はじめての方はご登録ください(無料)会員登録
search

2018年10月22日(月)更新

ロールモデル

ロールモデルとは、簡単に言えば「お手本となる人物」のことを指します。 本記事では、ロールモデルが持つ役割、メリットや必要性、女性の場合の考え方などについて、わかりやすくご説明します。

ロールモデル に関するビジネス事例や製品の情報を受取る

ロールモデルとは

ロールモデルとは、簡単に言えば「お手本となる人物」のことです。具体的な行動技術や行動事例、考え方などの模範となる人。

多くの人は無意識のうちにロールモデルを選び、憧れたり、まねたり、影響を受けたりしているといわれます。 ロールモデルを設定することで自分が目指す方向性が明確になり、目標を定めて成長することができます。

つまりロールモデルは理想のキャリアを歩むための指針となり、それを参考にすることこそ成功への近道となるのです。 ビジネスパーソンとしてのロールモデルを考える場合は、会社の企業理念の実現を目指すために、企業側がどのようなロールモデルを提示するかも重要なポイントとなります。

ロールモデルの役割

ロールモデルは、人材育成にどのような役割を果たすかを考えてみましょう。 そのポイントは大きく分けて3つです。

1.理想像として

すばらしい働き方や成果を上げている人、つまり「仕事ができる人」として自分が憧れる人物をロールモデルにすることで、仕事に注力するモチベーションにするとともに、自分が目指すべき方向性を設定することができます。 理想像としてのロールモデルを持つことにより、働くうえでの方向性を定めやすくなります。

2.現状認識のために

設定したロールモデルと自分を比較することにより、自分の現状が理想とするものとどのくらい離れているのかが明確になります。

技術や知識、時間の使い方、周囲とのコミュニケーション力、仕事に向き合う姿勢などをひとつひとつ比べてみることで、ロールモデルと自分との能力差を具体的に確認し、その差を埋めてロールモデルに近づくために何が必要なのかが見えてきます。

3.模倣対象として

現状認識ができたら、ロールモデルをお手本に、そのやり方を模倣します。スポーツや武道、日本芸能の世界では、まずは徹底的に師匠・コーチ・監督・名選手といったロールモデルの模倣を行うことが「修行」の基本として重視されています。

模倣によって基礎ができて自分の技量が十分に引きあがったのちに、自己流のスタイルを形成していくのです。 ビジネスの世界でも「模倣」はスキルアップに大きく貢献してくれます。

ロールモデル設定のメリットとは

ロールモデルを設定して活用することは、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

若年層のキャリア開発に影響を与える

ビジネスマンとしての経験が浅い若年層の社員は、得てして与えられた仕事をこなすことだけに必死になってしまい、組織内での自分の役割や将来のキャリア設計などには思いが至らないケースが多いようです。

今与えられている仕事ができるから慢心する、手を抜く。できないから自信喪失する、やる気を失うなど、目先のことだけに囚われてしまい、今後どのようになりたいのか、そのためには今何をすることが必要か、が見えていない状況では、成長は望めません。

しかし憧れるロールモデルがあれば、その人に直接、若いころの働き方・努力したことについて話してもらったり、側聞として若手時代のエピソードを知ることで、若手と呼ばれる今の段階で自分が何をしておくとよいか(人脈を広げる、資格を取る、技術力を上げるなど)が具体的にイメージできるようになります。

若年層がそれぞれのロールモデルを設定できるように促すことで、彼らのキャリア開発に好影響を与えることができます。

所属組織のマイノリティ人材が、向上心を高める鍵になる

女性(保育園のような女性がほとんどの職場での男性)や帰国子女、育児・介護中の人など、組織内で少数派とされる人材層は、どうしても本流外と捉えられがちです。昇進(管理職登用)のチャンスが少ない、活躍の場が見つけられないことから、仕事に対するモチベーションや向上心も保ちにくくなります。

しかし組織内に、自分と似たような立場ながら生き生きと働いて活躍しているモデルロールを見つけることができれば、その人を目標に努力する意欲がわきます。

マイノリティ層にいながら、その人がどのように今のポジションを獲得し、どのような心持ちで仕事に臨んでいるのか、どんな工夫や能力開発をしたのかを知ることが、自分の向上心を高める重要な鍵となるのです。

リーダーシップのひとつのあり方として、周囲に影響を与える

ロールモデルの設定は、若手社員だけに必要なものではありません。たとえば管理職についている人でも、業績を上げ人間関係も円満な部署の管理職をロールモデルにすることにより、今までの部下への接し方が変わったり、仕事の手順や役割分担を改善するなどの工夫点を見出すことができます。

