

PHP人材開発「社員教育体系のつくり方」によれば、教育体系の設計は基本的に6つのステップで構築していきます。

【出典】PHP人材開発 

人材開発事例

人材開発を行っている企業の事例をご紹介します。

花王株式会社

花王株式会社(以降、花王)の取り組む人財開発は、花王ウェイ、花王ビジネスコンダクトガイドラインに基づき、全ての花王グループ会社のマネージャーと人財開発担当者が、異動や評価、教育など人材開発の様々なプロセスを有機的に結びつけられた一連のシステムとして、協同して実践することを目的とするとしています。

花王の示す人財開発基本方針は、「ラインによる人材マネジメントが基本」とされ、各級マネージャーが主体となり、花王ウェイを共有し、「自ら実践する人財を現場で育成する」ことです。

人財開発のビジョン

「ありたき組織像」に掲げる「生体機能的組織」とは、人間の体の各器官が一つの刺激に対して素早く自律的に反応することをイメージしているといいます。企業運営についても、同様の行動をとり、状況の把握から意思決定までの距離を短くし、クイックレスポンス・クイックアクションを起こすことを理想としています。

求められる人財像としては、

  • 「挑戦意欲を持ち続け、自らを革新する、危機をチャンスにできる人財」

  • 「役割に応じた高度な専門性を持つ人財」

  • 「世界の多様な発想や技術を学び実践するグローバルな視点を持つ人財」

  • 「個の尊重とチームワークを大切にし、協働により高い成果を生み出す人財」

  • 「正道を歩む価値観を共有できる人材」

としています。

MHPP(マネージング・ヒューマン・パフォーマンス・プログラム)

花王の人財マネジメントプログラムは、組織の運営方針、人財開発基本方針を人材開発部門からのビデオメッセージで社員に伝え、現場での実践につなげています。 パフォーマンスマネジメントの基本プロセスは、「目標設定→観察→コーチ→評価→育成」です。また、花王の独自性発揮と多様性を理解し、現場のマネジメント力がある人材をグローバル・マネジャーに養成していくなどの目的も挙げています。

学習目標の今後の課題として、Off-JTとOJTとの一体化を掲げ、組織と個人の目標を統合、達成することとしています。

研修内容は、個人の目標達成が会社や組織の達成につながるという本質を理解することや、メンバーと協同した目標を設定することとし、初めてマネジメントする社員や、研修未受講の社員を対象とした、コーチング研修やフィードバック面談研修を行っています。

人財の選抜

人財の選抜は、実績評価と多面的人材評価から判断し、将来の経営幹部への登用が期待される人財や経営戦略を担う人財を選抜します。

  • 基幹人財Ⅲ

将来(5~10年目安)の経営幹部候補者 グローバルな視点を持ち業務を革新的に推進する人財。優れたリーダーシップを発揮して部門の運営、メンバーの育成を行う経営幹部候補の人財。

  • 基幹人財Ⅱ

将来(5年目安)の部門長ポジションのサクセサー候補者 部門長のサクセサーとして選抜された人財

  • 基幹人財Ⅰ

将来(3年目安)のリーダー職位候補者 各部門E職ポジションのサクセサー、またはそれに準ずる人として選抜される将来の基幹人財Ⅱの候補に相応しい人財

  • 若手期間人財

20代後半から30才代の人財から最優秀者を選抜 将来グローバル・ビジネスを担える資質・能力を持つ人財 10年を目安にした将来を視野に置いた配置、研修による計画的な育成を全社的に行う必要がある人財 このような区分により、将来を見据えて個々にふさわしいポジションを定め、長期にわたって育成できる人財マネジメントシステムを構築しています。

本人の申告によるキャリア開発

花王では、人財開発部門からの選抜だけでなく本人とその上長による申告でキャリア開発も行っています。

入社時から現在までの職歴、担当業務、達成したことなどの本人申告、上長からの所見、チャレンジしたいこと、身につけたいスキルなどを書面で提出する英語名SeEDS(Self Education & Development Scheme)「キャリアに関する本人申告、上長所見の活用」により、自己アピールによる所見を活用することで、有能な社員をさらにキャリアアップできるシステムもあります。

【参考】PDF資料 花王の人財開発について

株式会社カネボウ化粧品

産業能率大学総合研究所の事例紹介より、株式会社カネボウ化粧品(以下、カネボウ化粧品)の人材育成についてご紹介します。

経営理念と人事育成理念

カネボウ化粧品の経営理念のキーワードは「成長」だといいます。化粧品に保証書はなく、接客担当者こそが保証者だと人事・労務室人材開発グループ統括マネージャーは言います。つまり、接客担当者がカネボウ化粧品の顔であり、企業の代表ということです。

【出典】産業能率大学総合研究所 事例紹介・株式会社カネボウ化粧品のビジョンに根ざした人材育成

接客担当者をはじめ、全従業員が常に勉強し、「成長し続ける企業」を目指さなければならないとしています。人材開発グループでは、変革人材の育成を目的とした人事育成理念として「自由と自己責任」の原則に基づく自律した人材であること、チャレンジし続ける人材の育成を掲げています。

