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2018年10月28日(日)更新

セルフマネジメント

セルフマネジメントは、労働人口減少で社員一人ひとりの生産性向上が必要とされている背景もあり注目されています。セルフマネジメントによって、感情に左右されず事実を客観的に受け止められるようになると、今やるべきことへの集中力が高まります。それによって目標達成だけでなく、業務効率化やストレスの改善といった効果も期待できます。

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セルフマネジメントとは

セルフマネジメントとは、自分自身を統制して管理することです。仕事の場面で応用すると、目標の達成や、生産性向上、ストレス管理などに役立てることができます。

セルフマネジメントの意味

セルフマネジメント(self-management)を訳すと自己管理となります。自己管理とは自分で自分を統制することです。

その目的は2つあります。1つは肉体や精神をはじめとした自己を安定した状態を維持すること、もう1つはそれらをより良くするために改善を図ることです。こうしたセルフマネジメントの目的に合わせて、その能力を高める、あるいはスキルを身につけることが有効です。

セルフコントロールとの違い

セルフコントロール(self-control)は訳すと自己抑制、つまり自制心となります。自制とは、誘惑や衝動、葛藤にかられたときに自己の欲望や感情を抑えることです。自制心とは自制する心の働きや気持ちのことです。

セルフマネジメントとセルフコントロールの違いは、その目的にあります。セルフマネジメントは自己の状態を維持またはより良くする目的に対し、セルフコントロールは自己の行動や感情を抑制することです。

セルフマネジメントが注目される背景

日本の労働者人口は減少へと向かっており、今後も労働者不足の状態が続くと予想されます。そうしたなか、企業がグローバル社会で生き残り、競争力を高めるためには社員一人ひとりが高いパフォーマンスを発揮して生産力を向上させることが必須になっています。このような背景があり、セルフマネジメント能力を高めることが必要とされ、注目されています。

【関連】「生産性向上」は日本経済の課題!知っておきたい法律や改善方法、導入事例をご紹介 / BizHint HR

セルフマネジメント能力を身につけるメリット

セルフマネジメント能力を身につけて仕事で活かす主なメリットは、以下が挙げられます。

  • 先入観や思い込み、感情に惑わされず、ありのままの事実に基づいた的確な判断ができるようになる
  • 雑念に囚われず、今やるべきことに集中できるようになる
  • 明確な目標立てと、それに必要な具体的な行動をタスク化できるようになる
  • 目標を達成するための行動を継続できるようになる

セルフマネジメントを阻害する原因

日々の仕事で結果を出したいと思っていても、今やるべきことを後回しにしてしまう、行動が続かないといった悩みを抱えている人は多くいます。こうしたセルフマネジメントを阻害する原因にはどのようなものがあるのでしょうか?

ネガティブな感情や思い込みに囚われている

今やるべき仕事に集中できない原因の1つに、ネガティブな感情や思い込みに囚われている場合があります。これはマインドトーク(自動思考)、つまり頭の中で無意識に流れている会話によって作り出されています。そしてそのほとんどが、ネガティブで有害なものです。マインドトークによって、気にかかる出来事を事実とは異なる捉え方をして思い込みを作り上げる、あるいは何気なく言われたことをネガティブに捉えてしまうことで、これらに囚われてしまうのです。

ストレス管理ができない

仕事で様々なストレスを抱える場面は多くあります。これを管理できずにため込んでしまう人は少なくありません。ストレスが起こる理由は、ある出来事に対して自分がどのように認識するかでストレスになるかならないか、またその度合いが決まります。ストレスの原因となる出来事に対して事実をありのまま受け止めることができれば、自己否定や思い込みによってストレスを抱えずに対処できます。

【関連】ストレスマネジメントの意味とは?方法や研修などの事例までご紹介 / BizHint HR

できない自分が許せない

仕事でミスをした時、「自分は何をやってもダメだ」と考えてしまう場合があります。これはできることが当たり前でできないことはダメだという思い込みに原因があります。事実を客観的にとらえると「前回はできた、しかし今回はミスをした」のであれば、この考えは正しい捉え方ではありません。また、できない自分が許せない原因は、セルフトークによってネガティブなことを過大評価し、ポジティブなことは過小評価することにあります。