女性の活躍推進に熱心な管理職を、他の管理者たちがロールモデルにして見習うことにより、組織全体の活性化につながっていくケースも見られます。

ロールモデルの活用方法

では実際に、ロールモデルはどのように設定し、活用していけばよいのでしょうか。活用方法の3ステップを見ていきましょう。

step1.ロールモデルの選定

ロールモデルは「お手本になる人物」のことであると前述しましたが、具体的に活用できるビジネスパーソンのロールモデルは、スティーブ・ジョブズや松下幸之助といった手の届かない位置にいる偉人レベルの人物ではありません。

自分の目でしっかりと確認でき、具体的に仕事の手本となり、できれば助言を受けることができる身近な人物が最適です。 自分よりも高いレベルのリーダーシップを発揮している人、学び取りたい行動ができている人、高い技術力・知識のある人など、自分が尊敬できる印象的な人物をロールモデルとして選定します。

srep2.ロールモデルの行動特性を表現する

ロールモデルと定めた人物が、どのような特性を持っているのか分析し、自分の言葉で表現します。漠然と「かっこいい」「あんな風になりたい」と思うのではなく、憧れる行動のポイントをひとつずつ抽出していく作業です。

まずは「スケジュール管理ソフトを駆使し、自分のほかチーム内のスケジュールやタスク、その進捗状況を全員で確認、チェックしている」「部下を褒めるときは人前で。叱る・さとすときは他の人がいない場所で行う」「身だしなみや清潔感に気を付け、常に靴は磨かれ、アイロンのきいたシャツを着ている」など具体的な行動をピックアップ。

次に、それぞれの具体的な行動の元となるコンピテンシー(行動特性)を考えてみます。たとえば「伝達力」「情報収集力」「チームワーク重視」「マナー意識」といったように分類していく作業です。

step3.ロールモデルの行動特性を実行する

STEP2.で挙げた実際の行動のうち、今すぐ実行できそうなものから模倣していきます。 まずは実際に模倣してみることで、ロールモデルがしている行動そのものではなく、行動パターン(行動特性)を学び、身に着けていくというわけです。

STEP2.で考察した特性が正しいかどうかを体感し、修正・強化・補強して、自分のものにしていきます。

ロールモデルの要件

ロールモデルを活用する際、STEP2.で「ロールモデルの行動特性を表現する」とありますが、そのうちどのような行動特性の持ち主が、ロールモデルにふさわしいのか考えてみましょう。

以下の6つの行動特性が、ビジネス上のロールモデルとして選定する人物を見極める際に役立つといわれています。

  • 自身が部下・同僚に求めていることを率先して行い、手本を示している
  • 合意して決めた事象に周囲が従うようエネルギーと時間を費やしている
  • 自分が設定した約束に最後までコミットメントしている
  • 自分の行動が部下・同僚の仕事にどう影響するかを、ほかの人に尋ねている
  • 組織運営をするにあたり、合意形成を行う
  • 自分の有するリーダーシップ哲学を明確にしている

女性の「ロールモデル探し」について

女性の活躍推進は多くの企業の至上命題です。しかし就職後に結婚、出産など働き方を激変させる可能性の高いライフイベントが男性以上に多い女性は、自分のキャリアに多くの不安を抱えながら働いているのが現状です。

しかし、ひと昔前の「仕事か結婚か」の二者択一で仕事を取り、人生すべてを仕事に捧げて出世した女傑は現代のビジネスウーマンのロールモデルにはなり得ませんし、雑誌やテレビに登場するような「仕事も結婚も育児も趣味も120%満喫」的なスーパーウーマンをロールモデルとして提示しても「所詮、能力が違う」「(夫や周囲の理解協力など)環境が違いすぎる」「そこまで期待されてもできない」と受け入れられにくいようです。

できれば同じ組織内に、ロールモデルに設定しやすい女性が見つかればよいのですが、これまで女性登用にあまり力を入れてこなかった企業や、圧倒的に女性の社員数が少ない企業などの場合は、次世代のためにも、ロールモデルそのものの育成からスタートしなければならないケースも多いでしょう。

こうしたことから人材育成担当者は、女性のみを対象とした座談会を開いたり、キャリア形成、ライフワークバランスのとり方などに関する外部セミナーやOJTに参加させるなどして、女性のリーダー育成に注力することが大切です。そうして育成した女性リーダーが、次の世代の女性のロールモデルとなるのです。