ここでの「自由」とは、社員一人ひとりが現在担っている役割の中で、来期は何をしたいかを自分自身で決めるという意味で、会社側が一方的に決めるものではなく、自己責任で考えるということが、人材育成の観点では非常に重要なことだと話しています。

自己責任で決めた仕事を仮に失敗しても、また立ち上がりやり切ることがセルフマネジメントの考え方だというわけです。

優先されるのは、あくまでも「人」であるとマネージャーは語ります。すべての従業員が日々成長することで、はじめて企業も成長していけるという考えです。「私たち個人はカネボウ化粧品の人間であるまえにビジネスパーソンである」ビジネスパーソンとして個人のキャリアマネジメントをいかに進めるか、これが人材育成のきわめて重要なキーワードだと語っています。

個人のキャリア開発「5ステージ」

組織が求める成果の達成に不可欠だという個人のキャリア開発をカネボウ化粧品では、5つのステージに区分しています。

  • 第1ステージ

新入社員に対して、自分自身の資産価値を向上させる自己のキャリア形成の重要性を「気付かせる」ステップです。

  • 第2ステージ

社内価値向上を図るため、ローテーションで様々な仕事を経験するステージ。入社3年目で全員の転勤を実施し、20代から30代の半ばまでの多様な仕事経験により、自身のキャリアについて考える機会を提供しています。

  • 第3ステージ

社内での人脈を広げ、ひと通りの経験を積んだ35歳をひとつのターニングポイントと定め、市場価値について考えてもらうステージです。 「社内では通用するが、よそでは通用しない」では意味がないので、社外の人と接する機会を積極的に設け、エンプロイアビリティの確保に努めてもらいます。

  • 第4ステージ

45歳から55歳が対象。さまざまな経験を積んできた45歳の社員に、勉強の必要性を感じてもらいます。経験も大切ですが、成長も必要不可欠です。常に上司が勉強し成長する姿勢を部下に見せることが部下からの信頼につながります。 当社では60歳での再雇用制度があります。しかし、定年になってから考えるのでは遅すぎます。

  • 第5ステージ

自己資産の総仕上げを行い、セカンドキャリアを考える場を提供するステージです。

カネボウ化粧品ならではのキャリア形成の考え方でしょうか。男性だけでなく、女性にもわかりやすく丁寧なキャリアマネジメントとなっています。但し、年齢軸はあくまで優良人材をモデルにしているということです。

カネボウ化粧品の研修体系

新入社員を対象とした基本教育は3年続くそうです。初めの1年は養成担当者による研修ですが、この養成担当者も研修を行い、教育者として育てています。カリキュラムは人材開発グループに提出してOJTの強化を図っているそうです。

基本教育では「自律人材育成プログラム」を実施し、自己管理能力、論理的思考力、オープンな議論をする力を養います。 また、上長との評価面接時に人事考課・要件に応じてポイントを発行し、獲得ポイントにより、企業内ビジネススクールをはじめとした各種カリキュラムが受講できる「ポイント型能力開発支援制度システム」を導入しています。

カリキュラムはビジネスパーソン領域とスペシャル領域で構築しており、共通のキーワードとして「将来めざしたいキャリアを持ち、挑戦している人を必ず支援する」ことを掲げているといいます。   「外部教育団体による研修」「自社で運営する研修」「通信研修」の3つのコースがあり、獲得ポイントにより参加できる研修が変わり、参加費用は2割を自己負担するというルールを設定し、途中でやめた場合は全額請求としているそうです。

長期的視点による基幹人材育成研修として、サクセッション・プランを導入し、将来の経営幹部を選抜・育成することを目的に、資質のある人材を早期選出し、社内の重要ポジションをローテーションさせることで、経営幹部として求められる資質、能力、経験、人脈を開拓させるものです。

対象候補は各統括マネージャーが自ら選んだ人材です。この制度には、管理職の重要な責務である「部下を育てる(後任候補者の育成)」行動側面をより強く導き出し、高いマネジメントレベルの発揮を促す効果も望めるとされます。

カネボウ化粧品では基幹人材育成を「経営幹部企業家人材」「マネジメントリーダー」「マネージャー」の3段階で実施しているということです。

【参考】産業能率大学総合研究所 事例紹介・株式会社カネボウ化粧品のビジョンに根ざした人材育成

まとめ

  • 人材開発の目的は、単に人材を育成することでなく、企業戦略の実現のために社員の仕事の質を高めることにある。

  • 人材開発部門の役割として、経営者と社員両方のニーズに沿った組み立てをすることが重要である。

  • 人材開発の取り組みはイベント的なものでなく、プロセスとして捉えるべきである。

  • さまざまな要求により高度化する人材開発機能の組み立ては、ワークライフバランスも視野に入れるべきである。

  • グローバル化や変革していく時代に常に適応するためには、人材開発は企業の重要なマネジメントである。

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