行動科学の理論をセルフマネジメントに活かす

行動科学は人間の行動を科学的に研究し、体系化した学問です。その理論を基にした行動科学マネジメントの手法を、セルフマネジメントに取り入れる方法が注目されています。その理由についてご説明します。

行動科学マネジメントを活用する理由

行動科学マネジメントは、精神論や経験則ではなく、人間の行動原理に基づいた科学的な手法です。結果を変えるには行動を変えることが必要です。行動を分解してその中から結果に繋がる行動だけを行います。その結果を測定しながら自発的に繰り返すように強化していきます。このように人間の行動に焦点を当てているため、誰にでも活用することが可能です。

よい結果につながる行動をとれるようにする

目標を達成するには、その結果につながる行動をすることが必要です。結果は行動の繰り返しによるものです。そして結果や行動は数値などで見える化することができます。

行動科学マネジメントでは科学的根拠があるものを扱い、数値として計測できるものを信頼します。このような特性をセルフマネジメントに取り入れることで、よい結果につながる行動をとれるようにしていきます。

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セルフマネジメント能力を高める方法

仕事において目標を達成するには、セルフマネジメント能力を活かしてよいパフォーマンスを発揮することが大切です。そのためには、明確な目標を立て、行動を具体化して継続することが大切です。ここではセルフマネジメント能力を高める方法についてご紹介します。

目標を明確にする

達成すべき目標が曖昧では、自発的に行動を起こすことはできません。例えば目標が「年収をアップする」といった曖昧な場合は、自分をとりまく理想の環境と、そこで何をどうしたいのかをイメージし、そこから具体的な目標に置き換えていきます。そうすると、「年収アップには年度末の評価を上げる必要がある。そのために毎月の売上目標を達成する」といった目標になります。また、達成まで行動を継続することが現実的に可能な目標を設定しましょう。

具体的な行動に落とし込む

明確な目標を立てたら、達成に必要な具体的な行動に落とし込みます。例えば、今月の売上目標額を達成するためには何件の成約が必要なのかを割り出せば、何件の商談が必要なのかが分かるので、やるべき具体的な行動が見えてきます。こうしてより具体的に行動を書き出します。

具体的な行動の判断目安としては、次のMORSの法則を活用します。行動に落とし込む時は、はじめのうちは、行動を継続して習慣化するために、ハードルを下げて行動しやすくすることが大切です。また、行動できる環境を自ら工夫して整えることが必要です。

【「MORSの法則」に基づいて行動する】

行動は行っているイメージが湧かないと実行に繋がりません。そこで具体的な行動をMORSの法則に基づいて点検してみると、内容の問題点がより明確に分かります。MORSの法則は行動科学マネジメントで用いられる手法で、以下の4つの要素の頭文字をとったものです。

  • Measurable=計測できる (数値化など前後を比較して効果を計測できる)
  • Observable=観察できる (行動による変化を客観的に見られる)
  • Reliable=信頼できる (確かなものとして信じられる)
  • Specific=明確化された (はっきりしていて間違いや疑問の余地がない)

例えば、毎月の売上目標達成のために「製品知識を深める」という行動を決めた場合、「深める」度合いが分かりません。そこで、「深める」を数値化して「毎日3商品の製品知識を覚える」とすると、行動がより具体的になります。この法則を満たすことで曖昧さを排除して即実行可能な行動にすることができます。

行動に対する報酬が次の自発的な行動を生む

行動を継続するには、行動に対する報酬、つまり達成感や満足感も大切です。報酬で最も効果的なのは褒めることです。それによって「自分はできる」という達成感を得ることで、行動へのストレスや不安を減らし、精神的な安定やモチベーションを高める効果もあります。

報酬による達成感や満足感は次の自発的な行動に繋がります。自分へのご褒美の買い物や旅行など金銭的な報酬には上限がありますが、褒めることはコストが掛からず続けやすいというメリットもあります。

「マインドフルネス」で事実をありのままにとらえる

先入観や思い込みを作り上げるマインドトークによって、挫折や失敗を招くことも少なくありません。例えば、「今日8個のタスクを処理する予定だったが、5個しかできなかった。自分はダメだ。」と捉えていたとします。事実のみ抜き出せは、「今日行う予定の8個のタスクのうち5個を処理した。」となります。