ただし、女性だけに限ったことではありませんが、ロールモデルを設定する場合は、キャリア、年齢、さらに育児や介護といったライフワークバランスも加味して、ケース・段階別にこまやかに設定することが大切です。

「ロールモデル」不要論

これまで若手層キャリア開発や人材育成、女性の活躍推進のためにロールモデルを設定し、同時に次世代のロールモデルとなる人材の育成の重要性について解説してきましたが、その一方で「ロールモデルは必要ない」とする考え方もあります。

ロールモデルが不要な理由、新たなロールモデルの設定法について紹介します。

個性が薄れる

特定の人を「目標」として設定した場合、忠実にその行動を模倣するだけでは、その人のコピーと化してしまい、本人自身の個性がなくなってしまいます。

変化の激しいこれからの時代においては「他者との差別化」がポイントとなるのに、ロールモデルを模倣することで均一化された社員ばかりになってしまうのは、デメリットであるという考え方です。

ロールモデルとなる世代と、時代が異なる

通常、ロールモデルに設定する人物は自分よりも年配の場合が多いもの。 しかし、当時と今では時代(状況)が大きく異なっています。

以前は目指すゴールや方向性が、ある程度はっきりとしていて「この人について行って忠実に教えを守ればこうなれる」というように、ロールモデルの歩んだ道を辿ることで目標とする将来像に近づける実感がありました。

ところが現在ではあらゆる環境が複雑化し、刻々と状況は変化していくため「少し前の常識」が「現在の常識」ではなくなってしまいました。

新たな「ロールモデル」を創り出す

それでも将来の目標として、ロールモデルの存在が有効ならば、従来の「ロールモデル」とは違うものを設定すべきでは、という考え方もあります。

個性の消失や時代とのミスマッチを引き起こす「今いる誰かをロールモデルとして設定する方法」ではなく、それぞれに「自分の将来像」を考えさせて、いわばバーチャルな自分だけのローモデルを創り上げていくという方法もそのひとつ。

理想的な働き方をしている自分の将来像を具体的にイメージし、そのために必要な行動特性やキャリア構築を考えて、それを指針として実践していくというものです。

また、だれかロールモデルをひとりに定めるやり方ではなく、複数の尊敬する人物の行動特性の中から、自分にとって有益だと思えるものをピックアップし(逆にマイナス面は反面教師として活用し)、切り貼りするようなやり方でロールモデルを作り上げていく手法もあります。

この方式ならば、想定外のライフイベントによってキャリアプランを大きく変更する必要に迫られたときも、新たに目標とすべきロールモデルの行動特性をプラス(マイナス)して、ロールモデル像を日々アップデートしていくことで、仕事へのモチベーションが保たれます。

仕事人生がある意味、単線だった昔とは違い、複数の選択肢や環境の変化が大きい現代においては、柔軟に変更可能なロールモデルを持つことも、よい考えかもしれません。

まとめ

  • ロールモデルとは「お手本となる人物」のこと。
  • ロールモデルは、将来の目標を定め、自分の現状を認識し、そのために模倣すべき行動特性を示してくれる
  • ロールモデルの設定は、将来を見通すことが難しい若手層だけでなく、マイノリティ人材の向上心UPや、組織全体の活性化に役立つ
  • 女性のロールモデルは、状況や年代に応じた細かな設定と、ロールモデル自体の育成から考えて次世代に繋げることが重要
  • ロールモデルを活用は、選定、行動特性の分析、その模倣の3STEPで進めていく
  • 6つのロールモデルの行動特性を理解する
  • ロールモデル不要とする考え方がある一方、新しいロールモデルの考え方が生まれている

注目のビジネス事例トピックを、逃さずチェック。

大手やベンチャー含め計170,000人以上の会員が利用しています。

BizHint の会員になるとできること

  • 事業運営のキーワードが把握できる
  • 課題解決の事例や資料が読める
  • 厳選されたニュースが毎日届く
  • アプリで効率的に情報収集できる
いますぐ無料会員登録

ロールモデルの関連キーワードをフォロー

をクリックすると、キーワードをフォローすることができます。

キーワードフォローの使い方

人材育成の記事を読む

ビジネス事例や製品の情報を受取る

フォローしたキーワードの最新トピックをトップページに表示します。 フォローはでいつでも変更することができます。
フォローを管理する

目次