事実を客観的に捉えることで次に取るべき行動が見えてきます。先入観や思い込みといった心理状態から抜け出すには、事実をありのまま客観的に捉えることが重要です。そのためにはマインドフルネスを行って、今や現実にフォーカスできるようになることが有効です。故スティーブ・ジョブスをはじめ多くの成功者やgoogleの研修にも活用されています。

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「実況中継」で今やるべきことに集中する

今やるべきことに集中するための方法に、実況中継があります。これは、自分が今行っている行動の一つひとつを言葉にして頭の中で実況中継するのです。例えば、「椅子に座りました。ノートパソコンを開きました。電源ボタンを押しました。パスワードを打ち込みました。……」というように行います。

ポイントは、行動だけを客観的な言葉にすることです。これによって今の現実だけを意識して、頭に浮かんでくるマインドトークを排除することができます。「隣の同僚キーボードをたたく音がうるさい」、あるいは「今朝部長に言われたあの一言に腹が立つ」といったマインドトークによるネガティブな感情がなくなれば、周りの環境や感情に行動が左右されなくなります。こうして行動に対する集中力が高められると生産効率も向上します。

「自己効力感」でパフォーマンスを高める

自己効力感とは、行動に対して「自分はできる」という期待や自信を持つことができることです。この自己効力感は行動に対して大きな影響を与えます。自己効力感が生まれる主なきっかけとして、以下が挙げられます。

  • 過去に自分が同じ行動もしくは似ている行動でうまくいった(成功した)経験がある
  • 自分はその行動の経験はないが、他人がその行動でうまくいった経験を見て、自分にもできそうだと思う
  • 自分はその行動に対して自信がないが、他人から「あなたならできる」と言われてできそうだと思う

行動するときには、こうした要素を意識して自己効力感を高めることが効果的です。この中で一番効果的なのは、自己の成功体験です。例えば過去に新規顧客を1か月で3件獲得できていたら、今月も獲得できそうだと自信が持て、積極的に行動できます。また、成功体験を積み重ねていくと、行動を起こしやすくするだけでなく自発的な行動とパフォーマンスが高まって結果に繋がりやすくなります。

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挫折や失敗を引きずらないための「3つのスタンス」

行動のなかには、挫折や失敗をしてしまうこともあります。この場合、いつまでも引きずらずに気持ちをリセットして、行動を仕切り直すことが大切です。そのために必要な、挫折や失敗の理由を分析する時には、以下の3つのスタンスで行うと効果的です。

感情的にならず論理的に
主観的でなく客観的に
抽象的ではなく具体的に
【引用】人生を変える行動科学セルフマネジメント/石田 淳

例えば、英語力を高めてTOEICの目標点数を達成するために、毎日1時間の自己学習を2か月続けたものの、継続が途切れてしまったとします。このとき、「自分はもうだめだ」と挫折感を抱くのではなく、途切れた理由を客観的な視点で論理的に考え、具体的な言葉で書き出してみましょう。

その理由に応じて、継続できる環境を整える、あるいは行動自体を見直すなど、行動を継続するための対策を立てることが必要です。

「今日よかったこと」を記録して「できる」自分を実感する

1日の仕事の終わりに、あるいは寝る前に、今日よかったことを書いて記録しましょう。手帳の片隅に書くなり、別にノートを用意してもよいでしょう。大切なのはよかったことだけを書くことです。よかったことの例えとしては、「契約を1件取れた」「今日のタスクを全部こなせた」「今日は仕事中イライラしなかった」などです。特に思い当たらない場合は、「おいしくご飯を食べられた」「朝気持ちよく目覚めることができた」「クライアントとの約束の時間を守れた」など普段当たり前と思っているよかったとことを、よかったことと意識することも有効です。

よかったことを書くことで、「今日はよい1日だった」と思える理由の根拠になります。また、継続することにより、出来事や行動のよいところを意識できるようになって積極的に有益な行動が増えていく効果もあります。

セルフマネジメントに役立つツール

セルフマネジメントの強い味方として、ツールを活用することも有効です。ここでは、ツールの活用によって期待できる効果についてご紹介します。

「チェックリスト」を活用して行動を習慣化する

チェックリストは仕事や個人のタスク管理にも用いられますが、セルフマネジメントにも有効なツールの1つです。活用する目的は、よい行動を習慣化して目標を達成することです。チェックリストを作成するときのポイントは、以下が挙げられます。

  • 目標達成に繋がる具体的な行動だけを項目にする
  • 慣れるまでは、出来て当たり前な行動も項目化して行動を習慣化する
  • 慣れてきたら必要に応じて項目を見直し、項目の追加、修正、削除といった改善を行う

チェックリストの例として、レストランの売上を伸ばしているアルバイトの行動を項目化したチェックリストをご紹介します。特に売上に繋がる行動は上司、アルバイト共に重視して行動することがより効果的です。

【出典】「あら探し」ではなく「良いとこ探し」のために、チェックリストを活用しよう / 行動科学マネジメント入門 / ダイヤモンド・オンライン

チェックリストを活用して、行動した項目にはチェックを手書きで入れることで、「行動できた」という達成感になります。チェックリストを継続して達成感を積み重ねることが、行動を継続する大きな原動力になります。

また、チェックするたびにリストを目にすることで、やるべき行動への理解が深まり、それに伴って項目を改善していくことで、目標達成に繋がる行動の精度が上がります。

「サンキューカード」で社内コミュニケーションをよくする

目達を達成したいと思う理由には、「自分の価値を自分自身が認めたい」という気持ちがあります。サンキューカードを書くことで、この気持ちを実感できる機会を多くつくることは、目標達成にも有益な方法です。

サンキューカードとは、「○○さん、仕事をサポートしてくれてありがとうございます。とても助かりました」「○○さん、いつも笑顔であいさつしてくれてありがとうございます、気持ちよく仕事をスタートできました」といった、相手に感謝の気持ちを伝えるためのツールです。サンキューカードを書くことで得られる効果には、以下が挙げられます。

  • 相手のよい所に意識がいくようになると、出来事や自分のよい所にも意識がいくようになる
  • 人のよい所に意識が行くようになると、嫌い・苦手といった人間関係の思い込みをなくすきっかけになる
  • 人に感謝されることで自分の価値を実感できる機会が増えて自己評価が上がり、目標達成への意欲や行動が促進される

セルフマネジメント以外にも、社内コミュニケーションが活発になって職場の雰囲気が良くなるなどの効果があります。このようにストレスの大きな原因になりやすい人間関係の改善にも繋がります。

【関連】社内コミュニケーション活性化の方法と事例をご紹介! / BizHint HR

セルフマネジメントを学べる本のご紹介

仕事で成果を出すことが求められている現代社会において、セルフマネジメント能力を身につける重要性は高まっています。そこで、行動科学マネジメントに基づくセルフマネジメント方法について学べるおすすめの本をご紹介します。

人生を変える行動科学セルフマネジメント/石田 淳

行動科学マネジメントの専門家である石田 淳氏による本書は、行動科学マネジメントの手法をセルフマネジメントに活用することがなぜ有効なのか、その理由と方法について書かれています。石田氏がプロローグで述べている以下の文章に、本書の目的が集約されていると言えます。

本書で目指すのは、「意思が強い自分」に変わるのではなく、「結果が出せる自分」に変わることです。意志の強さで行動を起こせる人になるのではなく、行動が導き出した結果によって意志をコントロールできる人になるということです。

【引用】人生を変える行動科学セルフマネジメント/石田 淳

【参考】Amazon.co.jp/人生を変える行動科学セルフマネジメント(石田 淳)

まとめ

  • セルフマネジメントとは、健全な肉体や精神を維持したり、さらに良くするために改善する目的で自己を管理することです。
  • セルフマネジメントが注目される背景には、労働人口減少に伴い、企業競争力強化のために社員一人ひとりの生産力向上が欠かせなくなっていることもあります。
  • 行動科学マネジメントの手法をセルフマネジメントに活用するメリットは、精神論や経験則ではなく人間の行動原理に基づいた科学的な手法のため、誰にでも活用できることにあります。

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